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「帯状疱疹」を疑う「かゆみ」の特徴はご存知ですか?対策や治療法も解説!

 公開日:2026/03/04
「帯状疱疹」を疑う「かゆみ」の特徴はご存知ですか?対策や治療法も解説!

「片側だけムズムズとしてかゆい」「かゆいのに、触るとヒリヒリ痛む」このような違和感がある場合、帯状疱疹を発症しているかもしれません。帯状疱疹というと、強い痛みのイメージがある一方で、実はかゆみに悩まされる方も少なくありません。

発疹が生じる前からかゆみを感じたり、治った後も後遺症としてかゆみだけが残ったりするケースもあります。この記事では、帯状疱疹によるかゆみが現れるタイミングやかゆみの特徴、つらい症状への対処法、治療法について解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

帯状疱疹|かゆみが生じる段階と特徴

帯状疱疹|かゆみが生じる段階と特徴

帯状疱疹のかゆみの特徴を教えてください

帯状疱疹のかゆみの特徴には、かゆみと同時にヒリヒリとした痛みや、皮膚の違和感などが挙げられます。
「かゆいけれど、触ると痛い」「かゆみとヒリヒリした痛みが混ざっている」というような症状がでる場合は、帯状疱疹が原因かもしれません。また、症状は左半身か右半身のどちらかだけに、神経の流れに沿って生じるという点も大きな特徴の一つです。

さらに、皮膚症状が治った後も、後遺症としてかゆみの症状だけが続く場合があり、これを帯状疱疹後掻痒(たいじょうほうしんごそうよう)と呼びます。
帯状疱疹後掻痒は女性に多く、夜間にかゆみを自覚しやすいといわれています。

参照:『帯状疱疹の症状は?』(公益社団法人日本皮膚科学会)

なぜ帯状疱疹でかゆみがでるのですか?

帯状疱疹のかゆみの主な原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスによる神経の炎症です。

初めて水痘(水ぼうそう)に感染した後、ウイルスは身体から完全に消えるわけではなく、知覚神経に沿って神経細胞のなかに潜伏します。具体的には、顔面の三叉神経(さんさしんけい)や、脊髄の神経、坐骨神経などに潜んだまま、長い間症状がでない状態で存在しています。

しかし、加齢や体調の変化によって免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して、神経に炎症を起こします。そして、神経の異常な刺激によって、かゆみや痛みなどを感じるようになるのです。

参照:『病気を知る 帯状疱疹』(慶應義塾大学病院 KOMPAS)

帯状疱疹のかゆみはどの段階で現れますか?

帯状疱疹によるかゆみは、病気の経過に応じて複数の段階で現れます。

まず、皮膚症状がでる前の初期段階(数日~1週間前)に、ムズムズするようなかゆみや違和感が現れます。これは、ウイルスが神経に炎症を起こし始めているためです。
皮膚症状が治まってかさぶたができる段階では、皮膚の修復に伴いかゆみを感じることもあります。さらに先述のとおり、後遺症としてかゆみが続く場合もあります。

このように、帯状疱疹のかゆみは、皮膚症状が現れる前から治った後まで、さまざまな段階で生じる可能性があるのです。

参照:『帯状疱疹の症状は?』(公益社団法人日本皮膚科学会)

帯状疱疹のかゆみに似た病気を教えてください

帯状疱疹のかゆみに似た症状が現れる病気には、単純疱疹接触皮膚炎(かぶれ)が挙げられます。

単純疱疹は、単純ヘルペスウイルスによって起こる感染症です。お口の周りや唇、性器などの皮膚や粘膜に、小さな水ぶくれやただれが生じて、かゆみやヒリヒリとした痛みを伴うことがあります。

単純疱疹も、体内に潜んでいるウイルスが再活性化して症状がでる点は帯状疱疹と共通しています。ただし、発疹は限られた範囲にまとまって現れます。

接触皮膚炎は、皮膚に触れた物質がアレルギー反応を起こして生じる皮膚の炎症です。化粧品や洗剤、金属製のアクセサリーなど、身の回りのさまざまなものが原因で発症します。皮膚に赤みや小さな水ぶくれが現れてかゆみを伴うことがあります。
接触皮膚炎は、原因となる物質に触れた部位に一致して症状がみられます。

いずれの病気も、帯状疱疹のように身体の片側だけに現れたり、神経の流れにそって現れたりすることは通常ありません。

参照:
『Q2 単純疱疹とはどういう病気ですか?』(公益社団法人日本皮膚科学会)
『Q3 単純疱疹の好発部位はありますか?』(公益社団法人日本皮膚科学会)
『接触皮膚炎Q&A』(一般社団法人日本アレルギー学会)

帯状疱疹でかゆいときの対策と治療法

帯状疱疹でかゆいときの対策と治療法

帯状疱疹でかゆいときは市販の薬を使ってもよいですか?

かゆみの原因が帯状疱疹である場合、自己判断で市販薬を使用するのは避けましょう

市販薬の多くは、虫刺されや湿疹、乾燥などによる皮膚の炎症を想定したものであり、帯状疱疹に対しては十分な効果が得られないことがあります。また、身体に合わない薬を使用すると症状を悪化させてしまう可能性もあります。したがって、帯状疱疹が疑われる場合は、まず医療機関を受診して、適切な治療を受けるのがよいでしょう。

かゆみの段階で病院で治療を受けると帯状疱疹の症状が軽減されますか?

はい。かゆみや違和感だけの段階で早期に治療を開始すれば、症状が軽くなる可能性があります。

この時期にはすでにウイルスの活動が始まっているため、早期に治療を開始すれば、ウイルスの増殖を抑えて、発疹の広がりや痛みを軽くできる可能性があるのです。
また、皮膚症状が治った後に痛みが続く帯状疱疹後神経痛や、帯状疱疹後掻痒といった後遺症の発症リスクを下げる効果も期待できます。

病院での帯状疱疹の治療法を教えてください

病院では、症状や重症度に応じて次のような治療が行われます。

  • 抗ウイルス薬の投与
  • 痛みへの対症療法

帯状疱疹はウイルスが原因の病気であるため、抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビルなど)を内服、または点滴で投与します。発症からできるだけ早い時期(5日以内)に治療を始めると、皮疹の広がりや強い痛みを抑え、治りを早める効果が期待されます。

痛みに対しては、薬物療法神経ブロックによる対症療法が行われます。薬物療法では次のような薬剤を使用します。

  • 消炎鎮痛剤(アセトアミノフェンや非ステロイド系の鎮痛剤)
  • 抗うつ剤(ノリトリプチン、アミトリプチンなど)
  • ビタミンB12
  • 外用薬(リドカイン軟膏など)

これらの薬物療法であまり効き目が感じられないときは、原因となった部位の神経ブロックを行う場合もあります。
神経ブロックとは、神経に麻酔を使用して、痛みを軽減する治療法です。

そのほか、水ぶくれが潰れたり、掻きむしったりしたことで傷ができている場合は、症状に応じて抗菌薬が含まれた軟膏を塗布します。

また、帯状疱疹後神経痛や帯状疱疹後掻痒などの後遺症が残った場合は、引き続き症状に合わせた治療が行われます。

参照:
『帯状疱疹診療ガイドライン2025』(公益社団法人日本皮膚科学会)
『神経ブロックとは』(一般社団法人日本ペインクリニック学会)
『病気を知る 帯状疱疹』(慶應義塾大学病院 KOMPAS)

帯状疱疹のかゆみが強いときの対策

帯状疱疹のかゆみが強いときの対策

帯状疱疹で痛みよりもかゆみが強い場合はどうすればよいですか?

痛みよりかゆみが強い場合でも、自己判断で冷やしたり、市販薬を使ったりせず、早めに医療機関を受診しましょう。

かゆみが強いと、患部を冷やしたくなる方もいるかもしれません。しかし、冷やすと血行が悪くなり、症状がさらに悪化してしまう可能性があります。また、蒸しタオルを当てたり、入浴をしたりして患部を温めると症状が和らぐ場合があります。温め方については、症状や時期によって異なるため、医師の指示に従いましょう。

なお、先述のとおり、市販のかゆみ止めは効果が期待できないため、自己判断で処置をするのは避けましょう。医療機関を受診して、適切な治療を受けることが大切です。

眠れないほどのかゆみに対して病院ではどのような治療をしますか?

一般的には、帯状疱疹の治療を行ううちに、かゆみの症状も軽減していきます。
病院では主に対症療法が行われます。具体的には、抗ヒスタミン薬(塩酸エピナスチン)の内服が症状を和らげたという報告がありますが、効果には個人差があります。

なお、帯状疱疹後掻痒の治療法は確立されていないのが現状です。強いかゆみを予防するためには、発症前の予防接種や早期の抗ウイルス薬による治療が重要です。

参照:『帯状疱疹によるそう痒と塩酸エピナスチンの治療効果』(西日本皮膚科68巻2号)

編集部まとめ

編集部まとめ

帯状疱疹のかゆみは、神経の炎症が原因で起こる症状です。かゆみは、発疹がでる前から現れることもあれば、皮疹が治った後も後遺症として続く場合があります。

身体の片側だけのかゆみや、ヒリヒリとした痛みが続いて帯状疱疹が疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。早期に適切な治療を開始すれば、症状の軽減や早期の回復が期待できます。

この記事の監修医師