目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 医科TOP
  3. 病気Q&A(医科)
  4. 「熱中症の初期症状」はご存知ですか?初期症状のうち特に危険な症状も解説!

「熱中症の初期症状」はご存知ですか?初期症状のうち特に危険な症状も解説!

 公開日:2025/07/18
「熱中症の初期症状」はご存知ですか?初期症状のうち特に危険な症状も解説!

猛暑が続く季節、知らないうちに身体が熱っぽくなんとなく体調が悪いと感じた経験はありませんか?もしかするとそれは、熱中症の初期症状かもしれません。熱中症は重症化すると、意識を失ったり、亡くなったりすることもある危険な病気です。初期の段階で気がつき早急に対処することが重症化を防ぐカギになります。この記事では、熱中症の代表的な初期症状と、症状別に行うべき対処法についてわかりやすく解説します。

居倉 宏樹

監修医師
居倉 宏樹(医師)

プロフィールをもっと見る
浜松医科大学卒業。初期研修を終了後に呼吸器内科を専攻し関東の急性期病院で臨床経験を積み上げる。現在は地域の2次救急指定総合病院で呼吸器専門医、総合内科専門医・指導医として勤務。感染症や気管支喘息、COPD、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする呼吸器疾患全般を専門としながら一般内科疾患の診療に取り組み、正しい医療に関する発信にも力を入れる。診療科目
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。

熱中症の初期症状について

熱中症の初期症状について

熱中症の初期症状を教えてください

熱中症の初期症状には、次のようなものがあります。

  • めまい、立ちくらみ
  • 吐き気や気分の悪さ
  • 大量の発汗や逆に汗が出ない
  • 顔のほてり
  • 筋肉痛、筋肉の硬直

これらの症状は熱中症の初期症状として認められます。熱中症は初期の対応により重症化させないことが大切です。対応としては、すぐに涼しい場所で休み、発汗による脱水を防ぐために水分と塩分を補給することが重要です。

熱中症の初期症状のなかで子どもに現れやすいものはありますか?

子どもに特に現れやすい熱中症の初期症状には、以下のようなものがあります。

  • 顔のほてり
  • 元気がなくなる、ぐったりする
  • ぼーっとする、反応が鈍い
  • 吐き気、嘔吐
  • 不機嫌になる、乳幼児の場合泣き止まない

大人に比べて子どもは体温調節機能が未熟なため、熱中症の進行が早く、重症化しやすいことが特徴です。上述のような症状を認め、子どもの様子がいつもと違うと感じたら、すぐに涼しい場所に移して水分補給を行い、医療機関に相談するようにしましょう。

熱中症の初期症状のうち特に危険な症状を教えてください

以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関に受診してください

  • 意識がもうろうとする
  • 反応が鈍い
  • 歩行が不安定
  • 頭痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 全身の痙攣

これらの症状を認める場合は、熱中症が進行している可能性があります。重症化を防ぐために、早めの対応が命を守るポイントになります。

熱中症の初期症状のなかで高齢者が見逃しやすい症状はありますか?

高齢者は、喉の渇きを感じにくくなっており、発汗などの身体から熱を逃がす機能が低下しています。それに加えて、温度に関する感覚が弱くなり、また、脱水状態であることを自覚しにくくなっています。
高齢者では、元々の持病を有している方の割合も若年者よりも高くなるため、だるさや食欲不振などが加齢や持病と勘違いされることが多く注意が必要です。周りの方が体調の変化に気付き、早めに対応することも迅速な対応のためにとても重要です。

熱中症の初期症状が現れたときの対処法

熱中症の初期症状が現れたときの対処法

熱中症の初期症状が疑われるときはどうすればよいですか?

熱中症の初期症状が疑われた場合は以下のような応急的な対応が重症化を防ぐために大切です。

  • 涼しい場所に移動
    日陰冷房のある室内など、風通しのいい場所へ移動する
  • 衣服をゆるめて身体を冷やす
    首、脇の下、太ももの付け根などを冷やすと効果的です
  • 水分と塩分を補給
    スポーツドリンクや経口補水液がおすすめです
  • 症状が改善しない場合は医療機関へ
    吐き気や意識低下、頭痛などが続くときは受診が必要です

熱中症は重症度によりⅠ度〜Ⅳ度に分類されます。

  • I度
    めまい、失神、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、こむら返りがあっても、意識障害を認めないもの
  • II度
    頭痛、嘔吐、倦怠感、集中力や判断力の低下
  • Ⅲ度
    中枢神経症状、肝・腎機能障害、血液凝固異常の3つのうち、いずれかを含む
  • Ⅳ度
    深部体温40.0度以上かつ、GCS(意識レベルを評価するスコア)≦8

このうちⅡ度以上は医療機関の受診が必要とされています。

熱中症の初期症状のうちすぐに受診した方がよい症状を教えてください

熱中症の初期症状は、めまい、立ちくらみ、発汗、顔のほてり、筋肉痛などですが、これらの症状が涼しい場所への移動や水分の摂取をしても改善しない。または、全身症状として以下のような症状が出現したときは、すぐに受診をした方がいいでしょう。

  • 吐き気や嘔吐が強く、水分がとれない
  • 意識がもうろうとしている、会話がおかしい
  • 頭痛がひどくなる、改善しない
  • 汗が出なくなり、皮膚が熱く乾いている
  • 体温が高く、冷やしても下がらない

これらの症状が認められる場合は、熱中症の重症度分類のうち、Ⅱ度(中等症)以上に分類されるため、医療機関への受診が必要です。

熱中症の初期段階で対処しない場合、どうなりますか?

熱中症の初期症状を放置すると、重症度分類のⅡ度(中等症)やⅢ,Ⅳ度(重症)へと進行する危険性があります。例えば、吐き気や頭痛が悪化し、意識障害や痙攣、重症化すると高体温による臓器障害などが起こることがあります。ときには命に関わることもあります。初期の段階でしっかりと冷却、水分補給など対処を行い、中等症以上へと進行させないことが重要です。

熱中症による初期症状別の対処法

熱中症による初期症状別の対処法

熱中症のめまいや立ちくらみにはどう対処すればよいですか?

熱中症になると、皮膚の血管が拡張し、血流が増加します。皮膚への血流が増加すると、全身を巡る血液の量(循環血液量)が減少します。体内の循環血液量が減少すると、脳を含む体内の重要臓器への血流が減少します。それにより、めまい、立ちくらみが生じます。

そのため、脳への血流を少しでも戻すことが、熱中症によるめまいや立ちくらみを改善するために重要です。方法としては、仰向けに寝かせて足を高くして安静にし、涼しい場所で冷却と水分補給を行ってください。意識がある場合は経口補水液を少し飲ませ、体内の水分量を確保しましょう。

熱中症のだるさを軽減する方法を教えてください

熱中症では、上述したような体内の循環血液量の減少が起こることが原因でだるさが出現します。
だるさが強い場合は、無理に動くと転倒などのリスクも上がるため、可能な限り涼しい場所で横になってしばらく休むことが大切です。冷却と水分、塩分の補給を行い、回復を待ちましょう。だるさが数時間以上続く場合や、意識が朦朧としている場合は緊急で医療機関を受診しましょう。

熱中症の頭痛が治らない場合はどうすればよいですか?

熱中症による頭痛が治らない場合は、深部体温が高いままである脱水や電解質不足が続いている脳血流が不足している、などの可能性があります。まずは以下のことを見直しましょう。

  • 十分に身体を冷やせているか
  • 水分と電解質をきちんと補給できているか
  • 身体に負荷のかからない体勢で休めているか

熱中症は初期段階で適切な対応を行うことができると、症状は軽快に向かいますが、重症化すると、症状は一時的なものではなく、後遺症を残すことが報告されています。熱中症では脳への血流が低下すると述べましたが、この状態は、細胞レベルでの障害を起こす原因となります。適切な対応を行っても改善しない場合は、医師による評価や治療が必要です。

編集部まとめ

編集部まとめ

熱中症の初期症状は一見軽く見えるかもしれませんが、放置すると短時間で重症化するおそれがあります。特にだるさ、めまい、頭痛、吐き気などは、体温調節機能が乱れ始めているサインであり、早期の対応がとても重要です。子どもや高齢者は体温調節機能が低いため、症状の進行が早く、また、高齢者は加えて症状への気付きが遅れる傾向にあるため、周囲の気付きと予防意識が命を守るカギとなります。こまめな水分補給、暑さ対策、適度な休息を心がけ、症状が現れたら様子を見るのではなく、すぐに対処することが大切です。

この記事の監修医師