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「更年期に発生する関節痛」の特徴はご存知ですか?関節痛と間違えやすい病気も解説!

 公開日:2026/03/19
「更年期に発生する関節痛」の特徴はご存知ですか?関節痛と間違えやすい病気も解説!

更年期を迎える頃から、これまで感じたことのなかった関節の痛みやこわばりに悩む方は少なくありません。朝起きたときに指や膝が動かしにくい、階段の上り下りで関節が痛む、天候や体調によって痛みが強まるなど、日常生活のなかで違和感を覚える場面が増えることがあります。更年期には女性ホルモンの分泌が大きく変化し、その影響は自律神経や骨、筋肉、関節など全身におよびます。関節の痛みもその一つとして現れることがあり、ほてりや発汗、気分の波といった更年期症状と同時にみられることもあります。一方で、関節痛の原因が更年期とは別の病気である場合もあり、見分けが難しい点も特徴です。

この記事では、更年期と関節痛の関係を整理し、症状の特徴や原因の考え方、日常生活での向き合い方、医療機関を受診する目安を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

更年期と関節痛の関係

更年期と関節痛の関係

更年期に関節の痛みを感じる人の割合を教えてください

更年期前後の女性で、関節や筋肉の痛みを感じる方は少なくありません。日本人女性を対象とした報告では、更年期外来を受診している40〜59歳の女性のうち、約56%が日常的に関節や筋肉の痛みを自覚していたとされています。つまり、更年期の症状で病院を受診する方のうち、2人に1人以上が関節の痛みを感じていることになり、更年期の関節痛は身近な症状の一つといえます。

参照:『Muscle and joint pains in middle-aged women are associated with insomnia and low grip strength: a cross-sectional study.』(J Psychosom Obstet Gynaecol.)

更年期に発生する関節痛の特徴を教えてください

更年期にみられる関節痛の特徴として、はっきりとした腫れや変形を伴わず、痛みやこわばりが中心である点が挙げられます。朝起きた直後に指や手首、膝が動かしにくく感じられ、しばらく身体を動かすと和らぐことがあります。また、左右の関節に同時に痛みを感じたり、日によって痛む部位が変わったりすることもあります。天候や気温の変化、疲労や睡眠不足によって症状が強まる場合もあり、痛みの出方が一定しないことも更年期の関節痛によくみられる特徴です。さらに、ほてりや発汗、気分の落ち込みといった更年期症状と同時期に現れ、全身の不調の一部として関節の違和感が出てくることもあります。

更年期の関節痛と間違えやすい病気はありますか?

更年期の関節痛と似た症状を示す病気はいくつか存在します。代表的なものとして、関節の軟骨がすり減ることで痛みが生じる変形性関節症や、免疫の異常によって関節に炎症が起こる関節リウマチが挙げられます。これらの病気は、痛みが持続しやすい、関節の腫れや熱感を伴う、動かしにくさが時間とともに悪化するといった特徴がみられることがあります。

更年期に関節痛が生じる理由とメカニズム

更年期に関節痛が生じる理由とメカニズム

なぜ更年期に関節が痛くなるのですか?

更年期に関節の痛みが生じやすくなる背景には、女性ホルモンの変化があります。更年期には卵巣の働きが低下し、エストロゲンの分泌量が大きく変動しながら少なくなっていきます。エストロゲンは月経や妊娠に関わるだけでなく、関節や筋肉、骨の状態を保つ働きにも関係しています。そのため、更年期にこのホルモンの影響が弱まることで、関節に違和感や痛みを覚えやすくなります。さらに、更年期には自律神経のバランスが乱れやすく、全身の不調の一つとして関節の痛みが現れることもあります。

更年期に関節が痛くなるメカニズムを教えてください

更年期の関節痛は、いくつかの身体の変化が重なって生じると考えられています。エストロゲンの影響が弱まることで、関節を包む滑膜や軟骨、靱帯、腱の柔軟性が低下し、日常の動作でも関節に負担を感じやすくなります。また、炎症を抑える働きが弱まることで、関節の周囲に軽い炎症が起こりやすくなり、痛みとして自覚されることがあります。さらに、更年期には筋肉量が減少しやすく、関節を支える力が弱まる点も痛みにつながります。加えて、精神的な緊張や不安、睡眠の乱れが重なると、自律神経を介して痛みを強く感じやすくなります。

更年期|関節痛で受診する目安と病院での検査、治療法

更年期|関節痛で受診する目安と病院での検査、治療法

どのような症状が現れたら病院を受診すべきですか?

関節の痛みが数週間以上続いている場合や、時間の経過とともに強くなっている場合は、医療機関で相談する目安です。また、朝のこわばりが長く続く、日中も関節を動かしにくいといった症状がみられる場合や、関節の腫れや熱っぽさを伴う場合には、更年期以外の病気が関係している可能性も考えられます。さらに、関節の痛みに加えて微熱や全身のだるさ、体重減少などが現れたり、家事や仕事、外出など日常生活に支障が出ている状態が続いたりする場合も早めに相談するようにしましょう。

更年期に関節が傷んでいる場合、何科を受診すべきですか?

更年期に関節の痛みを感じた場合は、症状の出方によって受診する診療科を考えます。関節そのものの痛みや動かしにくさが中心であれば、整形外科で関節や骨の状態を確認します。一方で、関節痛に加えて、ほてりや発汗、気分の不調など更年期の症状が重なっている場合には、婦人科で相談することも選択肢の一つです。どの診療科を受診するか迷うときは、かかりつけ医に相談し、症状に応じた医療機関を案内してもらう方法もあります。

更年期の関節痛に対して病院での検査方法を教えてください

病院では、まず関節の痛みがいつから始まったか、どの部位に出ているか、日常生活にどの程度影響しているかを確認します。そのうえで、関節の動きや腫れの有無を診察し、必要に応じて検査が行われます。整形外科では、レントゲン検査で骨や関節の形に目立った変化がないかを確認することがあります。また、血液検査によって炎症の程度を調べ、関節リウマチなどの病気が関係していないかを確認する場合もあります。婦人科では、更年期の状態を踏まえた問診や検査を行い、関節痛が更年期症状の一つとして考えられるかを整理します。

更年期の関節痛はどのように診断しますか?

更年期の関節痛は、検査結果だけで判断されるものではありません。関節の痛みの出方や続き方、検査で大きな異常がみつからないことなどを踏まえて、総合的に判断されます。関節リウマチなどの炎症性の病気や、関節の変形が否定され、関節痛が更年期の時期と重なっている場合には、更年期に伴う症状の一つとして整理されることがあります。診断にあたっては、ほかの病気が隠れていないかを確認しながら、必要な検査を行い、慎重に進められます。

更年期の関節痛は病院での治療で治りますか?

更年期の関節痛は、治療によって痛みやこわばりが軽くなり、日常生活が送りやすくなることが期待できます。ただし、短期間で完全になくなるとは限らず、症状の続き方には個人差があります。更年期の時期を過ぎるにつれて、関節の痛みが自然に落ち着いていく方もいます。

編集部まとめ

編集部まとめ
更年期の関節痛は、女性ホルモンの変動や自律神経の影響が重なって起こりやすく、指や膝、肩などに痛みやこわばりとして現れることがあります。はっきりとした腫れや変形を伴わず、日によって症状が変わる点が特徴です。一方で、関節リウマチや変形性関節症など、別の病気が背景にある場合もあるため、痛みが長く続く、次第に強くなる、生活に支障が出ているといった場合には、病院で状態を確認するようにしましょう。

更年期の関節痛は、検査結果や症状の経過を踏まえて総合的に判断され、治療も症状の強さや生活への影響に応じて選ばれます。痛みの出方や続き方、日常生活への影響を一つの目安にしながら、無理に我慢せず、必要なタイミングで相談することが大切です。

この記事の監修医師