目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 歯科TOP
  3. コラム(歯科)
  4. 予防歯科とは?専門的な検査と施術で虫歯を防ごう!

予防歯科とは?専門的な検査と施術で虫歯を防ごう!

 更新日:2023/03/27

虫歯や歯周病になってから治療する従来の歯科治療とは異なり、「そもそも虫歯や歯周病にならないこと」に何より重きを置く予防歯科。

予防歯科を徹底しておけば、虫歯や歯周病によって引き起こされる弊害を軽減できるのはもちろん、余計な治療費がかからないため経済的にもお得です。

そんな予防歯科の概要と、予防歯科専門の歯科医院で実際に行われている検査や施術についてMedical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修ドクター:
唐沢 有紀 歯科医師 なかしま歯科医院 院長

 予防歯科の概要、メリット、ポイント

ここでは、予防歯科の概要、メリット、ポイントについて解説していきます。

予防歯科の概要

予防歯科とは、虫歯や歯周病になってから治療するのではなく、なる前に予防しようとする考え方、もしくはそういった考えの元に専門的な検査や施術を行っている診療科のことです。

2012年には厚生労働省が「歯科口腔保険の推進に関する基本的事項」を発表するなど、社会全体で予防歯科を推進していく動きが広まりつつあります。

予防歯科のメリット

予防歯科の主なメリットは以下の二つです。

1:健康な歯や歯茎の維持
予防歯科を実践していくことで、虫歯や歯周病の兆候が現れてもすぐに治療ができるため、健康な歯と歯茎を長年に渡って維持することができます。

80歳になっても自分の歯だけで食事を楽しむことも十分に可能です。

2:余計な治療費がかからない
予防歯科で行われている検査や施術は数千円で受けることができますが、虫歯や歯周病になると数万円、場合によっては数十万円以上のお金がかかることもあります。

このように、予防歯科は経済的な観点から見てもとても優れている考え方なのです。

予防歯科のポイント

予防歯科におけるポイントは以下の三つです。

1:歯垢を残さない
歯垢とは、簡単に言うと食べカスにより発生した細菌の塊です。

そのまま放っておくと歯石になって歯にこびりつくだけでなく、虫歯や歯周病、口臭の原因になってしまいます。

予防歯科は、この歯垢を徹底的に洗い落とすことが基本です。

2:細菌を増やさない
口の中で細菌が増えて大きくなっていくと歯垢になります。歯垢を生み出す細菌を増やさないように、洗口液などをうまく活用しましょう。

3:フッ素の活用
歯磨き粉などに含まれるフッ素は、歯の表面にあるエナメル質を修復し、歯を強化してくれます。歯垢や細菌をしっかり洗い落としたあとにフッ素でコーティングすることによって、歯を健康な状態に保つことができるでしょう。

 予防歯科における検査・施術・治療の内容

ここからは、予防歯科で実際に行われている検査、施術、そして治療の内容について解説していきます。

虫歯と歯周病の検査

虫歯や歯周病には初期症状がほとんどありません。

そのため、痛みを感じて感染に気づいたときには、すでに症状がかなり進行していると考えられます。

そんな自覚症状が出にくい虫歯や歯周病を早期に発見するために、予防歯科では専門機器やX線撮影を使用して検査を行います。

唾液検査

唾液には、細菌を消毒して口の中を清潔に保つ働きや、口の中を中性に近づけることによって虫歯の発生・進行を抑制してくれる働きがあります。

そのため、唾液の量や含まれる細菌数を検査(=サリバテスト)することによって、どの程度虫歯にかかりやすいのか判断できるのです。

虫歯への抵抗力は個人差があるので、こうした検査を通してその人にもっとも合った予防歯科の方法を選んでいきます。

フッ素塗布

先ほど説明した通り、フッ素には歯を修復・強化してくれる働きがあります。

そのため、しっかりと口の中の汚れを落とした後、フッ素でコーティングするのも予防歯科で行われる代表的な施術のひとつです。

PMTC

PTMCとは歯科医院で行われる専門的なクリーニングのことで、歯と歯の間、歯と歯茎の境目、磨きにくい奥歯の溝など、自分で行うブラッシングだけでは磨きにくい場所を徹底してキレイにしてくれます。

自分では普段から磨けているつもりでも、実は歯垢がたまり歯石になっていた、というケースも珍しくありません。

そのため、こうしたクリーニングを定期的に受けることによって、より確実に口の中を健康な状態に保てるでしょう。

ブラッシング・食習慣指導

いくら歯科医院で検査をしたり、クリーニングをしてもらったりしても、自宅でのブラッシングができていなければ意味がありません。

そのため、予防歯科では正しいブラッシングの指導も行っています。

また、食習慣の乱れも虫歯の間接的な原因のため、それに対する指導が行われることもあります。

 予防歯科に力を入れている施設とそうでない施設の見分け方

それでは、予防歯科に力を入れている歯科医院と普通の歯科医院をどうやって見分ければよいのでしょうか?

診療科目の表記

予防歯科は基本的にどの歯科医院でも行われている検査や施術です。

そのため、「予防歯科専門医」といった認定資格のようなものはありません。

ただ、それでも診療科目に予防歯科と掲げている歯科医院は、「この分野に力を入れていますよ」という一種のアピールをしているため、歯科医院選びのひとつの指標にはなるでしょう。

医師と歯科衛生士の連携

予防歯科に力を入れている歯科医院は、予防歯科担当の歯科衛生士を配置していることがあります。

歯科衛生士には、予防歯科の他にも歯科診察の補助や、生活習慣・ブラッシング指導などの役割があるため、予防歯科に特化した歯科衛生士を配置しているということは、それだけ力を入れているということがわかります。

ただし、歯科衛生士へ任せきりにするのではなく、歯科医師による最終確認が欠かせません。

歯科衛生士とのちょっとした会話がきちんと歯科医師にバトンタッチされているような、チームワークの良い歯科医院を選んでみてはいかがでしょうか。

サポート治療の有無

虫歯や歯周病の治療は症状が治ったから完了、というわけではありません。

その後も定期検診を通して予防歯科を実践していく必要があります。そういった「治療後のサポート体制」が整っている歯科医院は、予防歯科に力を入れていると思ってよいでしょう。

 治療の必要ない状態を保つことこそが最良の治療

予防歯科とは、治療を必要としない状態をキープする考え方であり、ある意味最良の治療法とも言えるでしょう。

予防歯科を日頃から実践していれば、生涯に渡って自分の歯で食事を楽しむことができるだけでなく、虫歯や歯周病の痛みや臭いに悩まされることもありません。

また、虫歯や歯周病にかかる治療費に比べると、コストパフォーマンスも圧倒的に優れています。

予防歯科ではX線撮影検査などで初期症状を見逃さず発見してくれるのはもちろんのこと、専門的な検査でその人個人の特徴や適正も見分けてくれます。

虫歯や歯周病の初期は自覚症状が出にくいため、セルフチェックだけでは見逃しがちです。ぜひ定期検診を通して予防歯科を実践していきましょう。

唐沢 有紀 歯科医師 なかしま歯科医院 院長監修ドクターのコメント

歯科医院は今、「痛くなってから行くところ」から「健康な状態を維持するところ」へと、その役割を変えようとしています。

ご家庭でのセルフケアを予防の主軸に据え、その確認を歯科医院で行うのが、予防歯科の新しい姿といえるでしょう。

セルフケアで大切なのは、正しいブラッシング、食生活の改善(糖分摂取制限)、フッ素の使用(歯質の強化)の3点です。

他方、医院内では手術用顕微鏡マイクロスコープと同等の拡大率を持つサージテルを使用し、小さな虫歯やわずかな汚れなどの見落としを防ぐことにより、正確で精密な治療を行っています。

専門的な歯垢・歯石取りを定期的に繰り返すことで、虫歯や歯周病などの発症を抑えていきましょう。セルフケアとプロケアの両立が、予防歯科には欠かせません。

 

監修ドクター:唐沢 有紀 歯科医師 なかしま歯科医院 院長

 予防歯科でおすすめの歯医者さん 中部編

なかしま歯科医院

電話番号 0561-82-5889
住所 愛知県瀬戸市松原町1-34-1
アクセス 名鉄瀬戸線 水野駅 徒歩30秒
診療時間 【平日】9:00~12:30/15:00~18:30
【土曜】9:00~12:00/14:00~17:00
※祝日のある週の木曜は診療致します。
休診日 木曜日・日曜日・祝日
URL http://www.nakashimashika.jp/

この記事の監修ドクター

この記事の監修歯科医師