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【歯科医に聞く】インプラントの治療計画ってどうやって立てられているの?

 公開日:2023/12/05
【歯科医師に聞く】インプラントの治療計画ってどうやって立てられているの?

インプラント治療を受けるにあたって、あらかじめ治療計画を立てることは最も重要と言えるでしょう。今回は、インプラント治療がどのように進むのか、治療を受けるにあたって気をつけるべきことを「さくらぎファミリー歯科」の櫻木先生に解説していただきました。

櫻木 慎也

監修歯科医師
櫻木 慎也(さくらぎファミリー歯科)

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広島大学歯学部卒業後、京都府立医科大学附属病院へ入局。大阪の歯科医院勤務を経て、2021年7月に「さくらぎファミリー歯科」を開院。一般歯科からインプラント、審美、矯正に至るまで幅広い治療に対応している。おおやけこども園 / 岩屋こども園アカンパニ連携歯科医院。インビザライン認定ドクター。
所属は日本歯周病学会、日本先進医療機関JIADS(The Japan Institute for Advanced Dental Studies)ほか多数

インプラント治療とは? メリット・デメリットをご紹介

インプラント治療とは? メリット・デメリットをご紹介

編集部編集部

まず、インプラント治療について教えてください。

櫻木 慎也先生櫻木先生

インプラント治療は、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。 従来は歯を失ったときの治療法として「ブリッジ」や「入れ歯」が選択されていましたが、最近はインプラントも一般的になりつつあります。

編集部編集部

インプラント治療のメリットはなんでしょうか?

櫻木 慎也先生櫻木先生

入れ歯やブリッジと比べると、ほかの歯を削る必要がなく、しっかりと固定されるため、本来の自分の歯のような感覚で噛んだり話したりできることです。

編集部編集部

反対に、デメリットはありますか?

櫻木 慎也先生櫻木先生

治療期間が長い点はデメリットと言えるかもしれません。顎の骨にインプラントを埋入させる一次手術、歯ぐきを少しだけ切ってインプラント上部を露出する二次手術、その後の型取りや人工歯の製作など、トータルして4~6カ月かかります。また、保険が適用されないため、治療費が高額になる点も挙げられます。

インプラント治療はどうやって進められる? 治療計画はどのように決まる?

インプラント治療はどうやって進められる? 治療計画はどのように決まる?

編集部編集部

インプラント治療はどのように進むのでしょうか?

櫻木 慎也先生櫻木先生

まずは口腔内の状態を確認して、歯科用CT撮影などをおこなった上で治療計画を立てていきます。もちろん、いきなりインプラント治療を始めるわけではないので、その点はご安心ください。入れ歯やブリッジなどの選択肢も合わせて説明して、患者さんと一緒に治療法を決定していきます。

編集部編集部

治療計画というのがあるのですね。

櫻木 慎也先生櫻木先生

はい。1本だけインプラントを入れる場合でも、口腔内全体のバランスをみて、治療をどのように進めていくのか考えていく必要があります。さらに、歯だけでなく、年齢や生活習慣、噛み癖などを知ることも重要です。そこでわかった結果から、インプラントを長持ちさせるためにはどのような計画で進めたらいいのか、道筋を立てていきます。

編集部編集部

あらかじめ治療計画を立てることが重要なのですね。

櫻木 慎也先生櫻木先生

そうですね。「歯周病のある場合にはまず歯周病のコントロールをすること」「どこに入れるかだけでなく、入れた後にどうなるのか」「土台となる骨の状態がどうなっているのか」「隣の歯や噛み合わせとのバランスがどうなっているのか」などを考慮して、どのように進めるのかを決定します。

インプラントの治療計画は変わることがある? 注意点や知っておいた方がいいこと

インプラントの治療計画は変わることがある? 注意点や知っておいた方がいいこと

編集部編集部

インプラントの治療中に治療計画が変わることはあるのでしょうか?

櫻木 慎也先生櫻木先生

はい、たしかにあります。例えば、骨の再生速度が思ったより遅かったり、全身状態(糖尿病や血圧)が変化したりすることなどによって、治療計画を臨機応変に変更することはあります。「治療計画が途中から変わる」と聞くと心配になってしまうかもしれませんが、最初から決めつけるのではなく、臨機応変に対応できるのはむしろプラスと捉えるべきだと考えます。インプラントに限った話ではないですが、柔軟に対応してくれる歯科医院は安心感につながるでしょう。

編集部編集部

カウンセリングで聞いておいた方がいいことはありますか?

櫻木 慎也先生櫻木先生

費用や期間はもちろんですが、インプラント治療で起こり得るトラブルをきちんと聞いておくことをおすすめします。また、そのようなトラブルが起こった際のリカバリー法も、きちんと説明してもらってください。加えて、最初からインプラントだけについて聞くのではなく、インプラント以外の選択肢についても説明してもらうといいと思います。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

櫻木 慎也先生櫻木先生

インプラントは、自分の歯と同じように噛める画期的な治療法です。ただしその一方、リスクもある治療なので、歯科医師と信頼関係を築いた上で選択するようにしましょう。トラブルが実際に起こったり、予定通りに骨が再生しなかったりすることなども考えられます。その際、「ベストな方法を1つだけ」ではなく、「よりベターな方法」もいくつか提案してくれるような、臨機応変な対応ができる歯科医院を選んでほしいと思います。また、インプラントに限りませんが、治療は受けて終わりではありません。定期的なメンテナンスを心がけましょう。

編集部まとめ

今回は、インプラント治療とその治療計画について解説していただきました。年齢や生活習慣、噛み癖や骨の状態、全身状態など、様々なことを考慮した上で治療計画が立てられます。また、今回紹介したカウンセリングの際に聞いておいた方がいいことについても、インプラント治療を受けてから後悔しないために覚えておきましょう。

医院情報

さくらぎファミリー歯科

さくらぎファミリー歯科
所在地 〒607-8305 京都府京都市山科区西野山中臣町41-1
アクセス 京都地下鉄東西線「椥辻駅」 徒歩15分
診療科目 歯科

この記事の監修歯科医師