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「高血圧の人」は「食事」でどんなことに気をつけたらいい?食事をする際のポイントも解説!

 公開日:2025/08/27
「高血圧の人」は「食事」でどんなことに気をつけたらいい?食事をする際のポイントも解説!

高血圧と診断されたら、どのような食事をしたらよいのでしょうか。今回は、食事のポイントや減塩料理を楽しむコツを紹介します。塩分を減らすように言われたけれど薄味は苦手、食事療法を続けられる自信がないといった方はぜひご覧ください。

上田 莉子

監修医師
上田 莉子(医師)

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関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

高血圧とは

高血圧とは

高血圧とはどのような状態ですか?

高血圧とは、その名のとおり血圧が高い状態をいいます。具体的には、診察室での収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上の場合です。

なお、自宅で測定した場合の血圧では収縮期血圧が135mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上で高血圧の診断となります。一般的に家庭での測定値は病院やクリニックで測定した値よりも低くなるため、家庭で測定する場合は診察室で測定したものよりも低い基準が設けられています。

血圧が高くなることで生じる弊害や病気を教えてください

血圧が高くなっても、自覚症状は現れにくい傾向があります。ただし、高血圧の状態が続くと心臓に負担がかかり心不全を引き起こしたり、血管に負担がかかり動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると狭心症や心筋梗塞、心不全などの心疾患、脳梗塞や脳出血など脳血管障害の発症リスクが高まります。

つまり、健康診断などで血圧が高いと指摘されても、自覚症状がないなどの理由で放置していると命に関わることもあるため注意が必要です。

また、中年期の高血圧は高齢期において認知機能低下の可能性を高めるとの報告もあります。

高血圧で食事療法が重視される理由

高血圧で食事療法が重視される理由

高血圧症は投薬治療で治りますか?

高血圧は、投薬治療により完治することはありません。ただし、降圧剤の継続的な使用により血圧を正常値に近づけることは可能です。その結果、高血圧の持続によって引き起こされる心疾患や脳血管障害の発症や進展、再発を抑制できます。

高血圧症で食事療法が重要な理由を教えてください

高血圧の場合、食事や運動などの生活習慣の是正も治療の一環となります。食事療法をはじめとする生活習慣の是正は、それ自体が血圧低下につながるだけでなく、降圧薬の作用を増強させる役割もあるのです。

さらに、食事など生活習慣を修正し正常血圧を保てるようになれば、主治医の判断のもと薬を減らしたりやめたりすることもできる可能性があります。

高血圧症の診断後、食生活を改善しなければどうなりますか?

高血圧症の方が食生活を改善しないと、動脈硬化が進行しさまざまな病気の発症リスクが高まるでしょう。なお、降圧剤を使用している場合でも食生活の改善は必須です。なぜなら、降圧剤を使用していても血圧がコントロール不良になってしまう要因の1つに、下記のような食生活の問題があげられるからです。

  • 食塩の過剰摂取
  • エネルギーの過剰摂取
  • 過度の飲酒

高血圧の方が推奨される食事のポイントと生活上の注意点

高血圧の方が推奨される食事のポイントと生活上の注意点

高血圧症の患者さんにはどのような食事が推奨されますか?

高血圧症の方に推奨される食事は、下記のとおりです。

  • 塩分制限:1日6g未満
  • 野菜・果物の積極的な摂取
  • 適切なエネルギー摂取:適正体重の維持
  • 節酒:エタノール換算で男性20~30mL/日以下、女性10~20mL/日以下

このような食事に加え、運動や禁煙など複合的に生活習慣を改善すると、血圧を下げる効果がより期待できます。

高血圧症の人が食事で気を付けることを教えてください

高血圧症において食事の基本は、減塩です。日本人において、食塩の摂取源は約7割が調味料であるといわれています。調味料のなかでも、特に醤油や味噌、塩からの摂取が多いため、これらの使い方には注意が必要です。最近では減塩調味料も市販されていますので、減塩方法の1つとして活用してもよいでしょう。

また、食塩の摂取源は世代によっても違いが見られます。高齢の方は漬物から、若い方ではインスタントラーメンやカレールウなどの加工食品からの食塩摂取量が多い傾向にあります。ご自身の食生活を見直し、どのような食品から食塩を摂取しているのか把握すると気を付けることが明確になるでしょう。

また、肥満の場合は摂取するエネルギー量を調整し、適正体重にすることも血圧の改善につながります。日本人の肥満者を対象とした研究では、3%以上の体重減少で血圧が低下したとの報告があります。したがって、エネルギーの過剰摂取にならないよう、腹八分目を心がけて食事を摂りましょう。

高血圧症と診断されたらお酒やタバコは辞めるべきですか?

高血圧症と診断されたら、お酒との付き合い方を見直し、タバコはやめましょう

お酒を飲むと一時的に血圧が下がるものの、継続して一定量以上飲むと血圧が上昇します。血圧が気になる方は、エタノールの摂取量を1日男性20〜30mL以下、女性10〜20mL以下に控えましょう。なおエタノール20〜30mLとは、ビール中瓶1本、日本酒1合、焼酎1/2合、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯程度です。

一方で喫煙は、高血圧の原因となる可能性もあり、心疾患や脳血管障害の発症リスクを増加させるとわかっています。禁煙すれば、高血圧治療の目的である心疾患や脳血管障害の発症や進展、再発の抑制にもつながります。

高血圧の減塩料理を楽しむ工夫

高血圧の減塩料理を楽しむ工夫

塩分控えめでも料理をおいしくする方法はありますか?

塩分控えめ料理には、香りの強い野菜や香辛料、酢を加えるのがおすすめです。

【香りの強い野菜】

  • しょうが
  • にんにく
  • ねぎ
  • 大葉
  • みつば
  • みょうが
  • セロリ
  • 山椒
  • ハーブ(バジルなど)

【香辛料や調味料】

  • こしょう
  • カレー粉
  • 唐辛子

これらを使用すると香りが豊かになったり、味が引き締まったりと、塩分控えめ料理の物足りなさが補えます

外食時に選ぶとよいメニューや飲み物を教えてください

外食するときは、丼物や麺類よりも定食がおすすめです。なぜなら、丼物や麺類は煮汁やソースなどがご飯や麺にしみ込んでおり、摂取する塩分が多くなりがちだからです。どうしても麺類を食べたいときには、できるだけスープを残しましょう。ラーメンのスープをすべて残せば、全部食べたときと比べて2〜3g減塩できます。

積極的に選んでいただきたいメニューは、野菜や果物を多く使った料理です。なぜなら、野菜や果物にはナトリウム(塩分)の排出を促すカリウムが多く含まれているからです。カリウムを手軽に摂りたいときには、野菜ジュースを取り入れてもよいでしょう。

ただし、糖分の多いものを毎日のように飲んでいると、肥満につながり血圧上昇の原因になる可能性もあるため、注意が必要です。野菜ジュースを選ぶときには、カリウムが入っているものか、糖質やエネルギーの過剰摂取にならないか、パッケージに記載されている栄養成分表示を確認するとよいですね。

飽きない減塩メニューを教えてください

減塩メニューに飽きてしまうという方は、1品だけ普段どおりの味付けにしてみてはいかがでしょうか。すべての料理が薄味だと、物足りなさから食事が苦痛になることもあるかもしれません。満足感の得られる楽しい食事にするためにも、味付けにメリハリのある献立にするのがおすすめです。

編集部まとめ

編集部まとめ

高血圧の食事療法は、継続することが大切です。食事を楽しみながら無理なく続けられるように、ご自身に合った方法を見つけられるとよいですね。

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