「プール熱の治療法」はご存知ですか?対処療法や治療期間も解説!【医師監修】

プール熱(咽頭結膜熱-いんとうけつまくねつ-)は、主にアデノウイルスによって起こる夏季に多い感染症です。子どもに発症しやすく、高熱・喉の痛み・結膜炎の3つが主な症状として現れます。特効薬はなく自然に治るウイルス感染症のため、治療は症状を和らげる対症療法が中心です。この記事ではプール熱について、病院で行われる症状別の治療法、家庭でできる対症療法、そして治癒までの期間の目安をQ&A形式で解説します。

監修医師:
栗原 大智(医師)
目次 -INDEX-
病院でのプール熱の症状別治療法

プール熱の主な症状を教えてください
- 高い発熱
38〜40度前後の熱が出て、しかもその高熱が4〜5日程度続くことがあります。 - 喉の痛み(咽頭炎)
咽頭や扁桃が赤く腫れて強い痛みを感じ、扁桃炎を起こす場合もあります。 - 結膜炎の症状
両目または片目の白目が赤く充血し、大量の目やにが出ます。 - そのほかの症状
腹痛・下痢・嘔気(吐き気)・咳など風邪に似た症状が出ることがあります。
これらの症状がすべて揃わないケースもありますが、典型的には高熱と喉の炎症、結膜炎症状の3つの症状が特徴です。特に乳幼児では症状が強く出やすいため、高熱が続く場合やぐったりしている場合は早めに受診してください。
プール熱による喉の炎症はどのように治療しますか?
プール熱による結膜炎の治療法を教えてください
抗菌薬の点眼薬
ウイルス自体には効きませんが、結膜炎に伴って細菌が混合感染するのを予防する目的で抗菌薬の目薬が使われることがあります。これは二次感染を防ぐためで、ウイルス性結膜炎の治り自体を早めるものではありません。
抗炎症剤・ステロイドの点眼薬
目の充血や炎症が強い場合、炎症を鎮めるステロイド点眼や非ステロイド性の抗炎症点眼が処方されることがあります。
プール熱の高熱にはどう対処しますか?
プール熱の家庭での対症療法

プール熱による熱が高いときの解熱剤の選び方を教えてください
一方、子どもには使用を避けるべき解熱剤もあります。特に、ロキソプロフェンナトリウム水和物やアスピリンはインフルエンザや水痘などウイルス感染時に使用するとライ症候群という重篤な副作用を起こすおそれがあるため、15歳未満には原則使用禁忌です。またジクロフェナクナトリウムやメフェナム酸といったNSAIDs系解熱鎮痛薬も、小児のウイルス感染には安全性の懸念から用いられません。市販の小児用解熱剤を選ぶ際は小児用と明記されたアセトアミノフェン配合のものを選び、添付文書にしたがって正しい用量・間隔で使用してください。
プール熱で喉が痛いときはどうすればよいですか?
- こまめにうがいをする
- 刺激の少ない食べ物を摂る
- 十分な水分補給
- のど飴やトローチ、喉スプレーの活用
以上のような対処で多くの場合、喉の痛みは徐々に軽快します。食事が取れないほど痛むときは無理せず医療機関で痛み止めを処方してもらいましょう。また、喉の痛みが引いてきてもウイルス排出はしばらく続くため、引き続きマスク着用や手洗い・うがいを継続して周囲への感染拡大に注意してください。
プール熱の眼の症状を緩和する方法を教えてください
- 目を清潔に保つ
- 絶対にこすらない
- 家庭で使える目薬
目やにが多く出る場合は、清潔な濡らしたガーゼやティッシュでこまめに拭き取りましょう。
ウイルス性結膜炎に市販の目薬は基本的に効果がありませんが、目やになどで見えにくい場合は人工涙液を一時的に洗浄目的で点眼してもよいでしょう。
以上を実践しつつ経過を見て、光がまぶしい、目の痛みが強い、視界がぼやけるといった症状があるときや、充血が長引く場合は眼科で詳しい検査を受けてください。プール熱の結膜炎は通常1〜2週間で自然治癒しますが、症状が強い場合は無理をせず医師の指示を仰ぎましょう。
プール熱の喉の痛みで水分の摂取が難しいときはどうすればよいですか?
- 少量を頻回に飲む
- 飲みやすい温度・種類の飲み物
- ゼリーや氷で水分補給
冷やした経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクのように電解質を含む飲料は脱水予防に適しています。甘みが嫌な場合は薄めたものや麦茶でも構いません。
ゼリー飲料や果物の寒天ゼリー、アイスキャンディー、氷片を舐めることでも水分を補給できます。ただし糖分が多いものは摂りすぎに注意し、ゼリーは窒息防止のため小さく刻むか幼児用のものを利用してください。
以上を試みても明らかに水分が不足して尿量が減っている、唇が渇いている、ぐったりしているといった脱水症状が見られる場合は速やかに病院を受診してください。点滴などで適切な補液を受けることが必要になる場合があります。無理のない範囲で水分・塩分を摂取し、エアコンや扇風機で室温を調整して過ごしやすい環境を整えましょう。
プール熱の治療期間

プール熱は感染してから自然治癒するまでの期間を教えてください
プール熱を病院で治療すると早く治りますか?
編集部まとめ

プール熱は、高熱・喉の痛み・結膜炎を特徴とする夏に流行しやすいウイルス感染症です。現在のところ特効薬やワクチンはなく、治療は症状ごとの対症療法が中心となります。病院では解熱剤の投与や点眼薬の処方などが行われ、自宅では安静にしながら喉や目をいたわるケアを続けることが大切です。幸い多くの場合は1〜2週間で自然に治癒し、後遺症なく回復します。しかし、高熱が続いてぐったりする場合や、目の症状が重い場合は放置せず早めに医療機関で相談するようにしましょう。



