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熱中症になったらどうしたらいい? 効果的な対処法や対策グッズはこれ!

 更新日:2023/03/27

時には命に関わる危険性もある熱中症。
事前に対策して予防することはもちろん、もし熱中症にかかってしまった場合でも、きちんと対処法を知っておけば安心ですよね。
さらに、熱中症の際に使える冷却グッズもご紹介します!

この記事の監修医師
村松 賢一 (戸塚クリニック院長)

熱中症の原因について

熱中症が起こりやすくなる要因には「環境」と「体の状態」があります。これら2つの要因が重なると熱中症がかかりやすくなってしまうので注意が必要です。

1.環境

気温や湿度が高く、風が弱い日は熱中症が起こりやすくなります。また、日差しが強い日にも熱中症が発症する可能性が高くなるので注意が必要です。

加えて、熱中症は炎天下の屋外だけで起こるものではありません。

曇っていても蒸し暑い日だと発症するうえに、夜間や屋内でも熱中症にかかってしまうことがあります。

熱中症は体内にこもった熱をうまく発散できずに体温がどんどん上がってしまうことで起こります。そのため、例えば冷夏などで涼しい日が続いた後に急激に暑くなった日などは注意が必要なのです。

注意が必要な場所として、運動場や海など日陰がなくて強い日差しがあたる場所や炎天下の駐車場に長時間駐めてあった車の中、風が通らない体育館などが挙げられます。

屋内でも浴室やトイレなど風通しの悪い場所では熱中症になってしまうことがあるので注意しましょう。

2.体の状態

寝不足や疲労、風邪などによる体調不良がある場合には熱中症が起こりやすくなります。

暑い中で激しい運動などをおこない、体内で熱がたくさん作られた場合にも熱中症への注意が必要です。

また、熱中症は脱水症の一種にあたります。脱水症は塩分と水分からなる体液が不足している状態のことであるため、体内の塩分・水分が不足してしまうことも熱中症の原因になってしまいます。

さらに、暑さに体が慣れていない状態も熱中症の要因になってしまいます。

そのため梅雨の晴れ間や梅雨明け直後など、涼しい日が続いた後にいきなり暑くなった日は体が暑さに慣れていないこともあり熱中症が起こりやすくなってしまうので注意しなくてはいけません。

また、高齢者の場合は温度に関する感覚が鈍くなっていたり、喉の乾きを感じにくくなっていたりするので特に屋内での熱中症発症率が高くなるのが特徴です。

熱帯夜なのに暑さを感じることがなく、エアコンをつけていなかったり就寝時に布団を被ったりするなどして夜間に熱中症にかかってしまうケースもあります。

熱中症が起こるメカニズム

暑さや体調不良が重なるとなぜ熱中症になってしまうのでしょうか? ここからは熱中症が起こるメカニズムについて説明したいと思います。

人間は運動や作業をすることで、体の中で熱が生まれます。

熱が生まれるということはそのままだと体温が上がってしまうということになりますが、人間の体には体温調節機能が備わっており、体温が上がりすぎると自律神経が働いて末梢の血管を拡張させ、熱を体の外へと逃します。

同時に体温が上がったら汗をかき、その汗が蒸発する時に熱を奪うことで体温を下げる作用もあります。

しかし、暑い環境下に長くいることで体温調節機能が狂ってしまうと、体内の熱を発散できずにどんどん体温が上がってしまいます。

さらに暑さがひどく急激に大量の汗をかいてしまうと、体内の塩分と水分が不足して体液のバランスが崩れてしまいます。

体液のバランスが崩れることで筋肉や血流などに影響が及び、けいれんやめまい、吐き気など熱中症の症状が起こってしまうのです。

熱中症・熱射病・日射病の違いとは?

以前は見聞きすることが多かった熱射病日射病という言葉ですが、最近では目にする機会がめっきり減ってしまい、それに代わって熱中症という言葉をよく見かけるようになりました。

しかし、熱射病や日射病という言葉を単に熱中症に置き換えたわけでは無いようです。熱中症・熱射病・日射病にはどのような違いがあるのでしょうか?

そもそも熱中症は上記でも説明したように、環境と体の状態の要因が重なった時に起こりやすくなる病気であり、体温がどんどん上がったり体液のバランスが崩れたりすることによって様々な症状が起こります。

以前は、熱中症は症状によって「熱失神」「熱痙攣(けいれん)」「熱疲労」「熱射病」の4タイプに分類されていました。

つまり、熱射病は熱中症の一種と言うわけです。

ちなみに熱中症は現在では重症度によって3段階に分類されており、従来の熱射病は熱中症の中で最も重症度の高い段階にあたります。

一方の日射病も熱中症の一種ですが、症状や段階による分類ではなく直射日光が原因で発症した熱中症のことを指します。

つまり、熱射病も日射病も大きな分類では熱中症の一種であり、

  • 熱射病は重度の熱中症につけられる診断名
  • 日射病は軽度重度関係なく直射日光が原因の熱中症につけられる診断名

ということになります。

したがって、日射病も症状が重くなったら熱射病になってしまうということになるのです。

熱中症の場合に出る重症度別の症状

同じ熱中症でも、現れる症状は重症度により違ってきます。

以下に、重症度別にみる主な症状について解説いたします。

1.熱中症Ⅰ度(軽度)

 めまいや立ちくらみ

体温を下げるために血管を拡張すると、脳への血流が少なくなってしまうのでめまいや立ちくらみが起こります。

従来までの分類では「熱失神」と呼ばれていた症状です。

 筋肉痛やこむら返り、手足のつり

熱中症で大量の汗をかくと、水分とともに体内の塩分も奪われてしまいます。

その状態で水分だけを摂取してしまうと、筋肉の収縮に必要な塩分が不足してしまうので筋肉痛やこむら返りが起こります。

こちらは従来までの分類では「熱痙攣」と呼ばれる症状です。

 その他の症状

他にも大量の発汗や生あくびなどの症状も見られます。

この段階での症状であれば、応急処置として涼しい場所で衣服をゆるめて体を冷やし、水分と塩分を摂取させて様子をみましょう。

もし、水分を摂取できなかったり、回復しないようだったりする場合は医療機関を受診させてください。

2.熱中症Ⅱ度(中等度)

大量の汗をかいたことで水分と塩分が過剰に減ってしまい、さらに水分の取れない状態が続いてしまうと脱水症状に陥ってしまいます。

体内の水分が減少することで体内を循環する血液量も減ってしまうので、臓器機能が低下してしまうのです。

そのため、ズキズキとした激しい頭痛や吐き気(嘔吐)、倦怠感、虚無感(体に力が入らない状態)などの症状が現れてきます。

また、判断力が低下して自分の名前を答えられなかったり、日付や自分が現在いる場所が分からなかったりする意識障害も出ます。

従来の分類では「熱疲労」に相当する症状です。

この段階になると応急処置では対処できないので、早急に医療機関へ受診させましょう。

3.熱中症Ⅲ度(重度)

脱水症状が進むと体温が急激に上がり、それに伴って脳の温度も上昇していくので体温調節がうまく機能しなくなります。

発汗が止まって体にこもった熱を発散できなくなってしまうので皮膚が乾燥します。

こうなるとますます体温が上がって41度を超えてしまうこともあります。体に触るとはっきりと「熱い」と分かるほどの高熱です。

また、意識低下障害が起こり呼びかけや刺激への反応に異変が生じはじめます。

過呼吸や全身けいれんなどの症状が出ることもあり、熱中症の中では最も重度の段階で従来の分類では「熱射病」にあたります。

ひきつけで体がガクガクしたり、まっすぐ歩いたり走ったりできないといった症状もあります。

すぐに医療機関を受診させて入院治療を受ける必要があり、治療が遅れてしまうとたとえ回復しても脳に障害が残ってしまったり、最悪の場合は死に至ったりする可能性もある重度の熱中症です。

特に、意識がないような場合は命に関わる危険性がありますので、速やかに救急車を呼んで搬送してもらいましょう。

※分類はあくまで目安です

熱中症は上記の3段階に分類されてはいますが、どれかにピッタリと当てはまるというわけではありません。

周りの環境や状況によって症状は刻々と変化することもあり、初めのうちはⅠ度の軽症であっても応急処置などをしないとあっという間に重症化して、死に至ってしまうという可能性もゼロではありません。

そのためⅠ度の軽症であっても油断することなく、必ず症状が良くなるまで付き添って見守るようにしましょう。

また、軽症の場合も応急処置で回復しない場合や症状が重くなってしまった場合は速やかに医療機関へ搬送するようにしてください。

熱中症にかかった時の対処法

熱中症にかかってしまった人がいた場合や、自分が熱中症にかかってしまった場合の応急処置についてまとめてみました。

1.水分・塩分補給

熱中症にかかってしまった場合、とにかく水分補給をしなくては! と思う方も多いことでしょう。

たしかに熱中症は脱水症の一種であり、体内の水分が不足している状態なので水分補給の必要があります。

しかし、水分補給の方法を間違ってしまうと熱中症を改善するどころか、かえって悪化させてしまうケースもあるので注意が必要です。

暑い環境の中で運動や作業をして大量に汗をかいた場合、水分だけではなく体内の塩分やミネラルも不足してしまいます。

その状態で水分だけを摂取してしまうと血液中の塩分やミネラルの割合が低くなってしまうので、筋肉痛やこむら返りといった熱中症の症状が出てしまうのです。

つまり、熱中症時に水分だけを摂取してしまうことで、症状がかえって悪化してしまうというわけです。

熱中症時には水分だけではなく、必ず塩分も一緒に補給しましょう。

目安としては1リットルの水に1~2gの塩を入れた食塩水が最適ですが、面倒ならスポーツドリンクでも構いません。

スポーツドリンクには水分と塩分に加えて糖分も入っています。

糖分が入っていることでエネルギー補給ができて疲労回復にも効果がありますし、塩分や水分の吸収が良くなるので特に長時間の運動をした後などにはスポーツドリンクでの水分補給が良いでしょう。

冷たい飲み物の方が体を内側からも冷やすことができるのでおすすめです。

水や麦茶など、塩分が含まれていない飲み物で水分を摂取する場合は塩や梅干しなどで塩分を補給するようにしましょう。

緑茶やウーロン茶などに含まれているカフェインには利尿作用があり、水分の排出を促し脱水が進んでしまうので注意が必要です。

また、意識がない人に無理やり水を飲ませるのは避けるべきです。

うまく飲み込むことができず、肺に水が入ってしまうことがあるので絶対にやめましょう。

2.体を冷やす

熱中症になってしまった時は、体にこもってしまった熱を逃してあげる必要があります。

屋外で熱中症を発症してしまった場合は風通しの良い木陰など、屋内の場合はエアコンの効いた部屋などとにかく涼しい場所に移動しましょう。そして衣服をゆるめて体を冷やしてあげてください。

また、霧吹き等で体に水をかけて、扇風機やうちわで風を送って冷やしても良いでしょう。

ごく軽度の熱中症で、自分で動くことができるような場合であれば水シャワーで全身を冷やすのも効果があります。

しかし、高熱が出ている時に冷たい水でいきなり全身を冷やしてしまうと、体温が急激に下がってしまうので体が必死に熱を生み出してしまいかえって体温が上がってしまうこともあるため、重度の熱中症で40度を越えるような熱が出ている場合には水シャワーは避けましょう。

40度を越えるような熱がある場合は自分でシャワーを浴びる元気もなく、他人がシャワーを浴びせるようなことも無いとは思いますが、重篤な事態を避けるためにも頭の片隅に入れておくとよいでしょう。

3.足を高くして寝かせる

涼しい場所に移動させたら、足を心臓より高くして寝かせると血液が流れやすくなります。足の下にクッションや枕、丸めたタオルなどを置いて足を高くしてあげましょう。

さらに、手足をマッサージするとより血液が流れやすくなるので効果的に体を冷やすことができます。

4.熱中症にかかった時に冷やす場所

熱中症の際は、氷や冷たいタオルなどを体に当てて冷やすのも効果的です。

この時注意しなくてはいけないのが、「冷やすと効果的な場所」と「冷やさない方が良い場所」があるということ。体のどこでも冷やせば良いと言うわけではありません。

熱中症の際に冷やすべき場所は「皮膚の表面近くに太い血管が通っている場所」です。太い血管を冷やすことで、効率よく体温を下げることができます。

以下に、熱中症の際に冷やすべき具体的に場所について解説いたします。

首筋

首筋は露出しており服をめくったり脱がせたりしなくても冷やせるので、熱中症にかかってしまったらまず首筋を冷やすと良いでしょう。

首の両脇に頸動脈があるので、首筋の両側を濡れタオルなどで冷やしてください。

脇の下

脇の下にも太い血管が通っています。服の上からでも構わないので、冷たいペットボトルを両脇に挟むと簡単に冷やすことができます。

保冷剤を薄いタオルに包んで冷やしても良いでしょう。

鼠径部(そけいぶ)

いわゆる脚の付け根にあたる部分のことで、ここにも太い血管が通っています。寝かした状態で、タオルにくるんだ保冷剤などを当てて冷やしましょう。

ちなみに熱中症の応急処置の際、冷やす時間に明確な決まりはありません。体調が楽になるまでひたすら冷やしてください。

体調が良くなってきても体が熱っぽいようであれば引き続き冷やしましょう。

たとえ軽度の熱中症であっても、回復するのに大人の場合でも早くて2~3日かかります。そのため、あくまで目安ではありますが1日くらいは冷やし続けた方が良いとされています。

もし、冷やしているのに何日経っても熱っぽさが続くのであれば、医療機関を受診してください。

5.熱中症の際の冷やし方

熱中症の際の冷やし方(何を使って冷やすか)にも様々なものがあります。ここでは、それぞれの冷却具についてご紹介いたします。

・氷嚢

病院で指導されるのは氷嚢を使って冷やす方法ですが、最近では氷嚢を常備している家庭も少ないかと思うのであまり現実的ではないかもしれません。

しかしながら、夏場のイベントやスポーツの大会などで救護班が設けられているような場合は氷嚢を準備されていることもあるので役立つ場合もあるかと思います。

・インスタントアイスパック

叩けばすぐに冷たくなるインスタントアイスパックは、凍らせておく必要が無く溶ける心配もしなくて良いので使い勝手がよく大変便利です。職場やご家庭にいくつか常備しておくと良いでしょう。

・濡れタオル

水道とタオル(ハンドタオルでもOK)があればいつでもどこでも冷やすことができる、一番簡単な方法です。

服の上から冷やしたい場合は、濡れタオルをビニール袋に入れて体に当てると服が濡れてしまうこともありません。ただし、冷やす効果が弱い上にすぐにタオルがぬるくなってしまうので、こまめに濡らし直すようにしましょう。

氷が手に入るのであれば、氷水でタオルを濡らすとより効果が高まります。

・冷えピタ

いわゆる貼るタイプの冷却材も、熱中症時に体を冷やすのに便利です。

ただし首筋や鼠径部を冷やすのには良いですが、ワキに貼ってしまうとすぐに剥がれてしまうのであまりおすすめできません。

・保冷剤

どこの家庭の冷凍庫にもあるのであろう保冷剤も熱中症の冷却に役立ちます。

ピンポイントで冷やしたい場合は、お持ち帰りのケーキなどに付いてくる小さな保冷剤が使いやすいでしょう。

保冷剤はそのままだと冷たすぎるので、薄手のハンカチ等でくるんで肌に当てるようにしてください。

・缶のドリンクやペットボトル

応急処置の際には冷えた缶のドリンクやペットボトルで冷やしてもOKです。

冷やすものが何もない!というような時でも自動販売機やコンビニで買ってくればすぐに冷やすことができて便利なうえに、症状が少し落ち着いたら水分補給にも使えます。

6.熱中症にかかった時に冷やさない方が良い場所

熱がある時につい冷やしてしまいがちですが、熱中症の際には冷やさない方が良い場所があります。

それは「おでこ」「首の後ろの2箇所です。

いずれも風邪などで発熱した時に冷やす部位であるため熱中症でも冷やしてしまいがちですが、実は熱中症の場合にはこれらの部位は冷やすべきではないのです。

熱中症の際におでこを冷やしてしまうと、脳は「体が十分冷えた」と思ってしまうので「体温を下げるために汗をかけ!」という指令を出さなくなってしまいます。

このことによって、体に熱がこもったままで体温も高いのに汗を正常にかけなくなってしまうため、熱中症の症状が悪化してしまうと言われています。

おでこを冷やすことで血管が収縮し、頭痛やめまいの原因になってしまうというケースもあります。

これと似たような理由で、首の後ろも冷やさない方が良いです。

首の後ろを冷やすことで体温調節中枢(視床下部)も冷やされてしまい、体温が下がったと体が勘違いしてしまいます。

すると、実際は熱がこもったままなのに体が体温を上げようとしてしまうので体温調節機能が狂って熱中症が悪化してしまう可能性があるのです。

とはいえこれらの部位は、冷やしたからといって取り返しがつかなくなるほど熱中症が悪化してしまうというわけでもありません。

「冷やした方が良い場所」に首筋があるので首回り全体を冷やした結果、首の後ろも冷やしてしまった……なんてことは十分ありえることだと言えるでしょう。

首の後ろやおでこをピンポイントで強烈に冷やしてしまうのは避けるべきですが、そこまで神経質になる必要はありません。

熱中症の予防法

以下に、熱中症を予防するための方法についてご紹介いたします。

1.熱中症予防に効果のある食べ物や飲み物

熱中症予防に効果のある食べ物や飲み物を紹介します。

ただし、「これさえ食べて(飲んで)いれば熱中症予防はばっちり!」という食材や飲み物というわけではありません。

あくまで栄養バランスが取れた食事を前提とした上で、下記で紹介する食材や飲み物を積極的に取り入れるようにすると良いでしょう。

・豚肉や大豆製品

夏場は食が細くなってしまい、そうめんなど冷たくて食べやすいものばかりを選んでしまうという方も多いのではないでしょうか?

熱中症に負けない体力づくりのためにも、主食の炭水化物をエネルギーに変えてくれるビタミンB1をしっかり摂取しましょう。

ビタミンB1を手軽に取るには豚肉や大豆製品がオススメです。

・ナス

体を冷やす効果があるので、熱中症の予防にもってこいの食材です。

また、ナスには肝臓の機能を強くしてくれる働きもあるので、夏バテによる食欲不振の改善効果も期待できます。

・梅干しやお酢

疲れの原因である乳酸の発生を防いでくれるクエン酸ですが、梅干しやお酢、レモンなどにはこのクエン酸が豊富に含まれています。

梅干しはご飯のお供としてそのまま食べる他、梅肉和えなどもオススメです。

汗をたくさんかいた時の塩分補給にもいいですね。

お酢もドレッシングにしたり、酢の物にしたりと様々な使い方ができます。

クエン酸が多く含まれている食材は酸味があるので、暑い夏でもさっぱり食べることができますよ。

・スイカ

水分が多いので水分補給にもってこいの果物です。

さらに体を冷やす働きもあるうえに、スイカの赤い色素であるリコピンは抗酸化作用があるので疲労回復に効果的です。

・パプリカ

赤や黄色、オレンジなどカラフルな見た目が楽しいパプリカにはピタミンCが豊富に含まれています。

ビタミンCには免疫力をアップする働きがあるので、暑さに負けない体作りに効果的です。

先に挙げたお酢を組み合わせてピクルスにすれば、さっぱり美味しくいただける上にお酢のクエン酸も取ることができるのでおすすめですよ。

・麦茶

麦茶の香ばしい香りの成分であるピラジン類には血をサラサラにして血流を良くする働きがあるので、体温を下げる効果が期待できます。

疲労回復効果もあり、ノンカフェインなので老若男女問わず熱中症の予防にオススメの飲み物です。

・ルイボスティー

疲労回復に効果的な抗酸化作用に優れているルイボスティー。

ナトリウムやミネラルが豊富に含まれている上にノンカフェインなので、熱中症対策にピッタリの飲み物です。

※水分と塩分の補給について

熱中症にかかってしまった場合は水分と一緒に塩分を取ることが必要となってきます。

しかし、日常の生活においては普段の食事で塩分は十分に取ることができるので特に意識しなくても良いでしょう。

スポーツ等で汗をたくさんかいた場合は少し多めに塩分を取ったほうが良いですが、そうでなければ普段通りの食事で問題ありません。

2.こまめに水分補給をする

喉が渇いた、と感じてから水分を取るという人もいるかもしれませんが、実はそれでは水分補給のタイミングとしては遅すぎます。

人は脳の視床下部にある「口渇中枢」からの指令により喉の渇きを感じるのですが、その時点で既に体内の水分量のうち約2%が失われている状態なのです。

これは体重60kgの人で約700mlもの水分が失われているということになるので、結構な量であると言えるでしょう。

したがって、これほどもの水分が失われてしまう前に水分を補給しておく必要があると言うわけなのです。

また、人間は一度にたくさんの水分を取っても全てを吸収することができず、尿などで排出されてしまうので無駄になってしまうことに加えて消化も大変になるので体に負担がかかってしまいます。

つまり、熱中症予防のための水分補給は「適量をこまめに飲む」ことがポイントとなります。

成人の場合、飲み物から摂取する水分量は1日大体1200mlです。1回に150~250ml程度の水分を数回に分けて飲むようにしてください。

飲む時には一気に飲まず、できるだけゆっくりとしたスピードで飲むと良いでしょう。

ちなみに熱中症の応急処置としてはおすすめできないカフェインの入った飲み物ですが、日常の水分補給としてはそれほど気にしなくても大丈夫です。

もちろん飲み過ぎはよくありませんが、カフェインを避けるあまりに水分補給が疎かになってしまうケースもあるので、気にしすぎるのはかえって良くないのです。

3.睡眠環境を快適に保つ

睡眠不足や体調不良も熱中症が起こりやすくなってしまう要因の一つです。

通気性や吸収性に優れた寝具を使ったり、エアコンや扇風機をかけたりして睡眠環境を整えましょう。

ぐっすりと眠ることで翌日の熱中症予防に繋がり、就寝中の熱中症予防にもなります。

4.熱中症指数をチェックしよう!

テレビやネットで見ることができる「熱中症指数」をしっかりとチェックして、その日の熱中症の危険度を知っておきましょう。

今、自分がいる場所の気温や湿度を把握しておくことも大切です。

5.室内を涼しく保つ

日の当たらない室内にいるからといって、安心してはいけません。高温多湿で無風の日などは、たとえ室内であっても熱中症の危険度が高くなってしまいます。

「これくらいなら大丈夫」と過信せず、エアコンや除湿機を上手に使って部屋の温度や湿度を調節しましょう。

特に年配の方の場合、暑さを感じにくいので温度計や湿度計をチェックして部屋の環境を整えるよう心がけましょう。

6.衣服を工夫する

衣服を工夫するだけでも涼しく過ごすことができ、熱中症の予防にもなります。下着は吸水性や速乾性に優れた素材を、洋服は通気性の良い麻や綿素材を選ぶと良いでしょう。

黒っぽい色の服は熱を吸収しやすいので、見た目にも涼しい白色系を選ぶのがオススメです。

また、屋内ではエアコンが効きすぎていて寒い場所もあるので、気温に合わせて脱ぎ着ができるよう重ね着で調節するとベストです。

帽子や日傘、スカーフなどで直射日光を避けるのも効果的です。

ちなみに、「暑いから家の中では服を着ないで過ごしている」という人もいるかもしれませんが、裸でいるのは逆効果です。

衣服には汗を吸って蒸発させる働きがあるので、洋服をきちんと着てエアコン等で室内の気温を調節する方が熱中症の予防になるのです。

6.お出かけやスポーツの際はこまめに休憩をする

暑さや日差しに長時間さらされるような状況下では、決して無理をせずこまめに休憩を取って体を休ませましょう。この時、水分もしっかり取ってくださいね。

炎天下での活動時など、汗をたくさんかくような時には塩分が含まれているスポーツドリンク等での水分補給がおすすめです。

7.日差しを避ける工夫をする

夏にお出かけやスポーツをする時にはできるだけ日差しを避けることができるように工夫しましょう。

帽子や日傘を使うだけではなく、なるべく日陰を選んで歩くようにするだけでもかなり違ってきます。

もし、時間に融通がきくのであれば日差しの強い昼間の時間帯を避け、朝早い時間や夕方に出かけたり運動をしたりすると良いでしょう。

また、体だけではなく部屋に差し込む日差しを避ける工夫も大切です。

特に西日が差し込む部屋ではとにかく室温が高くなってしまううえに、夜になっても熱がこもって暑さがなかなか引きません。

窓の外にグリーンカーテンを設置したり、窓に遮熱フィルムを貼ったりしてできるだけ日差しを遮る工夫をしましょう。

8.暑さにまけない体づくり

熱中症は、急に暑くなったときなど体が気温の変化に対応できないと起こりやすくなってしまいます。

したがって、熱中症の予防にはなるべく涼しい環境で過ごすことが大切ではあるものの、それと同時に体を暑さに慣れさせておくことも肝心なのです。

まだ気温がそれほど高くない時期からウォーキングなどで汗をかく習慣をつけておくことで、暑さに負けない体を作ることができます。

まとめ

いかがでしたか?

重度の熱中症になってしまった場合、完治までに1~6ヶ月ほどかかることもあり、治っても脳に障害が残ってしまうケースもあります。

普段から熱中症の予防を心がけるようにして、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

村松 賢一 医師 戸塚クリニック 院長監修ドクターのコメント

熱中症は命まで奪い得る病状ですが、ご自身の知識ならびに予防対策により発症を抑えることができます。熱中症の発症が予測される季節には、天気予報などを頼りに事前対策を行いましょう。「まさか自分が熱中症になることはないだろう」という油断は禁物で、全ての年齢の方に起こり得ることです。記事の内容を参考にしていただき、予防対策ならびに万が一発症した際の対処方法をきちんと理解しましょう。
そうすることが、あなた、そして、あなたの周りの人の命を救います。

 

監修ドクター:村松 賢一 医師 戸塚クリニック 院長

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