閉経後に女性が骨粗しょう症になりやすい原因や症状を医師が解説 なぜ骨密度は低下する?
閉経後の女性は、女性ホルモンの減少により骨密度の低下が起きやすくなってしまうため、骨粗しょう症になりやすいそうです。詳しい症状や悪化するとどうなるかについて、矢吹整形外科の矢吹先生に教えてもらいました。
※この記事はMedical DOCにて【「骨粗鬆症」の予防法や「なりやすい人の特徴」を医師が解説 骨が脆い人におすすめの食べ物とは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修医師:
矢吹 尚彦(矢吹整形外科)
編集部
「骨粗しょう症」とはどんな病気ですか?
矢吹先生
「骨粗しょう症」とは、主に加齢によって、骨が脆くなってしまう状態を言います。骨の詰まりを表す骨密度が、若い人の基準(平均値)を100%とした時に、70~80%を下回る方は注意が必要です(脆弱性骨折の有無で異なる)。
編集部
どうして骨密度が下がってしまうのですか?
矢吹先生
加齢や運動不足、ビタミンD不足などが関係していると言われていますが、女性の場合、骨粗しょう症の原因として最も関係が深いのは閉経です。閉経後の女性は、女性ホルモンの減少により骨密度の低下が起きやすくなってしまうのです。
編集部
骨粗しょう症になるとどんな症状が出るのですか?
矢吹先生
転倒した時などに骨折を生じやすくなります。また、普通に生活しているだけでも、脊椎の変形を起こしやすくなり、身長の低下や円背(背中が丸くなること)などの状態になりやすくなります。その結果として、腰痛や肩こりが生じやすくなったり、活動性が落ちて体力が低下したりして、ひどいケースでは寝たきりになってしまうこともあるのです。
編集部
寝たきりになってしまうのは怖いですね。
矢吹先生
そうですね。しかし、これは決してレアケースではありません。寝たきりになってしまった方の約1割が骨粗しょう症に関連していると言われています。これらを予防するためにも、特に閉経後の女性は定期的に骨密度を計測して、骨密度の数値に応じた対応をすることが推奨されています。