目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 介護TOP
  3. コラム(介護)
  4. 介護サービスのショートステイとは?利用条件から料金、流れ、注意点まで徹底解説

介護サービスのショートステイとは?利用条件から料金、流れ、注意点まで徹底解説

 公開日:2026/01/27
介護サービスのショートステイとは?利用条件から料金、流れ、注意点まで徹底解説

在宅介護を続けていると、「数日でいいから休息を取りたい」「急な用事で家を空けなければならない」などの場面に直面することがあるでしょう。

そのような時に役立つのがショートステイ(短期入所生活介護)です。しかし、初めての利用では「費用はいくらかかるのか」「利用条件は何なのか」などの制度面の疑問に加え、「本人が嫌がらずに行ってくれるだろうか」「施設でトラブルを起こさないか」と心配する方も少なくありません。

この記事では、ショートステイの仕組みや利用条件、料金の目安、申し込みの流れを解説します。また、利用期間の注意点やほかのサービスとの違いにも触れます。

必要なときに安心してサービスを活用し、無理なく在宅介護を続けるための参考にしてください。

小田村 悠希

監修社会福祉士
小田村 悠希(社会福祉士)

プロフィールをもっと見る
・資格:社会福祉士、研修認定精神保健福祉士、介護福祉士、福祉住環境コーディネーター2級
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。

介護サービスのショートステイ(短期入所生活介護)とは

介護サービスのショートステイ(短期入所生活介護)とは

ショートステイ(正式名称:短期入所生活介護)は、要介護者が特別養護老人ホームなどの施設に短期間入所し、食事や入浴、排泄(はいせつ)など日常生活の支援や機能訓練を受ける介護サービスです。

ショートステイの大きな目的は、ご本人の心身機能の維持と、日々の介護を担うご家族の休息(レスパイトケア)を確保することです。介護者の病気や冠婚葬祭などのやむをえない事情だけでなく、介護疲れを防ぎ精神的なゆとりを取り戻すために、定期的に数日間利用するケースも珍しくありません。

1泊2日の短期利用から連続した滞在まで、状況に合わせて柔軟に活用できます。住み慣れた自宅での生活を長く続けるための、頼れるサービスの1つです。

ショートステイの基礎知識

ショートステイの基礎知識

ショートステイを計画的に利用するためには、施設の種類や費用、日数制限などのルールを正しく把握しておく必要があります。
ここでは、申し込みの前に押さえておきたい基礎知識を解説します。

ショートステイを利用できる施設

ショートステイを提供している施設は、利用する方の状態や目的に応じて大きく2種類に分けられます。

  • 短期入所生活介護(一般型)
  • 短期入所療養介護(医療型)

短期入所生活介護(一般型)は、特別養護老人ホームなどに併設されており、生活支援や機能訓練が中心です。日常生活が安定している方が主な対象です。

一方、短期入所療養介護(医療型)は、介護老人保健施設(老健)や病院などで提供されるサービスです。医師や看護師による医療的ケアやリハビリが充実しており、医療処置が必要な方にも対応できる体制が整っています。

一般型を利用するケースが多いものの、雰囲気や設備は施設によって異なります。事前に見学し、ご本人に合う環境かどうかを確認するとよいでしょう。

ショートステイの利用条件

ショートステイを利用するには、原則として要支援1・2または要介護1〜5の認定が必要です。

要支援1・2の方は介護予防短期入所生活介護、要介護1〜5の方は短期入所生活介護または短期入所療養介護を利用します。認定を受けていれば制度上は利用可能ですが、現場では医療処置の有無が受け入れの大きな判断基準です。

例えば、インスリン注射やたんの吸引などが必要な場合、夜間の看護体制によっては対応できず、受け入れを断られるケースがあります。医療処置が欠かせない方は、ケアマネジャーに医療対応可能な施設を探してもらいましょう。

利用期間の条件

ショートステイは在宅生活を支えるためのサービスであるため、利用期間には以下の明確なルールが設けられています。

  • 連続利用は30日まで
  • 認定有効期間の半数まで

連続して利用できるのは最長30日間です。31日目以降は介護保険が適用されず、全額自己負担となるため、長期になる場合は一度帰宅するか、実費利用を検討します。

また、認定期間(例:6ヶ月)の半数(例:3ヶ月)を超えない範囲での利用が目安です。やむをえない事情で長期利用が必要な場合は例外が認められることもあるため、事前に相談しましょう。

ショートステイの利用料金の目安

ショートステイの料金は介護サービス費(1~3割負担)食費滞在費(居住費)を加えた額です。
1日あたりの自己負担額(1割負担)の目安は以下のとおりです(令和7年12月現在)。

費用の内訳 目安(1日あたり)
基本料金(要介護1~5) 約600~1,000円
食費 1,445円
滞在費(居住費) 多床室:約440~920円
個室:約1,230~2,070円
合計目安 3,000~5,000円程度

※上記に加え、職員の配置体制やリハビリの実施状況などに応じた加算が別途かかります。
参照:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)をもとに概算

低所得の方には、食費と滞在費の負担を軽減する特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)という制度があります。費用を抑えられる可能性があるため、自治体の窓口で確認してみましょう。

介護保険給付内で利用する場合の利用可能日数の目安

介護保険には、要介護度ごとに1ヶ月間に利用できる金額の上限(支給限度基準額)が定められています。この上限金額までは1割〜3割の自己負担で利用できます。
ショートステイのみを利用して上限金額を使い切ると仮定した場合、利用できる日数の目安は以下のとおりです。

要介護度 利用可能日数の目安(月あたり)
要支援1・2 4日~10日程度
要介護1・2 16日~20日程度
要介護3~5 27日~30日程度

参照:『介護報酬ハンドブック』(シルバー産業新聞社)をもとに概算

実際には、訪問看護やデイサービスなどほかのサービスと枠を分け合うため、ショートステイに使える日数はこれより少なくなります。限度額を超えた分は全額自己負担に変わるため、ケアマネジャーと全体のバランスを調整することが欠かせません。

ショートステイとほかの介護サービスとの違い

ショートステイとほかの介護サービスとの違い

ショートステイ(短期入所生活介護)と名前や内容が似ているサービスに、短期入所療養介護やデイサービスがあります。

これらは目的や提供されるケアの重点が異なるため、ご本人の状態やご家族の事情に合わせて適切に使い分けることが必要です。

ここでは、それぞれのサービスとの違いや、選び方を解説します。

短期入所療養介護との違い

ショートステイ(生活介護)と短期入所療養介護の大きな違いは、医療ケアとリハビリの充実度です。

生活支援を中心とするショートステイに対し、療養介護は医療的ケアが手厚い特徴があります。主な違いは以下のとおりです。

比較項目 短期入所生活介護
(ショートステイ)
短期入所療養介護
(医療型)
主な目的 生活支援、家族の休息 医療的ケア、在宅復帰リハビリ
医療体制 看護職員の配置はあるが、夜間不在の場合も 医師・看護師が常駐し手厚い
主な施設 特養、有料老人ホームなど 老健、病院など

褥瘡(じょくそう)の処置が頻繁に必要な方や、退院直後で体調管理に不安がある方には、医療体制の整った療養介護が適しています。

デイサービスとの違い

ショートステイとデイサービス(通所介護)は、宿泊の有無と利用目的に明確な区別があります。

ショートステイは宿泊を伴いますが、デイサービスは日帰りの利用が基本です。それぞれの特徴を比較しました。

比較項目 ショートステイ デイサービス
(通所介護)
滞在形態 宿泊あり(1泊~数週間) 日帰り(朝~夕方)
主な目的 家族の休息、短期間の入所 日中の活動確保、孤立感の解消
利用シーン 冠婚葬祭、家族の旅行・病気など 生活リズムの維持、入浴支援など

実際の在宅介護では、平日はデイサービスに通ってほかの方と交流し、週末や介護者が休息を取りたいタイミングでショートステイを利用するなど、両方をうまく組み合わせて生活を維持するケースが一般的です。

介護サービスのショートステイを利用する流れ

介護サービスのショートステイを利用する流れ

ショートステイは即日利用できず、事前の調整や契約手続きが必要です。
特に初回は準備に時間がかかるため、早めの行動が大切です。ここでは、相談から利用開始までの流れを解説します。

事前の状態確認

まずは担当のケアマネジャーに相談することからスタートします。
施設側は安全に受け入れられるかを判断するため、ケアマネジャーを通じてご本人の詳細な情報を伝えます。伝える内容は以下のとおりです。

  • 利用したい理由と希望日程
  • 現在の健康状態(食事、排泄、移動など)
  • 医療処置の有無や内服薬の種類

ここで重要なのは、状態を正直に伝えることです。

「暴言や徘徊(はいかい)があると断られるかもしれない」と不安になり情報を隠してしまうと、利用時に対応しきれずトラブルになり、結果として利用継続が難しくなる可能性があります。

ご本人に合った施設を選ぶためにも、正確な情報を共有することが長く利用するためのコツです。性格や好みを伝えておけば、施設側も受け入れやすい環境を整える工夫がしやすくなります。

施設の予約

利用施設が決まったら、日程を予約します。
ショートステイは需要が高く、希望する日に必ず予約が取れるとは限りません。特に以下の時期は混み合う傾向にあります。

  • ゴールデンウィークや年末年始
  • お盆などの連休期間
  • 週末(金曜入所、月曜退所など)

人気の施設や個室ユニットなどは、2~3ヶ月前から予約が埋まっていることも珍しくありません。

冠婚葬祭などの予定がわかっている場合は、早めに枠を確保しましょう。希望の施設が満床でも、近隣施設の空き状況を探せる場合があるため、あきらめずに相談しましょう。

利用申し込みと緊急時の取り決め

予約枠の確保後、施設担当者との面談と契約手続きを行います。
自宅で行われる面談では、スタッフが生活リズムや注意点を聞き取りますが、特に重要なのが緊急時の対応の取り決めです。具体的には以下の内容を明確にします。

  • 連絡の優先順位(誰に最初に連絡するか)
  • 夜間に急変した場合の搬送先(かかりつけ医か、救急車か)
  • 看取(みと)り期にある場合の延命治療の方針

これらを明確にしておくことで、滞在中に体調急変や事故が起きても、施設側は迷わず適切な対応をとることができます。契約書の内容を確認し、署名・捺印を行えば申し込み完了です。

持参品の用意

利用日が近づいたら荷物を準備します。
施設により異なりますが、一般的に必要な持ち物は以下のとおりです。

  • 衣類・下着(宿泊数+予備1組)
  • 洗面用具・日用品(歯ブラシ、コップ、上履きなど)
  • 内服薬・お薬手帳(滞在日数分+予備)
  • 介護保険証などの書類(コピーまたは原本)

現場でトラブルになりやすいのが、衣類の紛失と薬の管理です。
集団生活では洗濯時にほかの方の衣類と紛れてしまうため、タグや靴の内側などわかりやすい場所にフルネームで記名してください。

また、薬は「朝・昼・夕」ごとに1回分ずつまとめる一包化に加え、袋に服用する日付が印字されていると、現場スタッフが迷わずに配薬できます。一包化には医師の指示が必要なため、受診時に医師に依頼するか、薬局で「ショートステイのため一包化したい」と相談して確認をとってもらいましょう。

ショートステイ利用の注意点

ショートステイ利用の注意点

ショートステイは便利な反面、制度の仕組みを理解していないと、想定外の高額請求につながる可能性があります。
長期利用でトラブルにならないよう、特に注意すべきポイントを解説します。

連続30日超・認定期間の半分超の利用は注意が必要

利用制限を超過した場合、費用負担が大きく増大します。注意すべきケースは以下の2つです。

  • 連続30日を超えた場合
  • 認定期間の半数を超えた場合

連続30日を超えると、31日目以降にかかる費用がすべて全額自己負担(10割負担)に変わります。

また、要介護認定の有効期間(半年や1年など)の半数を超えていないかも調べましょう。例えば有効期間が6ヶ月の方なら、その半分の約3ヶ月が利用の上限目安です。これを超えると在宅生活の維持という目的から外れるとみなされ、介護保険が適用されない可能性があります。日数の管理はケアマネジャーと相談して行ってください。

月をまたいでも利用日数がリセットされることはない

誤解しやすいのが、「月が変われば日数はリセットされるのか」という点です。
介護保険の支給限度額(お金の枠)は毎月1日にリセットされますが、連続利用日数(30日ルール)は月をまたいでもリセットされません

例えば、8月15日から利用し始めた場合、月が変わってもカウントは続き、9月14日で31日目を迎えます。この日以降は全額自己負担です。
カウントをリセット(ゼロに戻す)するには、一度退所して自宅などで過ごす必要があります。

やむを得ず利用期間を超える場合は届出書が必要

家族の入院で介護者が不在になるなど、やむをえない事情で長期利用が必要になるケースもあります。

認定有効期間の半数を超えて利用する場合、ケアマネジャーを通じて自治体に理由書などの届出を提出しなければなりません。正当な理由として認められれば、例外的に期間を超えても介護保険を利用できる場合があります。自己判断せず、事情が変わった時点ですぐに相談してください。

まとめ

まとめ

ショートステイは、介護者の休息やご本人の機能維持を目的に、短期間施設に入所できるサービスです。利用にあたっては、ケアマネジャーへの相談から始まり、施設見学、契約、持参品の準備へと進めていきます。

利用料金は介護度や施設形態によって異なりますが、30日を超える連続利用や認定有効期間の半数を超える場合には確認をしましょう。一方で、負担限度額認定などの制度を活用すれば、費用を抑えられる場合もあります。

在宅介護を長く続けるためには、無理をせず、適切なタイミングで周囲の手を借りることが大切です。初めての利用では「嫌がらないか」「トラブルにならないか」と心配になるかもしれませんが、短期間からの試用、施設との情報共有によって、少しずつ不安を軽減できます。

ショートステイの利用を検討する際は、まずは担当のケアマネジャーに相談し、ご本人とご家族に合ったプランを立てていきましょう。

この記事の監修社会福祉士