「熱中症で吐き気」を催す原因はご存知ですか?何時間吐き気が続くかも解説!

暑い日が続くと、熱中症のリスクが高まります。熱中症の初期には、頭痛、倦怠感、吐き気などの症状を認めます。そのなかでも吐き気が出るときは、病状が進んでいることもあり、重要なサインの一つです。今回は、熱中症による吐き気の特徴や原因、ほかの病気との違い、受診の目安、対処法をわかりやすく解説します。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
目次 -INDEX-
熱中症による吐き気の特徴とほかの病気との違い

熱中症による吐き気にはどのような特徴がありますか?
- 強い倦怠感や頭痛を伴う
- 食欲がなくなる
- 顔が赤くなる
- 大量に汗をかく、またはまったく汗をかかない
- 身体を冷却すると症状が少し改善することがある
熱中症による吐き気がある場合は、すぐに涼しい場所へ移動し、安静、水分補給、冷却を行いましょう。深部体温を早急に下げることができると症状は軽快に向かいますが、症状が改善しない場合はすぐに医療機関へ受診することが重要です。
熱中症の吐き気は何時間続きますか?
- I度:めまい、失神、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りがあるものの意識障害を認めないもの。
- II度:頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下。
- Ⅲ度:中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常の3つのうち、いずれかを含む
- Ⅳ度:深部体温40.0度以上かつ、GCS(意識レベルを評価するスコア)≦8
主に中等症以上で吐き気が出現しますが、軽症でもめまいが生じ、めまいに伴う吐き気を認めることがあります。
症状が軽症であれば1時間から2時間以内に冷却や水分補給で軽快することもあります。
しかし、症状が強くなると数時間以上続くこともあります。
重度になると吐き気は強く、意識障害や痙攣を認めることもあり、早急に入院による治療が必要になることもあります。数時間以上吐き気が続いたり、そのほかの症状として強い頭痛や意識障害を認めたりする場合は早急に医療機関を受診してください。
熱中症による吐き気とほかの病気の吐き気の違いを教えてください
胃腸炎、片頭痛、食中毒などのほかの病気でも吐き気を認めることがあります。吐き気は中枢の嘔吐中枢への刺激が原因で引き起こされるため、吐き気だけで熱中症とそのほかの病気を見分けることは困難です。熱中症では、症状の程度にもよりますが、吐き気以外に、胃腸症状や頭痛が生じることがあります。そのほかにも、全身の倦怠感、意識がぼんやりする、大量の発汗、重症になると痙攣などの全身症状がみられることが、そのほかの病気との症状の違いです。
熱中症で吐き気が出る原因

熱中症で吐き気が出るメカニズムを教えてください
上述の熱中症分類のⅠ度(軽症)の場合は、早急な冷却により症状は軽快に向かいますが、冷却が追い付かずⅡ度(中等症)以上となり、深部体温が40度程度になるとせん妄、めまい、嘔気、嘔吐、脱力感といった症状が出現します。
熱中症による吐き気があるときは胃腸が弱っているのですか?
熱中症による吐き気で緊急受診する目安と対処法

熱中症で吐き気がみられるときは受診した方がよいですか?
- 吐き気が強く水分がとれない
- 意識がぼんやりする
- 頭痛や脱力感が強い
- 嘔吐を伴っている
これらの症状はⅡ度(中等症)以上の熱中症で出現する症状であり、身体が危険信号を出しているサインの一つです。熱中症診療ガイドライン2024では、Ⅱ度以上は中等症に分類され、医療機関の受診を必要とします。無理せず早急に受診することが、重症化を防ぐために大切です。
熱中症による吐き気が続いているときの水分摂取方法を教えてください
- 一口ずつ、ゆっくり飲む
- 常温の水や経口補水液を選ぶ
- スプーンやストローを使って少しずつ
- ゼリー飲料での水分を取るのも可
冷えている飲み物は胃を刺激しやすいため避けましょう。また、吐き気が強いときは無理に飲まず身体の冷却を優先しましょう。
熱中症で吐き気が強いときに市販薬を飲んでも問題はありませんか?
吐き気止めは原因にアプローチせず、症状を隠してしまうおそれがあります。さらに胃腸が弱っている状態では薬の種類によっては、薬の内服が刺激となって吐き気を悪化させるおそれがあるため、基本的に避けるべきです。もしも症状が軽く、軽いめまいや立ちくらみといった症状のみである場合には、以下のような市販薬の使用を検討してもいいと考えますが、自己判断での使用はせず、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
- サマレスゼリー
竹葉石膏湯エキスを配合するゼリーで、体内にこもる熱を冷ます作用があります。 - 五苓散
熱中症では、体内での水分調節がうまくできておらず、必要な部位に水分が足りず、不要な部位に水分が溜まる水毒に陥り頭痛やめまいを起こしていることがあります。五苓散は体内の水分を調整する作用があります。
編集部まとめ

熱中症による吐き気は、身体が出しているサインの一つです。
特に真夏の暑い環境下での活動後に体調不良を感じたら、熱中症のおそれがあります。対応としては、冷却、水分補給、安静が基本です。吐き気が続いたり強かったりする場合は、重症化を防ぐために早急な対応が必要ですので、迷わず医療機関に相談してください。



