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「一酸化炭素中毒」を防ぐためにどんなことに気を付けたらいい?【医師監修】

 公開日:2026/01/06
「一酸化炭素中毒」を防ぐためにどんなことに気を付けたらいい?【医師監修】

寒い季節になると、暖房器具やガス機器の使用が増えることで、一酸化炭素中毒の危険性も高まります。一酸化炭素は目に見えず、においもないため、気付かないうちに身体に影響を及ぼすことがあります。頭痛や吐き気などの初期症状を見逃すと、重症化するおそれもあります。本記事は、家庭でできる一酸化炭素中毒の予防方法や日常の注意点を解説します。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

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【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

一酸化炭素中毒が起こる仕組みと起きやすい状況

一酸化炭素中毒が起こる仕組みと起きやすい状況

一酸化炭素中毒とはどのような病気ですか?

一酸化炭素中毒は、一酸化炭素という無色・無臭のガスを吸い込むことによって発症する中毒症状です。体内で一酸化炭素は、酸素を運搬する血液中のヘモグロビンと強く結びつく性質があり、その結合力は酸素の200倍以上ともいわれています。そのため、酸素が全身に運ばれなくなり、脳や心臓など全身の酸欠状態が生じます。初期症状として頭痛吐き気めまいが生じ、重症化すると意識障害や命に関わります。

参照:『飲食店や食品工場などでの一酸化炭素中毒事故にご注意ください』(松山市)

一酸化炭素中毒が起きる仕組みを教えてください

一酸化炭素は血液中のヘモグロビンととても強く結びつく性質があり、ヘモグロビンが酸素を運べなくなってしまうため、身体全体の酸素不足(酸欠)が生じます。また、一酸化炭素は細胞内の酵素とも結合し、細胞での酸素利用も妨げてしまいます。そのため、特に脳や心臓など酸素を多く必要とする臓器に症状が現れやすく、場合によっては命に関わることもあります。

参照:『一酸化炭素中毒 (いっさんかたんそちゅうどく)とは』(済生会)

一酸化炭素はどのように発生しますか?

一酸化炭素は、炭素を含む燃料(ガス・石油・木材・炭など)が不完全燃焼を起こしたときに発生します。不完全燃焼とは、燃焼に必要な酸素の量の不足で、燃料が十分に燃えきらず、本来なら二酸化炭素になるはずが一酸化炭素になってしまう現象です。例えば、換気が不十分な部屋や酸素が不足した状態でストーブやガス機器を使用した場合や、車のエンジンを閉めきった車内でかけっぱなしにした場合などに起こりやすいです。

一酸化炭素中毒|家庭でできる予防の基本

一酸化炭素中毒|家庭でできる予防の基本

家庭内で一酸化炭素中毒が起きやすい状況を教えてください

主に七輪・火鉢や囲炉裏などの炭を使用するときや、ガスストーブや石油ストーブ、ガスコンロなどの器具を使う際に、換気が不十分な場合です。例えば、窓を閉め切ったまま長時間ストーブを使用したり、ガス器具の近くに新聞や衣類などがあり燃焼状態が悪くなったりしたときに一酸化炭素が発生します。

また、浴室でのガス給湯器の不完全燃焼や、ガレージ内で車のエンジンをかけたままにする場合にも一酸化炭素が発生する可能性があります。さらに、災害のときなどで屋内に発電機を持ち込んで使うときも換気に配慮する必要があります。

参照:『住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意! 』(東京消防庁)

暖房を使用しているときに推奨される換気の頻度を教えてください

石油ストーブやガスファンヒーターなど、燃焼式の暖房器具を使用している場合は、1時間に1回以上、1回につき5分程度の換気を行うことが推奨されています。具体的には、定期的に窓を開ける、換気扇を使うなどして室内の空気を新鮮に保つことが大切です。室温低下が気になる場合は、短時間でもこまめな換気を心がけます。

参照:
『一酸化炭素中毒に注意しましょう|室内環境』(東京都多摩立川保健所)
『一酸化炭素(CO)中毒とは』(日本ガス石油機器工業会)

ガスストーブや石油ストーブを使用する際の注意点を教えてください

ストーブの周囲や上にはカーテンや洗濯物、紙など燃えやすい物を置かないことが大切です。給油やストーブの移動を行う場合は火を消し、火のそばで給油しないでください。スプレー缶やカセットボンベは、熱で破裂や爆発する危険があるため、本体近くへ置かないようにします。不完全燃焼や一酸化炭素中毒を防ぐため、定期的なメンテナンスも欠かせません。ほこりやゴミがたまると空気の通り道をふさぎ異常燃焼の原因になるため、週に1度程度、掃除を心がけます。劣化した灯油やガソリンを使うと故障や事故の危険性が高まるので、使用しないでください。

参照:『なにげなく していませんか こんなこと』(経済産業省)

車の排気ガスによる一酸化炭素中毒を防ぐためにはどうすればよいですか?

いくつかの注意点があります。まず、大雪や災害のときなどで車が立ち往生した場合、マフラー(排気口)周辺が雪や泥などで塞がれると、排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒の危険が高まります。対策として、定期的にマフラー周辺やドア周辺の雪や障害物を除去し、排気ガスが外へしっかり逃げるよう確保します。

また、エンジンをかけっぱなしにしたまま車内で仮眠や待機するのは避け、必要なときは定期的に窓を開けて換気してください。もし排気ガスのにおいや違和感を覚えた場合は、即座に窓を全開にして十分な換気を行い、エンジンを停止してください。不要不急の外出を控え、事前に天候や道路状況の確認が大切です。

参照:『[Q]雪で埋まった場合の一酸化炭素中毒の危険性とは?』(JAF)

一酸化炭素中毒を防ぐための安全対策

一酸化炭素中毒を防ぐための安全対策

一酸化炭素の発生を知る方法はありますか?

一酸化炭素は無色・無臭のため、目や鼻で発生を直接知ることができません。そのため、家庭や屋内で一酸化炭素の発生を知る精度の高い方法は一酸化炭素検知器の設置です。検知器は、ガス機器やストーブ、給湯器などの近くに設置するとよいです。

参照:『警報機を設置しましょう|ご家庭の皆様へ|ガスを安全に使用していただくために』(経済産業省)

就寝中に使用すると危険な暖房器具はありますか?

石油ストーブやガスストーブ、電気ストーブ、ファンヒーターなど、火を使うタイプや温風が出るタイプのものが挙げられます。これらは使用中に不完全燃焼が起こった場合、一酸化炭素が発生しやすく、就寝のときは換気が十分に行えないため、一酸化炭素中毒のリスクが高まります。また、寝具や衣類がストーブに接触すると発火や火事になる危険性もあります。タイマー機能やサーモスタット設定を活用し、暖房器具の長時間使用は避けるよう心がけます。

参照:『ついうっかりが思わぬ事故にならないように』(経済産業省保安グループ)

一酸化炭素中毒の前兆や初期症状を教えてください

頭痛や吐き気、めまい、疲労感、不快感などが挙げられます。特にこの症状は風邪や軽い体調不良と似ているため、気付かずに放置してしまうケースも少なくないです。進行すると、集中力の低下や判断力の鈍化、眠気、耳鳴り、発汗などが現れ、さらにはふらつきや協調運動障害、嘔吐なども出ることがあります。

症状が重くなってくると意識が朦朧としたり、反応が鈍くなったり、さいごには意識消失や昏睡状態となり、生命に関わることもあるためとても危険です。短時間の曝露でも高濃度の場合は、症状を自覚する間もなく昏睡に至ることもありえます。

参照:
『一酸化炭素中毒になったときの応急手当 』(新潟県佐渡市公式ホームページ)
『飲食店や食品工場などでの一酸化炭素中毒事故にご注意ください』(松山市)

編集部まとめ

編集部まとめ

一酸化炭素中毒は無色・無臭のため気付きにくく、とても危険です。家庭での予防の基本は、まず燃焼式暖房器具やガス機器を正しく設置すること、1時間に1〜2回は窓を開けて換気をすることが大切です。十分な換気がなければ、不完全燃焼により一酸化炭素がたまりやすいです。さらに、一酸化炭素警報器の設置も推奨されており、これが発生を早期に知らせてくれます。古いストーブは不完全燃焼を起こしやすいため、使用を見直したり新しい安全機能付き製品への交換をしたりすることが大切です。暖房器具の周囲には燃えやすい物を置かず、使用中や就寝のときの無理な長時間使用は避けます。不完全燃焼防止装置付きのガス機器や警報器の活用で、事故を未然に防ぐことが可能です。冬場の安全性の高い暖房生活のために、これらの対策を日々の習慣にしてください。

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