「胃腸炎」を発症すると現れる主な「6つの症状」はご存知ですか?【医師監修】

感染性胃腸炎は、細菌やウイルスによって引き起こされる感染症です。一年を通して発生する病気ですが、主に秋から冬の時期に感染者数が増加し、特にウイルス性の胃腸炎が多いです。
感染力が強いウイルスのため、自分では気を付けていても感染した家族や友人が触った物にウイルスが付着しており、それを触ることで感染してしまう場合もあります。
本記事では感染性胃腸炎の症状や感染経路、予防方法について解説していきます。
感染性胃腸炎について詳しく知りたいと考えている方の参考になれば幸いです。

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
目次 -INDEX-
感染性胃腸炎の感染経路や症状
感染性胃腸炎を引き起こす原因となる病原体を教えてください。
- ノロウイルス
- ロタウイルス
- サポウイルス
- アデノウイルス
ノロウイルスは幅広い年代に感染するケースが多く、強い感染力を持つウイルスです。子供や年配の方は重症化する可能性があります。おう吐物が喉に詰まり、窒息死することも少なくありません。ロタウイルスとアデノウイルスは乳幼児に多く感染が確認されるウイルスです。5歳までの急性胃腸炎の患者さんは、40〜50%前後がロタウイルスに感染しています。大人はロタウイルスへの感染を複数回経験している場合があるため、それほど症状が重篤化するケースはありません。1歳以下の乳児は症状の進行が早いと言われています。胃腸炎にはその他にサルモネラやカンピロバクターといった細菌性のものや、アメーバやクリプトスポリジウムといった寄生虫由来のものがあります。
感染性胃腸炎にかかるとどのような症状が出ますか?
- 吐き気
- 発熱
- 腹痛
- 脱水
- 電解質喪失症状
- けいれん
原因となる病原体・感染経路・菌量・年齢・体調によって症状の程度も変化します。小児の場合はおう吐、大人の場合は下痢の症状が表れることが多いです。ロタウイルスに感染した幼児はけいれんを起こすこともあります。なかには感染しても症状が出ない場合や、風邪のような症状のみで治まる方もいます。症状が現れる期間は平均して5〜6日程度です。
感染性胃腸炎の感染経路を教えてください。
- 経口感染
- 接触感染
- 飛沫感染
- 空気感染
経口感染はウイルスによって汚染された食品を食べることで感染する経路です。接触感染では感染者のふん便・おう吐物に直接触れた場合や、感染者がしっかり手を洗わずに触れたドアノブなどを介して手にウイルス感染する場合を指します。その他にもおう吐した際の飛沫による飛沫感染や、ふん便が乾燥し空気中のほこりとともに宙に舞ったものを吸い込むことでも発症する空気感染があります。処理を行う場合はマスクや手袋を着用し十分に注意して行いましょう。
潜伏期間はどのくらいですか?
感染性胃腸炎の治療方法やセルフケア
感染性胃腸炎で医療機関へ行く目安を教えてください。
医療機関での治療方法を教えてください。
家庭でのセルフケア方法を教えてください。
感染性胃腸炎が完治するまでの期間はどのくらいですか?
感染性胃腸炎の予防方法
感染性胃腸炎の予防方法を教えてください。
感染性胃腸炎の家族をケアする場合の注意点を教えてください。
- 食器は85度以上の熱湯で1分以上加熱する、または塩素消毒液に浸す
- 感染者が触った箇所を塩素消毒剤で消毒する
- 衣類は洗剤を入れた水で丁寧にもみ洗いする
- 汚物を処理する際はマスクや使い捨て手袋・ガウンを着用する
- おう吐物は乾燥する前にペーパータオルで拭き取る
- 拭き取ったおう吐物や手袋・マスクはビニール袋に密封し捨てる
- 換気はおう吐物を処理した後に空気の流れに注意して行う
- 石鹸を使って丁寧に手を洗う
感染が判明したら速やかに感染者の隔離を行い、食事を運ぶ際も部屋に入らないようにします。なるべく感染者との接触を減らすようにしましょう。
編集部まとめ
感染性胃腸炎はノロウイルスやロタウイルスなどによって引き起こされる病気です。
感染するとおう吐や下痢をはじめ発熱や腹痛・脱水といった症状が多く現れ、通常1〜3日ほどで治ります。
体調や年齢、原因となるウイルスによっては症状が重くなったり、長引いたりします。症状が改善されない場合は無理をせず、速やかに医療機関を受診しましょう。
感染性胃腸炎は基本的に手洗いを丁寧に行うことで予防できます。感染性胃腸炎が疑われる症状が出ている際は調理を控えることも大切です。
一緒に暮らす家族に感染者が出た場合は速やかに隔離を行います。おう吐物や排泄物を処理する際は手袋を使う、感染者が使用したものは分けて洗うなど、家庭内で二次感染が発生しないよう対策を行いましょう。