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訪問看護の2時間ルールとは?注意点や例外について解説します

 公開日:2025/10/28
訪問看護の2時間ルールとは?注意点や例外について解説します

訪問看護を受けるにあたって、知っておきたいルールのひとつに“2時間ルール”があります。聞いたことはあっても、実際にはどのように関係してくるのかわからない方もいるのではないでしょうか?利用する際に戸惑わないよう、事前にポイントを理解しておくことが大切です。

本記事では訪問看護の2時間ルールについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 訪問介護の2時間ルールとは
  • 訪問介護の単位数について教えてください
  • 訪問介護の2時間ルールとして算定できない時間とは

訪問看護の2時間ルールについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

監修

訪問介護の2時間ルールについて

訪問介護の2時間ルールについて

訪問介護の2時間ルールとは何ですか?

訪問介護における2時間ルールとは、同じ利用者に同じ日に複数回サービスを行う場合に適用される算定上の基準のことです。基本的には、あるサービスの終了から次のサービスの開始までの間隔が2時間未満であれば、複数回の提供であっても1回分のサービスとして扱われます。

ただし、“ おおむね2時間”とされているため、例えば、1時間50分なら認められるといった明確な線引きは定められていません。実際の判断は、利用者の状況やサービス提供の実態を踏まえて行われます。

2時間ルールは、利用者の生活リズムに合わせた支援を判断する一方で、短時間のサービスを分割して過大に報酬を請求することを防ぐ目的もあると考えられます。

また、重度の障害がある方や看取り期など、頻回かつ柔軟な対応が求められるケースでは、このルールがそのまま適用されない特例も設けられています。

訪問介護の単位数について教えてください

訪問介護では、サービスの報酬を算定するために単位数という基準が用いられています。単位数は、どのような内容の支援を行ったか、どれくらいの時間をかけたかによって決まります。

サービス内容を大きく分けると、身体介護(食事や入浴、移動の介助など)生活援助(掃除や洗濯、調理など)に分類され、それぞれに基本となる単位数が設定されています。さらに、提供時間の長さによって加算される単位が異なるため、30分の支援と1時間の支援では算定される数値に差が出ます。

介護報酬は、この単位数に単位あたりの金額をかけ合わせて計算されます。単位数は利用者の必要に応じて設定されるものであり、サービスの質を確保すると同時に、事業所の経営にとっても重要な指標となっています。

訪問介護の2時間ルールの注意点

訪問介護の2時間ルールの注意点

訪問介護の2時間ルールは、ほかの事業者のサービスも対象ですか?

2時間ルールは、同じ事業所が提供するサービスだけに限られるルールではありません。別々の事業者が同じ利用者に対して同日に訪問介護を行い、その間隔が2時間未満であれば、ひとつのサービスとしてまとめて扱われます。

例えば、9時から30分間は事業所Aが訪問し、続いて11時から30分間を事業所Bが担当した場合、2回分のサービスは合算され、合計60分のサービス時間として算定されます。こうしたケースでは、介護報酬の按分方法について事業者間で協議して決めることになります。

このように、事業所が異なる場合でもルールが適用されるため、実際の運用では事業者間の連携や情報共有が重要なポイントになります。

訪問介護の2時間ルールとして算定できない時間を教えてください

算定できない時間があります。それは実際に介護を行っていない時間です。代表的な例としては、通院介助の際に発生する病院での診察待ちや滞在時間が挙げられます。

この時間は介護サービスとして判断されないため、単位数には含まれません。ただし、仮に院内で2時間以上過ごした場合には、往路と復路をそれぞれ独立したサービスとして算定できる取り扱いが認められています。

訪問介護の2時間ルールの主な例外

訪問介護の2時間ルールの主な例外

緊急時の訪問介護は2時間ルールが適用されますか?

利用者の体調の急変や生活上の思わぬトラブルに対応するために行われる“緊急時訪問介護”については、通常の2時間ルールは適用されません。前後の訪問から2時間未満であっても、1回のサービスとして合算せず、それぞれ独立した所要時間で算定できます。

ただし、この緊急対応が報酬上認められるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。例えば、ケアプランにあらかじめ組み込まれていないこと、身体介護を中心とした支援であること、利用者や家族に書面で同意を得ていること、要請から24時間以内にサービスを行うこと、さらにケアマネジャーが“緊急”と判断していることなどが挙げられます。また、要請の経緯や提供内容を記録に残すことも必須です。

なお、加算は1回の要請につき一度限りであり、生活援助のみの支援は対象外となります。緊急時訪問介護は、利用者の安全性を守るために重要な役割を担っており、ルールから切り離して柔軟に判断される仕組みとなっています。

看取り期の訪問介護は2時間ルールが適用されますか?

終末期にある利用者に対して提供される訪問介護については、通常の2時間ルールは適用されません。主治医が医学的知見に基づき回復が見込めないと判断した場合、利用者や家族に寄り添いながら柔軟に支援することが重視されるためです。

看取り期の訪問介護では、日常生活の援助だけでなく、精神的なサポートやご家族への配慮も含め、きめ細やかな対応が必要となります。そのため、短い間隔で複数回のサービスを行ったとしても、合算せずそれぞれ独立して算定することが認められています。

また、利用者の状況に合わせた対応を判断するという観点から、事業所によってはあえて通常のルールを適用し、サービス内容や報酬上の扱いを調整する場合もあります。看取り期における訪問介護は、柔軟性を持った特例として運用されているのが特徴です。

頻回の訪問介護は2時間ルールが適用されますか?

1回のサービスが20分未満の身体介護は“身体0”と呼ばれ、この区分には“身体01”と“身体02”があります。なかでも身体02にあたる場合は、2時間ルールの対象外として扱われます。そのため、前後の訪問との間隔が2時間未満であっても、時間を合算せずにそれぞれ独立して算定することが可能とされています。

この仕組みは、重度の要介護者など、短時間の支援を複数回行う必要があるケースを想定したものです。例えば、同じ事業所が1日のうちに繰り返し20分未満の介護を提供する場合でも、間隔が1時間程度しかなくてもそれぞれの訪問を別のサービスとして判断できます。

頻回訪問を柔軟に算定できることで、利用者の細やかなニーズに応じた支援を行いやすくなるのが大きな特徴です。

通院等乗降介助は2時間ルールが適用されますか?

通院等乗降介助は、利用者が医療機関へ移動できるよう支援するためのサービスです。ヘルパーが自ら運転する車で送迎を行い、乗降の介助や院内での受診手続き、移動のサポートなどを含みます。

通院等乗降介助は、移動にかかる時間や状況に応じて柔軟な対応が求められるため、2時間ルールの対象外とされています。たとえ往路と復路の間隔が2時間未満であっても、合算は行わず、片道ごとに独立して算定が可能とされています。

算定単位は片道につき99単位が基本であり、自宅と病院の往復だけでなく、病院間の移動についても対象となります。通院等乗降介助は、利用者の通院を支える重要なサービスとして、ほかの例外と同様に特別な扱いが設けられています。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで訪問看護の2時間ルールについてお伝えしてきました。訪問看護の2時間ルールの要点をまとめると以下のとおりです。

  • 訪問介護の2時間ルールとは、同じ利用者に同じ日に複数回サービスを行う場合に適用される算定上の基準のこと
  • 訪問介護では、サービスの報酬を算定するために単位数という基準が用いられている。単位数は、どのような内容の支援を行ったか、どれくらいの時間をかけたかによって決定する
  • 病院での診察時間や待機時間など、実際に介護を行っていない時間は、訪問介護の2時間ルールとして算定できない時間とされている

訪問介護や訪問看護における2時間ルールは、サービス提供を判断し、利用者への支援を公平に算定するための重要な仕組みです。ただし、緊急時や看取り期、通院等乗降介助など、柔軟な対応が必要な場面では例外が設けられています。

ルールの基本と特例を理解しておくことで、安心してサービスを利用できるとともに、事業所や家族が連携しやすくなるでしょう。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。