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「子宮筋腫で子宮全摘出」したらどのような「後遺症」が出る?【医師監修】

 公開日:2026/02/18
「子宮筋腫で子宮全摘出」したらどのような「後遺症」が出る?【医師監修】

「子宮筋腫で子宮全摘出術をすすめられたけれど、後遺症が心配」「日常生活にどのような影響があるの?」このような不安を抱える女性は少なくありません。

子宮全摘出手術は、子宮筋腫の根治的な治療法として確立された手術です。実際、多くの方は術後も健康的で充実した生活を送っており、月経による煩わしさから解放され、生活の質が向上したという声も多く聞かれます。この記事では、子宮全摘出手術の適応から、術後の後遺症、日常生活への影響、回復の過程まで解説します。

森 亘平

監修医師
森 亘平(医師)

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東北大学病院 産婦人科

2019年浜松医科大学医学部医学科卒

 [職歴]
2019年4月〜2021年3月 仙台厚生病院初期臨床研修医
2021年4月〜12月    石巻赤十字病院 産婦人科
2022年1月〜2023年6月  八戸市立中央市民病院 産婦人科
2023年7月〜2024年3月  東北大学病院 産婦人科
2024年4月〜2025年3月  宮城県立こども病院 産科
2025年4月〜      東北大学病院 産婦人科/東北大学大学院医学系研究科博士課程

 [資格]
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
厚生労働省指定 緊急避妊薬の処方にかかるオンライン診療研修 修了 
厚生労働省指定 オンライン診療研修 修了 
JCIMELS ベーシックコース インストラクター

 [所属学会]
・日本産科婦人科学会
・日本周産期・新生児学会
・日本超音波学会
・日本人類遺伝学会
・日本産科婦人科遺伝診療学会
・日本DOHaD学会
・日本医療安全学会

子宮筋腫で子宮全摘出手術が選択されるケースと手術の概要

子宮筋腫で子宮全摘出手術が選択されるケースと手術の概要

子宮筋腫の治療において子宮全摘出が選択されるのはどのようなときですか?

まず子宮全摘手術を行うと今後の妊娠はできなくなります。そのため、今後の妊娠希望がないことが大前提です。そのうえで、薬物療法で改善しない子宮筋腫に伴う過多月経や月経痛などの症状がある場合、重度貧血が続く場合に手術が検討されます。特に40歳代で症状が強い場合は閉経まで待つより全摘出を提案されます。

妊娠可能な年齢の女性であっても患者さん自身が月経からの解放を強く希望する場合、十分な説明のうえで選択可能です。

子宮筋腫の子宮全摘出手術とはどのような手術ですか?

子宮全摘出術は、子宮体部と子宮頸部を含む子宮全体を摘出する手術で、3つのアプローチがあります。腹式単純子宮全摘術は、下腹部を10〜15cm切開する従来の方法で、巨大筋腫や癒着がある場合に選択されます。手術時間は1〜2時間程度です。腟式子宮全摘術は、腟から子宮を摘出する方法で、お腹に傷がつきません。経産婦で子宮が大きくない場合が適応です。腹腔鏡下子宮全摘術は、5〜12ミリの小さな穴を腹部に3-4か所開けて行う低侵襲手術です。傷が小さく、術後の回復が早いのが利点です。

摘出した子宮は病理検査に提出されます。まれに良性と思われていた子宮筋腫が悪性腫瘍(子宮肉腫)だとわかることもあります。

子宮全摘出手術の際は子宮以外の臓器や組織も切除しますか?

卵巣と卵管も併せて切除するかが問題です。閉経前の女性では原則として正常な卵巣は温存し、女性ホルモンの分泌を保ちます。45歳未満で卵巣を摘出すると、心血管疾患や骨粗鬆症のリスクが上昇します。

閉経前後や卵巣腫瘍がある場合は併せて卵巣も摘出を検討します。卵管は最近の知見で卵巣がん予防のための合併切除が増えています。

子宮筋腫で子宮全摘出した場合の後遺症

子宮筋腫で子宮全摘出した場合の後遺症

子宮を全摘出した場合に生じる後遺症を教えてください

手術直後の後遺症として、創部痛と腹部違和感があります。開腹手術では2〜3週間、腹腔鏡下手術では1〜2週間程度続きますが、鎮痛剤で症状緩和が可能です。

排尿に関する後遺症は、術後1ヶ月程度経験する方もいます。尿意を感じにくい、残尿感があるなどの症状ですが、多くは3ヶ月以内に改善します。

ホルモン関連の後遺症として、卵巣を温存しても子宮摘出により卵巣への血流が減少し、閉経が若干早まる可能性がありますが、いわゆる更年期症状は卵巣を温存している限りは強く起きません。
長期的には、10〜15年の経過で1〜2%の方に骨盤臓器脱が発生する可能性がありますが、骨盤底筋体操で予防ができます。

参照:『Pelvic organ prolapse after hysterectomy: A 10-year national follow-up study. 』(Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica)

子宮を全摘出したら生理はきませんか?

子宮全摘出後は月経が完全になくなります。子宮内膜を含む子宮全体を摘出するため、月経の起こる場所がなくなり、永続的に月経がなくなります。

多くの女性にとって大きなメリットで、月経痛から解放され、貧血も改善し、生理用品が不要になります。旅行や仕事の予定を月経に左右されることもなくなります。

ただし、卵巣を温存した場合、月経と同じホルモンの周期的変化は続きます。そのため、術後も周期的な気分の変動、乳房のハリ、むくみなどを自覚します。

子宮全摘出により排尿や排便に支障をきたすことがありますか?

術後早期には排尿障害を来たすことがあります。尿意を感じにくい、尿が出にくいなどですが、多くは3ヶ月以内に改善します。長期的には尿失禁のリスクがわずかに増加しますが、骨盤底筋体操により予防可能です。排便への影響として、術後1ヶ月程度、便秘になる方もいらっしゃいます。水分摂取、食物繊維の摂取、軽度の運動により改善します。

子宮を摘出しても性行為は可能ですか?

子宮摘出後も性行為は可能です。腟は残っており、術後6〜8週間で腟断端が治癒すれば医学的に可能です。卵巣も切除している場合には、腟の潤いが減ることがあるので、潤滑ゼリーやホルモン剤の腟錠などを使うこともできます。

参照:『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023』(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)

子宮筋腫|子宮全摘出手術の流れと術後の経過

子宮筋腫|子宮全摘出手術の流れと術後の経過

子宮全摘出手術の大まかな流れを教えてください

術前検査で手術に影響のある異常が隠れていないかを評価し、手術方法を決定します。入院は手術前日が一般的です。手術当日は絶飲食で、全身麻酔下に1〜3時間の手術を行います。術後は麻酔から覚めるのを待ち、病室に戻ります。術後1日目から離床を開始し、徐々に歩行範囲を広げます。食事は腸の動きを確認してから開始し、段階的に常食へ移行します。退院は開腹手術で5〜7日、腹腔鏡下手術で3〜4日が一般的です。

手術前日はどのようにすごしますか?

入院後、診察などを行ったうえでシャワーを浴びて全身を清潔にし、夜間は絶食です。腸管前処置として下剤や浣腸を行うことがあります。弾性ストッキングを着用し、血栓予防の準備をします。十分な睡眠を取って手術に備えます。

術後の身体の状態とできることを教えてください

術後1日目は離床を開始し徐々に運動量を増やします。手術の状態などに応じて順次食事も再開します。退院後1週間は基本的な生活は可能ですが疲れやすさや痛みが残っており、2-4週間で通常の生活が可能になります。術後1〜2ヶ月でほぼ通常の生活に戻り、3〜6ヶ月で完全に回復します。性行為は6〜8週間後から可能です。

術後の回復の経過を教えてください

創部の治癒に4-6週間、痛みは1ヶ月でほぼなくなります。体力回復には2〜3ヶ月かかり、段階的に活動量を増やします。腟からの茶色いおりものは3〜4週間続き、徐々に減少します。排尿機能は多くが1ヶ月程度で正常化しますが、個人差があります。仕事復帰はデスクワークで2-3週間、立ち仕事で4〜6週間が目安です。完全な回復には3ヶ月程度かかりますが、多くの女性が健康的で活動的な生活を送っています。

編集部まとめ

編集部まとめ
子宮全摘出手術は安全で効果的な治療法です。月経はなくなりますが、症状からの解放ととらえる女性が多いです。

後遺症の多くは時間とともに改善し、完全な回復には3〜6ヶ月かかりますが、段階的に日常生活に戻れます。

重要なのは十分な情報を得たうえで選択をすることです。子宮全摘出後も多くの女性が健康で充実した人生を送っています。

参考文献

  • 『Pelvic organ prolapse after hysterectomy: A 10-year national follow-up study. 』(Acta Obstetricia et Gynecologica Scandinavica)
  • 『産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023』(日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会)

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