親の介護が必要になったら何をする?準備のポイントや注意点も解説

親の介護を考える際に、何から始めればよいかわからない方もいるのではないでしょうか。
必要な支援を組み合わせながら、親も家族も安心して過ごせる環境づくりを目指しましょう。
本記事では親の介護について以下の点を中心に紹介します。
- 親の介護が必要になったときの流れ
- 親の介護に向けて準備しておきたいこと
- 親の介護における注意点
ぜひ最後までお読みください。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
親の介護が必要になったら最初に考えるべきこと

親の介護が必要になったときの大まかな流れを教えてください
①相談
自治体の窓口や地域包括支援センター、主治医に相談し、介護が必要かどうかや利用できる支援内容を確認します。
②要介護認定を申請する
介護保険サービスを利用するため、役所の担当窓口などで要介護認定を申請します。
③介護度の認定を受ける
要支援や要介護の区分が決まった場合、区分に応じて利用できる介護サービスの範囲が明確になります。
④ケアプランを作成する
本人や家族の希望、生活環境に合わせた介護計画(ケアプラン)が立案されます。
⑤介護サービスを開始する
作成したケアプランに基づき、在宅介護や施設利用などの介護が始まります。
親の介護が必要になる主なきっかけを教えてください
次いで、高齢が要因の衰弱とされています。
一方で、要介護では、認知症や脳血管疾患が主な原因として挙げられ、高齢期に限らず若い年代で発症する可能性もあり、年齢だけで介護の必要性を判断できない点が特徴です。
また、骨折や転倒も要支援や要介護の双方に共通するきっかけとなり、日常生活での事故が介護につながる場合も少なくありません。
参照:『2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況』(厚生労働省)介護の必要性はどのように判断すればよいですか?
まず、外出や歩行が以前より難しくなっていないか、食事や排せつ、入浴などの基本的な動作を無理なく行えているかを確認しましょう。
併せて、食事中のむせや体重減少、意欲の低下といった身体面の変化にも注意が必要です。
さらに、身近な人物の名前が思い出せない、道に迷う、認知機能の低下が見られるなども判断材料です。これらの状態が重なるほど、支援や介助が必要となる可能性が高まります。
実際の介護度は、要支援から要介護まで段階的に分かれており、動作の安定性や理解力の低下の程度などを総合的に評価して決定されます。
家族のなかで最初に話し合うべきことは何ですか?
親の健康状態や生活上の困りごとを整理し、誰がどの程度関わることができるのかを確認しましょう。介護の役割分担や費用面の考え方について早い段階で意見をすり合わせておくことが重要です。
また、必要に応じて地域包括支援センターなど専門機関への相談も視野に入れ、家族だけで抱え込まない姿勢を共有しておくことが、円滑な介護につながります。
親の介護に向けて今から準備しておきたいポイント

親の介護が始まる前に準備しておくべきことは何ですか?
・親の経済状況を確認
・医療に関する情報を整理
・相談先を把握
・介護保険制度とサービスを知る
・家族での対応を考えておく
貯蓄の有無や口座の場所、加入している保険の内容を把握し、介護にかかる費用の見通しを立てておいたり、かかりつけ医の連絡先、持病、服用している薬、アレルギーなどをまとめたりすることで、急な受診や介護開始時に備えましょう。
また、地域包括支援センターの場所や連絡先を確認し、必要なときにすぐ相談できる態勢を整えたり、要介護認定の流れや介護サービスの内容を事前に理解しておくこともおすすめです。
そして、先に述べたように、介護が必要になった場合の役割分担や支援について、あらかじめ家族で話し合っておくと安心です。
介護保険サービスを利用するには何から始めればよいですか?
本人が住んでいる市区町村の窓口で申請を行うと、後日、調査員が自宅を訪問し、心身の状態や日常生活の様子について確認が行われます。
併せて、主治医による意見書も作成され、これらの資料をもとに要介護度が判定されます。
介護保険の申請から結果が出るまでには、1ヶ月程度かかります。
認定結果が通知された後は、ケアマネジャーなどと相談しながら、本人の状態や生活環境に合ったケアプランを作成します。
ケアプランに基づいて介護サービス事業者と契約を結ぶと、必要な介護保険サービスの利用が始まります。
親の希望や生活状況はどのように確認しておくべきですか?
介護が必要になった場合に、どこで暮らしたいのか、自宅での生活を続けたいのか、施設入居も選択肢として考えているのかを確認しておきましょう。
また、訪問介護やデイサービスなど、どのような介護サービスに抵抗があるか、家族と事業者のどちらによる介助を望むかも重要なポイントです。
併せて、介護費用をどの資金から賄うか、延命治療に対する考え方など、将来に関わる意向も共有しておくと安心につながります。
直接話題にしづらい場合は、雑談のなかで少しずつ触れたり、身近な事例をきっかけにしたりすると、自然に確認しやすくなります。
親の介護で注意しておきたいこと

親の介護でよくある失敗やトラブルを教えてください
代表的なのが、誰が介護を担うのかを巡る対立です。仕事や家庭の事情を理由に負担を避けようとし、不公平感が生まれると関係が悪化しやすくなります。
また、介護費用の分担が曖昧なまま進むと、金銭的な不満や経済的困窮を招くこともあります。
さらに、親の預貯金の管理や相続を意識した行動が疑念を生み、信頼関係を損なうケースも少なくありません。
加えて、介護を一人で抱え込むことで心身の疲労が蓄積し、介護うつに陥る危険もあります。
これらの失敗やトラブルを防ぐには、早い段階で役割や費用について話し合い、外部の介護サービスや支援機関を活用することが重要です。
介護者が一人で抱え込まないためにはどうすればよいですか?
まず、家族や兄弟、親族、近隣の方など、頼れる相手を確認し、介護の負担や状況を共有しておきましょう。役割や関わり方を分けることで、心身や経済面の負担を分散できます。
さらに、デイサービスやショートステイなどを活用し、介護者自身が休息を取る時間を確保することも欠かせません。悩みや不安を相談窓口に話すだけでも、精神的な負担は軽くなります。介護は一人で背負うものではないと理解し、支援を上手に取り入れることが大切です。
仕事と親の介護はどのように両立すればよいですか?
まず、勤務先が設けている介護休暇や介護休業の制度について確認し、通院付き添いや体調変化などで休みが必要になった際に柔軟に対応できるようにしておきましょう。
介護保険サービスや見守りサービスの活用もおすすめです。
また、在宅勤務や時短勤務が選べる職場であれば、通勤時間の負担を減らしたり、家族や親族とも役割分担を話し合ったりしながら、一人に負担が集中しないよう周囲と協力することが大切です。
介護と仕事の両立は簡単ではありませんが、制度やサービス、家族の協力を組み合わせることで継続しやすくなります。
介護が長期化した場合の対策を教えてください
まずは地域包括支援センターなどの専門機関に相談し、抱えている悩みや負担を共有して介護サービスにつなげてもらいましょう。 また、デイサービスやショートステイなどの介護保険サービスを活用することで、介護者に休息の時間を確保できます。
レスパイトケア(休息用支援)や外部の介護スタッフの導入、家族や親族で役割分担を見直すなど、負担が特定の方に集中しないよう調整しましょう。
編集部まとめ

ここまで親の介護についてお伝えしてきました。親の介護の要点をまとめると以下のとおりです。
- 親の介護が必要になったときの主な流れは、①専門機関への相談、②要介護認定の申請、③介護度の認定を受ける、④ケアプラン作成、⑤介護サービスの開始
- 親の介護に向けて準備しておきたいことは、親の経済状況を確認、医療に関する情報を整理、相談先を把握、介護保険制度とサービスを知る、家族での対応を考えておくこと
- 親の介護における注意点は、家族や親族間のトラブル、金銭的な不満や経済的困窮、精神的な負担など
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




