目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「副鼻腔炎で熱」が出ることはあるの?風邪の発熱との見分け方も解説!【医師監修】

「副鼻腔炎で熱」が出ることはあるの?風邪の発熱との見分け方も解説!【医師監修】

 公開日:2025/11/26
「副鼻腔炎で熱」が出ることはあるの?風邪の発熱との見分け方も解説!【医師監修】

副鼻腔炎は、鼻の奥にある副鼻腔に炎症が起こる病気で、風邪をきっかけに発症することがしばしばあります。子どもから成人まで幅広い年代にみられ、鼻づまりや鼻水だけでなく、ときに発熱を伴って身体全体の調子を崩すことがあります。副鼻腔炎は風邪やアレルギー性鼻炎と症状が似ているため、自己判断では見分けが難しいです。

この記事では、副鼻腔炎の種類や原因、発熱との関わり、診断の流れ、治療法や自宅での過ごし方を詳しく取り上げます。

林 良典

監修医師
林 良典(医師)

プロフィールをもっと見る
【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医、禁煙サポーター
【診療科目】
総合診療科、老年科、感染症、緩和医療、消化器内科、呼吸器内科、皮膚科、整形外科、眼科、循環器内科、脳神経内科、精神科、膠原病内科

副鼻腔炎の概要

副鼻腔炎の概要

副鼻腔炎にはどのような種類がありますか?

副鼻腔炎は大きく急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎に分けられます。

急性副鼻腔炎は、風邪に続いて発症することが多く、ウイルス感染の後に細菌感染が加わることで炎症が強まります。発症から4週間以内に改善することが多く、短期間の治療で回復できる場合がほとんどです。

一方、慢性副鼻腔炎は12週間以上炎症が続く状態を指し、自然に治ることは少なく、長期的な治療や管理が必要です。症状が長引くため、生活の質に影響することもあります。

急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎における症状の違いを教えてください

急性副鼻腔炎の特徴は、発熱、膿性の鼻水、顔の奥の痛み圧迫感です。おでこや頬、目のまわりが痛むことがあり、頭痛として感じることもあります。鼻水がのどに流れて咳や痰の原因となり、夜間に眠りづらくなることもあります。症状は数日から数週間で改善することが多いですが、重症化すると副鼻腔の膿が広がり、まれに眼や脳へ合併症を引き起こすことがあります。

慢性副鼻腔炎の特徴は、強い発熱は少なく、鼻づまり、嗅覚障害、ねばついた鼻水が長く続きます。咳や痰の原因となり、においや味を感じにくくなることで食欲が落ち、生活の楽しみが減ることもあります。長引く症状は集中力の低下や気分の落ち込みをまねき、日常生活に影響を及ぼします。

なぜ副鼻腔炎になるのですか?

副鼻腔炎は、一つの原因ではなく複数の要因が重なって発症します。よくあるものは、風邪をきっかけとするものです。ウイルス感染によって鼻の粘膜が腫れると副鼻腔の換気や排膿がさまたげられ、そこに細菌が入り込むと膿がたまって炎症が強まります。

鼻中隔の曲がりや副鼻腔の発育の問題といった構造的な要因がある場合も、空気の流れが悪くなり副鼻腔炎を起こしやすくなります。さらに、アレルギー性鼻炎による慢性的な粘膜の腫れや、ほこり・タバコの煙・排気ガスといった環境因子も影響します。

加えて、疲労や睡眠不足、糖尿病などによる免疫力の低下があると炎症が治まりにくく、慢性化や再発の原因となります。このように感染、構造、環境、免疫の状態が複合的に関わって副鼻腔炎は発症します。

副鼻腔炎による発熱

副鼻腔炎による発熱

副鼻腔炎で熱が出ることはありますか?

急性副鼻腔炎では炎症が強い場合に発熱を伴うことがあります。子どもにも成人にも発熱がみられますが、子どもでは39度以上の高熱になることがあります。

一方、慢性副鼻腔炎では高熱はまれで、微熱やだるさが続く程度にとどまります。ただし、熱が軽くても症状が長期に持続すると疲労感が強まり、生活に影響することがあります。

副鼻腔炎による発熱と風邪の発熱を見分ける方法はありますか?

風邪による発熱は数日で下がることが一般的です。これに対して副鼻腔炎では、熱や鼻の症状が10日以上続き、いったん軽くなった後に再び悪化することもあります。

鼻水の性状にも違いがあります。風邪の鼻水は透明でさらっとしていることが多いのに対し、副鼻腔炎では黄色や緑色で粘り気が強く、ドロッとしています。さらに、顔の奥の痛みや嗅覚の低下が同時にみられる場合は副鼻腔炎の可能性が高いです。

副鼻腔炎の検査と診断

副鼻腔炎の検査と診断

副鼻腔炎で発熱をしている場合は何科を受診しますか?

鼻の症状や発熱が続くときは、耳鼻咽喉科を受診するのが基本です。内科でも初期の対応は可能ですが、鼻内視鏡や画像検査を行って総合的に判断できるのは耳鼻咽喉科です。

子どもの場合は、まず小児科を受診しましょう。その後、必要に応じて耳鼻咽喉科が紹介されます。副鼻腔炎を繰り返すケースや、発熱を伴うケースでは、耳鼻咽喉科での診察が治療方針を決めるうえで重要です。

副鼻腔炎の検査方法と診断基準を教えてください

副鼻腔炎の検査は、まず問診と診察で症状の経過を確認します。耳鼻咽喉科では鼻鏡や鼻内視鏡を用いて、膿の有無や粘膜の腫れ、後鼻漏の状態を観察します。また、X線やCTを行い、副鼻腔に膿のたまりや粘膜の肥厚を確認することもあります。

診断については、風邪などの上気道感染をきっかけに発症し、4週間以内に症状がみられるものを急性副鼻腔炎、3ヶ月以上続くものを慢性副鼻腔炎と定義します。明確な診断基準はありませんが、欧米では臨床症状を大症状と小症状に分けて診断の目安としています。大症状には膿性の鼻漏、後鼻漏、鼻づまり、顔面の圧迫感痛み、発熱があり、小症状には咳、頭痛、呼気の悪臭、耳の痛みがあります。大症状が二つある場合、または大症状が一つと小症状が二つ以上ある場合に副鼻腔炎と判断されます。

副鼻腔炎による発熱の治療方法と自宅での過ごし方

副鼻腔炎による発熱の治療方法と自宅での過ごし方

副鼻腔炎による発熱はどのように治療しますか?

急性副鼻腔炎は、軽症であれば自然に改善することもあります。その場合は、解熱鎮痛薬で熱や痛みを抑え、痰を出しやすくする薬や点鼻薬を使って鼻の通りをよくしながら経過をみます。

一方で、発熱や顔の痛みが強い場合や、膿の混じった鼻水が長く続く場合には抗菌薬を使うことがあります。これは細菌による炎症を抑えるためで、医師の判断で数日から1週間程度処方されることがあります。抗菌薬を自己判断で中断すると再発の原因になるため、指示どおりに服用を続けましょう。

慢性副鼻腔炎では、炎症が長引いているため、抗菌薬を長めに使ったり、ステロイドを含む点鼻薬で粘膜の腫れを抑えたりします。これらの治療を続けても十分な改善が得られない場合には、内視鏡を使った手術を検討します。手術によって副鼻腔の通りをよくし、空気や分泌物の流れを改善することで、再発や悪化を防ぎます。

副鼻腔炎で発熱しているときの自宅でのケア方法を教えてください

発熱時は休養と睡眠を十分にとり、脱水を防ぐため水分をこまめにとります。部屋の湿度を保つことで鼻の粘膜の乾燥を防ぎ、症状がやわらぐことがあります。鼻をかむときは片方ずつやさしく行い、強くかむのは避けます。生理食塩水による鼻洗浄は膿性鼻水を減らし呼吸を楽にします。高熱が続いたり症状が悪化したりするときは、自己判断せず、早めに医療機関を受診してください。

編集部まとめ

編集部まとめ

 副鼻腔炎は風邪の後に発症することがしばしばあり、急性では発熱や膿性鼻水、顔の痛みが特徴です。風邪との区別は難しいですが、症状が10日以上続く、改善しても再び悪化する、膿性鼻水や嗅覚障害を伴う場合は副鼻腔炎が疑われます。診断には耳鼻咽喉科での鼻内視鏡やCT検査が役立ち、治療は薬物療法が基本です。慢性化した場合は手術が必要になることもあります。発熱時は休養と水分補給を徹底し、症状が続く場合は早めに受診することが回復への近道です。副鼻腔炎は生活の質に影響を与える病気であり、正しい理解と早期対応が重要です。

この記事の監修医師