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「子宮ポリープの手術費用」はどのくらいかかる?【医師監修】

 公開日:2025/03/22
「子宮ポリープの手術費用」はどのくらいかかる?【医師監修】

子宮ポリープの手術を検討している方にとって、費用は大きな関心事でしょう。
本記事では、子宮ポリープの手術費用について以下の点を中心にご紹介します!

  • ・子宮ポリープの原因
  • ・子宮ポリープ手術について
  • ・子宮ポリープの手術費用

子宮ポリープの手術費用について理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

馬場 敦志

監修医師
馬場 敦志(宮の沢スマイルレディースクリニック)

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筑波大学医学群医学類卒業 。その後、北海道内の病院に勤務。 2021年、北海道札幌市に「宮の沢スマイルレディースクリニック」を開院。 日本産科婦人科学会専門医。日本内視鏡外科学会、日本産科婦人科内視鏡学会の各会員。

子宮ポリープとは?

子宮ポリープは、子宮内膜や子宮頸管にできる良性の腫瘍で、それぞれ「子宮内膜ポリープ」 「子宮頚管ポリープ」と呼ばれます。
これらのポリープは、子宮内膜の異常な増殖によって形成され、良性であるものの、不妊症の原因となることがあります。
ポリープは1cm以下の小さなものから数cmに及ぶ大きなものまであり、複数個できることもあります。

子宮ポリープの症状

子宮ポリープは、大きく子宮頚管ポリープと子宮内膜ポリープに分けられますが、いずれも無症状で経過する場合が多いです。
性交後や運動後、排便時などに不正出血が起こることがあります。また、月経不順や月経量の増加、月経痛の悪化なども見られる場合があります。さらに、おりものの量が増加したり、茶褐色や膿のようなおりものが出たりする場合もあります。稀に、不妊の原因となることもあります。
ポリープは良性腫瘍ですが、まれに悪性腫瘍であることが判明する可能性もあるため、症状がある場合は早めに婦人科を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

子宮ポリープの原因

子宮内膜ポリープと子宮頚管ポリープの原因を解説します。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープの正確な原因は解明されていませんが、主にホルモンバランスの乱れが関与していると考えられています。なかでも、エストロゲンの過剰分泌や、エストロゲンとプロゲステロンのバランスの崩れが子宮内膜の異常増殖を引き起こし、ポリープ形成につながる可能性があります。
また、加齢、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病もリスク要因となります。遺伝的要因や喫煙習慣も影響する可能性があります。これらの要因が複合的に作用して、子宮内膜の一部が過剰に成長し、ポリープが形成されると考えられています。

子宮頚管ポリープ

子宮頚管ポリープの原因は解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。まず、慢性的な炎症や感染症が子宮頚管の粘膜を刺激し、ポリープの発生を助長させることがあるとされています。
また、女性ホルモンの変動も関与している可能性があり、エストロゲンの影響が指摘されています。妊娠を経験した30代から50代の女性に多く見られることから、ホルモンバランスの変化が一因と考えられます。
さらに、遺伝的要因もリスクを高める可能性があります。これらの要因が複合的に作用し、子宮頚管にポリープが形成されると考えられています。

子宮ポリープ手術について

子宮ポリープの手術を2種類紹介します。

子宮鏡下手術

子宮鏡下手術は、子宮鏡を用いて子宮内膜ポリープを切除する手術であり、主に不正出血や不妊症の原因となるポリープを取り除くことを目的としています。子宮鏡下手術は、子宮内に液体を充填し、スコープを挿入してモニターで確認しながら行われます。
手術は体表に傷を残さず、痛みが少ないのが特徴です。細径の子宮鏡を使用し、麻酔を用いることで患者さんの負担を軽減します。
また、電気メスを使わずにポリープを切除するデバイスを使用し、子宮内膜へのダメージを抑えます。手術は日帰りで行われることが多く、術後は早期に社会復帰が可能とされています。ポリープの大きさや位置によっては手術が難しい場合もあり、その際は専門の病院への紹介が行われます。

鉗子による切除手術

鉗子を用いた切除手術は外来で行われ、麻酔を必要としないことが多いようです。医師は腟から鉗子を挿入し、ポリープの根元をつかんで捻じるように切除します。処置は数秒で終わり、痛みもあまりありません。出血も少なく、患者さんへの負担が小さいのが特徴です。
ただし、ポリープの大きさや位置によっては、より高度な手術が必要になる場合もあります。切除後は、悪性の可能性を排除するため、組織検査が行われます。鉗子による切除手術は簡便で効果的な方法であり、不正出血などの症状改善や、妊娠前の予防的処置として有効です。

子宮ポリープの手術費用

子宮ポリープの手術費用は、それぞれどれくらいかかるのでしょうか。

子宮内膜ポリープの手術費用

子宮内膜ポリープの手術費用は、医療機関や手術の方法によって異なります。子宮鏡下子宮内膜ポリープ摘出術の場合、保険適用で患者さんの負担額(3割)は18,500円程度です。自費分を加えると、総額で19,000円前後になることが多いようです。
一方、35,000円〜40,000円程度の費用がかかるケースもあります。ただし、この金額には入院費や手術費が含まれています。なお、手術前の検査費用や薬剤費、追加の処置が必要な場合は別途費用がかかる可能性があります。また、医療機関によって料金体系が異なるため、事前の確認が推奨されます。

子宮頚管ポリープの手術費用

子宮頚管ポリープの手術費用は、医療機関や手術の方法によって異なります。保険診療で行う場合、患者さんの負担額(3割)は7,500円程度です。この金額には病理組織検査の費用も含まれています。ただし、初診料や再診料が別途かかることがあります。日帰り手術で行われることが多く、入院の必要がない場合が大半です。
一方、入院が必要な場合は、1泊2日で50,000円程度かかることもあります。手術の複雑さや使用する機器によっても費用が変動する可能性があるため、事前に医療機関に確認するとよいでしょう。また、保険適用外の治療を選択した場合は、さらに高額になる可能性があります。

子宮ポリープ手術についてよくある質問

ここまで子宮ポリープの手術費用などを紹介しました。ここでは「子宮ポリープの手術」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

子宮ポリープの手術には保険は適用されますか?

馬場 敦志医師

子宮ポリープの手術には、公的医療保険が適用されます。子宮内膜ポリープや子宮頸管ポリープの切除手術は、保険診療の対象となっているため、患者さんの自己負担額は軽減されます。日帰り手術の場合、3割負担で2万円〜4万円程度の費用がかかります。ただし、この金額には初診料や術前検査、薬剤費などは含まれていないため、実際の総額はこれより高くなる可能性があります。
また、入院が必要な場合は、入院日数やベッド代によって費用が変動します。保険適用により、経済的負担を抑えつつ、必要な治療を受けられるようになっています。

子宮ポリープの手術で入院する場合もありますか?

馬場 敦志医師

子宮ポリープの手術は日帰りで行われることが多いようですが、状況によっては入院が必要になる場合もあります。例えば、ポリープの数が多い場合や大きなポリープがある場合、または出血のリスクが高い場合には、入院して手術を行うことがあります。
全身麻酔が必要な場合や、腹腔鏡を用いた手術が必要な場合には、専門施設での入院治療が推奨されることがあります。このようなケースでは、患者さんの安全性を確保し、適切な治療を行うために、入院が選択されることがあります。

まとめ

ここまで子宮ポリープの手術費用についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。

  • ・ホルモンバランスの乱れや生活習慣病、慢性的な炎症や感染症が子宮ポリープの原因に関与している可能性がある
  • ・子宮ポリープ手術には子宮鏡下手術や鉗子による切除手術がある
  • ・子宮ポリープの手術費用は保険診療で7,500円程度から、入院が必要な場合は50,000円程度になる場合がある

子宮ポリープと関連する病気

子宮ポリープと関連する病気は5個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法などの詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

婦人科の病気

具体的な症状や治療法については、担当の医師と相談しましょう。

子宮ポリープと関連する症状

子宮ポリープと関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

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これらの症状が持続する場合、または新たにあらわれた場合、医師の診察を受けることが大切です。

この記事の監修医師