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目の痒みを軽減できる「花粉症の目薬」にはどんな成分が含まれている?【医師監修】

 公開日:2026/04/20
目の痒みを軽減できる「花粉症の目薬」にはどんな成分が含まれている?【医師監修】

花粉症は鼻水やくしゃみだけでなく、目の痒みや充血でもつらくなります。かゆくてこすると赤みが増え、ゴロゴロ感が続くことがあります。涙が増えてメイクが崩れる、仕事や勉強に集中しづらいなど、日常生活への影響が出る方もいます。コンタクトレンズを使っている方は、乾きや違和感が強くなり、いつもどおりに装用できないこともあります。
目薬は症状を軽くする手段の一つです。症状に合う成分を選べると、痒みや充血が落ち着きやすくなります。一方で、強い痛みや見えにくさ、片目だけの悪化、粘りのある目やにがある場合は、花粉症以外の原因も考えます。自分で対応できる範囲と、受診したほうがよいサインを分けて考えます。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

花粉症で生じる目の症状とメカニズム

花粉症で生じる目の症状とメカニズム

花粉症で生じる目の症状を教えてください

症状の中心は、痒み、充血、涙が増える、異物感、目やに、まぶたの腫れです。目の周りが腫れぼったく感じたり、まぶたの縁がかゆくなったりする方もいます。涙は水っぽく増えることが多く、目やには少量でも糸を引くように感じる場合があります。
痒みが強いほど目をこすりやすくなり、こする刺激が重なると赤みや腫れが続きやすくなります。強くこすった後に痛みが出る場合は、目の表面に傷がつくこともあります。まぶしさが強くなる、目を開けていられないといった場合は、刺激が増えている可能性も考えます。
黄緑色で粘りのある目やにが増える場合や、片目だけ急に悪化する場合は、感染症など別の原因も候補に入ります。花粉の時期でも、花粉症以外が重なることがあります。

なぜ花粉症で目に症状が現れるのですか?

花粉が結膜に付着すると免疫が反応します。反応の中心はアレルギー反応で、肥満細胞からヒスタミンなどが放出されます。ヒスタミンは痒みを起こしやすく、血管の広がりにも関わります。そのため、痒み、充血、涙が増えるといった症状が出ます。時間がたってから炎症が続く反応も重なり、触る回数が増えるほど刺激が積み重なりやすくなります
症状が長引くときは、アレルギー反応の後に続く反応が影響していることがあります。目をこすると一時的に楽に感じても、刺激が増えて赤みや腫れが続きやすくなるため、触る回数を減らす工夫が役立ちます。例えば、目がかゆいときは冷やしたタオルを当てる、人工涙液で洗い流すなど、こすらない代替手段を用意すると続けやすくなります。
参照:『アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3版)第2章スコープ』(日本眼科アレルギー学会)

目の花粉症の症状を和らげる効果がある目薬の成分と選び方

目の花粉症の症状を和らげる効果がある目薬の成分と選び方

花粉症による目の痒みを軽減できる目薬の成分を教えてください

基本は抗アレルギー点眼薬です。主な狙いは、炎症に関わる物質が出にくい状態を作ることと、ヒスタミンの働きを抑えることです。市販薬にもこの系統の成分が含まれる製品があります。
参照:『アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3版)第2章 スコープ Ⅶ治療:メディカルケア』(日本眼科アレルギー学会)

なぜ目薬を使用すると花粉症の症状が和らぐのですか?

点眼薬は有効成分を目の表面に届けます。ヒスタミンの働きを抑える成分は、痒みの出方を軽くします。炎症に関わる物質が出にくい状態を作る成分は、反応の始まりを抑えます。
これらが重なることで、痒みや充血が落ち着きやすくなります。
毎年症状が出る方は、花粉飛散予測日の約2週間前、または症状が少しでも出た時点で点眼を開始すると、ピーク時の症状が軽くなることがあります。
参照:『アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第3版)第2章 スコープ Ⅶ治療:メディカルケア』(日本眼科アレルギー学会)

高い効果が期待できる目薬の選び方を教えてください

選ぶ軸は、症状の中心と重症度です。
痒みが主ならヒスタミンの働きを抑える成分を候補にします。赤みや腫れが続くなら抗アレルギー点眼薬を候補にします。乾きや異物感が前に出るなら人工涙液の併用も考えます。
強い痛み、強いまぶしさ、見えにくさがある場合は、市販薬だけで続けず受診して原因を確認します。点眼しても改善が乏しい場合も、薬の選び直しが必要なことがあります。

市販の目薬を使用する際に気を付けることはありますか?

用法用量を守りましょう。コンタクトレンズを付けたまま使える目薬か、事前に確認してください。目の痒みや充血が強い日は、レンズの装用を休むほうが楽になることがあります。
点眼するときは、容器の先端がまつ毛や目に触れないようにします。先端が触れると汚れが入り、トラブルにつながることがあります。複数の目薬を併用するときは、点眼の間隔を空けます。続けてさすと、先にさした薬が流れやすくなります。また、目薬は家族でも共有しないでください
市販薬を使っても改善しない場合や、いつもと違う症状が出た場合は、花粉症以外の原因も考えられます。自己判断で目薬を続けず、眼科で確認しましょう。

眼科を受診した方がよい症状と治療方法

眼科を受診した方がよい症状と治療方法

花粉症で眼科を受診した方がよいのはどのようなときですか?

受診を考えたいサインは、痛み、強いまぶしさ、見えにくさです。片目だけ急に悪くなった場合も受診を検討しましょう。
黄緑色で粘りのある目やにが増えるときは、感染症などの花粉症以外の原因も考えます。
コンタクトレンズ装用中に、痛みや強い充血が出たときは、角膜に傷がないか確認が必要です。市販の目薬を使っても改善が乏しい場合は、花粉症以外の原因が隠れていないか確認するために受診を検討してください。

眼科では花粉症の目の症状をどのように治療しますか?

基本は抗アレルギー点眼薬です。効果が足りない場合は点眼薬の種類を変えたり、ステロイド点眼薬などを追加したりします。重い病型では免疫抑制点眼薬が併用されることもあります。ステロイド点眼薬は眼圧が上がることがあるため、眼科で経過を確認しながら使います。
生活面では、外出時の眼鏡帰宅後の洗顔など、花粉を浴びる量を減らす工夫も組み合わせます。目をこする回数が減るだけでも、症状がぶり返しにくくなることがあります。

眼科で処方される目薬と市販薬の効果の違いを教えてください

差は、診断の有無治療の選択肢の幅です。眼科では診察で、感染、ドライアイ、角膜の傷などがないかを確認します。花粉症による症状かどうかも含めて整理します。
そのうえで、症状の強さに合わせて点眼薬の種類や使い方を調整します。必要に応じて、経過を見ながら使うステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬も選択できます。

編集部まとめ

編集部まとめ

花粉症の目の症状は、結膜のアレルギー反応が中心です。目薬は、ヒスタミンの働きを抑える成分や、反応の始まりを抑える成分が基本です。
痛み、強いまぶしさ、見えにくさ、片目だけの急な悪化、黄緑色で粘りのある目やにがある場合は、眼科で原因を確認します。

この記事の監修医師