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「開放隅角緑内障の治療法」はご存知ですか?治療後の注意点も解説!【医師監修】

 公開日:2026/01/26
「開放隅角緑内障の治療法」はご存知ですか?治療後の注意点も解説!【医師監修】

緑内障は、日本で失明原因の第1位となっている恐ろしい目の病気ですが、早期発見と適切な治療によって進行を抑えることが可能です。しかし、自覚症状が乏しいため、治療を途中で中断してしまう方もいらっしゃいます。本記事では、そんな開放隅角緑内障の治療について、基本的な考え方から点眼薬やレーザー、手術の種類、治療後の生活上のポイントについて解説します。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

開放隅角緑内障の治療の基本

開放隅角緑内障の治療の基本

開放隅角緑内障の治療の目的を教えてください

開放隅角緑内障の治療目的は、視野障害の進行を食い止め、今の視力や視野を守ることです。緑内障では一度傷んだ視神経を回復させることはできないため、治療は完治ではなく進行の抑制を目標とします。

具体的には、眼圧を十分に下げることで視神経への負担を減らし、視野の欠けがこれ以上広がらないようにします。患者さんの視覚の質や生活の質を維持することが治療の目標であり、多くの場合生涯にわたる継続的な治療が必要です。

開放隅角緑内障の治療を途中でやめるとどうなりますか?

途中で治療を中断してしまうと、緑内障はだんだんと進行します。開放隅角緑内障は初期から中期には自覚症状が少ないため、「調子がよいから大丈夫」と油断して、点眼を勝手にやめてしまう患者さんも少なくありません。しかし、治療をやめれば再び眼圧が上昇し、知らないうちに緑内障が進行してしまいます。その結果、病状が悪化し、最悪の場合は失明につながる可能性があります。緑内障は一度でも診断されたら、自己判断で治療を中止しないことが重要です。

【開放隅角緑内障の治療】薬物治療

【開放隅角緑内障の治療】薬物治療

開放隅角緑内障ではどのような点眼薬が使われますか?

眼圧を下げる効果のある点眼薬が治療の中心です。緑内障治療用の点眼薬にはいくつかの種類があり、それぞれ作用機序が異なります。主に使用されるのは次のような薬剤です。

  • プロスタグランジン関連薬
  • β遮断薬
  • α2作動薬
  • 炭酸脱水酵素阻害薬
  • Rhoキナーゼ阻害薬

以上のような点眼薬を1種類または複数組み合わせて使用し、目標とする眼圧まで下げます。患者さんごとに適した薬剤の選択や組み合わせは異なるため、主治医の指示にしたがって正しく点眼治療を続けましょう。

点眼薬の副作用はありますか?

はい、緑内障点眼薬にも種類ごとに特徴的な副作用があります。主な薬剤別の副作用は以下のとおりです。

点眼薬の種類 主な副作用
プロスタグランジン関連薬
  • 結膜充血
  • まつ毛が濃く、長くなる
  • 虹彩の色素沈着
  • まぶた周囲の皮膚の色素沈着
β遮断薬
  • 徐脈
  • 血圧低下
  • 喘息悪化、呼吸困難
α₂作動薬
  • お口の渇き
  • 眠気
  • 目のかゆみと充血
炭酸脱水酵素阻害薬
  • 点眼直後のかすみ目
  • お口の中の苦味感
Rhoキナーゼ阻害薬
  • 強い結膜充血
  • 目のかゆみ

副作用の出方や程度は個人差が大きいですが、点眼中に何か気になる症状があれば我慢せず主治医に伝えましょう。医師と相談しながら、自分に合った点眼薬を見つけて副作用と上手に付き合うことが、治療を長続きさせるためには大切です。

【開放隅角緑内障の治療】レーザー治療や手術

【開放隅角緑内障の治療】レーザー治療や手術

レーザー治療(SLT)はどのような場合に行われますか?

選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT)は、主に点眼薬で十分な眼圧下降が得られない場合や、点眼の副作用や点眼継続の困難さが問題となる場合に検討されます。SLTは線維柱帯と呼ばれる房水の排出口にレーザー光を当てて、房水の流れをよくすることで眼圧を下げる治療です。手術と比べ侵襲が少なく、外来通院で短時間で受けられるのがメリットで、現在広く行われているレーザー治療です。

初期の開放隅角緑内障に対しては点眼治療の代わりに第一選択としてSLTを行うことも可能であり、欧米では初期治療にSLTを取り入れる動きもあります。効果の持続期間には個人差がありますが、必要であれば繰り返し照射することもできます。ただし、レーザー治療にもリスクや合併症がゼロではありません。炎症や一時的な眼圧上昇、効果不十分なこともあります。適応となるかどうかは主治医とよく相談し、患者さんの病状や希望に応じて決定してください。

開放隅角緑内障の手術の種類を教えてください

点眼薬やレーザー治療でも眼圧コントロールが不十分な場合、手術による治療が選択されます。開放隅角緑内障に対して行われる代表的な手術は次のとおりです。

  • 線維柱帯切除術(トラベクレクトミー)
  • 線維柱帯切開術(トラベクロトミーなど)
  • 眼内ドレーン挿入術
  • 低侵襲緑内障手術(MIGS)

いずれの手術も一長一短があり、患者さんの緑内障の進行度や全身状態、生活背景などを踏まえて主治医と相談して選択することが大切です。手術で眼圧を下げても、根本的に緑内障が治るわけではなく、その後も経過観察と追加治療が必要である点は押さえておきましょう。

手術後の経過観察について教えてください

緑内障手術を受けた後も、定期的な経過観察は生涯続きます。手術直後は合併症予防や創口の治癒状態を確認するため、短い間隔での通院が必要です。医師の指示に従い、点眼や内服を正しく継続してください。術後しばらくは無理をせず、目をこすったり重い物を持ち上げたりといった眼圧が急上昇しかねない行為は控えましょう。また、中長期的には、手術によって作製した房水の通り道が時間経過で徐々にふさがってくることがあり、術後何年かして再び眼圧が上がってくることもあります。また、術後に眼圧が下がりすぎることや、感染症を引き起こすことなど、さまざまな合併症が起こる可能性があります。したがって、手術後も油断せず、医師の指示したスケジュールで定期健診を受け続けることが重要です。調子がよくても自己判断で通院を中止せず、何か異常を感じたらすぐ受診するようにしてください。

開放隅角緑内障の治療後の生活

開放隅角緑内障の治療後の生活

治療後に気を付けるべき生活上の注意点はありますか?

基本的には過度に心配しすぎる必要はなく、日常生活はふつうに送って構いません。よく「目を使うと緑内障が悪くなりますか?」と質問されますが、読書やパソコン作業などで目を酷使しても直接病気が進行することはありません。適度な運動や趣味も含め、今までどおりの生活を続けて大丈夫です。そして何より大切なのは、定期的な通院と点眼治療の継続を続けることです。治療の効果を維持し視野の悪化を防ぐため、医師から指示されたとおりの点眼薬の使用を守って生活しましょう。

定期的な通院はどのくらい必要ですか?

開放隅角緑内障と診断されたら、一生涯にわたって定期検査が必要と考えてください。具体的な受診間隔は病状によって異なりますが、治療開始直後や眼圧が不安定なうちは月に1回程度の頻度で診察し、眼圧や症状の経過をチェックします。眼圧が安定して落ち着いてきたら受診間隔を2~3ヶ月に1回程度に延ばすのが一般的です。ただし、「落ち着いている」と医師が判断した場合に限りますので、自己判断で受診間隔を延ばすことはやめましょう。視野検査は通常4~6ヶ月に1回の頻度で定期的に行います。以上はあくまで目安であり、患者さん個々の進行具合によって診察頻度は調整されます。医師から指示された場合は、必ずそれを守って受診しましょう。緑内障は定期検査によって変化をとらえ、治療方針を適宜見直していくことが重要です。自己判断で通院を中断や延期はせず、継続的な治療に取り組んでください。

編集部まとめ

編集部まとめ

開放隅角緑内障は日本人に多い身近な目の病気です。加齢とともに誰にでも起こりうる可能性があります。その一方で、自覚症状が乏しいまま静かに進行し、放置すれば失明につながりうる怖い病気でもあります。だからこそ「年齢のせいかな」「見えにくいけど大丈夫だろう」と放置せず、早めに眼科検診を受けて早期発見と早期治療につなげることが大切です。

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