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咳喘息の原因と症状を徹底解説!正しい治療法と予防策も紹介!

 公開日:2023/12/14

咳喘息は、呼吸器系の疾患の1つであり、慢性的な咳や息切れ、胸の痛みなどの症状を引き起こします。
本記事では、以下の点について解説します。
・咳喘息の原因
・咳喘息が発症するメカニズム
・咳喘息の予防法
咳喘息について正しい知識を身につけ、健康な生活を送るための参考にしてください。
ぜひ最後までお読みください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

そもそも咳喘息とは

そもそも咳喘息とは

そもそも咳喘息とは何なのかについて解説しています。

咳喘息とは

咳喘息とは、気管支喘息の一種で、咳が主な症状としてあらわれる疾患です。
咳が続くことで気管支が炎症を起こし、狭くなるため、呼吸が困難になることがあります。
発作が起こることもあるため、早期に診断・治療することが重要です。

喘息と咳喘息の違い

喘息と咳喘息は、いずれも呼吸器の疾患ですが、その症状や原因、治療法に違いがあります。
喘息は、気管支が狭くなって息苦しさや胸の圧迫感を感じる疾患です。
主な症状は、息苦しさ、胸の痛みや圧迫感、呼吸困難などで、発作的に症状があらわれることがあります。
原因はアレルギー反応や空気の汚染物質、運動など様々で、治療法としては吸入薬や気管支拡張剤を使うことがあります。
一方、咳喘息は、喘息と同様に気管支が狭くなる疾患ですが、主な症状が咳であることが特徴です。
症状は、特に夜間や朝起きた時に咳が出ることが多く、激しい運動などによっても引き起こされることがあります。
原因はアレルギー反応や気管支の炎症などが考えられ、治療法としては喘息と同様に吸入薬や気管支拡張剤を使うことがあります。
症状によって喘息と咳喘息を区別することは難しいため、正確な診断を受けることが大切です。
症状がある場合は早めに医師の診断を受けるようにしましょう。

咳喘息が発症するメカニズム

咳喘息が発症するメカニズム

ここでは咳喘息が発症するメカニズムについて見ていきます。

咳喘息の原因とは

咳喘息の原因は、通常の喘息と同様に複数の要因が関与しています。
具体的には、アレルギー反応、空気汚染、冷たい空気、煙、ウイルス感染などが原因の1つとして考えられます。
また、ストレスや運動などの刺激も咳喘息を引き起こすことがあります。
ただし、原因は個人差があり、同じ原因でも個人によって症状が異なる場合があるため、専門医の診断が必要です。

咳喘息の症状について

「喘息」と「咳喘息」は、両方とも気管支喘息として知られる疾患ですが、主な症状が異なります。
喘息は、呼吸困難、胸の圧迫感、発作的な咳や息切れが特徴的であり、咳喘息は、咳が主な症状となります。
咳喘息は、気管支が狭くなることによって咳を引き起こすため、咳が発作的に起こることがあります。
また、喘息の場合は、発作的な咳や息切れがありますが、そのほかにも様々な症状があらわれることがあります。

咳喘息の検査と診断

医師は、患者の症状や病歴、身体検査、呼吸機能検査、肺機能検査、アレルギー検査などを用いて咳喘息の診断を行います。
特に、肺機能検査は、咳喘息の診断に不可欠であり、吸入試験などを用いて、患者の気道の狭窄具合や肺機能の低下を評価します。
診断には、多くの場合、専門医の診断が必要であり、早期に診断・治療を行うことが大切です。

咳喘息の原因として考えられるもの

咳喘息の原因として考えられるもの

咳喘息の原因はいくつか考えられます。
ここからは咳喘息の原因として考えられるものをいくつか紹介します。

咳喘息とアレルギーの関係

咳喘息は、アレルギー反応が原因で起こることがあります。
アレルギー物質によって呼吸器が刺激され、気管支が狭くなって空気が通りにくくなるため、咳や喘鳴が起こります。
そのため、アレルギーを引き起こす物質を避けることが、咳喘息の予防や治療につながる場合があります。
しかし、咳喘息がアレルギー反応によって引き起こされるわけではないため、適切な検査と診断が必要です。

咳喘息とストレスの関係

咳喘息とストレスには密接な関係があります。
ストレスは咳喘息の発作を引き起こす可能性があり、また、咳喘息の症状を悪化させることもあります。
ストレスが原因で咳喘息の症状が出る場合もありますが、逆に咳喘息の症状がストレスを引き起こすこともあります。
そのため、ストレスを避け、適切に管理することは、咳喘息の予防や管理に役立つ可能性があります。
しかし、ストレスを完全になくすことは難しいため、ストレスのコントロール方法を学び、適切に対処することが重要です。

咳喘息と風邪の関係

風邪が引き金となり、咳喘息が発症する可能性があります。
風邪の症状である発熱や痰が治まっても、咳だけが8週間以上続く場合は、咳喘息の兆候が考えられます。
特にアレルギー体質の人に多く見られ、最近その患者数は増えています。
咳が継続する場合、2週間程度で治まるのであれば、風邪が原因と思われます。
しかし、風邪が治っても咳が続き、咳のときに痰が絡まない、夜間や早朝にひどい咳があるなどの症状が8週間以上続く場合は、咳喘息の可能性があるため、呼吸器内科やアレルギー科を受診することを考慮してください。
特に辛い症状がある場合は、ためらわずに早めに受診することが重要です。

咳喘息の予防法について

咳喘息の予防法について

咳喘息の予防法についてここから解説します。

咳喘息の予防法

まず、咳喘息の発症を防ぐためには、アレルギーや喫煙など、咳喘息の原因となる要因を避けることが重要です。
また、定期的な運動やバランスのとれた食事、睡眠の改善も予防につながります。
さらに、ストレスの軽減や適切な治療を受けることも予防につながります。
ただし、咳喘息は完全に予防できる病気ではないため、予防法の徹底だけでなく、早期発見・早期治療が大切です。
定期的な健康診断や、専門医の診察を受けることも、咳喘息の予防につながると言えます。

咳喘息発症の原因となる遺伝的要因

咳喘息には遺伝的な要因も関与している可能性があります。
家族の中に咳喘息を発症している人がいる場合、自分自身も咳喘息を発症する可能性が高くなるとされています。
遺伝的な要因によって、気道が過敏に反応してしまうことがあるため、咳喘息の症状があらわれることがあるとされています。

喫煙と咳喘息の関係

喫煙は、咳喘息の発症や症状の悪化につながるとされています。
禁煙が、咳喘息の予防や治療にとって重要な役割を果たすことがあります。
禁煙には、早期の症状改善や合併症の予防などのメリットがあります。

咳喘息対策となる食べ物

咳喘息の対策として、食事に注目することも重要です。
咳喘息の症状を軽くするためには、抗酸化作用のある食品やオメガ3脂肪酸を含む食品、そして善玉菌を含む発酵食品などが効果的です。
また、アレルギーを引き起こす食品や添加物、熱帯果物などは避けることが大切です。

咳喘息予防のためにできること

咳喘息予防のためにできること

咳喘息予防のためにできることとして代表的なものをここから3つ紹介します。

生活習慣の改善

咳喘息の予防には、生活習慣の改善が重要です。
たとえば、タバコの禁煙、健康的な食生活、十分な睡眠、ストレス管理などが挙げられます。
また、適度な運動や定期的な健康診断も咳喘息予防に役立ちます。
生活習慣を見直すことで、咳喘息の発症リスクを下げられます。

環境の改善

咳喘息予防のためには、環境の改善も重要です。
空気清浄機の使用や換気の改善、家の掃除、ダニやカビの対策など、自宅や職場などの環境を改善することで、アレルギー物質や刺激物質を減らし、咳喘息の発症を予防できます。

運動方法

咳喘息予防には、適度な運動が効果的です。
ただし、喉や気管支を刺激する激しい運動は、逆に症状を悪化させることがあります。
したがって、呼吸が浅くなるリスクのあるスポーツは避け、ゆっくりとしたペースでの軽い有酸素運動がおすすめです。
また、運動前後には適切なストレッチやウォーミングアップをすることも重要です。

咳喘息の治療について

咳喘息の治療について

ここまで咳喘息の予防について解説してきました。
では、具体的な治療法にはどのようなものがあるのでしょうか。

薬物療法

風邪薬、抗菌薬、咳止め薬は、咳喘息にはほとんど効果が期待できません。
咳喘息の治療方法は喘息と同じく、気管支の炎症を鎮めるための薬物治療が主となります。
まず、吸入ステロイドが基本的な薬として使用されます。
吸入ステロイドは気道の炎症を和らげ、敏感になっている気道を正常な状態に戻す効果があります。
この治療によって、咳喘息が気管支喘息に進行するのを防ぐことができます。
また、気管支拡張薬も使用されます。
咳喘息では気管支が狭まって咳が引き起こされるため、気管支を広げる効果を持つ気管支拡張薬が利用されます。
これにより、咳の軽減が期待されます。
治療を受ける際には、正しい投薬指示や使用方法に従うことが重要です。
また、治療を中断せずに継続することも重要です。
症状が改善したからと言って、急に治療を中止すると再発のリスクがありますので、数カ月にわたって治療を続けることが推奨されています。
咳喘息の治療では、早い段階で吸入ステロイドを使用することが必要です。
これは、咳喘息が喘息に進行するのを予防するための重要な措置です。
自然に症状が改善する場合もありますが、咳喘息の約30%が喘息に進行すると言われています。
したがって、症状の早期改善や喘息への移行を予防するためにも、早めの治療を受けることが必要です。

他の病気の可能性

咳喘息は病気の診断が難しく、他の疾患との区別が難しい場合があります。
診断基準としては、咳の持続性や気管支拡張剤の効果が必要ですが、同様の症状を引き起こす他の疾患も存在します。
医師にとっても難しい病気であり、正確な診断には他の症状や治療薬の効果を確認する必要があります。
そのため、「咳喘息と診断されているが治療薬の効果が見られない」というケースや、他の病気と診断されたにもかかわらず咳が収まらない場合には、セカンドオピニオンを求める患者さんも多いです。
咳喘息と症状がよく似ている疾患に「アトピー咳嗽」というものがあります。
この疾患は、アトピー性皮膚炎が基礎にあり、それが咳を引き起こすものです。
症状は咳喘息とほぼ同じですが、治療薬は異なるため、見分けることができます。
咳喘息では気管支拡張剤が有効ですが、アトピー咳嗽ではヒスタミンH1拮抗薬や吸入ステロイドが効果的です。
さらに、長引く咳が他の病気の症状である場合も考えられます。
肺がん、結核、肺気腫(COPD)、百日咳やマイコプラズマ肺炎、感染後咳嗽(風邪などの後に続く咳)、薬剤性咳嗽(薬の副作用による咳)などが該当します。
また、逆流性食道炎や副鼻腔炎など、咳とは関連性がなさそうな疾患も咳の原因となることがあります。
気道は口腔、鼻腔、胃などの消化器ともつながっているため、咳が引き起こされる箇所は多岐にわたります。

咳喘息原因まとめ

咳喘息原因まとめ

咳喘息は、気道の炎症により起こる病気であり、原因は複数存在します。
・咳喘息の原因は様々ある
・咳喘息はアレルギー・ストレスとも関係している
・咳喘息予防として生活習慣の改善などがある
ここまで、喘息発症のメカニズムや喘息の原因として考えられるものについて解説してきました。
また、喘息予防のためにできることについても述べました。
正しい知識を持ち、早期に喘息を予防することが大切です。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師