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「ぎっくり腰の対処法」はご存知ですか?動きにくいときの歩き方も解説!

 公開日:2025/10/06

突然の激しい腰の痛み、いわゆる「ぎっくり腰」は、日常生活に大きな支障をきたします。無理に動かず、適切な対処を行うことで症状の悪化を防ぐことができます。ご自宅でできる応急処置や安静のポイント、そして医療機関への受診すべきタイミングを詳しく解説するので、いざ必要なときの参考にしてください。

伊藤 規絵

監修医師
伊藤 規絵(医師)

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旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。

ぎっくり腰の概要

ぎっくり腰の概要

ぎっくり腰とはどのような病気ですか?

ぎっくり腰とは、正式には「急性腰痛」と呼ばれ、重い物を持ち上げた瞬間や、くしゃみ、前かがみ、立ち上がるなどの些細な動作をきっかけに、突然腰に強い痛みが走る状態を指します。主な原因は、腰の筋肉や靭帯への急激な負担や、慢性的な筋肉疲労、姿勢の悪さ、筋力不足などが挙げられます。痛みは捻挫のようなもので、通常は1〜2週間程度で自然に回復してゆくことが少なくないようですが、再発しやすい特徴もあります。

ぎっくり腰の原因を教えてください

原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって発症します。代表的な原因は、腰周辺の筋肉の疲労や負担の蓄積、運動不足、長時間同じ姿勢でいること、姿勢の悪さ、骨格の歪みなどが挙げられます。また、重い物を急に持ち上げたり、前かがみや身体をひねるなどの急激な動作もきっかけになります。筋肉や靭帯が硬くなっているときに無理な動きをすると、腰部に過度な負担がかかり、ぎっくり腰が発症しやすくなります。

自宅でできる!ぎっくり腰の対処法

自宅でできる!ぎっくり腰の対処法

ぎっくり腰の痛みに対して自宅でどのようなケアができますか?

ぎっくり腰の痛みが出た直後は、無理に動かず安静を保つことが大切です。横向きや膝を軽く曲げた姿勢で寝ると腰への負担が軽減します。患部は冷湿布や冷えたタオル、氷嚢などで冷やし、炎症を抑えましょう。冷やす期間は発症から48時間程度が目安です。

痛みが和らいできたら、今度は入浴や温湿布などで温めて血流を促進します。また、痛み止めの薬やコルセットを活用するのも有効です。ただし、強いしびれや足が動かないなどの症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。

ぎっくり腰で動きにくいときの歩き方、移動法を教えてください

ぎっくり腰で動きにくいときは、無理に大股で歩かず、小刻みなステップでゆっくりと歩くことが大切です。背中をまっすぐにし、腰を前かがみにしないよう意識しましょう。壁や家具に手を添えて体重を預ける伝い歩きや、壁を背に沿わせて横歩きすると腰への負担が軽減されます。強い痛みがある場合はコルセットを使うと動作が楽になります。無理をせず、痛みが強いときは安静を心がけてください。

ぎっくり腰になったときの自宅での過ごし方を教えてください

まず無理に動かさず安静に過ごすことが大切です。横向きや膝を曲げた姿勢で寝ると腰への負担が軽減されます。発症直後は冷湿布や冷えたタオルで腰を冷やし、炎症を抑えましょう。冷やすのは48時間程度が目安です。痛みが和らいできたら、入浴や温湿布で温めて血流を促進します。無理な動作やマッサージは避け、痛みが強い場合やしびれがある場合は早めに医療機関を受診してください。

ぎっくり腰の改善に効果的なストレッチやマッサージ法はありますか?

ぎっくり腰の改善には、無理のない範囲で行うストレッチが効果的です。痛みが落ち着いてきたら、仰向けで膝を立てて腹横筋などのインナーマッスルを鍛えるドローイングや、膝を胸に近づけて腰を伸ばすストレッチが推奨されます。また、椅子に座って股関節や背骨をゆっくり動かすストレッチも有効です。ただし、痛みが強い場合やストレッチで悪化する場合はすぐに中止し、自己判断せず専門家に相談してください。マッサージに関しては、急性期には避け、症状が落ち着いてから軽く筋肉をほぐす程度にしましょう。

ぎっくり腰|回復期の対処法

ぎっくり腰|回復期の対処法

ぎっくり腰の症状がやわらいできたときはどう過ごせばよいですか?

ぎっくり腰の症状がやわらいできた回復期には、無理のない範囲で少しずつ日常生活に戻すことが大切です。長時間同じ姿勢を避け、適度に身体を動かすことで筋肉のこわばりを防ぎます。軽いストレッチやウォーキングなど、腰に負担をかけない運動を取り入れると回復が早まります。また、重い物を持ち上げるなど腰に負担のかかる動作は控えましょう。痛みが再発しないよう、正しい姿勢や身体の使い方を意識して過ごすことが大切です。

仕事や運動に復帰する目安を教えてください

ぎっくり腰から仕事や運動に復帰する目安は、痛みが和らぎ、歩行や立ち座りがスムーズに行えるようになったときです。デスクワークなど腰への負担が少ない仕事であれば、発症から1週間〜10日前後で復帰できるケースが少なくないようですが、立ち仕事や重い物を扱う業務の場合は無理をせず、違和感が完全になくなるまで休養しましょう1)。運動も同様に、痛みがない範囲で軽いストレッチやウォーキングから再開し、徐々に通常の運動へ戻すことが大切です。

ぎっくり腰を再発させないための予防法はありますか?

ぎっくり腰を再発させないためには、日常生活でいくつかの予防策を心がけることが大切です。長時間同じ姿勢を避け、定期的に立ち上がったり歩いたりして腰への負担を減らします。座るときは背筋を伸ばし、猫背や前かがみにならないよう注意してください。また、適度な運動やストレッチを習慣にし、腰まわりの筋肉や体幹を鍛えることも効果的です。重い物を持つときは急な動作を避け、正しい姿勢でゆっくり行うようにします。さらに、入浴などで身体を温め、腰の筋肉疲労を軽減するように努めることも予防につながります。

ぎっくり腰の受診サインと医療機関での対処法

ぎっくり腰の受診サインと医療機関での対処法

ぎっくり腰で医療機関を受診する目安を教えてください

受診する目安は、痛みが激しくて身体を動かすのが困難な場合や、足にしびれや感覚異常が出てきた場合、2〜3日安静にしても痛みが和らがない場合などです1)。また、発熱や腰の腫れ、痛みが長期間続く、起床時に強い痛みがあるなどの場合も受診を検討しましょう。自己判断が難しいときや不安がある場合は、無理をせず整形外科などの医療機関を受診し、ほかの疾患との鑑別や適切な治療を受けることが大切です。

ぎっくり腰に対して医療機関ではどのような治療が行われますか?

主に痛み止めの湿布や飲み薬、注射などによる薬物療法が行われます。痛みが強い場合には神経ブロック注射が用いられることもあります。また、必要に応じてコルセットの処方や、リハビリテーションとしてストレッチや運動指導が行われることもあります。症状や原因によっては、腰椎疾患などほかの病気が隠れていないか検査を行う場合もあります。まったく動けないほど症状が強い場合は入院して安静に保つこともあります。

編集部まとめ

編集部まとめ

ぎっくり腰は突然の強い痛みで日常生活に大きな支障をきたしますが、まずは無理をせず安静にし、冷やす・温めるなどのセルフケアを行うことが大切です。痛みが落ち着いてきたら、軽いストレッチや正しい姿勢を意識して再発予防に努めましょう。歩行や日常動作が困難な場合や、しびれ・感覚異常がある場合は早めに医療機関を受診してください。医療機関では痛み止めやコルセット、リハビリ指導などが受けられます。ぎっくり腰は再発しやすいため、日頃から腰への負担を減らす生活習慣を心がけることが重要です。

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