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「胃潰瘍の初期症状」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

 公開日:2026/01/30
「胃潰瘍の初期症状」はご存知ですか?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】

胃潰瘍は、胃の内側を覆う粘膜が傷つき、ただれた状態になる病気です。みぞおちの痛みや胃もたれなどが知られていますが、初期の段階では症状がはっきりしない場合もあり、気付かないまま進行することがあります。そのため、軽い不快感を年齢や疲れのせいと考えて様子をみてしまう方も少なくありません。一方で、胃潰瘍の症状は胃炎や逆流性食道炎、機能性ディスペプシアなど、ほかの病気と似ている点があり、症状だけで見分けることが難しいこともあります。自己判断で放置すると、出血を伴う状態に進むことがあり、日常生活に影響が出る場合もあります。

この記事では、胃潰瘍の前兆や初期症状から進行した場合に現れやすい症状までを整理し、症状が似ているほかの病気との違いに触れながら、受診の目安や病院で行われる検査・治療の流れを解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

胃潰瘍の前兆・初期症状

胃潰瘍の前兆・初期症状

胃潰瘍には前兆がありますか?

胃潰瘍は、症状がはっきりしない状態から始まることがあります。初期の段階では、胃の粘膜の傷が浅く、強い痛みとして自覚されない場合があります。そのため、空腹時に何となく胃が落ち着かない、以前より食後に疲れやすいといった小さな変化にとどまることがあります。また、食事量が自然に減る、食後に胃が重く感じるなど、生活のなかで少しずつ現れる変化が前触れとなる場合もあります。こうした変化は日常生活でも起こりやすく、体調や年齢の影響と受け止められやすい点が特徴です。

胃潰瘍の初期症状を教えてください

胃潰瘍が進み始めると、みぞおち付近に痛みやはっきりした不快感を覚えるようになります。痛みは鋭いものだけでなく、鈍く重たい感じとして続くこともあります。空腹時に違和感が強まる場合や、食後に胃が張るような感覚が出る場合もあります。さらに、胃もたれや胸やけ、吐き気などが加わり、食事が進みにくくなることもあります。これらの症状は、一定の期間続いたり、同じ部位で繰り返し現れたりする点が特徴で、体調の一時的な変化とは異なる経過をたどることがあります。

胃潰瘍が進行するとどのような症状が現れますか?

胃潰瘍が進行すると、症状はよりはっきりしてきます。みぞおちの痛みが強くなり、食事中や食後に痛みが続くようになることがあります。また、胃の粘膜が深く傷つくことで、出血を伴う場合があります。出血が起こると、吐血や黒色便がみられることがあります。目にみえる出血がなくても、少量の出血が続くことで貧血となり、ふらつきや動悸、疲れやすさを感じる方もいます。こうした症状は、胃潰瘍が進んでいるサインのひとつと考えられます。

初期の胃潰瘍と症状が似ている病気と見分け方

初期の胃潰瘍と症状が似ている病気と見分け方

胃潰瘍の初期症状に似ている症状を持つ病気はありますか?

胃潰瘍の初期症状は、みぞおちの痛みや胃の不快感、胃もたれなどが中心となるため、ほかの消化器の病気と区別しにくいことがあります。代表的なものとして、急性胃炎慢性胃炎逆流性食道炎機能性ディスペプシアなどが挙げられます。さらに、胆のうや膵臓の病気でも上腹部に痛みが出ることがあり、胃潰瘍と区別しにくい場合があります。まれに、心臓の病気による痛みがみぞおち付近に現れることもあり、症状だけで判断することは難しいとされています。

初期の胃潰瘍とほかの病気の見分け方を教えてください

初期の胃潰瘍とほかの病気を見分けるうえで大切なことは、症状の内容だけでなく、その現れ方や続き方を確認することです。胃潰瘍は、空腹時や食事との関係で痛みや不快感が出ることがあり、同じ場所に違和感が続く傾向があります。一方、胃潰瘍以外の病気は、症状の出方に違いがみられることがあります。逆流性食道炎は、みぞおちの痛みよりも胸やけや酸っぱいものが上がってくる感覚が前に出やすく、食後や横になったときに不快感が強まることがあります。胆のうや膵臓の病気は、みぞおちから右上腹部にかけて痛みが現れ、背中や肩へ広がる場合もあります。また、まれに心臓の病気による痛みがみぞおち付近に現れ、冷や汗や息苦しさを伴う経過をたどることもあります。ただし、これらは代表的な症状の一例であり、症状だけから病気を切り分けることはできません。

初期胃潰瘍の受診サインと病院での対応

初期胃潰瘍の受診サインと病院での対応

どのような症状が現れたら病院に行くべきですか?

胃の不調が続くときは、痛みの強さだけでなく、症状の続き方や変化を目安に受診を考えます。みぞおちの痛みや胃もたれ、吐き気などが数日続いている場合や、日を追うごとに不快感が強まっている場合には、医療機関で相談することがすすめられます。また、食欲が落ちてきた、体重が減ってきたと感じる場合も、受診を検討しましょう。

一方で、吐血や黒色便がみられる場合、ふらつきや動悸、息切れなど貧血を思わせる症状が出ているときには、早めに医療機関を受診することが大切です。これらの変化は、胃のなかで出血が起きている可能性を示すサインとして考えられます。

胃潰瘍が疑われるときは病院でどのような検査を行いますか?

胃潰瘍が疑われる場合、病院ではまず症状やこれまでの経過について詳しく確認します。そのうえで、胃の状態を直接確認できる検査として、胃カメラによる内視鏡検査が行われます。この検査は、胃の粘膜に傷やただれがあるか、出血の有無、潰瘍の深さなどを確認できます。内視鏡検査は、必要に応じて組織を一部採取し、詳しく調べることもあります。これは、胃潰瘍と似た見た目の胃がんではないことを確認する目的で行われます。また、あわせてピロリ菌の感染が関係していないかを調べる場合もあります。これらの結果をもとに、治療の進め方が決められます。

胃カメラ以外の検査方法はありますか?

胃カメラ以外の検査として、血液検査が行われることがあります。血液検査は、胃からの出血が続いていないかを確認する目的で、貧血の有無などを調べます。また、症状が強い場合や、痛みの原因が胃以外にある可能性を考える必要がある場合には、腹部のCT検査が行われることもあります。これは、胃潰瘍そのものを診断する目的というより、胆のうや膵臓などほかの臓器の異常、重い合併症がないかを確認するためです。これらの検査は、症状や体調に応じて選択され、胃カメラによる評価を補助する役割として用いられます。

初期の胃潰瘍の治療法を教えてください

初期の胃潰瘍は、胃酸の分泌を抑える薬を用いた治療が中心です。胃の粘膜を保護し、傷の回復を助けることで、症状の改善を目指します。また、ピロリ菌が関与している場合には、除菌治療が検討されます。治療とあわせて、胃に負担をかけにくい食事や生活の工夫も重要です。医師の指示に従い、薬を継続しながら経過をみることで、多くの場合は改善が期待できます。

編集部まとめ

編集部まとめ
胃潰瘍は、みぞおちの痛みや胃もたれといった症状で始まることがありますが、初期の段階でははっきりした自覚症状が出ない場合もあります。そのため、胃炎や逆流性食道炎など、症状が似ているほかの病気と区別がつきにくく、気付かないうちに進行することもあります。症状が軽くても、同じような不調が続く場合や、痛みの出方が変わってきた場合には、胃潰瘍の可能性を考えることが必要です。

また、吐血や黒色便、ふらつきなどの症状がみられる場合には、胃のなかで出血が起きている可能性があります。このような変化があるときは、早めに医療機関を受診し、検査を受けることが大切です。病院では胃カメラを中心とした検査が行われ、原因や状態に応じた治療が進められます。胃の不調を我慢せず、症状や経過を目安に受診を考えることが、胃潰瘍の早期発見と回復につながります。

この記事の監修医師