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「両目の白内障手術」にかかる「料金」はご存知ですか?保険診療・自費診療それぞれ解説!

 公開日:2026/03/12
「両目の白内障手術」にかかる「料金」はご存知ですか?保険診療・自費診療それぞれ解説!

白内障手術は健康保険が適用される治療ですが、使用する眼内レンズの種類や医療機関によって費用が大きく異なることがあります。両目の手術となると、その分負担も大きくなるため、「合計いくらかかるのか」「保険と自費の差」「費用を抑える制度の活用方法」など、事前に把握しておくことが大切です。本記事では、両目の白内障手術にかかる費用の目安や選べるレンズの種類、さらに費用負担を軽減する方法を解説します。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

両目の白内障手術にかかる料金の目安

両目の白内障手術にかかる料金の目安

白内障は両目同時に手術することはできますか?

両目同時の手術は技術的には可能ですが、安全性の観点から多くの医療機関では片目ずつ日程を分けて行うのが一般的です。理由として、感染リスクを減らすことや、片目の手術結果を見てもう片方の眼内レンズの度数を調整するためなどが挙げられます。通院回数を減らしたい方や高額療養費制度の上限内に費用を収めたい方にとって、同月内に両目手術を行うことで自己負担が抑えられる可能性があります。ただし、最終的な判断は主治医と相談のうえ、安全性を優先して決定しましょう。

両目の白内障手術の種類で使用するレンズの種類を教えてください

白内障手術で使用される眼内レンズには、大きく分けて単焦点眼内レンズ多焦点眼内レンズがあります。

レンズの種類 ピントの合う距離 保険適用の有無 特徴
単焦点眼内レンズ 遠方または近方のいずれか一方 保険適用あり ・最も一般的に行われる
・費用負担が多焦点眼内レンズより少ない
多焦点眼内レンズ 複数の距離 選定療養で追加費用 ・保険適用ではないため、費用は高額になりやすい
トーリック眼内レンズ 乱視矯正に対応 レンズにより異なる ・単焦点なら保険適用内
・多焦点と乱視矯正なら費用はさらに高額になりやすい

患者さんのライフスタイルや希望する見え方、費用負担の許容範囲によって選択肢が異なるため、事前に医師とよく相談して決めるのがよいでしょう。

参照:『白内障の手術』(日本眼科学会)

保険診療の料金の目安を教えてください

白内障手術は診療報酬点数で定められており、白内障手術は水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・そのほかのもの)が12,100点です。診療報酬は点数×10円で計算されるため、手術料部分だけをみると121,000円です。

ここに自己負担割合(1〜3割)がかかりますが、実際の窓口支払いは、術前検査や診察、薬、加算なども加わります。そのため、1割負担であれば片目約1.5万円、両目約3万円、2割負担であれば片目約3万円、両目約6万円、3割負担であれば片目約4.5万円、両目約9万円の費用がかかります。なお、自己負担割合は年齢や所得で変わるため、自分がどの程度の自己負担割合か知っておくと費用の目安が計算しやすくなるでしょう。

参照:『多焦点眼内レンズに係る選定療養の運用について』(日本眼科学会)

自費診療の場合はどの程度の料金がかかりますか?

白内障手術で用いる眼内レンズは国内で承認されている眼内レンズと、国内で承認されていない眼内レンズがあります。国内で承認されている眼内レンズは選定療養で行われ、その場合は手術代は通常の単焦点眼内レンズと変わらず保険適用費用が全額自己負担です。

一方で、国内未承認の眼内レンズは選定療養が使えないため、手術代もすべて全額自己負担です。自費診療で白内障手術をした場合、その費用は病院毎に大きく異なります。そのため、両目で数十万円から、両目で200万円程度かかることもあります。この費用には眼内レンズ代や手術代はもちろん、術後の診療費なども含まれている場合もあります。どこまでが費用に含まれているか、事前に確認しておくとよいでしょう。

白内障にかかると手術以外にも治療費がかかりますか?

白内障は手術だけでなく、それに至るまでの検査や診察、術後の経過観察などにも費用がかかります。具体的には、白内障と診断された後、手術適応の判断に必要な視力検査や眼圧測定、眼底検査、角膜形状解析、眼軸長測定などの各種検査が行われ、これらは保険診療の対象ですが、自己負担は1〜3割がかかります。また、視力の低下により眼鏡を作り直す必要が生じることもあり、その費用は原則として自己負担です。加えて、術後も定期的な診察と、炎症や感染予防のための点眼薬の処方が必要です。まれに合併症が起きた場合は追加の処置や投薬が必要になることもあります。こうした治療や管理にかかる費用も、白内障治療全体の負担として考えておくとよいでしょう。

手術後も服薬が治療が必要になることはありますか?

白内障手術後には、炎症を抑えたり感染を予防したりするために、一定期間の点眼薬の使用が必要です。通常、術後すぐから数週間あるいは1ヶ月程度、複数の点眼薬を併用することが一般的です。これらの薬は保険適用で処方されますが、自己負担額は保険割合によって異なります。また、術後の経過観察のために定期的な診察が必要で、診察料や必要な眼科検査の費用も継続的に発生します。まれに合併症が起こることもあり、その場合は追加の治療費がかかる可能性もあります。

両目の白内障手術の料金負担を軽減する方法

両目の白内障手術の料金負担を軽減する方法

白内障の手術にかかる費用負担を軽減する公的な方法はありますか?

代表的な制度に高額療養費制度があります。これは、1ヶ月間の医療費の自己負担が一定額(自己負担限度額)を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢や所得により異なりますが、例えば、70歳以上で年金収入のみの方の場合、自己負担限度額は約1万8,000円〜5万7,600円に抑えられます。この制度を活用することで、両目の白内障手術を1ヶ月以内に受けた場合に、自己負担の総額を大きく軽減できる可能性があります。また、事前申請によって窓口での支払いを限度額までに抑えられる限度額適用認定証を利用することもできます。

参照:『高額療養費・70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費・高額介護合算療養費』(全国健康保険協会)

白内障の手術で民間保険会社で契約している生命保険の保険金を請求できますか?

加入している生命保険や医療保険の契約内容によっては、白内障手術に対して手術給付金入院給付金が支払われる場合があります。例えば、日帰り手術でも給付対象となる保険や、所定の手術番号に該当する白内障手術であれば、保険金を受け取れることがあります。また、手術日数やレンズの種類によっては給付額が変わることもあるため、事前に保険会社に確認するとよいでしょう。診断書や手術証明書の提出が必要になる場合があるので、早めに準備しておきましょう。

白内障の手術は医療費控除の対象ですか?

白内障手術にかかった費用は医療費控除の対象です。1年間にかかった医療費のうち、自己負担分が10万円(または所得の5%)を超えた部分について、確定申告で申請することで所得税の一部が還付される制度です。手術費用や検査、処方薬、通院のための交通費(公共交通機関)なども含めて申請可能です。ただし、医療費控除を受けるためには領収書の保管や医療費控除明細書の提出が必要ですので、手術後の書類はきちんと保管しておきましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

白内障手術は保険診療であれば数万円から受けられる一方、多焦点レンズを使用した自費診療では数十万円〜200万円程度まで費用がかかることもあります。さらに、術前検査や通院、術後の薬やケアにかかる費用も発生します。ただし、高額療養費制度や医療費控除、民間保険を活用することで、自己負担を大きく抑えることが可能です。

特に、両目の手術を予定している場合は、同じ月内に手術を受けることで高額療養費制度をより効果的に活用できる可能性もあります。ご自身の保険の内容や収入、生活スタイルに応じて、費用面の見通しを立てておくことが大切です。白内障手術は視力を大きく改善する効果が期待できる治療法です。経済面の心配を軽減し、安心して手術に臨むためにも、制度や費用の仕組みを正しく理解しておきましょう。

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