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「プール熱の治療法」はご存知ですか?対処療法や治療期間も解説!【医師監修】

 公開日:2025/09/03
「プール熱の治療法」はご存知ですか?対処療法や治療期間も解説!【医師監修】

プール熱(咽頭結膜熱-いんとうけつまくねつ-)は、主にアデノウイルスによって起こる夏季に多い感染症です。子どもに発症しやすく、高熱・喉の痛み・結膜炎の3つが主な症状として現れます。特効薬はなく自然に治るウイルス感染症のため、治療は症状を和らげる対症療法が中心です。この記事ではプール熱について、病院で行われる症状別の治療法、家庭でできる対症療法、そして治癒までの期間の目安をQ&A形式で解説します。

栗原 大智

監修医師
栗原 大智(医師)

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2017年、横浜市立大学医学部卒業。済生会横浜市南部病院にて初期研修修了。2019年、横浜市立大学眼科学教室に入局。日々の診察の傍らライターとしても活動しており、m3や日経メディカルなどでも連載中。「視界の質=Quality of vision(QOV)」を下げないため、診察はもちろん、SNSなどを通じて眼科関連の情報発信の重要性を感じ、日々情報発信にも努めている。日本眼科学会専門医。

病院でのプール熱の症状別治療法

病院でのプール熱の症状別治療法

プール熱の主な症状を教えてください

プール熱の主な症状は次のとおりです。

  • 高い発熱
    38〜40度前後の熱が出て、しかもその高熱が4〜5日程度続くことがあります。
  • 喉の痛み(咽頭炎)
    咽頭や扁桃が赤く腫れて強い痛みを感じ、扁桃炎を起こす場合もあります。
  • 結膜炎の症状
    両目または片目の白目が赤く充血し、大量の目やにが出ます。
  • そのほかの症状
    腹痛・下痢・嘔気(吐き気)・咳など風邪に似た症状が出ることがあります。

これらの症状がすべて揃わないケースもありますが、典型的には高熱と喉の炎症、結膜炎症状の3つの症状が特徴です。特に乳幼児では症状が強く出やすいため、高熱が続く場合やぐったりしている場合は早めに受診してください。

プール熱による喉の炎症はどのように治療しますか?

ウイルス感染症であるため抗菌薬は効果がなく、喉の炎症に対しては症状を和らげる対症療法が行われます。 病院では、喉の痛みや炎症を和らげるために鎮痛解熱剤が処方されます。例えばアセトアミノフェンや子ども用のイブプロフェンなどが用いられ、発熱があれば解熱効果で喉のつらさも軽減します。併せて、うがい薬で喉を清潔に保ち炎症を抑えるよう指導されることもあります。喉が腫れて飲食が困難な場合には、脱水を防ぐため点滴などで補液を行うことがあります。また、嘔吐がひどい場合や痛みで食事・水分が摂れない場合には入院して経過を見ることもあります。基本的には喉の痛みは時間とともに治まりますが、症状が強いときは無理をせず安静に過ごし、医師の指示にしたがってください。

プール熱による結膜炎の治療法を教えてください

プール熱の結膜炎もウイルス性なので特効薬はありませんが、症状緩和と二次感染予防のための点眼治療が行われます。プール熱による結膜炎は時間経過とともに自然によくなるのが基本ですが、充血や目やにが強い間、医師は症状に応じて以下のような点眼薬を処方します。

抗菌薬の点眼薬
ウイルス自体には効きませんが、結膜炎に伴って細菌が混合感染するのを予防する目的で抗菌薬の目薬が使われることがあります。これは二次感染を防ぐためで、ウイルス性結膜炎の治り自体を早めるものではありません。

抗炎症剤・ステロイドの点眼薬
目の充血や炎症が強い場合、炎症を鎮めるステロイド点眼や非ステロイド性の抗炎症点眼が処方されることがあります。

プール熱の高熱にはどう対処しますか?

プール熱では高熱が出ます。病院ではアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛剤を用いて体温を下げます。また、発熱が続くと脱水しやすいので、点滴や経口補水液の投与により水分・電解質の補給を行います。なお、プール熱の発熱期間は長いと5日前後持続することがあります。解熱剤で一時的に熱を下げてもウイルスが体内からなくならない限りまた発熱しますので、焦らず安静に過ごすことが大切です。発熱中は汗をかきやすいため、経口補水液(OS-1など)や薄めたスポーツドリンクでこまめに水分を摂るようにしましょう。

プール熱の家庭での対症療法

プール熱の家庭での対症療法

プール熱による熱が高いときの解熱剤の選び方を教えてください

プール熱の発熱に対して自宅で解熱剤を使用する場合、基本的にはアセトアミノフェン成分の解熱剤が第一選択です。アセトアミノフェンは小児から大人まで安全に使える解熱鎮痛成分で、医療用・市販薬が販売されています。

一方、子どもには使用を避けるべき解熱剤もあります。特に、ロキソプロフェンナトリウム水和物やアスピリンはインフルエンザや水痘などウイルス感染時に使用するとライ症候群という重篤な副作用を起こすおそれがあるため、15歳未満には原則使用禁忌です。またジクロフェナクナトリウムメフェナム酸といったNSAIDs系解熱鎮痛薬も、小児のウイルス感染には安全性の懸念から用いられません。市販の小児用解熱剤を選ぶ際は小児用と明記されたアセトアミノフェン配合のものを選び、添付文書にしたがって正しい用量・間隔で使用してください。

プール熱で喉が痛いときはどうすればよいですか?

喉の痛みを和らげるには、安静にして喉を潤すことが基本です。具体的には以下のような対処法があります。

  • こまめにうがいをする
  • 刺激の少ない食べ物を摂る
  • 十分な水分補給
  • のど飴やトローチ、喉スプレーの活用

以上のような対処で多くの場合、喉の痛みは徐々に軽快します。食事が取れないほど痛むときは無理せず医療機関で痛み止めを処方してもらいましょう。また、喉の痛みが引いてきてもウイルス排出はしばらく続くため、引き続きマスク着用や手洗い・うがいを継続して周囲への感染拡大に注意してください。

プール熱の眼の症状を緩和する方法を教えてください

目の充血や違和感を和らげるには、以下のポイントに気を付けましょう。

  • 目を清潔に保つ
  • 目やにが多く出る場合は、清潔な濡らしたガーゼやティッシュでこまめに拭き取りましょう。

  • 絶対にこすらない
  • 家庭で使える目薬
  • ウイルス性結膜炎に市販の目薬は基本的に効果がありませんが、目やになどで見えにくい場合は人工涙液を一時的に洗浄目的で点眼してもよいでしょう。

以上を実践しつつ経過を見て、光がまぶしい、目の痛みが強い、視界がぼやけるといった症状があるときや、充血が長引く場合は眼科で詳しい検査を受けてください。プール熱の結膜炎は通常1〜2週間で自然治癒しますが、症状が強い場合は無理をせず医師の指示を仰ぎましょう。

プール熱の喉の痛みで水分の摂取が難しいときはどうすればよいですか?

喉が痛くて飲み込みが辛い場合でも、脱水を防ぐため工夫して水分補給を続けることが重要です。以下の点を試してください。

  • 少量を頻回に飲む
  • 飲みやすい温度・種類の飲み物
  • 冷やした経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクのように電解質を含む飲料は脱水予防に適しています。甘みが嫌な場合は薄めたものや麦茶でも構いません。

  • ゼリーや氷で水分補給
  • ゼリー飲料や果物の寒天ゼリー、アイスキャンディー、氷片を舐めることでも水分を補給できます。ただし糖分が多いものは摂りすぎに注意し、ゼリーは窒息防止のため小さく刻むか幼児用のものを利用してください。

以上を試みても明らかに水分が不足して尿量が減っている、唇が渇いている、ぐったりしているといった脱水症状が見られる場合は速やかに病院を受診してください。点滴などで適切な補液を受けることが必要になる場合があります。無理のない範囲で水分・塩分を摂取し、エアコンや扇風機で室温を調整して過ごしやすい環境を整えましょう。

プール熱の治療期間

プール熱の治療期間

プール熱は感染してから自然治癒するまでの期間を教えてください

プール熱の潜伏期間(感染から発症までの期間)は5〜7日程度とされていますi。発症後は、高熱が3〜5日間程度続き、その後解熱します。喉の痛みや結膜炎などの症状も徐々に和らいでいき、多くの場合1〜2週間ほどで症状はおさまり完治に向かいます。ただし、症状が軽快しても感染力が完全になくなるわけではなく、主要症状が消えた後も2日間はウイルスを排出するため、学校保健安全法では解熱後さらに2日経過するまでは登校禁止と定められています。また便中には発症後も数週間ウイルスが排出されることがあるので、トイレ後の手洗いなど衛生管理はしばらく徹底しましょう。

プール熱を病院で治療すると早く治りますか?

プール熱はウイルス感染症のため、残念ながら病院で治療を受けても劇的に治癒期間が短くなるわけではありません。前述のとおり特効薬がないため、病院で行うのは解熱剤や点眼薬などの対症療法が中心であり、ウイルスが体内で活動を終えるまである程度の時間が必要です。しかし、病院で治療を受ける意義は十分にあります。例えば、高熱や脱水に適切に対処することで合併症を防ぎ、患者さんの苦痛を和らげることができます。また結膜炎が重症化して角膜に障害を残すことのないよう適切な点眼治療を受けることも重要です。特に、小さなお子さんや持病のある方は重症化を防ぐためにも早めに受診し、医師の指示にしたがって療養すると安心です。

編集部まとめ

編集部まとめ

 プール熱は、高熱・喉の痛み・結膜炎を特徴とする夏に流行しやすいウイルス感染症です。現在のところ特効薬やワクチンはなく、治療は症状ごとの対症療法が中心となります。病院では解熱剤の投与や点眼薬の処方などが行われ、自宅では安静にしながら喉や目をいたわるケアを続けることが大切です。幸い多くの場合は1〜2週間で自然に治癒し、後遺症なく回復します。しかし、高熱が続いてぐったりする場合や、目の症状が重い場合は放置せず早めに医療機関で相談するようにしましょう。

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