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体外受精の痛みってどのくらい?いつ痛む?原因と対策

 更新日:2023/03/27
腹痛でお腹を抑えている女性

不妊症治療の選択肢のひとつである体外受精。治療に伴う痛みについて心配している方も多いのではないでしょうか。痛さの感じ方は人それぞれですが、治療のどの過程で、どの程度の痛いのか気になりますよね。痛みの種類や、それに対する対策方法について、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
巷岡 彩子 (木場公園クリニック 医師)

体外受精の採卵による痛み

複数並んでいる妊娠検査薬

通常、健康な女性が自然妊娠する際には、卵巣内で成熟した卵子が排卵、卵管内で精子と出会い受精して、子宮内膜に着床することで成立します。対して、体外受精では、排卵誘発剤によって成熟させた卵子を、排卵の直前に体外へ取り出し(採卵)、精子と受精させます。そして受精した卵、胚を子宮内に戻す治療方法です。この卵子の採取である採卵の際には、痛みを感じることがあります。

採卵で痛みを感じる理由

採卵は超音波観察下に、膣から卵巣内に専用の針(採卵針)を挿入、内部の卵胞を吸引することで、中の卵子を採取します。採卵針が膣壁と卵巣の表面を穿刺する際に痛いと感じる場合があります。この際の痛さは、採卵針の太さや、卵巣の位置、医師の技量にも左右されることもあります。

採卵時の感じ方

採卵時の感想をいくつか紹介します。個人差が大きいのがお分かり頂けると思います。

・虫歯を治療するときの麻酔の痛みに近い感じだった。
・針を刺された瞬間は違和感があったが、深呼吸をして乗り越えた。
・トラウマになるほどの痛さを感じたので、次回は麻酔をお願いした。

採卵による痛みの対策

採卵時の感じ方は人それぞれです。採卵の際には、鎮痛剤の内服、局所麻酔や静脈麻酔の使用など、痛みの対策は医療機関により様々です。痛さに敏感だと感じる人は、カウンセリングの際に相談してみるとよいでしょう。また、ストレスや不安が強くなると痛さを強く感じてしまうことがあるので、採卵当日はなるべくリラックスして臨むことも大切です。

採卵後の痛み

痛みは採卵時だけでなく、採卵後にも起こることがあります。採卵は通常日帰りですが、帰宅してから痛くなってきたという方もいるようです。ここでは採卵後に痛む原因や対策について紹介します。

採卵後に痛む理由

採卵では、膣の壁を左右の卵巣に向けて、2か所に穿刺するため、膣壁には小さな傷ができています。また、卵巣表面の穿刺部位や、卵巣からの出血も原因となります。採卵時に使用した麻酔の効果が、帰宅する頃に切れるため、その際に痛いと感じる方もいるようです。採卵当日は、いつもより安静にして過ごすと良いでしょう。

採卵後の過ごし方のポイント

採卵後には、受精卵を子宮へ戻す胚移植が待っています。以下のことに気をつけながら、体調を万全に整えていきましょう。
・激しい運動は控える。
・重い荷物を持つなど、お腹に力が入る動作を控える。
・採卵当日の入浴はシャワーでさっとすませる。性交も控える。

こんなときはすぐに病院へ

採卵後は少量の出血や痛みを感じることが多いでしょう。一方で、いつまでも出血が続いたり、強い腹痛があったりする場合は注意が必要です。このような場合、感染を併発してしまっていたり、卵巣過剰刺激症候群を起こしている可能性もあります。すみやかに受診するようにしてください。

胚移植の痛みの有無

採卵の数日後に受ける処置が胚移植です。採取した卵子と精子を体外で受精させ(体外受精、顕微授精)、得られた受精卵を、再び子宮内に戻します。この胚移植の際も痛いのか気になっている方もいることでしょう。ここでは胚移植について説明します。

肺移植は痛くない

胚移植では、通常柔らかなチューブを使用して受精卵を戻すため、多少の違和感はあっても痛いと感じることはほとんどありません。また、処置も数分程度で終わることが多いです。リラックスした状態でいることで、妊娠率が高くなると言われもしますので、ゆったりとした気持ちで臨むと良いでしょう。

胚移植で痛みがあるケース

基本的に痛くない胚移植ですが、子宮の屈曲がきつい場合、子宮筋腫等で内腔が変形している場合は、チューブを挿入するのが困難なことがあります。そのようなケースでは、追加の処置が必要となったり、こしのあるタイプのチューブに変更したりすることで、違和感を感じることがあります。

体外受精後の痛みの種類

採卵や胚移植を終えると、妊娠判定を待つ事となります。この期間にもお腹が痛いと感じることがあります。痛さの種類やその原因について説明します。

妊娠初期症状によるもの

胚移植の後、受精卵が子宮内膜に着床すると、妊娠が成立します。受精卵が子宮内膜に入り込む際に出血が起きることがあり、着床出血と呼びます。着床出血は異常な出血ではありませんが、お腹の重い感じや、チクっとする痛みなど、生理痛に似た感覚を伴うことがあります。

月経痛によるもの

胚移植された受精卵がうまく子宮内膜に着床しない場合、黄体機能の低下と共に、月経が訪れます。月経の前から、月経の最中に腹痛を感じる事もあります。

子宮外妊娠によるもの

胚移植では、直接子宮に受精卵を戻すため、子宮外妊娠は起こらないというイメージがあるかもしれません。しかし、体外受精でも移植した受精卵が逆走し、卵管など子宮以外の部位で着床して、子宮外妊娠となるケースが少なからずあり、むしろ通常の妊娠よりも確率が高くなることが分かっています。子宮外妊娠の際も、痛いと感じたり出血があったりなどの症状が出現することが多く、またそれと診断された場合は、手術などの処置が必要になります。

痛みは様々

ハートのクッションを二人で持つ夫婦

体外受精による痛みは、採卵による処置に伴うもの、妊娠兆候によるものなどさまざまです。痛い感覚は個人差があります。痛みに不安やストレスを感じている方は、麻酔を使用している医療機関を選ぶことも大切です。緊張は痛さを増強させるので、なるべくリラックスをして処置に臨むと良いでしょう。

巷岡 彩子 医師 木場公園クリニック 医師監修ドクターのコメント
体外受精は自己注射や、採血、採卵、卵巣過剰刺激症候群等、痛さを含めて身体的な負担を感じることも多くあることでしょう。鎮痛剤や麻酔薬、等々、症状を和らげる方法もありますので、無理せず、相談しながら治療を受けられると良いですね。

監修ドクター:巷岡 彩子 医師 木場公園クリニック 医師

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出典:http://kiba-park.jp/

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