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内視鏡検査前後の食事では何が食べられる?いつ食べればいいの?

 更新日:2023/03/27

内視鏡検査(治療)を受ける際に気を付けなければならないもののひとつとして、「食事制限」があります。詳細は病院により異なりますが、検査の前・後それぞれに、飲食してもよいタイミングや食材の決まりが設けられているのが一般的です。
内視鏡検査を受ける際の食事の時間や食材のルールについて、Medical DOC編集部がお届けします。

この記事の監修医師
成毛 哲 (成毛医院 副院長)

内視鏡検査(治療)前の食事

内視鏡前日の食事

内視鏡検査を受ける際、前日の夕食は摂ることができます。ただし、時間や食事の内容には制限があるため、注意が必要です。

内視鏡検査は朝に行われるのが一般的です。検査時に胃や腸の中に食物残渣や多くの便があると、検査に支障をきたすため、一定の時間より後の飲食は禁止されます。多くの病院で、夜5時~9時くらいまでの間に夕食を済ませるように指示があるようです。検査を受ける病院によって食事が可能とされる時間は異なりますので、必ず病院からの指示を守りましょう。また、大腸内視鏡の場合は、前日に下剤を飲む場合もあります。

前日は、朝昼晩ともに繊維質が多い食材や、油分が多いメニューは避ける必要があります。できるだけ消化のよいものを少なめの量食べるように心がけましょう。病院によっては、消化しやすく便になりにくい専用の「検査食」を提供している場合もあります。なかには、内視鏡を入れる数日前から食事の制限を課す病院もあるようですので、事前にきちんと説明を受け、指示に従いましょう。

内視鏡当日朝の食事

手術当日の朝食は、基本的に摂ることができません(食道や胃の検査の場合、検査時間によりごく少量可の場合もあり)。ただし、検査の2時間ほど前までは、飲み物に限り摂取できるとされている場合がほとんどです。このとき、色が濃い飲み物や乳飲料などは禁止されるようです。水やお茶などを飲むとよいでしょう。病院にもよりますが、検査の何時間前までにコップ何杯の水を飲むようにと指示をされる場合もあります。

内視鏡検査(治療)後の食事

検査後食事ができるタイミング

内視鏡検査では、検査中の苦痛を和らげるために鎮静剤や麻酔を用いることがあります。また、大腸の検査では、注射によって大腸の動きが抑制された状態になっています。検査が終了した後も、麻酔や薬剤の効果が切れるまでは、食事をすることはできません。病院により指示は異なりますが、多くの場合、検査終了から1時間ないし2時間程度経過後から、食事を摂ることが認められるようです。

検査後の食事制限

薬剤の効果が切れた後は、食事制限による低血糖や脱水を改善するために、食べ物や飲み物を意識して摂る方がいいとされています。食事の内容は、なかにはいつも通りの食事に戻れるとしている病院もありますが、多くの場合は、刺激物は避けるよう指導されるようです。また、検査後数日の間は生物や油の多いもの、アルコールなどを控えるように指示している病院もあります。いずれにせよ自己判断はせず、医師に訊ねたうえで食事内容を決めるといいでしょう。

ポリープなどを切除した場合の食事制限

内視鏡検査では、より詳しい検査のために消化器の粘膜や組織を採取したり、ポリープなどの病変を切除する治療を行ったりする場合があります。組織の採取や病変の切除を行った後の消化器は荒れやすい状態になっているため、特にアルコールや刺激物の摂取を控える方がよいとされています。場合によっては、数日から1週間程度、胃腸に優しい食事を摂る必要があるようです。

また、大きなポリープを切除した場合などは、出血のリスクなどを考慮して、手術後は絶食となることもあります。翌日以降、診察の結果によって、流動食から開始して、徐々に通常食へと戻していくことになります。

内視鏡検査前後に食べてよいもの・悪いもの

食べてよいもの

食べてよいものは、基本的に消化がよいとされているものです。具体的には、以下のようなものがあります。

  • 雑穀などを含まずジャムやバターなどを塗っていない(はちみつはOK)パン
  • 白米のごはん、おかゆ
  • うどん、そうめんなどのめん類(そばは病院により見解が分かれるようです)
  • 豆腐、豆乳
  • 肉類(ハム、ベーコン、ソーセージなどを含む)
  • 魚類(練り物を含む)
  • 味噌汁やコンソメスープなどの汁物

上のようなものを組み合わせて、量を控えめに、できるだけ早い時間帯に食べるようにしましょう。

飲み物は、以下のようなものがよいとされています。

  • 緑茶、ウーロン茶などのお茶
  • スポーツドリンク
  • 炭酸飲料
  • コーヒー(ミルク不可、砂糖可)

食べてはいけないもの

反対に食べてはいけないものは、油脂や食物繊維を多く含む食べ物です。消化しにくく便を増やす作用があるため、検査に支障をきたすとされています。

  • 野菜類
  • 果物類
  • 豆類、ゴマ
  • こんにゃく
  • 海藻類
  • きのこ類
  • 刺激物(香辛料、薬味など)
  • 乳製品

また、一般的に健康によいといわれている雑穀米や玄米、胚芽パンなども、検査の前には避けるべき食材とされています。

飲み物では、

  • アルコール
  • 牛乳などの乳飲料
  • 100%ジュース

などが控えるべきものとされています。

病院によって食材の可・不可の範囲や制限すべきとしている期間は異なります。また、便秘や糖尿病などの既往症によっても制限の内容は変わってくるようです。検査前の説明やパンフレットなどをよく確認し、医師の指示に沿った食事を心がけましょう。

術前の下剤を楽にする食事

大腸内視鏡検査の前には、下剤を用いて腸の内容物を排出します。この下剤を使用した排泄が辛いという方は少なくないようです。前日の食事で固形物を摂らず、ゼリーなどのごく柔らかいものと飲み物のみにすると、下剤の量を抑えられ、やや楽に排出が終わるといわれています。

医師の指示に従った正しい食事が大切

内視鏡検査を受ける前には、さまざまな食事の制限が課されます。「油脂が多いもの」「食物繊維が多いもの」などの食材の制限はもちろん、食事を摂る時間にも制約が設けられるのが一般的です。そのため、少々面倒に感じられるかもしれません。しかし、食事の制限を守ることはスムーズな検査の実施のために必要ですし、より正確な診断へも繋がるものです。

検査の後にも、食事を摂るタイミングや食材の制限があります。せっかく検査を受けて健康状態をチェックしても、検査後の食事で健康を害しては元も子もありません。検査前も検査後も、食事について自己判断をせず、医師や看護師からの指示に必ず従うことが大切です。疑問点があれば、些細なことでも事前に確認をとっておきましょう。

成毛 哲 医師 成毛医院 副院長監修ドクターのコメント

内視鏡検査をする前の食事の注意点についてですが、胃の検査は食べる時間さえ守っていただけばほとんど問題ありません。ですが大腸の検査となると、腸の中がすっかりきれいにならないと検査ができません。当院では、検査前に患者様とお会いして、下剤のお渡しと食事についてのご説明をしますが「ちょっと面倒だな」とおっしゃる方もいます。
確かに患者様は事前の準備や対応する時間も必要ですので、面倒に思われるかもしれません。ただ、ほとんどの場合、前日のお食事に注意するだけで十分対応できますし、飲み物も水以外に、お茶など色がついたものでも底が見通せるものならば大丈夫ですよとお話しています。施設によっては記事にあるような検査食を用意してくれるところも実際にありますので活用されてはいかがでしょうか。
ただし、便秘の方については前日のお食事だけではきれいにならないケースもありますので、検査を受けられる施設で、事前にしっかり医師からのアドバイスをお受けになることをおすすめします。

監修ドクター:成毛 哲 医師 成毛医院 副院長

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 成毛医院

出典:http://www.naruke-clinic.com/

電話番号 047-358-2001
住所 千葉県市川市相之川3-1-22
アクセス 東京メトロ東西線の南行徳駅より徒歩8分
診療時間 9:00~12:00
15:00~18:00
休診日 水曜午後・土曜午後・日曜・祝日
対応検査項目 ・大腸内視鏡検査
・胃内視鏡検査
・経鼻内視鏡検査
・麻酔を用いた(静脈内鎮静法)内視鏡検査
URL http://www.naruke-clinic.com/(クリニックWEBサイト)
http://www.ichikawa-naishikyo.com/(胃・腸内視鏡外来サイト)

この記事の監修医師