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「風疹の主な3つの感染経路」はご存知ですか?症状や原因についても解説!【医師監修】

 公開日:2026/05/14
「風疹の主な3つの感染経路」はご存知ですか?症状や原因についても解説!【医師監修】

風疹は飛沫感染や接触感染を介して拡がる感染症で、特に妊婦が感染すると胎児に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

発疹や発熱などの症状は軽いことが多いですが、成人では症状が重症化する可能性があるとともに合併症や先天性風疹症候群のリスクには注意が必要です。

本記事では、風疹の感染経路とその症状や対処法、予防方法について詳しく解説します。

妊娠を希望する方やその家族にとって必読の内容です。風疹の正しい知識を身につけて、大切な人を守りましょう。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

風疹(三日はしか)の感染経路は?

マスクをつける女性

風疹の原因となるウイルスを教えてください。

風疹の原因となるウイルスは風疹ウイルス(rubella virus)です。風疹ウイルスは感染力が高く、飛沫感染や接触感染によって広がります。一人の風疹感染者から5〜7人にうつす感染力を持っています。1本のRNAウイルスでコンパクトな遺伝情報を有していることやヒトにのみ感染することが特徴です。感染すると通常2〜3週間の潜伏期間を経て、発熱と発疹、リンパ節腫脹が出現します。一般的には3日はしかとも呼ばれ、春や初夏に流行する季節性の急性感染症です。

風疹の感染経路を教えてください。

風疹の感染経路は以下の3つのようなものが挙げられます。
  • 飛沫感染
  • 接触感染
  • 垂直感染(母子感染)
一つ一つみていきましょう。飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみによって飛散した唾液の飛沫を吸い込むことで感染します。飛沫感染が風疹の主な感染経路です。接触感染は、ウイルスが付着した手や物に触れ、その後にお口や鼻に触れることで感染します。風疹において特に重要なのが妊婦から胎児に感染する経路の垂直感染です。風疹ウイルスは胎盤を通して胎児に感染し先天性風疹症候群を引き起こす可能性があります。胎盤を通して感染する経路についても後ほど詳しく解説します。

潜伏期間中も周りに感染する可能性はありますか?

風疹は潜伏期間中も周囲に感染する可能性があります。風疹の潜伏期間は個人差があるものの2〜3週間です。発疹が出現する前の1週間と発疹が消失してからの1週間は、無症状であっても周囲への感染リスクがあります。そのため風疹へ感染した可能性がある方は、自分の体調にも気をつけつつ周囲への感染リスクを少なく留めるように生活することが重要です。風疹は一度罹患した方はリスクが大幅に下がります。自身が罹患したことがあるか、風疹に対する抗体を持っているかの知識を持つことも重要です。

妊娠中に感染すると胎盤を通して胎児に感染する可能性がありますか?

妊娠中に風疹に感染すると、胎盤を通して胎児に感染する可能性があります。この感染経路を垂直感染や経胎盤感染、母子感染と呼びます。特に胎児への影響が深刻になるのは妊娠初期です。具体的には妊娠12週までに妊婦が感染した場合は、90%以上の確率で胎児に影響が出るといわれています。20週以降の感染では、影響が少ないことが報告されています。妊娠週数が進むにつれて胎児のリスクが減少していくため、感染時期の的確な評価も重要です。妊婦が風疹にかかったことで胎児への影響として流産や死産のリスクが高まるとともに、先天性風疹症候群(Congenital Rubella Syndrome:CRB)が報告されています。風疹の症状について以下で詳しく解説します。

風疹(三日はしか)の症状や合併症

湿疹が出ている女性の太もも

風疹の症状を教えてください。

風疹の症状について、小児や成人、胎児や新生児に分けて詳しく解説します。風疹は小児期にかかる軽い感染症です。大人でも抗体を有していない方が感染する可能性があり、成人の症状はときに重症化し関節痛の症状が強くでるといわれています。小児や成人の症状については以下のようなものが挙げられます。
  • 発熱
  • 発疹
  • リンパ節の腫脹

風疹の発熱は3〜5日間続き、発疹は首や顔に出現したのち、全身に広がる特徴があります。風疹は妊婦が感染すると先天性風疹症候群を引き起こす可能性がある重要な感染症です。妊婦の症状についても小児や成人とは別に兆候や症状を以下に挙げます。

  • 無症状の場合がある
  • 軽度の発熱
  • 上気道炎
  • 結膜炎
  • リンパ節の腫脹
  • 斑状丘疹状皮疹
  • 関節の痛み

上記のような症状が認められた場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。次に胎児への影響をみていきます。風疹ウイルスは胎児の細胞分裂や発達に悪影響を及ぼし、以下のような影響が報告されています。以下のようなことが挙げられます。

  • 発達の遅れ
  • 奇形
  • 流産
  • 死産

次に先天性風疹症候群の症状は以下の通りです。

  • 難聴
  • 先天性心疾患
  • 白内障

上記のようなものが、3大症状と呼ばれますが、その他にも多彩な症状が生じることがあります。

感染しても症状が出ない方の割合はどのくらいですか?

風疹は感染しても症状がでない場合があり、この状態は不顕性感染と呼ばれます。風疹における不顕性感染の割合は15〜30%です。不顕性感染が起きる理由として、元々の風疹の感染力が高いことと、免疫力の個人差が考えられます。また、症状がない場合は、自覚されず診断も難しいことも原因の一つです。

風疹の感染で起こる可能性がある合併症を教えてください。

風疹によって引き起こされる合併症は、軽症から重症まで幅広く存在します。以下に詳しく解説します。
  • 急性脳症
  • 血小板減少性紫斑病
  • 関節炎
  • 中耳炎
これらの疾患は稀ですが、入院が必要になることもあるため、注意が必要です。

風疹の予後について教えてください。

風疹の予後は一般的に良好であることが主ですが、年齢や妊娠中の感染状況によって異なります。風疹の症状は通常軽症で、発熱や発疹などは数日から1週間程度で消失します。発疹が消えた後に痕が残ることはありません。先天性風疹症候群の予後は、合併症の有無や重症度によって異なります。急性脳症などの命に関わるような合併症には、より注意が必要です。

風疹(三日はしか)の対処法や予防方法

針付注射器

風疹にかかった場合の家庭での対処法を教えてください。

風疹にかかった場合の家庭での対処法は、症状の緩和と感染拡大防止を目的とした対応が重要です。まず、風疹は自然治癒する病気であるため十分な休息を取ることが必要です。水分補給はしっかり行い、発熱や倦怠感に伴う脱水を防ぎましょう。治療は発熱や関節痛に応じて適切に治療薬を内服します。感染拡大防止を目的とした方法について以下に挙げます。
  • 外出制限
  • 感染防止
  • 手洗いの徹底

そして、妊婦への配慮も重要です。妊婦がいる家庭では感染者を極力隔離して感染することを防ぎます。風疹には特効薬がないため、家庭内での適切なケアと感染予防が重要です。

風疹の予防方法を教えてください。

風疹の予防には、主に予防接種が効果的な方法とされています。麻疹と風疹の混合ワクチンであるMRワクチンが主に使用されるワクチンです。接種は2回行われることが一般的です。1回の接種で95%以上の免疫獲得が期待され、2回接種することで免疫がさらに強化されます。ワクチンの接種時期は、以下の時期です。
  • 生後12〜24ヶ月
  • 小学校入学前
風疹ワクチンは弱毒化した生ワクチンといい、妊婦は予防接種を受けられません。そのため周囲の家族や職場関係者が感染しないようにワクチン接種を行うことが重要です。特にパートナーは、妊娠する前から抗体がついているか確認したり、ワクチンを打つなどの予防を行ったりしましょう。その他、飛沫感染を防ぐためにマスク着用を行うことで感染リスクを下げることができます。また、風疹ウイルスは外部環境では長く生存できません。手指衛生や消毒が有効です。

編集部まとめ

吐き気をもよおす妊婦と心配する男性
風疹(三日はしか)は風疹ウイルスによる感染症であり、主に飛沫感染によって広がります。

主な症状は発熱や発疹、リンパ節腫脹です。症状は軽いことが主ですが、妊婦が感染すると
胎児に影響を及ぼすことがあり、先天性風疹症候群が生じる可能性があります。

合併症には脳炎や血小板減少性紫斑病があり、予後は年齢や重症度により異なります。風疹には特効薬がないため、家庭では安静による症状の緩和と感染拡大の防止に努めることが重要です。

予防にはワクチン接種が有効で、特に妊娠を希望する女性やその周囲の方は接種を検討しましょう。

風疹の対策は将来の子どもを守ることにつながるため、風疹を正しく知り、社会全体での取り組みが必要です。