「動脈硬化を改善」する効果が期待できる「食生活」はご存知ですか?【医師監修】

動脈硬化は、放っておくと心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気につながることがある疾患です。初期には自覚症状がないことが多く、気付かないうちに進行してしまうこともあります。しかし、動脈硬化は生活習慣の見直しや適切な治療によって、進行を抑え、合併症のリスクを減らすことができます。本記事では、動脈硬化に関して原因から治療法までわかりやすく解説します。

監修医師:
上田 莉子(医師)
目次 -INDEX-
動脈硬化の概要

動脈硬化とはどのような病気ですか?
動脈には、心臓が送り出す血液を全身に行きわたらせる役割があります。血液の中には酸素や栄養分があり、それらは動脈のおかげで身体の中の細胞や組織に届けられます。心臓は全身に血液を送るためにポンプの役割を果たしますが、この心臓の収縮に伴って動脈には高い圧力がかかります。これに耐えうるために動脈の壁は3層になっています。
壁は外側から外膜、中膜、内膜で構成されており、この内膜の下に主に脂肪でできた沈着物(プラーク)が蓄積することをアテローム性動脈硬化といいます。動脈硬化には3つのタイプがありますが、一般的に動脈硬化というとアテローム性動脈硬化のことを指します。動脈硬化はさまざまな重大な疾患を引き起こす可能性があります。
動脈硬化の原因を教えてください
- 高血圧
- 脂質異常(コレステロールの異常)
- 糖尿病
- 喫煙
- 加齢
動脈硬化は健康にどのような影響を与えますか?
動脈硬化を放置すると、健康寿命を大きく損ねる可能性があります。そのほかに、足の血管に動脈硬化が起こることがあります。歩くときに痛みがみられたり、重症の場合は足に潰瘍(深い傷)や壊疽(えそ)を引き起こしたりすることがあります。壊疽とは細胞や組織が酸素不足となり、腐って黒くなってしまう状態のことをいいます。このように動脈硬化は全身の血管で起こるため、健康にさまざまな影響を与えます。
一度硬くなった動脈は元に戻りますか?
動脈硬化を改善する生活習慣の見直し

動脈硬化を助長させる生活習慣にはどのようなものがありますか?
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 不健康な食生活(過食や塩分過多)
- 運動不足
- 慢性的なストレス
日々の生活習慣のなかで、これらに心当たりがある方は、動脈硬化予防のために少しずつでも改善していきましょう。
動脈硬化を改善する効果が期待できる食生活を教えてください
- 塩分を控える
- コレステロール、飽和脂肪を控える
- 魚を積極的に食べる
高血圧対策のため、塩分の摂取はできるだけ控えめにします。濃い味付けや塩辛い食品を減らし、醤油や味噌など塩分の多い調味料の量もできる限り減らしましょう。また、コレステロールの多い食品や動物性の脂肪、飽和脂肪酸の摂取は控えめにします。一方で、魚は積極的に食べるようにしましょう。魚の油は動脈硬化の予防に有効であることがわかっています。
食べ過ぎを避け、適切な体重管理に努めることも重要です。以上のような食生活は、血圧、血糖、脂質のコントロールに有効で、その結果として動脈硬化を予防する効果が期待できます。急な食事制限はせず、無理のない範囲で適切な食事に改善し、続けていくことが大切です。
運動には動脈硬化を改善する効果がありますか?
具体的には、65歳以上の方で、運動の程度を問わず毎日40分程度、18~64歳の方は1日60分程度の運動をするとよいとされています。ただし、持病がある方などは医師と相談したうえで運動の内容を決めるようにしてください。
禁酒や禁煙は動脈硬化を改善しますか?
動脈硬化を改善する病院での治療

病院では動脈効果に対してどのような治療を行いますか?
薬の治療は、それぞれの方にあわせて、コレステロールを下げる脂質異常症治療薬、血圧を下げる降圧薬、糖尿病の治療薬などを用いて行われます。また、すでに動脈硬化による心臓や脳の病気などを発症している場合には、血液を固まりにくくする薬(抗血小板薬)を使って血栓の予防を図ります。
重度の動脈効果に対する治療法を教えてください
- カテーテル治療
- バイパス手術
カテーテル治療では、足の付け根などから細い管(カテーテル)を血管内に挿入し、狭くなった部分にバルーン(風船)を送り込みます。血管が狭くなったところに到達したら、バルーンを膨らませて血管を広げます。
バイパス手術は、カテーテル治療では対応が難しい場合に選択される治療法です。詰まった血管の代わりに、別の血液の通り道を自分の血管や人工の血管で作り(バイパス)、血液の流れを確保します。心臓や足の血管で行われます。
このほかに、首の血管(頸動脈)に病変がある場合は、動脈の内側にたまったプラークを直接取り除く治療などが行われることがあります。
いずれの方法も、動脈硬化そのものを治すわけではなく、血流を改善するための処置です。再発を防ぐには、治療後も生活習慣の見直しや薬の継続が不可欠です。適切な治療法は患者さんの状態によって異なるため、医師と相談しながら決めていきます。
編集部まとめ

動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を引き起こす可能性があります。しかし、生活習慣の改善などによって、進行を防ぐことが可能です。禁煙、食生活の改善、適度な運動といった日々の積み重ねが、血管の健康を守る基本となります。動脈硬化が進行してしまうと、それを元に戻すのは難しいため、予防が大切です。動脈硬化を指摘された方も、これ以上進行しないように今日から始められることを一つずつ実践していきましょう。




