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「歯周病」を発症すると「口臭」にどんな特徴が現れる?セルフチェック法も解説!

 公開日:2025/09/26
「歯周病」を発症すると「口臭」にどんな特徴が現れる?セルフチェック法も解説!

歯周病(ししゅうびょう)はお口の中の感染症で、放置すると歯茎の炎症や歯を支える骨の破壊を引き起こします。歯周病が原因で発生する口臭に悩む方も少なくありません。歯周病は身近な病気であり、歯周病による口臭も決して珍しくありません。本記事では、歯周病による口臭の特徴や原因、自分でできるチェック方法や歯科医院での検査法、そして効果的な対策や予防法を解説します。

松浦 京之介

監修歯科医師
松浦 京之介(歯科医師)

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歯科医師。2019年福岡歯科大学卒業。2020年広島大学病院研修修了。その後、静岡県や神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務。2023年医療法人高輪会にて勤務。2024年合同会社House Call Agencyを起業。日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

歯周病による口臭の特徴と原因

歯周病による口臭の特徴と原因

歯周病による口臭にはどのような特徴がありますか?

歯周病が原因の口臭は、強く不快な臭いが特徴です。歯周病が進行すると歯茎の内側で細菌が増殖し、揮発性硫黄化合物(VSC)という悪臭の元となるガスが発生します。なかでもメチルメルカプタンは腐ったタマネギ、硫化水素は腐った卵、ジメチルサルファイドは生ゴミのような臭いを放つガスです。歯周病による口臭はこれらのガスが混じり合った強烈な悪臭となり、歯みがきではなかなか消えず、マスク越しにも臭う場合があります。一般的な朝起きた直後の口臭(生理的口臭)に比べて臭いが強く持続しやすい点も、歯周病由来の口臭の特徴です。

歯周病になると口臭が生じやすくなる理由を教えてください

歯周病になると口臭が発生しやすくなるのは、歯と歯茎の間にできる歯周ポケットで嫌気性の細菌が繁殖しやすくなるためです。歯周病が進行してポケットが深くなると、歯ブラシやフロスが奥まで届きにくくなり、歯垢(プラーク)や食べかすがたまりがちです。こうして増殖した歯周病菌がタンパク質を分解する過程で、悪臭の原因となるVSCガス(メチルメルカプタン、硫化水素など)を産生します。さらに歯周病が重症化すると、菌の増殖で臭いが強くなり、炎症による出血や膿の臭いも混ざってより不快な臭いになります。

歯周病以外にも口臭が生じる病気や要因はありますか?

口臭の原因は歯周病だけではありません。実際、口臭の多くはお口の中のトラブルに起因し、そのなかでも舌の汚れが大きな割合を占めます。舌の表面に舌苔が厚く付着していると、そこで繁殖する細菌が悪臭ガスを発生させて口臭の原因になります。

また、むし歯の放置や清掃不足、唾液の減少(ドライマウス)、空腹時・緊張時など唾液が減るタイミングも一時的に口臭を強める要因です。さらに消化器や呼吸器など全身の病気が原因で口臭が生じるケースもわずかにあります。例えば糖尿病では甘酸っぱいアセトン臭、肝臓病や腎臓病では生臭い臭いなど病気特有の息の臭いが生じます。とはいえ、こうした全身疾患由来の口臭は全体からみると極めてまれです。ほとんどの口臭はお口の中の問題(舌苔や歯周病など)によることを覚えておきましょう。

参照:
『口臭の原因・実態』(厚生労働省)

歯周病の口臭を自分で確かめる方法と歯科医院での検査法

歯周病の口臭を自分で確かめる方法と歯科医院での検査法

口臭の有無を自分でチェックする方法を教えてください

自分の口臭は慣れてしまって気付きにくいものですが、以下のような簡単なセルフチェック方法があります。

確認方法 やり方 特徴・ポイント
コップや袋に息を吹き込む コップやビニール袋に息を吐き、しばらく封をしてから中の臭いを嗅ぐ 他人が感じる息の臭いを客観的に確認できる
手首や指を舐めて確認 清潔な手首や指を舐め、数秒乾かしてから臭いを嗅ぐ 舌や歯茎の唾液の臭いから口臭の有無を判断できる
フロスや歯間ブラシで確認 使用後のフロスや歯間ブラシの臭いを嗅ぐ 強い臭いがあれば歯周病や汚れの可能性がある
市販の口臭チェッカー 息の成分をセンサーで測定し数値化 口臭の強さを客観的に把握できるが、精度は医療用より劣る

ただし、自分自身では嗅覚が慣れて正確に判断しにくい点に注意が必要です。口臭が気になる場合は早めに歯科医院で専門の検査を受けることをおすすめします。

歯科医院では歯周病の口臭をどのように検査しますか?

歯科医院では口臭の専門的な検査を受けられます。訓練を受けた歯科医師らが実際に息の臭いを嗅いで評価する官能検査と、専用機器で口臭の原因物質(硫黄ガス)の濃度を測定する機器検査があります。

ガスクロマトグラフやガスセンサーを使えば、口臭の主成分である硫化水素やメチルメルカプタンの濃度を数値化できます。最終的な診断では人の嗅覚による臭気の判定も重視されます。また、口臭の原因が歯周病かどうか確認するため歯周病の検査も行います。細い探針で歯周ポケットの深さを測り、歯茎の炎症や出血の有無を調べます。必要に応じてレントゲンで歯槽骨の状態を確認することもあります。

歯周病による口臭の対策と予防法

歯周病による口臭の対策と予防法

歯周病による口臭はどのように対策をすればよいですか

歯周病が原因の口臭に対処するには、原因である歯周病を治療することが不可欠です。まず歯科医院で歯石除去や歯周ポケットの洗浄など適切な処置を受け、歯茎の炎症を改善しましょう。そのうえで毎日の口腔ケアを徹底します。特に歯と歯の間のプラークは歯ブラシだけでは落とせないため、デンタルフロスや歯間ブラシで隅々まで清掃しましょう。

歯科で教わった正しいみがき方を実践することも大切です。舌苔が多い場合は、やわらかい舌ブラシで舌を優しく掃除すると口臭の軽減に役立ちます。また、唾液の分泌を促す工夫も効果的です。水分をこまめに摂ったりガムを噛んだりして唾液を出し、お口を潤すことで細菌の増殖を抑えられます。こうした歯科での治療と日々のセルフケアを組み合わせることが、歯周病による口臭対策の基本です。

ガムや洗口液で歯周病による口臭を消すことはできますか?

市販のガムや洗口液は、口臭を一時的に抑えるのに役立ちます。ガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、唾液に含まれる自浄作用によってお口の中の細菌や食べかすが洗い流されやすくなります。また、洗口液には殺菌成分や消臭成分が含まれているものが多く、使用直後は口臭が軽減したように感じられるでしょう。

しかし、これらはあくまで応急処置やエチケット対策にとどまります。口臭の根本的な原因である歯周ポケット内の歯石や細菌を取り除くことはできないため、数時間もすれば再び臭いが戻ってしまいます。特に歯周病が進行している場合、細菌が深い歯周ポケット内で増殖し続けるため、表面的な対策だけでは改善は望めません。したがって、ガムや洗口液はあくまで一時的に周囲への配慮をするための手段と考え、根本治療として歯科医院での歯周病治療を優先しましょう。

歯周病による口臭を予防する方法を教えてください

歯周病による口臭を予防するには、日頃からお口の中を清潔に保つ習慣が重要です。基本となるのは毎日の丁寧な歯みがきで、特に歯と歯茎の境目や歯と歯の間にたまりやすいプラークをしっかり取り除くことがポイントです。歯ブラシだけでは届きにくい部分も多いため、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助的な清掃用具を組み合わせて使うと、より効果的に細菌を減らせます。

また、歯科医院での定期的な健診やクリーニングも欠かせません。自宅でのケアでは取りきれない歯石を専門的に除去することで、歯茎の炎症を防ぎ、結果として口臭予防にもつながります。

さらに、生活習慣の見直しも予防には有効です。口呼吸の習慣があるとお口の中が乾燥しやすく、細菌が繁殖して口臭が強まる原因ですので、普段から鼻呼吸を心がけましょう。また、喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因であるため、口臭が気になるのであれば禁煙にも取り組みましょう。

歯科医院では歯周病の口臭を治療できますか?

歯科医院で歯周病を治療すれば、歯周病が原因の口臭は改善できます。スケーリングなどで歯周ポケット内の歯石や細菌を除去し、歯茎の炎症を治すことで悪臭の発生を抑えることができます。治療後は再発を防ぐために、定期的な歯科医院受診と毎日のセルフケアが不可欠です。もし治療後も口臭が残る場合には、舌苔の除去や生活習慣の改善、さらには口臭外来の受診など追加の対応も検討されます。

編集部まとめ

編集部まとめ

 歯周病による口臭は、歯茎内部で繁殖する細菌が発生させるガスによる強い悪臭が特徴です。放置すれば歯周病の悪化とともに口臭も強まるおそれがありますが、原因である歯周病を治療すれば口臭は改善が期待できます。正しいセルフケアと歯科治療でお口の健康を取り戻し、根本から口臭の悩みを解消しましょう。毎日の丁寧な歯みがきと定期検診の積み重ねが、将来にわたって爽やかな息と健康な歯茎を保つ秘訣です。

この記事の監修歯科医師