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「熱中症で吐き気」を催す原因はご存知ですか?何時間吐き気が続くかも解説!

 公開日:2025/08/12
「熱中症で吐き気」を催す原因はご存知ですか?何時間吐き気が続くかも解説!

暑い日が続くと、熱中症のリスクが高まります。熱中症の初期には、頭痛、倦怠感、吐き気などの症状を認めます。そのなかでも吐き気が出るときは、病状が進んでいることもあり、重要なサインの一つです。今回は、熱中症による吐き気の特徴や原因、ほかの病気との違い、受診の目安、対処法をわかりやすく解説します。

居倉 宏樹

監修医師
居倉 宏樹(医師)

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浜松医科大学卒業。初期研修を終了後に呼吸器内科を専攻し関東の急性期病院で臨床経験を積み上げる。現在は地域の2次救急指定総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医・指導医として勤務。感染症や気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸器疾患全般を専門としながら一般内科疾患の診療に取り組み、正しい医療に関する発信にも力を入れる。診療科目
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。

熱中症による吐き気の特徴とほかの病気との違い

熱中症による吐き気の特徴とほかの病気との違い

熱中症による吐き気にはどのような特徴がありますか?

熱中症による吐き気は、高温多湿の環境での長時間の活動や脱水が原因で起こります。人間の深部体温は通常、運動中であっても40度を超えないように維持されていますが、熱中症では、身体の冷却が追いつかず、深部体温が40度を超えることがあります。深部体温が40度程度になると、熱中症の症状として、めまい、脱力感、吐き気、嘔吐を認めるようになります。熱中症による吐き気には以下の特徴があります。

  • 強い倦怠感や頭痛を伴う
  • 食欲がなくなる
  • 顔が赤くなる
  • 大量に汗をかく、またはまったく汗をかかない
  • 身体を冷却すると症状が少し改善することがある

熱中症による吐き気がある場合は、すぐに涼しい場所へ移動し、安静水分補給冷却を行いましょう。深部体温を早急に下げることができると症状は軽快に向かいますが、症状が改善しない場合はすぐに医療機関へ受診することが重要です。

熱中症の吐き気は何時間続きますか?

熱中症による吐き気の持続時間は、症状の程度と対応の速さによって大きく異なってきます。熱中症は以下のように4つに分類されます。

  • I度:めまい、失神、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りがあるものの意識障害を認めないもの。
  • II度:頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下。
  • Ⅲ度:中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常の3つのうち、いずれかを含む
  • Ⅳ度:深部体温40.0度以上かつ、GCS(意識レベルを評価するスコア)≦8

主に中等症以上で吐き気が出現しますが、軽症でもめまいが生じ、めまいに伴う吐き気を認めることがあります。
症状が軽症であれば1時間から2時間以内に冷却や水分補給で軽快することもあります。
しかし、症状が強くなると数時間以上続くこともあります。

重度になると吐き気は強く、意識障害や痙攣を認めることもあり、早急に入院による治療が必要になることもあります。数時間以上吐き気が続いたり、そのほかの症状として強い頭痛や意識障害を認めたりする場合は早急に医療機関を受診してください。

熱中症による吐き気とほかの病気の吐き気の違いを教えてください

熱中症による吐き気は、高温多湿の下での活動後に起こりやすく、めまい頭痛発汗異常などのほかの症状を伴うことが特徴です。

胃腸炎、片頭痛、食中毒などのほかの病気でも吐き気を認めることがあります。吐き気は中枢の嘔吐中枢への刺激が原因で引き起こされるため、吐き気だけで熱中症とそのほかの病気を見分けることは困難です。熱中症では、症状の程度にもよりますが、吐き気以外に、胃腸症状や頭痛が生じることがあります。そのほかにも、全身の倦怠感意識がぼんやりする大量の発汗、重症になると痙攣などの全身症状がみられることが、そのほかの病気との症状の違いです。

熱中症で吐き気が出る原因

熱中症で吐き気が出る原因

熱中症で吐き気が出るメカニズムを教えてください

熱中症で吐き気が起こるメカニズムは、上述したとおり、深部体温の上昇による自律神経の乱れと考えられています。暑さで体温が上がると、身体の反応としては、放熱のために皮膚血管を拡張し皮膚血流量の増加や発汗によって熱を逃がします。しかし、高温多湿の環境に晒され、多量に発汗すると体内の循環血液量が低下し、体内の血圧を維持するために心拍数が増加します。この心拍数の増加は身体の放熱作用に対する代償機能ですが、代償機能が正常に働かないと、循環不全となり、熱中症が引き起こされます。

上述の熱中症分類のⅠ度(軽症)の場合は、早急な冷却により症状は軽快に向かいますが、冷却が追い付かずⅡ度(中等症)以上となり、深部体温が40度程度になるとせん妄、めまい、嘔気、嘔吐、脱力感といった症状が出現します。

熱中症による吐き気があるときは胃腸が弱っているのですか?

はい。熱中症では、自律神経の乱れによって一時的に胃腸の機能が低下します。低すぎるエアコンの設定や冷えている水分の摂取も胃腸が弱る原因となります。体温が高度に上昇しているときは、適切な冷却、常温での水分補給、安静にすることが回復のために大切です。食欲も低下する傾向にありますが、エネルギー不足に陥らないように、胃腸に優しいものを少量ずつでもいいので摂るようにしましょう。

熱中症による吐き気で緊急受診する目安と対処法

熱中症による吐き気で緊急受診する目安と対処法

熱中症で吐き気がみられるときは受診した方がよいですか?

以下のような症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

  • 吐き気が強く水分がとれない
  • 意識がぼんやりする
  • 頭痛や脱力感が強い
  • 嘔吐を伴っている

これらの症状はⅡ度(中等症)以上の熱中症で出現する症状であり、身体が危険信号を出しているサインの一つです。熱中症診療ガイドライン2024では、Ⅱ度以上は中等症に分類され、医療機関の受診を必要とします。無理せず早急に受診することが、重症化を防ぐために大切です。

熱中症による吐き気が続いているときの水分摂取方法を教えてください

熱中症による吐き気があるときは、胃腸機能も低下しているため、過度な水分摂取や無理に飲まず少量ずつ、ゆっくり水分補給することが大切です。水分摂取のポイントは以下のとおりです。

  • 一口ずつ、ゆっくり飲む
  • 常温の水や経口補水液を選ぶ
  • スプーンやストローを使って少しずつ
  • ゼリー飲料での水分を取るのも可

冷えている飲み物は胃を刺激しやすいため避けましょう。また、吐き気が強いときは無理に飲まず身体の冷却を優先しましょう。

熱中症で吐き気が強いときに市販薬を飲んでも問題はありませんか?

自己判断での市販薬の使用はおすすめできません。
吐き気止めは原因にアプローチせず、症状を隠してしまうおそれがあります。さらに胃腸が弱っている状態では薬の種類によっては、薬の内服が刺激となって吐き気を悪化させるおそれがあるため、基本的に避けるべきです。もしも症状が軽く、軽いめまいや立ちくらみといった症状のみである場合には、以下のような市販薬の使用を検討してもいいと考えますが、自己判断での使用はせず、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

  • サマレスゼリー
    竹葉石膏湯エキスを配合するゼリーで、体内にこもる熱を冷ます作用があります。
  • 五苓散
    熱中症では、体内での水分調節がうまくできておらず、必要な部位に水分が足りず、不要な部位に水分が溜まる水毒に陥り頭痛やめまいを起こしていることがあります。五苓散は体内の水分を調整する作用があります。

編集部まとめ

編集部まとめ

熱中症による吐き気は、身体が出しているサインの一つです。
特に真夏の暑い環境下での活動後に体調不良を感じたら、熱中症のおそれがあります。対応としては、冷却、水分補給、安静が基本です。吐き気が続いたり強かったりする場合は、重症化を防ぐために早急な対応が必要ですので、迷わず医療機関に相談してください。

この記事の監修医師