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「インフルエンザ」で「熱が上がったり下がったり」する理由はご存知ですか?

 公開日:2026/01/05
「インフルエンザ」で「熱が上がったり下がったり」する理由はご存知ですか?

インフルエンザに感染すると、高熱が出たり下がったりと不安定な状態が続くことがあります。なぜこのような熱の上下が起こるのか、どのように対処すればよいのか、不安になる方も多いでしょう。本記事ではインフルエンザにおける発熱の理由と注意点を詳しく解説します。

高宮 新之介

監修医師
高宮 新之介(医師)

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昭和大学卒業。大学病院で初期研修を終えた後、外科専攻医として勤務。静岡赤十字病院で消化器・一般外科手術を経験し、外科専門医を取得。昭和大学大学院 生理学講座 生体機能調節学部門を専攻し、脳MRIとQOL研究に従事し学位を取得。昭和大学横浜市北部病院の呼吸器センターで勤務しつつ、週1回地域のクリニックで訪問診療や一般内科診療を行っている。診療科目は一般外科、呼吸器外科、胸部外科、腫瘍外科、緩和ケア科、総合内科、呼吸器内科。日本外科学会専門医。医学博士。がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了。JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)修了。ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)。BLS(Basic Life Support)。

インフルエンザで熱が上がったり下がったりする理由

インフルエンザで熱が上がったり下がったりする理由と注意点を徹底解説!

インフルエンザで熱が下がったのにまた上がるのはなぜですか?

インフルエンザでは二峰性発熱という現象がみられることがあります。これは一度熱が下がった後、再び体温が上昇する状態です。初回の発熱はウイルスに対する免疫反応によるものですが、体内で免疫がウイルスと闘っている途中で一時的に症状が落ち着く場合があります。その後、再び免疫が活発になることで再発熱することがあるのです。また、解熱剤を使った場合、その効果が切れると再び熱が上昇することも少なくありません。

さらに詳しく説明すると、免疫システムがインフルエンザウイルスに反応すると、体内で炎症反応が起こり、これが発熱を引き起こします。免疫システムがいったんウイルスを抑え込むと一時的に症状は落ち着きますが、その後再びウイルスが増殖することで再発熱が起きることがあります。これが二峰性発熱のメカニズムです。

高熱と微熱を繰り返すのはインフルエンザのよくある症状ですか?

特にインフルエンザB型では、この傾向が顕著であると報告されています。全体としては多くの方が数日以内に解熱し、そのまま回復に向かいますが、一部の方では高熱と微熱を繰り返し、経過が長引くこともあります。

この症状が起こる背景には、ウイルスの種類や個人の免疫力の違いが関係しています。インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類があり、それぞれ症状の出方に特徴があります。特にB型は高熱と微熱を繰り返すパターンが多くみられます。また、年齢や持病の有無によっても症状の出方が異なります。

子どもは特に熱が上下しやすいというのは本当ですか?

特に乳幼児や小さなお子さんでは熱が上下しやすい傾向があります。子どもは免疫機能が未成熟であり、ウイルスに対する抵抗力が不十分なためです。また、小児の場合は熱性けいれんを起こすこともあるため、発熱時は注意深く観察する必要があります。熱性けいれんは、急激な発熱に伴って脳が一時的に異常興奮を起こすことで起きる症状です。けいれんの時間は通常数分以内ですが、保護者の方は慌てず落ち着いて様子を観察し、医療機関に連絡してください。

熱の推移は受診時に伝えたほうがよいですか?

熱の推移は診察時に医師へ具体的に伝えると大変役立ちます。いつ熱が下がったか、再度熱が上がった日時、体温の変化などの情報があることで、単なる二峰性発熱なのか、肺炎や気管支炎といった合併症の可能性があるのかを見分ける重要な手がかりになります。細かな症状の変化や経過を正確に医師に伝えましょう。

インフルエンザで熱が上下しているときの注意点

インフルエンザで熱が上下しているときの注意点

熱が上がったり下がったりしているときに学校や仕事に行って大丈夫ですか?

熱が不安定な状態では学校や職場に行くのは控え、自宅でしっかりと静養してください。インフルエンザは感染力が大変強く、一時的に熱が下がってもまだ体内にはウイルスが残っています。特に学校保健安全法では「発症後5日間かつ解熱後2日(幼児は3日)」を出席停止期間と定めています。職場も同様に症状が落ち着くまで自宅療養をすすめます。
参照:『学校におけるインフルエンザ出席停止期間』(東京都教育委員会)

熱が一度下がってもインフルエンザの感染力は残っていますか?

発症後しばらくの間、鼻やのどの分泌物などにウイルスが含まれ、周囲にうつす可能性があります。体温が落ち着いてきたとしても、咳やくしゃみ、鼻水が続いている場合は、まだウイルスを排出している可能性があると考えて行動することが大切です。

特に学校では、発症後の日数と解熱後の日数の両方を満たすまで登校を控える基準があるため、自己判断で早く復帰しないように注意してください。同居家族がいる場合は、家庭内で感染が広がりやすい点にも気を配る必要があります。看病をする方は、手洗いを丁寧に行い、咳が出る場合はマスクを着用し、可能であれば部屋を分けて過ごすなどの工夫を取り入れるとよいでしょう。タオルの共用を避ける、ドアノブやテーブルなど手が触れる場所をこまめに拭く、といった基本的な対策も有効です。体調が戻ってきた段階でも、周囲への配慮として、しばらくは人混みを避け、無理をしない生活を心がけてください。

熱が下がった後に注意すべき症状を教えてください

インフルエンザは多くの場合、数日かけて回復に向かいますが、回復途中で別の感染症が重なったり、炎症が強くなったりすると、熱が再び上がるだけでなく、呼吸や意識の状態に影響が出ることがあります。熱がいったん落ち着いてきたからこそ、これから述べる変化を見逃さないことが重要です。

まず、咳が日に日に強くなる場合や、息苦しさが出てくる場合は注意が必要です。息苦しさとは、呼吸が浅く速くなる、会話がつらい、横になると苦しいと感じる、といった状態を指します。インフルエンザの経過中に肺炎を合併すると、熱が再び上がり、咳が悪化し、呼吸が苦しくなることがあります。胸の痛みがある場合も、呼吸器の合併症が隠れている可能性があるため、早めに医療機関へ相談してください。

熱が上がったり下がったりすることで危険な状態になることはありますか?

熱の上下がある場合に心配になるのは、単なる経過の一部なのか、それとも別の病気が重なっているのかという点です。例えば、いったん熱が落ち着いた後に再び高い熱が出て、咳や息苦しさが増している場合は、肺炎などの合併症を疑う必要があります。こうした場合は、熱の上下だけに注目するのではなく、ほかの症状が同時に悪化していないかを確認してください。

熱が上下していても、飲食ができて会話ができ、呼吸が安定している場合は、自宅療養で経過を見ることもあります。一方で、呼吸が苦しい、胸が痛い、何度も吐く、ぐったりして動けない、意識がもうろうとしている、けいれんがあるといった場合は、早めに医療機関へ相談してください。

乳幼児や高齢の家族で特に注意することはありますか?

乳幼児や高齢の方はインフルエンザで重症化しやすい傾向があるため、より丁寧な観察が必要です。

乳幼児は体調の変化を言葉でうまく伝えられないことが多く、脱水や呼吸状態の悪化に気付きにくい場合があります。下記のような変化を見逃さないようにしましょう。

  • 顔色が悪い
  • 呼吸が速い
  • 母乳やミルクを飲めない
  • 泣いても涙が出ない、尿が減る

また、小児や未成年は、発熱時に異常行動が報告されているため、少なくとも発熱からしばらくの間は目を離さず、事故を防ぐ環境づくりを行ってください。ベランダや窓、玄関などは施錠し、夜間も一人にしない配慮が望まれます。

高齢の方は、肺炎など呼吸器の合併症が起こりやすいことに加え、基礎疾患が悪化しやすい点にも注意しましょう。心臓や肺の病気、糖尿病、腎臓の病気などがある場合は、インフルエンザが引き金になって体調が崩れることがあります。さらに、高齢の方は発熱が目立たない場合もあり、熱がそれほど上がっていないのにぐったりしている、食事が取れない、息が苦しいといった状態になることがあります。熱の高さだけで判断せず、全身状態を重視してください。

家でできる発熱管理の方法を教えてください

自宅での発熱管理は、身体を回復に向かわせるための土台になります。まずは休養です。発熱している間は体力が消耗しているため、無理に家事や仕事を続けず、できるだけ睡眠を確保してください。熱が上下する場合は、回復途中で負担をかけると再び悪化しやすいため、体調が戻ってきたと感じても数日は余裕を持って過ごすことが大切です。

編集部まとめ

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インフルエンザでは、熱が高く出るだけでなく、いったん下がった後に再び上がるなど、熱が上下する経過がみられる場合があります。こうした熱の変化は不安になりやすい一方で、経過の一部として起こることもあります。ただし、熱の再上昇に加えて咳や息苦しさが強くなる、胸の痛みが出る、ぐったりして反応が悪い、嘔吐や下痢で水分が取れない、尿が出ない、意識がもうろうとしている、けいれんが起こるなどの症状がある場合は、合併症の可能性もあるため早めに医療機関へ相談してください。

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