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どのような症状が出たら「急性呼吸器感染症」が疑われる?【医師監修】

 公開日:2026/01/14
どのような症状が出たら「急性呼吸器感染症」が疑われる?【医師監修】

急性呼吸器感染症は、喉や鼻、気管、肺などの呼吸器に急に起こる感染症の総称です。かぜやインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など、日常生活のなかで身近にみられる病気が含まれます。咳や喉の痛み、鼻水、発熱といった症状が中心ですが、年齢や体力、基礎疾患の有無によって症状の出方や回復までの流れはさまざまです。一般的には自然に回復へ向かいますが、症状が長引いたり、息苦しさや強いだるさが出たりする場合には、医療機関での確認が欠かせません。また、家庭内や周囲の方へ感染が広がることもあるため、正しい知識を持つことが大切です。

この記事では、急性呼吸器感染症の基本的な考え方を整理したうえで、みられやすい症状や治療の流れ、家庭で取り組めるケアや予防のポイントを解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

急性呼吸器感染症とは

急性呼吸器感染症とは

急性呼吸器感染症とはどのような病気ですか?

急性呼吸器感染症は、鼻や喉、気管、肺といった呼吸器に、短い期間で起こる感染症の総称です。原因となる病原体が呼吸とともに体内へ入り、粘膜で増えることで症状が現れます。一般的なかぜから、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症なども含まれ、日常生活のなかで接する機会がある病気です。多くの方では数日から1週間ほどで回復しますが、年齢や基礎疾患の有無によって経過が異なります。

どのようなウイルスや細菌が原因になるか教えてください

原因の中心はウイルスです。ライノウイルスやRSウイルス、インフルエンザウイルス、コロナウイルスなどが代表的です。これらは飛沫や接触を通じて広がります。一方で、マイコプラズマや肺炎球菌、A群溶血性レンサ球菌などが関与するケースもあります。ウイルス感染から始まり、途中で細菌感染が重なることもあります。

どのような症状が出たら急性呼吸器感染症と考えられますか?

主な症状は、喉の痛みや咳、鼻水、鼻づまり、発熱、全身のだるさなどです。咳は乾いた咳から痰を伴う咳まで幅があります。発熱は微熱程度から38度を超える場合までさまざまです。食欲が落ちたり、頭痛や筋肉の痛みを伴ったりすることもあります。症状の組み合わせや強さによって、生活への影響が変わります。

発熱や咳が続く場合は受診すべきですか?

発熱や咳が数日以上続き、日常生活に支障が出ている状態が続く場合は、医療機関に相談するようにしましょう。息苦しさや胸の痛み、急な体調の悪化がみられるときも受診の目安です。高齢の方や持病のある方では、軽い症状から悪化することがあるため、早めに状況を確認する姿勢が重要です。

子どもの場合、特に注意すべき症状はありますか?

子どもでは、呼吸が早くなる、肩で息をする、ぐったりして元気がない、飲食が進まないといった様子がみられることがあります。発熱に加えて機嫌が悪くなる場合も注意しましょう。年齢が低いほど症状の変化が急なことがあり、保護者が普段との様子の違いに気付くことが大切です。

急性呼吸器感染症の治療方法

急性呼吸器感染症の治療方法

急性呼吸器感染症の診断はどのような検査で行われますか?

診断は、まず症状の経過や発症時期、周囲での流行状況などを確認します。そのうえで、喉や鼻、呼吸の状態を診察し、全身の様子を総合的に判断します。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症が疑われる場合には、迅速検査を行うことがあります。咳や発熱が続き、肺炎などが疑われる場合には、血液検査や胸部エックス線検査で炎症の有無や肺の状態を確認します。すべての方に同じ検査を行うわけではなく、症状の強さや経過に応じて必要な検査を行います。

治療中に気をつけることはありますか?

治療の基本は、身体を休めながら回復を待つことです。発熱や呼吸器症状があると水分が失われやすいため、少量ずつでもこまめな水分補給を心がけます。医師から処方された薬がある場合は、用法や用量を守って使用します。症状が軽くなったからといって自己判断で中断せず、指示された期間は続けましょう。咳や発熱がある間は外出を控え、家族や周囲の方への感染拡大を防ぐ配慮も必要です。息苦しさの出現や症状の悪化がみられた場合には、早めに医療機関へ相談しましょう。

市販薬だけで急性呼吸器感染症を治せますか?

症状が軽い場合には、市販の解熱鎮痛薬や咳止め、喉の痛みを和らげる薬を使うことで、日常生活の負担を減らせることがあります。ただし、市販薬は症状を一時的に和らげる目的で使用するもので、原因そのものに対する治療ではありません。発熱が長く続く場合や、咳が悪化する場合、呼吸が苦しいと感じる場合には、市販薬の使用を続けるのではなく医療機関での確認がすすめられます。子どもや高齢の方、基礎疾患のある患者さんでは、使える薬が限られることがあるため、購入時に薬剤師へ相談することが重要です。

家庭でできる急性呼吸器感染症のケアと感染予防

家庭でできる急性呼吸器感染症のケアと感染予防

家族に感染させないための対策を教えてください

急性呼吸器感染症は、咳やくしゃみによる飛沫や、手を介した接触で広がります。家族への感染を防ぐためには、こまめな手洗いを行い、咳やくしゃみが出る場合はマスクを着用します。使用したティッシュはすぐに捨て、触れた場所は定期的に拭き取ります。室内では窓を開けて空気を入れ替え、同じ空間にいる時間を短くするようにしましょう。体調不良の方が使う食器やタオルは分け、共有を避けることで家庭内での広がりを抑えられます。

喉の痛みや咳を楽にするケア方法はありますか?

喉の痛みや咳があるときは、喉の乾燥を防ぐことが症状の緩和につながります。室内の湿度を保ち、温かい飲み物で喉を潤します。うがいを行うことで、喉の違和感が軽くなることもあります。咳が出やすいときは、横になる姿勢を工夫し、上半身を少し起こすことで呼吸が楽になる場合があります。

急性呼吸器感染症に有効な予防接種はありますか?

急性呼吸器感染症のすべてを防ぐ予防接種はありませんが、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のワクチンは、重症化を防ぐ目的で用いられます。これらの感染症は流行期に広がりやすく、予防接種を受けることで発症後の症状が軽くなることが期待されます。高齢の方や基礎疾患のある患者さんでは、重い経過をたどることがあるため、医師と相談しながら接種を検討することが大切です。

編集部まとめ

編集部まとめ

急性呼吸器感染症は、かぜやインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など、日常生活のなかで身近にみられる呼吸器の感染症を含む総称です。喉の痛みや咳、鼻水、発熱といった症状が中心で、仕事や学校、家庭生活に影響が出ることもあります。多くの方では、十分な休養と水分補給を意識しながら過ごすことで、数日から1週間ほどで回復へ向かいますが、症状の現れ方や経過には個人差があります。

一方で、発熱や咳が長く続く場合や、息苦しさ、強いだるさを感じる場合には、医療機関での確認が欠かせません。家庭では、手洗いや換気、マスクの着用といった基本的な対策を続けることで、家族や周囲の方への感染拡大を抑えられます。ご自身やご家族の身体の変化を観察し、無理を重ねず、状況に応じて相談する姿勢が、回復までの過程を支えるうえで重要です。

この記事の監修医師