「インフルエンザの検査費用」はどのくらいかかるかご存知ですか?【医師監修】

インフルエンザの症状が現れたとき、検査を受けるべきか迷うことがあるかもしれません。検査の費用はどのくらいかかるのか、どのタイミングで受けるべきなのか、不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事ではインフルエンザの検査費用について以下の点を中心にご紹介します。
- インフルエンザとは
- インフルエンザの検査
- インフルエンザの予防方法
インフルエンザの検査費用について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会
目次 -INDEX-
インフルエンザとは

インフルエンザが疑われるのはどのような症状ですか?
特に、高熱が急激に上昇する点は風邪との違いとされますが、発熱が軽度でもインフルエンザと診断されるケースもあります。風邪よりも全身症状が強く、体力の消耗が激しいため、普段と異なる強い倦怠感を感じる場合は注意が必要です。
症状が進行すると咳が悪化し、呼吸器への負担が大きくなることがあり、一部の方は吐き気や腹痛を伴うこともあります。重症化を防ぐためにも、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
インフルエンザの感染経路を教えてください
・飛沫感染
感染者が咳やくしゃみをした際に放出されるウイルスを含んだ飛沫を、周囲の方が吸い込むことで感染します。特に、近距離での会話や同じ空間での長時間の滞在はリスクが高まるため注意が必要です。
・接触感染
ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることで感染するケースです。ドアノブ、手すり、スマートフォンなどに付着したウイルスを介して間接的に広がることもあるため、こまめな手洗いや消毒が感染予防に重要です。
また、一部では空気感染の可能性も考えられています。飛沫が乾燥して小さな粒子(飛沫核)となり、空気中を漂うことで感染が拡大する可能性があるものの、現時点では科学的根拠が不十分とされています。
このような感染を防ぐためには、咳エチケットを守り、こまめな手洗いやマスクの着用の徹底が大切です。
インフルエンザにはどのような種類がありますか?
・A型インフルエンザ
重症化しやすいウイルスとされています。ウイルスの変異が激しく、毎年新たな型が出現するため、ワクチンの予測が難しいのが特徴です。38度以上の高熱や強い倦怠感、関節痛などの症状が現れることが多いとされています。
・B型インフルエンザ
人間のみに感染し、A型程の変異はありません。A型と同じく高熱や全身症状を引き起こしますが、感染後に免疫がつきやすいため、同じ型への再感染は少ないとされています。
・C型インフルエンザ
幼児に多く、症状は軽めで、一度感染すると免疫ができ再感染しにくい特徴があります。流行はA型やB型程ではなく、風邪と診断されることもあります。
・D型インフルエンザ
D型インフルエンザは主にウシで確認され、ヒトでも抗体の存在を発見されたことがあるとされていますが、発症例はなく、病原性や感染経路など未解明の点が多いといわれています。
インフルエンザの検査

インフルエンザの検査方法を教えてください
・ウイルス検査
代表的な方法として”迅速抗原検査”があり、鼻やのどの粘膜をこすり取ってウイルスの抗原を検出します。短時間で結果がわかるため広く用いられていますが、発症直後では検出率が低いことがあります。”PCR検査”はウイルスの遺伝子を増幅し検出する方法で、高い精度が期待できるものの、結果が出るまでに時間がかかる点が課題です。
・抗体検査
発症から10〜14日後に血液を採取し、ウイルスに対する抗体の有無を調べる検査です。過去の感染歴を確認できますが、即時の診断は推奨されていません。
検査方法によって特性が異なるため、症状や目的に応じて適切な方法が選択されます。
インフルエンザの検査にはどのくらいの費用がかかりますか?
検査費用に加えて、診察代や薬代がかかるため、1割負担で5,000円程度、2割負担で6,000円程度、3割負担で7,000円程度が目安です。なかでも、初診の場合は初診料が加算されるため、費用がやや高くなることもあります。
医療費の自己負担が3割の方は、小学生から70歳未満の方や70歳以上で現役世代並みの所得がある方です。
したがって、費用は受診する医療機関によっても異なるため、事前に確認しておくと安心です。
インフルエンザ検査を受ける適切なタイミングを教えてください
また、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内の使用が推奨されており、適切なタイミングで検査を受けることで、迅速な治療につながります。検査のタイミングを見極め、正確な診断を受けることが大切です。
強い症状があれば早めに受診して相談しましょう。医師の指示に従って再度の受診や検査が必要になる場合もあります。
インフルエンザの予防方法

インフルエンザにならないために普段の生活で気をつけられることはありますか?
・ワクチン接種
インフルエンザワクチンは発症のリスクを低減し、重症化を防ぐ効果が期待できます。特に高齢者や基礎疾患のある方は接種を検討するとよいでしょう。
・手洗いと手指消毒
ウイルスは手を介して体内に侵入することが多い傾向にあるため、外出後や食事前には石鹸と流水で洗い、アルコール消毒を併用するとより効果が高まります。
・マスクの着用と人混みの回避
飛沫感染を防ぐために、不織布マスクを正しく着用し、できるだけ人混みを避けることが大切です。
・免疫力を高める生活習慣
栄養バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンAやCを含む食品を摂取しましょう。十分な睡眠と適度な運動も免疫力向上に役立ちます。
これらを続けることで、インフルエンザにかかるリスクの減少が期待できます。
インフルエンザを周りにうつさないためにできることはありますか?
まず、咳やくしゃみをする際は、ティッシュやハンカチでお口と鼻を覆い、使用後はすぐに捨てるようにしましょう。マスクを正しく装着し、鼻やお口をしっかり覆うことで飛沫の拡散を抑えられます。
また、こまめな手洗いや消毒も大切です。手に付着したウイルスが周囲に広がるのを防ぐため、外出後や食事前には石鹸と流水で丁寧に洗い、アルコール消毒を併用すると効果的とされています。
室内では定期的に換気を行い、適度な湿度を保つことで、ウイルスの拡散を抑えやすくなります。
さらに、熱が下がった後もウイルスは体内に残っているため、すぐに学校や職場へ行かず、数日間は自宅での静養が推奨されます。
こうした対策を心がけることで、周囲への感染リスクを抑えやすくなります。
インフルエンザのワクチンはどのくらい効果が期待できますか?
発症予防については、日本の研究では65歳以上の高齢者施設での発症を34〜55%程度防ぐとされ、6歳未満の子どもでは60%程度の低減がされています。
また、ワクチンを接種することで、インフルエンザによる医療機関の受診リスクが40〜60%程度減少するとアメリカCDCは発表しています。特に高齢者や基礎疾患を持つ方では、重症化や死亡リスクを下げる効果が期待でき、日本の研究では死亡予防効果が82%程度までに達するとされています。
このように、インフルエンザワクチンは発病や重症化を抑えることが期待されるため、特に高齢者や基礎疾患のある方は接種を検討するとよいでしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
発熱や倦怠感などの症状が現れた際は、早めに医療機関を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。検査費用は保険適用の有無や検査の種類によって異なりますが、事前に確認することで安心して受診できるため、インフルエンザに備えていきましょう。
編集部まとめ

ここまでインフルエンザの検査費用についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。
- インフルエンザはA型、B型、C型に分類され、飛沫感染や接触感染によって広がる急性ウイルス感染症であり、高熱や全身倦怠感、咳などの症状が現れ、重症化することもあるため注意が必要である
- インフルエンザの検査は迅速抗原検査やPCR検査が主流で、発症後12〜48時間以内が適切とされるが、費用や精度に差があり、目的に応じて選択することが重要である
- インフルエンザの予防にはワクチン接種、手洗い、マスク着用、適度な換気が推奨されており、免疫力を高める生活習慣を心がけることで、感染や重症化のリスクを抑えやすくなる
自身や周囲の健康を守るために、インフルエンザの正しい知識を活用し、落ち着いて対応できるようにしておきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献




