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かゆみを抑える方法とは?かゆみの原因と対処法について解説

 公開日:2023/12/14

かゆみがなかなか治らないという経験をしたことはありませんか?
本記事では、かゆみを抑える方法を以下の点を中心にご紹介します!
・なぜかゆみが出るのか
・かゆみを起こしやすい部位
・かゆみを抑える方法
かゆみを抑える方法を理解するためにもご参考いただけたら幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

松澤 宗範

監修医師
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)

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2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会

そもそもなぜかゆみが出てくるのか

そもそもなぜかゆみが出てくるのか

かゆみは、体が何らかの刺激に反応する防御反応の1つです。
ここではかゆみの原因をご紹介します。

外界からの刺激

肌は外部からの刺激に対して、表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されたバリア機能を持っています。
外界からの刺激によって真皮の細胞が刺激されると、かゆみ物質であるヒスタミンが分泌され、知覚神経に働きかけてかゆみが引き起こされます
肌が乾燥することでバリア機能が低下し、外的刺激を受けやすくなり、かゆみが生じやすくなることもあります。
外的刺激としては、花粉やハウスダスト、金属や繊維などが挙げられます。
これらの刺激物にアレルギー反応を起こすこともあり、湿疹や皮膚炎などの症状を引き起こす可能性もあります。
エアコンも湿度が高くなりカビやダニが繁殖しやすくなるため、清掃をこまめに行うことが大切です。
肌のバリア機能を高めるためには、適切な保湿や食生活、ストレス管理などが必要です。

体内のアレルギー反応

かゆみの原因として、外的刺激以外にも体内のアレルギー反応があります。
アレルギー反応は、身体が異物を攻撃するために生じる反応で、通常は無害な物質に対しても過剰反応を起こすことがあります。
たとえば、食べ物に含まれるアレルゲンに対して過剰な免疫反応が起こる場合、消化器系や皮膚などで症状が現れることがあります。
また、花粉症の場合、花粉に含まれるアレルゲンに対して免疫反応が起こり、呼吸器系で症状が現れることもあります。
また、猫や犬アレルギーの場合は、ペットの毛やフケに含まれるアレルゲンに対して免疫反応が起こり、皮膚や呼吸器系で症状が現れることもあります。
アレルギー反応が起こると、身体が異常を感じ、症状が現れるため、かゆみ、赤み、じんましん、むくみなどの皮膚症状や、呼吸器症状、消化器症状などがみられます。
アレルギー反応によるかゆみの場合は、アレルギー検査を受けて原因物質を特定し、対処することが大切です。

肌から分泌された汗は、体温を調節するために不可欠な機能ですが、そのまま残ると肌に負担をかけ、かゆみを引き起こすことがあります。
汗には水分や塩分だけでなく、微量の老廃物も含まれているため、肌にとどまると菌が繁殖し、さらなる皮膚トラブルの原因になることもあります。
特に、蒸し暑い季節や運動後などは、汗をかきやすく、注意が必要です。
汗をかいた際には、できるだけ早く拭き取り、清潔な状態を保つことが大切です。
また、清潔なタオルや衣服を着用することもかゆみの予防につながります。

ホルモンバランスの乱れ

ホルモンバランスの乱れは、生活習慣の乱れ、疲労、ストレス、生理などによって引き起こされることがあります。
女性ホルモンのバランスが崩れることで、肌の状態に影響を与えることがあります。
ホルモンバランスが乱れると、肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、皮膚のバリア機能が低下し、外部刺激を受けやすくなり、かゆみが生じることがあります。
ホルモンバランスの乱れに対する対策としては、十分な睡眠時間を確保すること、ストレスを減らすこと、栄養バランスのとれた食生活を送ることが重要です。
また、内臓疾患などの病気がある場合は、それを治療することで、ホルモンバランスの改善につなげられます。
ホルモンバランスの乱れによるかゆみには、適切に対処することが大切です。

かゆみを起こしやすい部位

かゆみを起こしやすい部位

皮膚の構造上、かゆみを起こしやすい部位があります。
以下では、そんなかゆみを起こしやすい部位について季節ごとに分けて見ていきましょう。

春・夏にかゆくなる部位

春と夏は気温や湿度が高くなるため、汗をかきやすくなります。
そのため、汗をかきやすい部位がかゆみを起こしやすくなります。
特に、顔や頭皮、胸や背中、首元などは衣服の摩擦や汗によって刺激を受けやすく、かゆみを感じる人が多くなります。
また、目の周りは花粉症の症状によってもかゆみが起こりやすい部位です。
このように、春と夏にかゆみを感じる部位は、汗や花粉、衣服の刺激などが原因となっていることが多いため、清潔に保ったり、適切な対策をすることが大切です。

秋・冬にかゆくなる部位

秋冬は、乾燥する季節であるため、肌の乾燥によるかゆみが多く発生します。
特に、室内での暖房や外気の乾燥などにより、手や指先の肌が乾燥しやすく、かゆみを引き起こすことがあります。
また、足元も同様に乾燥しやすく、特にすねの裏側がかゆくなることが多くなります。
このようなかゆみを予防するためには、肌の乾燥を防ぐための保湿が大切です。
保湿剤を用いたスキンケアや、部屋の加湿器の利用、洗濯物を室内で干すなど、適切な対策をすることが重要です。

夜に体が痒くなる原因

夜にかゆくなる理由として、入浴や就寝時に体が温まり、副交感神経が優位になることで皮膚温度が上昇し、かゆみが起こりやすくなることが考えられます。
かゆみの感じ方は、突然強いかゆみが生じることや、ミミズ腫れのように赤く腫れることがあります。
自分でできる対処法として、かゆい部分を冷やしたり、体が温まることを避けるためにお風呂の湯船には入らずにシャワーのみにすることが挙げられます。
もし症状が重い場合や長期間続く場合には、皮膚科を受診することが望ましいです。

かゆみを抑える方法

かゆみを抑える方法

皮膚のかゆみは辛いものですが、正しいケア方法を知っておくことで症状を軽減できます。
ここでは、かゆみを抑える方法を紹介します。

冷やす

かゆみを抑える方法の1つとして、肌を冷やすことが効果的です。
かゆみが強い場合は、かゆみがある部分に、タオルで包んだ氷や保冷剤を当てると、冷たい刺激によって、かゆみを感じる神経が鈍くなり症状の緩和に役立ちます。
ただし、氷などを直接肌に当て過ぎると、肌が冷えすぎてしまい、かえってかゆみを悪化させる可能性があるため、注意が必要です。

皮膚科を受診する

かゆみを抑えるためには、皮膚科を受診することが大切です。
強いかゆみや、原因が不明な場合は特に早めに受診するようにしましょう。
広範囲にわたる症状や、長期間続くかゆみも皮膚科で診察を受けることが必要です。
また、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎、じんましんや乾癬、手湿疹などの疾患も、かゆみを引き起こすことがあります。
このような場合には、専門的な治療が必要となります。
皮膚科では、かゆみの原因を特定し、適切な治療法を提案してくれます。
症状が治まるまで定期的に通院することも必要です。
自己判断での治療は避け、必ず医師の指示に従って治療しましょう。

市販の外用薬を塗る

かゆみを抑える方法として、市販の外用薬を使用することがあります。
例えば、虫さされやかぶれなど原因がはっきりする症状に対しては、市販薬が有効です。
セルフメディケーションをすることで、早期に治療を開始し、かゆみを改善できます。
しかし、薬の使用には注意が必要です。
症状や使用する部位に合った薬を選ぶことや、使用期間・使用量についても注意が必要です。
しかし市販薬が効かない、再発するなどの症状がある場合は、早めに医師の診察を受けましょう。

痒みに効果的な食べ物・飲み物

かゆみに効果のある食べ物と飲み物は以下の通りです。
【食べ物】
・ヨーグルト・・・腸内環境を整える乳酸菌を含みます。
・食物繊維が豊富な食品・・・野菜類、きのこ類、海藻類など。腸内環境を整えます。
・青魚・・・アレルギー反応を誘発する物質の生成を抑えるDHAやEPAを含みます。
・チョコレート・・・免疫システムに作用してアレルギー症状を抑えるカカオポリフェノールを含みます。
【飲み物】
・緑茶・・・アレルギー誘発物質のヒスタミンの働きを抑えるカテキンを含みます。
・甜茶・・・甜茶ポリフェノールがアレルギー誘発物質ヒスタミンの放出を抑えます。
・ルイボスティー・・・フラボノイドが多く含まれ、アレルギー疾患の改善効果が期待できます。
・乳酸菌飲料・・・腸内環境を整える乳酸菌を含みます。
・コーヒー・・・ポリフェノールの一種クロロゲン酸が花粉症に効果があるとされ、カフェインもヒスタミンの働きを抑えます。
これらの食べ物や飲み物は、腸内環境を整えたり、アレルギー誘発物質の働きを抑えたりする成分を含んでいるため、かゆみに効果があるとされています。
ただし、食べ物や飲み物だけで治るわけではなく、症状がひどい場合は医師に相談することをおすすめします。

肌を乾燥させないこと

肌が乾燥すると、肌表面の水分が減少し、バリア機能が低下します。
その結果、外的刺激が肌に侵入しやすくなり、かゆみを引き起こすことがあります。
また、肌が乾燥すると角質層が厚くなり、その上に溜まった老廃物や皮脂が詰まり、かゆみを引き起こすことがあります。
さらに、乾燥した肌は皮膚の角質層のバリア機能が低下し、湿気や紫外線などの刺激を受けやすくなります。
これらの外的刺激により、かゆみを引き起こすことがあります。
そのため、肌の乾燥を予防することが大切で、保湿ケアをしっかり行うことが必要です。
化粧水や乳液、クリームを使用して肌のうるおいを保ち、肌表面に膜を作り、バリア機能を高めることが大切です。
また、外出時には紫外線対策も行うことが重要で、日焼け止めを使用することをおすすめします。
さらに、冬場などの乾燥する季節は、加湿器を使って室内の湿度を保つことも効果的です。

痒い時に掻きむしってはいけない理由

かゆみを感じた時に、ついつい掻きむしってしまうことがありますが、そのような行為はかゆみを増長させる原因となります。
以下に、かゆみを増長させる理由を詳しく説明します。
理由1: 神経刺激がかゆみを強める
かゆみを感じると、その部位にある神経が刺激され、かゆみの情報が脳に伝えられます。
しかし、掻きむしってしまうことで、その部位により強い神経刺激が加わり、かゆみが増長してしまうことがあります。
理由2: 炎症を起こしてかゆみを強める
掻きむしりによって、皮膚が損傷し、そこから雑菌が侵入することがあります。
それによって、炎症が起こり、かゆみが強くなってしまうことがあります。
また、かゆみを和らげるために塗る軟膏やクリームなどが、皮膚を傷つけることで炎症を起こすこともあります。
理由3: 快感による依存
掻きむしりによって、かゆみを和らげる快感が得られるため、繰り返し行うことで、かゆみを増長させることがあります。
これによって、かゆみに対する耐性が低下し、かゆみが増強されるようになり、より強い刺激を求めるようになることがあります。
以上のように、掻きむしってしまうことは、かゆみを増長させる原因となります。
かゆみを感じた場合は、掻きむしらずに、軽く押さえたり、冷やしたりするなどしてかゆみを和らげる方法を試すことが大切です。
また、かゆみが続く場合や、皮膚に異常がある場合には、専門医に相談することをお勧めします。

かゆみを抑える方法のまとめ

かゆみを抑える方法のまとめ

ここまでかゆみを抑える方法についてお伝えしてきました。
かゆみを抑える方法の要点をまとめると以下の通りです。
・冷やすことでかゆみを感じる神経が鈍くなりかゆみを抑える効果が期待できる
・強いかゆみを感じる際は皮膚科の受診が推奨される
・市販の外用薬を使用する場合は、症状や部位に合った薬選びが大切
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師