【この時期注意】「大人がヘルパンギーナ」を発症すると現れる症状はご存知ですか?

ヘルパンギーナは、一般的に乳幼児を中心とした夏かぜとして知られている感染症ですが、実は大人も感染する可能性があります。特に大人が感染した場合、子どもよりも症状が辛いこともあります。本記事では、大人のヘルパンギーナがどのような病気なのか、また原因や感染経路、治療、予防法をQ&A形式で解説します。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
大人のヘルパンギーナの症状

ヘルパンギーナとはどのような病気ですか?
日本では毎年5月頃より感染者が増加し始め、7月8月にピークを迎えます。しかし近年は9月10月頃に再度感染者が増加する年もあり、夏だけに流行る風邪ではなくなっています。
大人のヘルパンギーナの特徴を教えてください
- 38〜40度の高熱(発熱は認めないこともある)
- 強い咽頭痛
- 咽頭粘膜の発疹
ヘルパンギーナの特徴的な症状は咽頭粘膜の発疹です。咽頭粘膜の発疹とは、お口の奥の上の方にある口蓋と呼ばれる部位や咽頭部にできる小さな水ぶくれ(水疱)のことを指します。
一方で、大人のヘルパンギーナの特徴としては、上記の症状が子どもよりも強いことや、筋肉痛、頭痛、関節痛などの症状を認める場合があることが挙げられます。大人の場合これらの症状が長引くことも特徴です。
ヘルパンギーナの症状と似た症状が現れる病気はありますか?
1つ目は手足口病です。手足口病は、ヘルパンギーナと同じエンテロウイルス群を原因とするウイルス感染症です。手足口病でもヘルパンギーナ同様、発熱やお口の中の水ぶくれ(水疱)を認めます。しかし、手足口病ではお口の中に加えて、手のひらや足の裏などにも水ぶくれ(水疱)を認める点がヘルパンギーナと異なります。
2つ目は咽頭結膜炎(プール熱)です。咽頭結膜炎はアデノウイルスを原因とするウイルス感染症です。ヘルパンギーナと同じく38〜40度の高熱と強い咽頭痛を認めます。しかし、咽頭結膜炎では、名前にあるとおり、結膜炎症状(眼の充血や流涙)を認める点がヘルパンギーナと異なります。
しかし、これらは典型例の話であり、実際には症状だけで見分けることが困難なこともあります。
大人のヘルパンギーナの原因と感染経路

大人のヘルパンギーナの原因を教えてください
大人のヘルパンギーナはどのような経路で感染しますか?
飛沫感染
感染者の咳やくしゃみにより放出される飛沫に含まれるウイルスを吸入してしまうことで感染が起こります。
接触感染
感染者の鼻水や唾液などの分泌物が手や物を介して感染します。幼い子どもはおもちゃをお口に入れたり、鼻水に触れた手でおもちゃを遊んだりすることがあり、大人がそのおもちゃを介して感染することもありえます。
糞口感染
ヘルパンギーナに感染している子どもの便中にもウイルスが含まれています。子どものオムツ交換などの際に気付かないうちに手に付着し、その手がお口に触れお口の中にウイルスが入ることで感染が起こります。
大人のヘルパンギーナを治療する方法と自宅での過ごし方

大人のヘルパンギーナが疑われるときは受診すべきですか?
病院でのヘルパンギーナの治療法を教えてください
主に発熱や痛みの症状に対して解熱鎮痛剤を使用して経過を見ていきます。高熱による発汗に伴う脱水や咽頭痛により水分が十分に摂取できず脱水傾向にある場合は点滴治療を行うこともあります。
ヘルパンギーナに感染した大人は会社を休む必要がありますか?
ヘルパンギーナに感染した大人が家庭内で気を付けることを教えてください
基本的な感染対策としては、こまめな手洗い、触った部分の消毒、タオルや物品を感染者と分けることや定期的な換気などがあります。
また、三世帯住宅など、高齢者と居住している場合は特に注意が必要です。ヘルパンギーナは免疫力の落ちやすい高齢者は感染をするリスクがあり、感染すると重篤化することがあります。感染すると重篤になるリスクの高い方は、可能な限り感染者とは接触をしないでいいように居住環境の整備を行うことが大切です。
大人のヘルパンギーナを予防する方法

大人がヘルパンギーナに何度も感染することはありますか?
ヘルパンギーナの感染対策を教えてください
また、子どもがヘルパンギーナに感染している場合、症状が改善後も2〜4週間は便中にウイルスが残っており、オムツ交換などによる感染リスクがあるため、症状が改善したからといって安心せず、引き続き感染対策を行うことが大切です。また、免疫力が低下し感染しやすい状態とならないように、十分な睡眠やバランスのよい食事、ストレス管理なども感染対策として有効です。
ヘルパンギーナの予防接種はありますか?
編集部まとめ

ヘルパンギーナは子どもの夏かぜと思い、子どもが感染したときに対策を怠っていると、大人にも感染する可能性があります。大人のヘルパンギーナはときに症状が強く、治癒に時間がかかる場合もあります。予防接種が存在しないため、日々の手洗いや換気といった感染対策を行い、感染しないようにしましょう。万が一感染した場合は対症療法になりますが、症状が軽快しない場合や合併症を疑う場合は速やかに医療機関を受診し適切な治療を受けることが大切です。




