「帯状疱疹は何科」を受診すべき?受診の目安となる症状も解説!【医師監修】

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって発症する病気で、皮膚に強い痛みや赤い発疹、水ぶくれが現れるのが特徴です。多くの方が子どもの頃に水ぼうそうにかかっており、そのウイルスが体内に潜伏しているため、年齢や体調によっては誰にでも再発する可能性があります。
本記事では、帯状疱疹の初期症状や診断方法、治療内容、必要な診療科などを整理してご紹介します。症状の進行や合併症を防ぐために、どのようなタイミングで医療機関に相談するべきかも詳しく解説します。

監修医師:
林 良典(医師)
消化器内科
呼吸器内科
皮膚科
整形外科
眼科
循環器内科
脳神経内科
眼科(角膜外来)
目次 -INDEX-
帯状疱疹の初期症状と診療科目

帯状疱疹ではどのような初期症状が現れますか?
帯状疱疹で受診する目安を教えてください
帯状疱疹が疑われる際は何科を受診すればよいですか?
帯状疱疹は規模の大きい病院で診てもらうべきですか?
帯状疱疹の検査内容と診断基準

病院では帯状疱疹が疑われる患者さんにどのような検査を行いますか?
主な検査方法には、ツァンク検査(Tzanckテスト)や抗原検出法、PCR検査などがあります。ツァンク検査は水ぶくれの細胞を顕微鏡で観察する方法で、古くから使われています。抗原検出法には、蛍光抗体法やイムノクロマト法があり、患部を綿棒でこすってウイルスの成分を調べます。なかでもイムノクロマト法は短時間で結果が出るうえ、保険が適用されるため、現在は一般の医療機関でも使われています。
ほかに、ウイルスの遺伝子を調べるPCR検査や、ウイルスを培養する分離培養法、皮膚の組織を詳しく調べる病理検査などもありますが、これらは保険適用外で、通常の診療ではあまり行われません。
このように、帯状疱疹の検査にはいくつかの方法がありますが、実際の診断は症状の出方や発疹の分布などをもとに、医師が総合的に判断します。
帯状疱疹の診断基準を教えてください
ただし、発疹が現れる前に痛みだけが先に出る前駆期や、非典型的な症状を示す場合は診断が難しくなることがあります。免疫力が低下している方や高齢者では、発疹がはっきり出ないケースもあるため、医師は経過観察を行いながら、検査を組み合わせて総合的に診断を進めます。
帯状疱疹の治療法

帯状疱疹の痛みや発疹がでている間はどのように治療しますか?
また、皮膚の赤みやかゆみを抑えるために、かゆみ止めや炎症をしずめる塗り薬を一緒に使うこともあります。発疹の部分には水ぶくれやかさぶたができるため、そこに細菌が入らないよう、皮膚を清潔に保つことも大切です。強くこすったり、むやみに触れたりしないよう注意しましょう。
帯状疱疹の痛みに対する治療法を教えてください
そのため、神経の痛みに効果のある薬が使われることがあります。主に使われるのは、プレガバリン、ガバペンチン、ミロガバリンといった薬で、これらは神経から脳への痛みの信号をやわらげる働きがあります。ズキズキするような持続的な痛みや、触れただけで強く感じるような神経の痛みに対して処方されます。
また、痛みがとても強く、薬だけではつらい場合には、神経の近くに麻酔薬などを注射して痛みを和らげる神経ブロックという治療が行われることもあります。さらに、痛みの専門的な治療を行う麻酔科のペインクリニックを紹介されるケースもあります。これらの治療は、痛みが長引いて慢性化するのを防ぐためにも有効とされています。
帯状疱疹後神経痛への対処法

帯状疱疹後神経痛がある場合は何科を受診すべきですか?
帯状疱疹後神経痛の治療法を教えてください
効果が不十分な場合には、トラマドールやワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液の使用を検討します。NSAIDsやアセトアミノフェンは効果が乏しいとされ、通常は推奨されません。
また、強オピオイド(モルヒネやフェンタニルなど)は副作用の懸念があるため、使用には慎重な判断が必要です。薬剤でのコントロールが難しい場合は、神経ブロックが選択肢となることもあります。
編集部まとめ

帯状疱疹は、免疫力の低下をきっかけにウイルスが再活性化して起こる病気です。初期症状に気付いたら、ためらわず医療機関への相談が重要です。適切なタイミングで治療を受けることで、痛みの軽減や合併症の予防につながります。治療後も痛みが残る場合は、専門的な治療を受けましょう。
参考文献




