介護認定調査の74項目とは?調査内容から判定の流れ・注意点までを解説

介護保険サービスを利用するには、まず要介護認定を受ける必要があります。その際に行われるのが認定調査です。
本記事では介護認定調査の74項目について以下の点を中心に紹介します。
- 介護認定調査とは
- 介護認定調査の74項目とは
- 一次判定と二次判定について
介護認定調査の74項目について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修社会福祉士:
小田村 悠希(社会福祉士)
・経歴:博士(保健福祉学)
これまで知的障がい者グループホームや住宅型有料老人ホーム、精神科病院での実務に携わる。現在は障がい者支援施設での直接支援業務に従事している。
介護認定調査の基礎知識

介護認定調査とはどのような調査ですか?
申請を受けた後、認定調査員が本人の自宅や入所施設を訪問し、本人および家族への聞き取りや観察を通して、心身の状態や生活状況を確認します。調査内容は、74項目の基本調査と特記事項で構成され、多角的に評価されます。
その後、調査結果はコンピューターによる一次判定と、主治医意見書を加味した二次判定を経て、要介護度が決定します。結果として、非該当、要支援1・2、要介護1〜5のいずれかが通知され、この区分に応じて利用できる介護サービスの範囲が定まります。
介護認定調査は誰が行いますか?
これらの調査員は、介護実務の経験を一定期間積んでいること、もしくは過去に認定調査の業務に従事した経験があることが求められます。
さらに、都道府県や委託元の市区町村が実施する認定調査員研修を修了していることも必要条件のひとつです。
介護認定調査の74項目の概要

介護認定調査の74項目にはどのような内容がありますか?
1. 身体機能・起居動作
2. 生活機能
3. 認知機能
4. 精神・行動面
5. 社会生活への適応
6.そのほか
調査員が確認するのは、上記の内容に関する74項目です。
ただし、身体機能の状態がそのまま介護の必要量に直結するとは限りません。
例えば、寝たきりの状態で入浴に全介助を要する方と身体的には入浴動作ができても、認知症の影響で自発的に入浴できない方では状況が異なります。
このように、単に身体の動きや機能だけを基準にするのではなく、日常生活の中で実際にどの程度の支援や介助が必要なのかという生活実態に基づいて判断が行われており、心身の状態と生活能力の両面を総合的に評価することが重要とされています。
介護認定調査の74項目の中の身体機能や生活動作ではどのような質問がされますか?
身体機能・起居動作の項目では、手足の麻痺や関節の可動域、寝返りや起き上がり、立ち上がりといった基本動作、立った姿勢の保持、歩行の安定性などを調査員が実際に動きを見ながら確認します。また、視力や聴力の状態、入浴時に身体を洗えるか、爪切りなどの細かな動作ができるかも聞き取りの対象です。
一方、生活機能の項目では、ベッドや車椅子への移乗、食事の摂取や飲み込みの様子、排泄動作、更衣や洗顔、整髪といった身の回りの行為について、どの程度介助が必要かを質問されます。さらに、外出の頻度や日常的な活動範囲など、生活全体の自立度を把握するための質問も行われます。
介護認定調査の74項目の中の認知機能や行動・心理の項目ではどのようなことを確認されますか?
認知機能の調査では、本人が自身の名前や生年月日を正確に答えられるか、現在の季節や場所を理解しているか、最近の出来事(例えば昼食の内容など)を思い出せるかなどが質問されます。また、目的もなく歩き回ったり、外出して帰れなくなったりといった行動が見られるかどうかも確認対象です。
一方、行動・心理面の質問では、被害的な発言や作話(事実と異なる話をする)、感情の起伏、昼夜逆転、同じ話を繰り返す、大声を出す、介護に抵抗するなどの行動があるかどうかを聞かれます。こうした項目は、認知症の進行度や介護の負担を把握するために重要であり、普段の様子と調査時の違いがある場合は、家族がその点を補足して伝えることが大切です。
介護認定調査の74項目の中の社会生活への適応やそのほかの項目ではどのようなことを確認されますか?
社会生活への適応の項目では、薬の服用や金銭の管理を本人が行えているか、買い物や簡単な調理が可能かといった生活能力が質問されます。また、衣服の選択や食事内容など、日常の意思決定をどの程度本人でできているか、あるいは家族や介護者に任せているかも重要な確認事項です。さらに、地域活動や集団行動への参加状況、人との交流に不安や抵抗があるかどうかも評価対象です。
一方、そのほかの項目では、過去2週間以内に受けた医療行為について質問されます。具体的には、点滴や透析、酸素療法、経管栄養、カテーテル管理、褥瘡(じょくそう)処置などが該当し、医療スタッフによるケアの有無や頻度、継続性が確認されます。これらの情報は、介護に要する手間や医療依存度を正確に把握するための重要な判断材料です。
介護認定調査の判定と結果の決まり方

一次判定と二次判定について教えてください
まず一次判定では、訪問調査の結果をもとに、介護にかかる時間(基準時間)を機械的に算出し、コンピューターが自動的に判定します。全国共通の仕組みで行われるため、数値としては客観的ですが、実際の生活状況とは異なる結果になることもあります。
次に行われる二次判定では、保健・医療・福祉の専門スタッフで構成された介護認定審査会が、一次判定の結果をもとに最終的な介護度を決定します。主治医の意見書や調査員の特記事項も確認し、実際の生活に合った判断を行います。
つまり、一次判定がデータによる仮の判定、二次判定が人の目で確定する最終判定といえます。
要支援・要介護の区分はどのように決まりますか?
【要支援】
基本的な生活動作(食事や入浴、排せつなど)はほぼ自立して行えるものの、一部の家事や外出などで支援を必要とする状態を指します。
要支援1:生活の一部に見守りや助言が必要な段階
要支援2:歩行などに不安定さがあり、将来的に介護が必要になる可能性がある段階
【要介護】
生活全般に介助が必要な状態で、1〜5までの段階があります。
要介護1〜2:部分的に介護が必要な状態
要介護3〜4:ほぼ全介助が必要で、認知症の症状がある場合も
要介護5:寝たきりで、日常生活すべてに介助が必要な状態
この区分によって、利用できる介護サービスの内容や支給限度額が決まります。
介護認定調査を受けるときのポイント

介護認定調査を受けるときに注意すべきことはありますか?
また、質問にない内容でも、本人や家族が感じている困りごとや不安があれば必ず伝えてください。これらは特記事項として記録され、介護度を判断する際の重要な参考資料になります。日常生活でどのような場面に支障があるのか、メモを用意しておくと伝え漏れを防げます。
調査では、よく見せるよりも実情を正確に伝えることが、正しく介護認定を受けるための一番のポイントです。
介護認定調査に家族が同席するときのポイントを教えてください
また、調査が終わった後に、調査員を玄関先まで見送る際などに、本人の前では話づらいことを補足し、「実際は物忘れが多く、今日の調査の予定も忘れていた」「質問には答えていたが、普段は一人でできていない」といった実情を伝えると、より正しい判断につながります。
編集部まとめ

ここまで介護認定調査の74項目についてお伝えしてきました。介護認定調査の74項目の要点をまとめると以下のとおりです。
- 介護認定調査とは、介護保険サービスを利用するために必要な要介護認定を行う際に、市区町村が実施する聞き取り調査のこと
- 介護認定調査は、本人の心身の状態を多角的に評価するために、身体機能・起居動作、生活機能、認知機能、精神・行動面、社会生活への適応、そのほかの内容に関する74項目を確認している
- 要介護認定は、一次判定がデータによる仮の判定、二次判定が人の目で確定する最終判定が行われる
介護認定調査の74項目は、要介護度を正しく判断するための大切な基準です。調査の流れや注意点を理解しておくことで、申請もスムーズに進められます。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献




