「マイコプラズマ肺炎」で使用される「薬」はご存知ですか?種類についても解説!

マイコプラズマ肺炎は、子どもから大人まで幅広い年代でかかる呼吸器感染症です。発熱や咳が長引くのが特徴で、時になかなか治らない風邪として受診されます。「すぐに治る薬はあるのか?」「抗菌薬は必要なのか?」と気になる方も多いでしょう。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
マイコプラズマ肺炎の原因と症状

マイコプラズマ肺炎の原因を教えてください
マイコプラズマ肺炎に感染するとどのような症状が生じますか?
また、全身のだるさ(倦怠感)、頭痛、喉の痛みといった感冒様の症状も伴いやすく、患者さんによっては声がかれたり、耳の痛み、中耳炎などを併発したりする場合もあります。小児では特に咳が強く長引きやすく、成人に比べて解熱にも時間がかかる傾向があります。
特徴的なのは、肺炎であるにも関わらず、胸部レントゲンでの肺炎像がそれほど重度にみえないことです。つまり、画像所見と自覚症状の強さにギャップがあるのがマイコプラズマ肺炎の大きな特徴で、このことから歩く肺炎(walking pneumonia)と呼ばれることもあります。これは、症状があるにも関わらず元気そうにみえてしまうため、気付かれずに学校や職場で感染が広がってしまう要因にもなっています。
マイコプラズマ肺炎の治療に使われる薬の種類と効果

マイコプラズマ肺炎の治療にはどのような薬が使用されますか?
マイコプラズマ肺炎の治療に用いられる抗菌薬の種類を教えてください
効果が不十分である場合には、テトラサイクリン系抗菌薬(ミノサイクリンなど)やニューキノロン系抗菌薬(レボフロキサシンなど)への切り替えを考えます。ただし、テトラサイクリン系は8歳未満および妊娠で原則禁忌であり、フルオロキノロン系は小児では原則避けるべきであるなど、年齢や妊娠による安全性に留意が必要です。また、近年はマクロライド系に耐性を持つマイコプラズマ菌が増えております。
マイコプラズマ肺炎は抗菌薬を服用しなくても治りますか?
一方で、肺炎まで進行している場合には抗菌薬を使用することが望ましいとされています。つまり、マイコプラズマ感染症では軽症であれば自然治癒も十分ありえますが、肺炎を起こしている場合には抗菌薬での治療が必要になるというのが基本的な考え方です。
マイコプラズマ肺炎の抗菌剤は処方されたものをすべて飲み切る必要がありますか?
マイコプラズマ肺炎の対症療法

マイコプラズマ肺炎の症状はどのような薬で治療しますか?
さらに、マイコプラズマ肺炎は免疫反応が強く出やすい感染症であり、体内でサイトカインと呼ばれる炎症性物質が過剰に分泌される高サイトカイン状態になることがあります。このような経過で重症化や難治化した場合では、副腎皮質ステロイドを併用することがあります。しかしルーティンでの使用は推奨されておらず、個別の重症度・合併症・酸素化を踏まえ、専門医の判断で適応を検討します。ステロイドは免疫の過剰反応を抑え、肺の炎症を和らげることで回復を助ける効果が期待できます。
マイコプラズマ肺炎の咳は薬を飲むことで早く治りますか?
マイコプラズマ肺炎による長引く咳の治療法を教えてください
さらに、部屋の空気が乾燥していると咳が悪化しやすいため、加湿器を用いたり水分をこまめに摂ったりして気道を潤すことが有効です。十分な休養も重要で、身体を安静に保つことで回復を早められます。加えて、一部の患者さんではアレルギー反応が関わっていることもあり、その場合には抗ヒスタミン薬や吸入薬を使うことで症状の改善が期待できます。咳が長引いてつらいときには、自己判断せずに医師に再度相談することが大切です。
編集部まとめ

マイコプラズマ肺炎は、特効薬ですぐに完治する病気ではありません。症状や重症度に応じた治療介入により回復を早めつつ、咳や発熱などについては症状を和らげる対症療法を行いながら療養をすることが大切です。特に小児や高齢の方では長引くこともあり、自己判断で薬を中止しないようにしましょう。
参考文献
- 『2024年のマイコプラズマ肺炎の流行と分子疫学的な背景』(バムサジャーナル)
- 『Epidemiology of MycoplasmaPneumoniaeinfections in Japan and therapeutic strategies for macrolide-resistant M.pneumoniae』(Yamazaki T, Kenri T)



