目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 専門サイトコラム(医科)
  4. AGAは自分で対策できる?AGAになる原因や再生医療による治療法などについて解説

AGAは自分で対策できる?AGAになる原因や再生医療による治療法などについて解説

 公開日:2024/12/20
AGAは自分で対策できる?AGAになる原因や再生医療による治療法などについて解説

頭髪が薄くなった気がする、頭髪の抜け毛が目立つ……。その症状は、AGA(男性型脱毛症)かもしれません。進行していくと頭髪が生えなくなり、若ハゲになってしまう可能性もあります。遺伝と自己判断して諦めてしまう人もいるでしょう。しかし、AGAについての原因や対策方法、治療法などをよく知ることで、改善できる場合もあります。この記事では、AGAの気になる質問に、わかりやすくお答えしていきます。

AGAの概要

AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略称で、男性型脱毛症を指します。症状としては、頭髪が薄くなる、頭髪が抜けやすくなることが挙げられ、主に20代〜50代男性にみられることが少なくないです。AGAが進行していくと若ハゲにつながることもあるため、注意が必要です。AGAについて詳しく知っていただけるよう、よくある質問にお答えしていきます。

AGAが起こるメカニズムを教えてください。
AGAが起こるメカニズムは、男性ホルモンの影響が大きいとされています。テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの一つが悪玉男性ホルモンに変化することで、脱毛症になるといわれています。
ヘアサイクルの乱れがAGAに及ぼす影響について教えてください。
髪の毛は、常にこれまでの髪と新しい髪が生え代わっています。このヘアサイクルの期間はおおよそ3つの期間に分けられます。個人差はありますが、成長期が2〜5年、退行期が2〜3週間であり、その後2〜3ヵ月の休止期を経て、これまでの髪と新しい髪が生え代わります。しかしAGAの場合、このヘアサイクルが乱れ、髪の毛の成長が不十分なまま抜けるのを繰り返します。 髪を作り出す毛根の細胞にも寿命があります。人によって異なりますが、約50年で細胞分裂ができなくなり、その後は髪が生えてこなくなります。2年のサイクルで生え代わる人であれば、100年は髪を作ることができます。しかしヘアサイクルが乱れている人の場合、年齢に関係なく、早い段階で髪が生えてこなくなってしまいます。AGAを発症した場合、できるだけ早くヘアサイクルの乱れを正常に戻すことが重要です。

AGAの原因

AGAの発症にはいくつかの原因が考えられます。AGAの原因や、AGAになりやすいとされる生活習慣に関する質問にお答えしていきます。

AGAの原因にはどのようなものが考えられますか?
AGAの原因としては、睡眠不足や栄養の不足、運動不足、ストレスなどが考えられます。睡眠が不足すると、髪や頭皮の代謝の低下によって、健康な髪が作られにくくなります。睡眠時間を十分にとることはもちろん、睡眠の質を高めることも大切です。また、髪の毛は主にタンパク質でできていて、ビタミンやミネラルなども髪の生成に関わっているため、食事にも気を付ける必要があります。 なお、食事による栄養を頭皮にしっかりと届けるためには、適度な運動も必要です。運動によって血流をよくし、頭皮に栄養が行き届くようにしましょう。
AGAになりやすい生活習慣とはどのようなものですか?
AGAは、不規則な生活習慣によってなりやすいと考えられています。不規則な生活習慣でホルモンバランスが崩れることで、薄毛につながるというのが理由です。 不規則な生活習慣とは、睡眠不足や偏った食生活、運動不足が続く状態です。仕事や介護などで難しい場合もあるかもしれませんが、できるだけ規則正しい生活習慣を心がけましょう。

AGAの対策

AGAの対策 AGAにならないために自分でできる対策や、食生活、ヘアケア法などをお伝えします。

自分でできるAGA対策にはどのようなものがありますか?
食事で頭皮によい栄養素の摂取、十分な睡眠、頭皮や髪のケア、ストレスをためない、喫煙や過度な飲酒を避ける、などが挙げられます。
AGA対策としてどのような食生活を心がければよいでしょうか?
バランスのよい食生活を心がけることが基本です。髪の毛はケラチンというタンパク質と、20種類のアミノ酸で構成されています。単純にタンパク質を含む食べ物だけを食べても、効果は出にくいです。タンパク質などの栄養素を体に吸収しやすくするためには、鉄分や亜鉛に含まれるミネラルの摂取も大切です。 また、ビタミンには皮脂の過剰分泌を予防する効果が期待できるといわれており、頭皮の皮脂のつまり予防につながります。 よって、 タンパク質、ミネラル、ビタミンを摂れるような、バランスのよい食生活を心がけましょう。
正しいヘアケアのやり方について教えてください。
正しいヘアケアとして、頭皮マッサージが挙げられます。頭皮のマッサージは血のめぐりをよくし、頭皮に栄養を運びやすくなるからです。頭皮マッサージは強く刺激せず、頭皮を優しく揉むだけでよいでしょう。1日数分でも習慣として行うことをおすすめします。 また、美容室やヘッドスパなどでの頭皮マッサージも効果的です。なお、自分で髪を洗う際は、爪を立てないよう気を付け、頭皮を指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。また、頭皮の潤いを保つことも必要です。髪を洗った後は、リンスやコンディショナーを使用し、潤いを保ってください。

AGAの治療法

AGAの治療法 AGAの治療法は投薬治療が一般的な治療法だとされていますが、投薬以外にも治療法はあります。AGAの治療法を紹介します。

クリニックで受けられるAGAの治療法について教えてください。
AGAの治療法は、内服薬や外用薬によるものが少なくないです。投薬治療は、AGAの進行を予防、抑制し、発毛を促します。 AGAの進行具合によっては、有効成分を頭皮に直接注入するメソセラピーや、植毛なども治療法に挙げられます。どれくらいの頭皮の状態を目指すかは人によって異なるため、治療法も目標次第で選んでください。
AGAの治療薬について教えてください。
主に初期段階のAGA治療で用いられる内服薬や外用薬には、いくつか種類があります。フィナステリド(プロペシア)は、AGAの進行を遅延させる効果が期待でき、予防薬としても服用されています。ミノキシジルは発毛促進に効果的な成分を持ち、AGA治療において広く利用されています。フィナステリドとミノキシジルを配合した内服薬や外用薬など、異なる作用を持つ治療薬の併用は、AGAの進行を抑えつつ、発毛を促進する効果が期待できます。AGA治療薬は、継続して服用することによって約4〜6ヵ月で99%の方が効果を実感しているといわれています。
注射やレーザー治療を用いたAGA治療について教えてください。
注射やレーザーを用いて患部に直接薬剤を入れるAGA治療がメソセラピーです。主に、広い範囲で薄毛が気になる場合に用いられる治療法です。注入する薬剤はミノキシジルやBENE(ベネブ)などの成長因子で、外用薬として使用するより直接的に奥まで浸透可能なため、短期間で発毛の効果を実感できます。 初期段階や予防目的でのAGA治療薬と比べて、早急に改善したい人に向けた治療法といえるでしょう。
植毛によるAGAの治療にはどのような種類がありますか?
植毛によるAGA治療には、自毛植毛があります。自毛植毛とは、自分自身の後頭部の髪の毛を薄毛の部分に移植する手術です。移植された髪の根元は生きたままなので、一度成功すると、移植後の髪の毛は自然に成長し続けます。個人差はありますが、効果を実感するまでには数ヵ月~1年程かかるでしょう。 自毛植毛の注意点は、移植できる毛量が自身の後頭部によること、高額な治療費、手術後の回復に時間がかかる、などが挙げられます。
再生医療を用いたAGAの治療方法について教えてください
再生医療を用いたAGAの治療方法には、幹細胞(かんさいぼう)再生治療があります。幹細胞とは、新しい皮膚や血液などのもとになる細胞のことを指します。幹細胞再生治療とは、自身の皮下脂肪から取り出した幹細胞を使用する再生医療であり、脂肪組織由来の幹細胞を頭皮に直接注入し、髪を作る細胞の活性化を促してヘアサイクルを整える治療方法です。

編集部まとめ

AGAは早い段階で予防や治療を開始すれば、ヘアサイクルの乱れを改善できる可能性があります。ヘアサイクルが乱れないよう、自分でできる対策として、日頃からバランスのよい食生活や十分な睡眠、ストレスの管理などに気を付けることが大切です。薄毛や抜け毛が気になる場合は、症状が進行していく前に専門の医療機関に相談し、治療を行うようにしましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

山下 真理子医師(くみこクリニック京都駅前院)

京都府立医科大学医学部医学科 卒業 / のべ10年以上の美容皮膚科勤務を経て、現在はくみこクリニック北山院に勤務している。コロナ以前は、大阪医専にて、医療従事者の教育にも関わった経験がある。

記事をもっと見る