介護リハビリと医療リハビリの違いとは?保険適用に関する注意点も解説します
公開日:2025/10/28

介護や医療の現場でリハビリを受けることを検討しているものの、どちらを選べばよいのか悩んでいる方は少なくありません。介護リハビリと医療リハビリは似ているようで、実は目的や適用される保険が異なります。
本記事では、介護リハビリと医療リハビリの違いについて以下の点を中心にご紹介します。
- 介護リハビリと医療リハビリの違い
- 介護リハビリについて
- 医療リハビリについて
介護リハビリと医療リハビリの違いについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
監修
目次 -INDEX-
介護リハビリと医療リハビリの違い
リハビリテーションとは何ですか?
リハビリテーションとは、病気や怪我、障害から回復し、より自立した生活を送るために行われる一連の支援活動を指します。主に身体的、精神的な機能回復を目指し、患者さんの生活の質(QOL)の向上を図ることが目的です。
リハビリテーションは、理学療法、作業療法、言語聴覚療法などによって行われます。患者さんの状態に応じた適切なプランを立て、個別の訓練や支援が行われ、こうした取り組みは、医療だけでなく、福祉や教育などさまざまな分野でも重視されています。
厚生労働省は、リハビリテーションの重要性を認識し、医療、介護、福祉の各専門職が連携することを推進しています。特に、地域包括ケアシステムのなかでは、地域社会が一体となって患者さんの支援を行い、患者さんが自宅で快適に生活できるようサポートしています。
リハビリテーションは、単に病気や障害の回復を目指すだけでなく、社会復帰や精神的な支援を含む総合的なサポートであり、患者さん一人ひとりの生活を支える重要な役割を担っています。
介護リハビリと医療リハビリの違いは何ですか?
介護リハビリと医療リハビリは、目的や適用される保険が異なるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。
医療リハビリは、病気やけがによって失われた身体機能の回復を目的とし、主に医療機関で提供されています。対象者は、治療後の回復を目指す患者さんであり、医師の指示のもと、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などがリハビリを行います。
一方、介護リハビリは、高齢の方や要介護者の日常生活の自立支援を目的としています。介護保険が適用されるため、介護認定を受けた方が対象となり、訪問リハビリや通所リハビリ(デイケア)などで提供されます。
医療リハビリが終了した後でも、生活機能の向上や維持を目的に継続的な支援を受けられます。介護リハビリは、医療的な治療ではなく、生活の質を高めるためのサポートです。
このように、医療リハビリは回復を、介護リハビリは生活支援を目的としているため、それぞれの目的に合った選択が重要です。
介護リハビリと医療リハビリの保険適用の違いや注意点を教えてください
介護リハビリと医療リハビリは、それぞれ異なる目的と保険が適用されます。
医療リハビリは医師の指示のもとで、理学療法士や作業療法士が行います。急性期や回復期に使用され、利用期間に制限があります。例えば、脳卒中など脳血管疾患では発症後おおむね180日までが医療保険リハの対象です。
一方、介護リハビリは、日常生活の自立支援を目的としており、介護保険が適用されます。介護を必要とする方が対象で、訪問リハビリや通所リハビリなどが提供されます。介護リハビリの特徴は、利用期間に制限がなく、要介護認定を受けている方が対象で、生活期や維持期においても支援が継続的に行われます。
注意点として、介護保険と医療保険のリハビリは基本的に併用できないことが挙げられます。診断名が変更された場合など例外はありますが、どちらか一方の保険が適用されます。リハビリの選択肢を決める際は、医師やケアマネージャーと相談し、適切な保険制度とリハビリ方法を選ぶことが重要です。
介護リハビリについて
介護リハビリを利用できる施設はどこですか?
介護リハビリを受けるための施設選びは、利用者の状態や目的に応じて慎重に行うことが重要です。以下では、代表的な施設の特徴を紹介します。
・介護老人保健施設(老健)
退院後の在宅復帰を目指す方向けの施設で、医師や看護師による医療ケアと、理学療法士や作業療法士によるリハビリが提供されます。 ・デイケア(通所リハビリテーション)
自宅から通所し、リハビリを中心としたサービスを受ける施設です。医師の指示に基づき、個別のリハビリプログラムが組まれます。 ・デイサービス(通所介護)
日常生活の支援を受けながら、軽度のリハビリが行われる施設です。理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリは少ないものの、生活動作を通じて機能維持が図られます。 これらの施設は、要介護認定を受けている方が利用対象です。施設によってリハビリの内容や頻度が異なるため、事前に見学や相談を行い、利用者の状態や希望に合った施設を選ぶことが大切です。
退院後の在宅復帰を目指す方向けの施設で、医師や看護師による医療ケアと、理学療法士や作業療法士によるリハビリが提供されます。 ・デイケア(通所リハビリテーション)
自宅から通所し、リハビリを中心としたサービスを受ける施設です。医師の指示に基づき、個別のリハビリプログラムが組まれます。 ・デイサービス(通所介護)
日常生活の支援を受けながら、軽度のリハビリが行われる施設です。理学療法士や作業療法士による専門的なリハビリは少ないものの、生活動作を通じて機能維持が図られます。 これらの施設は、要介護認定を受けている方が利用対象です。施設によってリハビリの内容や頻度が異なるため、事前に見学や相談を行い、利用者の状態や希望に合った施設を選ぶことが大切です。
介護リハビリを担当する職種を教えてください
介護リハビリは、どのような職種の方が担当されているのでしょうか?
以下で解説します。
・理学療法士(PT)
運動機能の回復を目指し、歩行や立ち上がりなどの基本動作を訓練します。また、物理療法を用いて身体機能の改善を図ります。 ・作業療法士(OT)
日常生活動作の訓練を行い、食事や排泄、着替えなどの支援を通じて自立支援します。精神的サポートや認知機能の改善にも関与します。 ・言語聴覚士(ST)
発声や嚥下機能の回復を目指し、食事時の姿勢や食形態を調整して、コミュニケーション能力向上にも取り組みます。 これらの職種の方と医師や看護師が連携し、利用者の生活の質向上を目指されています。
運動機能の回復を目指し、歩行や立ち上がりなどの基本動作を訓練します。また、物理療法を用いて身体機能の改善を図ります。 ・作業療法士(OT)
日常生活動作の訓練を行い、食事や排泄、着替えなどの支援を通じて自立支援します。精神的サポートや認知機能の改善にも関与します。 ・言語聴覚士(ST)
発声や嚥下機能の回復を目指し、食事時の姿勢や食形態を調整して、コミュニケーション能力向上にも取り組みます。 これらの職種の方と医師や看護師が連携し、利用者の生活の質向上を目指されています。
訪問リハビリと通所リハビリの違いを教えてください
訪問リハビリは、専門職が自宅を訪問し、日常生活に必要な動作(歩行、食事、入浴など)のリハビリを行います。自宅環境で実施するため、実生活に即した支援が受けられるのが特徴です。
一方、通所リハビリは、施設に通い、集団で行うリハビリです。運動機器を使用したトレーニングや体操が中心で、筋力強化や運動量の増加を目指します。また、ほかの利用者との交流ができ、社会的なつながりも保てます。
これらの特徴を理解したうえで、自身の生活スタイルに合ったリハビリサービスを選ぶことが重要です。
医療リハビリについて
医療リハビリを利用できる施設はどこですか?
医療リハビリを利用できる施設は、主に以下の3つのタイプに分類されます。
1. 回復期リハビリテーション病棟を有する病院
急性期治療を終えた患者さんが集中的なリハビリを受ける専門病棟を備えた病院です。 2. 外来リハビリを提供する医療機関
通院によるリハビリを行うクリニックや病院で、外来リハビリを提供しています。 3. 訪問リハビリを実施する医療機関
自宅での生活を支援するため、医療スタッフが自宅を訪問し、リハビリを行います。
急性期治療を終えた患者さんが集中的なリハビリを受ける専門病棟を備えた病院です。 2. 外来リハビリを提供する医療機関
通院によるリハビリを行うクリニックや病院で、外来リハビリを提供しています。 3. 訪問リハビリを実施する医療機関
自宅での生活を支援するため、医療スタッフが自宅を訪問し、リハビリを行います。
医療リハビリを担当する職種を教えてください
医療リハビリテーションは、病気やけがからの回復を支援する重要な医療分野であり、さまざまな専門職が連携して患者さんの機能回復をサポートしています。
主に医療リハビリを担当する職種は、以下のとおりです。
・理学療法士(PT)
運動機能の回復を目的に、関節可動域の改善や筋力強化を行います。 ・作業療法士(OT)
日常生活動作(ADL)の自立を目指し、食事や着替え、家事などの訓練を行います。 ・言語聴覚士(ST)
言語や嚥下(飲み込み)機能の回復を支援し、コミュニケーション能力の向上を図ります。 医療リハビリを担当する専門職の方は、病院や回復期リハビリ病棟、訪問リハビリなどさまざまな現場で活躍しています。医師や看護師、作業療法士、言語聴覚士などがチームを組み、患者さん一人ひとりに合わせた個別のリハビリプランを提供しています。
運動機能の回復を目的に、関節可動域の改善や筋力強化を行います。 ・作業療法士(OT)
日常生活動作(ADL)の自立を目指し、食事や着替え、家事などの訓練を行います。 ・言語聴覚士(ST)
言語や嚥下(飲み込み)機能の回復を支援し、コミュニケーション能力の向上を図ります。 医療リハビリを担当する専門職の方は、病院や回復期リハビリ病棟、訪問リハビリなどさまざまな現場で活躍しています。医師や看護師、作業療法士、言語聴覚士などがチームを組み、患者さん一人ひとりに合わせた個別のリハビリプランを提供しています。
編集部まとめ
ここまで、介護リハビリと医療リハビリの違いについてお伝えしてきました。介護リハビリと医療リハビリの違いについての要点をまとめると以下のとおりです。
- 介護リハビリは主に日常生活の自立を目指し、介護保険が適用され、医療リハビリは病気や怪我からの回復を目的とし、医療保険が適用される
- 介護リハビリは、訪問リハビリや通所リハビリから選ぶことができ、専門の介護スタッフによるサポートが受けられる
- 医療リハビリは病院やリハビリ専門施設で受けられ、医師の指示のもと、理学療法士によるリハビリテーションを受けられる
自身に合ったリハビリを選ぶことで、よりよい回復を目指せます。この記事が、リハビリの選択に関する不安を解消し、適切な支援を受けるための参考となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


