デイケアを検討しようと思ってもどの程度のリハビリを受けられるのか、自分や家族が対象になるのかがわからず、選択肢に入れにくいと感じる方は少なくありません。
また、デイケアとデイサービスの違いがわかりにくく、どちらを選べばよいのかわからないと迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、デイケアで行われているリハビリの内容や対象となる方の特徴をわかりやすく解説するとともに、デイサービスとの違いについても丁寧に整理します。
ご本人やご家族に合ったサービスを選ぶためのヒントとして活用できます。
プロフィールをもっと見る
【経歴】
理事長 高山 哲朗
平成14年慶應義塾大学卒業
慶應義塾大学病院、北里研究所病院、埼玉社会保険病院等を経て、
平成29年 かなまち慈優クリニック院長
【所属協会・資格】
医学博士
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本医師会認定産業医
東海大学医学部客員准教授
予測医学研究所所長
デイケアで行うリハビリの特徴

デイケアについて教えてください。
デイケアとは、できる限り自宅で自立した日常生活を続けられるよう、通所リハビリテーションを利用して身体機能の回復や維持を目的とするサービスです。医師の管理のもと、理学療法士や作業療法士などが、一人ひとりの身体状況や生活課題に合わせたリハビリを行います。日常動作の改善や体力の低下予防を目指し、無理のないペースで継続できる点も特徴の一つです。
デイケアで行うリハビリの提供内容について教えてください。
デイケアでは、利用者一人ひとりの身体状況や生活課題に合わせたリハビリが行われます。内容はケアプランをもとに体力や筋力の向上を目的とした訓練をはじめ、歩行が不安な方には歩行訓練など、基礎的な動作の改善から段階的に進めていくのが一般的です。 そのほか、日常生活動作の練習やバランス訓練を取り入れる場合もあります。また、必要に応じて言語機能の回復訓練や嚥下訓練が行われることもあります。これらのリハビリは、理学療法士や作業療法士などが利用者の状態を評価し、提供する仕組みです。
デイケアのリハビリを受けるまでの流れを教えてください。
デイケアを利用するには、いくつかの手続きが必要です。まず担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談し、利用に向けた全体像を確認します。あわせて、市区町村の窓口で要支援・要介護認定の申請を行う流れです。認定後は、利用を検討しているデイケア施設の見学や相談を進め、主治医に診断書やリハビリの指示書の作成を依頼します。これらの情報をもとに担当者会議が開かれ、利用の可否や具体的なリハビリ内容が検討されます。その後、利用が決定すれば施設と契約を結び、デイケアの利用開始となるのです。申請から利用開始までにかかる期間は状況によって異なり、早くても2週間以上を必要とするケースも少なくありません。
デイケアの対象者や選び方

リハビリなどでデイケアを利用できる対象者を教えてください。
デイケアは、要介護認定を受けている高齢の方が主な対象です。日常生活の維持や身体機能の回復を目的として、通所でリハビリを受けたい方に利用されています。一方40歳から65歳までの方については、要介護認定を受けていても、加齢に伴う病気では利用できません。利用の対象となるのは、介護保険で定められた16種類の特定疾病が原因となっている場合に限られます。対象となるかどうかの判断に迷う場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると安心感が得られます。
デイケア施設の選び方を教えてください。
デイケア施設を選ぶ際は、利用する目的や受けたいリハビリ内容を明確にしたうえで検討することが重要です。あわせて、送迎の対応範囲やスタッフの専門性、施設全体の雰囲気にも目を向け、実際に見学して確認すると安心感を持てます。さらに、リハビリの実施頻度や1日の過ごし方が自分の生活リズムに合っているかどうかも、選択時の大切なポイントです。無理なく通い続けられるか、休憩時間や食事の内容なども含めて確認しておくと、利用開始後のギャップを防ぎやすくなります。判断に迷う場合は、ケアマネジャーに相談し、複数の施設を比較しながら検討することも一つの方法です。
デイケア利用に向いている方を教えてください。
デイケアは、リハビリを通じて身体機能の維持や向上を目指したい方や、寝たきりを予防したい方に向いています。あわせて、医師の指示のもとでリハビリを受けるなど、医学的な管理が必要な方にも適したサービスです。退院後のリハビリを継続したい方や、日常生活動作の改善を目指して専門的な支援を受けたい方にも利用されています。一方で、レクリエーションや人との交流を主な目的とする場合は、デイサービスのほうが合っているケースもあります。どのサービスが適しているかは、現在の身体状況や生活の困りごとによって異なるため、迷ったときはケアマネジャーに相談しご本人やご家族が納得できる選択をすることが大切です。
デイケアと訪問リハビリは併用しても問題ないでしょうか?
デイケアと訪問リハビリは、条件を満たしていれば併用が可能です。自宅での日常生活動作の改善が必要な方や、段階的に身体機能の回復を目指したい方の場合、ケアマネジャーの判断によって併用されるケースも見られます。施設では専門的なリハビリを受け、自宅では実際の生活動作に即した訓練を行うなど役割を分けて支援を受けることで、回復までの期間が短くなることも期待できるのです。一方で、通所と訪問の両方を利用することで身体・精神的な負担が大きくなる可能性もあります。体調や生活リズムに合わないまま進めてしまうと、かえって疲労が蓄積してしまうこともあるため注意が必要です。そのため併用を検討する際はケアマネジャーと十分に相談し、利用頻度や曜日、リハビリ内容を調整しながら無理のない計画を立てることが大切です。
デイケアとデイサービスとの違い

デイケアとデイサービスで目的の違いはありますか?
デイケアは、医師の管理のもとでリハビリを行い、身体機能の回復や維持を目的とするサービスです。機能改善や専門的なリハビリを重視したい場合に選ばれます。一方デイサービスは、食事や入浴などの日常生活の支援や、利用者同士の交流を主な目的としています。楽しみや社会参加を重視したい方に向いているサービスといえるでしょう。どちらを選ぶかは、利用する目的によって異なります。ケアマネジャーと相談しながら、何を優先したいのかを整理したうえで選択することが大切です。
デイケアとデイサービスの費用に違いはありますか?
デイケアとデイサービスでは、提供される内容の違いから費用にも差があります。専門的なリハビリを受けられるデイケアのほうが、1日あたりおおよそ200〜300円程度高くなる傾向が見られます。 また利用回数や加算内容によっても自己負担額は変わるため、事前に確認しておくと安心感が持てます。一方で費用をできるだけ抑えたい場合や、リハビリによってどこまでできるようになりたいかといった目標がある場合には、ケアマネジャーに希望を伝えておくことが重要です。条件を整理することで、納得のいく利用プランを立てやすくなります。
デイケアとデイサービスはどのような基準で選べばよいですか?
デイケアとデイサービスのどちらを選ぶかは、利用する目的を明確にすることが大切です。リハビリによる身体機能の回復や維持を重視したい場合はデイケア、日常生活の支援や交流を中心に利用したい場合はデイサービスが向いています。判断に迷ったときは、現在の身体状況や生活上の課題を整理し、ケアマネジャーに相談してみましょう。専門的な視点からアドバイスを受けることで、適したサービスが見えやすくなります。実際に施設を見学し、雰囲気やスタッフさんの対応、通いやすさなどを確認したうえで選ぶことが重要です。ご本人やご家族が納得できることが、継続利用につながります。
編集部まとめ

デイケアやデイサービスを選ぶ際は、どのような生活を送りたいのか、どこまでできるようになりたいのかを明確にすることが重要です。目的を整理したうえでケアマネジャーに相談することで、サービス選びだけでなく、その後の生活の質にも大きく影響します。
後悔のない選択をするためには、説明を受けるだけで判断せず、実際に施設を見学して雰囲気やリハビリ内容を確認することが大切です。わからない点があれば、そのままにせずケアマネジャーに相談し、ご本人やご家族が納得できるまで話し合いましょう。