「手足口病が大人にうつる確率」はどれくらい?症状や出勤停止期間も解説!
手足口病は、乳幼児がかかりやすい感染症ですが、実は大人も感染する可能性があります。免疫力が低下しているときや、子どもと密接に接する機会が多い環境では、注意が必要です。
本記事では手足口病が大人にうつる確率について以下の点を中心にご紹介します。
・手足口病の感染経路と症状
・大人の手足口病とは
・手足口病の治療や予防
手足口病が大人にうつる確率について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
目次 -INDEX-
手足口病の感染経路と症状について
手足口病とはどのような病気ですか?
手足口病の原因は、エンテロウイルスへの感染です。エンテロウイルスには、エンテロウイルス71型、コクサッキーA6型等のタイプがあり、流行する型は毎年異なります。
また、手足口病は、ヘルパンギーナやプール熱と並び、夏場に子どもがかかりやすい三大夏風邪の一つです。保育園や幼稚園など、子ども同士が密に接触する環境で集団感染が発生しやすいとされています。
国立感染症研究所の感染症発生動向調査によると、手足口病の患者数は2歳以下が半数を占めるとされていますが、小学生でも流行的発生がみられることがあります。
毎年の流行状況や感染リスクを把握し、適切な対策を取ることが大切です。
手足口病の感染経路を教えてください
・飛沫感染
感染者が咳やくしゃみをした際に、ウイルスを含む飛沫が空中に広がり、それを吸い込むことで感染します。密閉された空間や近距離での接触が多い場面では、感染リスクが高まります。
・接触感染
ウイルスが付着した物や場所(ドアノブや手すりなど)に触れた手を介して、体内にウイルスが侵入し、感染します。また、感染者の唾液や鼻水、皮膚にできた水疱から直接感染する場合もあります。
・糞口感染
感染者の便を介した感染経路です。例えば、おむつ交換後に手を十分に洗わなかった場合や、不十分な衛生環境での接触によりウイルスが体内に入ることが原因です。乳幼児の間で見られることが多いようです。
これらの感染経路を通じて、手足口病は保育施設や家庭内などの近い環境で広がりやすい特徴があります。
感染を防ぐためには、適切な手洗いと衛生管理が重要です。
手足口病の症状を教えてください
発疹は通常約3~7日で消失し、かさぶたを残さないのが特徴です。
口内の水疱や炎症は痛みを伴い、上顎部分に集中する傾向があるようです。
手足口病の初期には、37~38度以下の微熱が見られることがあり、高熱に至ることは少ないとされています。発熱がないケースもありますが、喉の奥に違和感を覚え、軽い悪寒やだるさを伴う場合もあります。
発症して約2~3日目以降に高熱が続き、吐き気や頭痛を伴う場合は、脳や髄膜にウイルスが侵入し、髄膜炎や脳炎等の合併症が引き起こされる可能性があります。脳炎はまれとされていますが、後遺症が生じることもあるため、注意が必要です。
心筋炎や急性麻痺などが起こる場合もあります。
また、感染から1ヶ月以内に一時的に手や足の爪が剥がれる症状が見られる場合もありますが、自然に治癒するとされています。
大人の手足口病について
手足口病が大人にうつる確率はどのくらいですか?
しかし、発症した場合は子どもよりも重症化しやすい傾向にあるため、注意が必要です。
大人の手足口病の意外な感染経路として、周囲と携帯電話を共有することもリスク要因として挙げられます。
手洗いや消毒をこまめに行い、衛生管理を徹底することが求められます。
手足口病が大人にうつった場合の症状を教えてください
発疹は足の裏や手のひらなどに集中しやすく、硬い小石を踏んだような激しい痛みを伴うことがあります。歩行や物をつかむといった日常的な動作が困難になる場合もあります。
ただし、痛みの程度には個人差があり、軽い症状で済む場合もあります。
一方、発疹が少なくても、食事を取るのが難しいような喉の痛みや、40度近い高熱が出ることもあります。
また、大人は全身倦怠感や関節痛、筋肉痛といった全身症状が出る場合もあります。
発疹が少ないために手足口病だと気付かず、倦怠感や原因不明の発熱をきっかけに病院を訪れるケースもあるようです。
手足口病になったら出勤停止期間や出席停止期間はありますか?
学校保健安全法では、手足口病は第三種感染症として扱われており「全身状態が安定し、発熱がなく、お口の中の水疱や潰瘍が治まり、普段どおり食事が摂れるようであれば登校や出勤が可能」とされています。
つまり、熱が下がり、食事が問題なく摂れる状態であれば、感染対策を行いつつ出勤や登校は可能と考えられています。
ポイントは、手足や体に残る発疹があっても登校・出勤を制限する理由にはならないところです。発疹自体は感染のリスクが低く、むしろ飛沫や唾液からの感染が主な経路とされています。
また、ウイルスは便中に数週間排出されるため、感染力がなくなるのを待つのは現実的ではありません。
ただし、厚生労働省の指針では「解熱後1日以上経過し、普段どおりの生活が送れる状態」が目安とされています。
発熱や体調不良が続く間は、他者への感染リスクも考慮して休むとよいでしょう。
手足口病の治療や予防、複数感染について
手足口病の治療について教えてください
基本的には軽い症状の病気のため、自宅で安静にして回復を待つことが推奨されます。
・痛みや発熱:
主に経過観察となります。高熱が2~3日以上続く場合は医療機関を受診しましょう。発熱や痛みを抑えるために、解熱鎮痛薬が処方されることがあります。
・皮膚の発疹がかゆみを伴う場合:
抗ヒスタミン薬が処方されることがあります。
口腔内の病変に対しては、刺激のない、やわらかめで薄味の食べ物が推奨されます。
・皮膚の炎症:
手足の発疹が炎症を起こしている場合や二次感染のリスクがある場合には、炎症を鎮める塗り薬が使用されることがあります。
・脱水症状の予防:
口内の水疱や喉の痛みによって食べ物や飲み物を摂取しづらくなると、脱水症状を起こすリスクが高まります。医師の判断で、点滴による水分補給が行われることもあります。
・成人における症状の特徴と治療:
大人が手足口病にかかると、手足の痛みや喉の痛みが強く出る傾向があります。手足口病に直接的な効果のある特効薬はありません。そのため、日常生活に支障をきたす場合には、解熱鎮痛剤や軟膏などの薬で症状の緩和が検討されます。
嘔吐、頭痛、視線が合わない、呼びかけに応えない、呼吸が速くて息苦しい、水分が取れずに尿が出ない、ぐったりしている等の症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
また、重症化を防ぎ感染を広げないためにも、自宅で安静に過ごすことがおすすめです。
手足口病の予防法を教えてください
1. 正しい手洗いの実践
ウイルス感染を防ぐために、外出後やトイレの後、食事前などのタイミングで石鹸を使い、指の間や爪の周りを含めてしっかり洗いましょう。
その後、流水で十分にすすぎ、清潔なタオルやペーパータオルで手を拭くことが重要です。
2. こまめなうがい
喉に付着したウイルスを洗い流すために、外出先から帰宅した際や人混みにいた後はうがいを習慣化しましょう。特に小さなお子さんにもやり方を教え、実践させることが予防につながります。
3. 個人用品を共有しない
タオル、歯ブラシ、食器などの個人用品は、家族であっても共有を避けるようにしましょう。特に感染の疑いがある人がいる場合は、使用済みの食器類をすぐに洗浄し、清潔に保つことが大切です。乳幼児がいる場合は、大皿の料理や食べ残しの共有を控えることをおすすめします。
4. 身の回りの清潔を保つ
家庭や保育施設では、定期的に掃除を行い、ドアノブやスイッチなど触れる機会の多い場所を消毒するようにしましょう。特に、手足口病に感染したお子さんがいる場合、ウイルスは排泄物にも含まれるため、トイレの清掃を徹底し、その後は必ず手洗いや手指の消毒を行うことが重要です。
5. 感染者との接触を避ける
流行時や身近に感染者がいる場合は、可能な限り接触を控えるようにしましょう。特に乳幼児や免疫力の弱い家族がいる家庭では、注意が必要です。感染者がいる場合は、タオルや食器を分けて使用するなど、家庭内感染対策を徹底してください。
6. 環境温度の管理
夏場にエアコンの設定温度が低すぎると、体力が低下してウイルスに感染しやすくなることがあります。適切な温度設定を保つことで、体調管理につなげましょう。
手足口病は何度もかかりますか?
手足口病は複数のウイルスによって引き起こされるため、一度感染して免疫ができても、異なるウイルスに感染して再発する可能性があります。
例えば、最初はコクサッキーA16型に感染し、その後エンテロウイルス71型に感染するケースがあります。
また、手足口病に対する免疫は長く続くものではありません。小さな子どもは免疫システムが未発達なため、一度かかった後でも再び感染しやすいといわれています。一度経験したからといって油断せず、予防の継続が大切です。
予防のためには、普段から手洗いや消毒をしっかり行い、ウイルスが広がりやすい環境を避けることが大切です。また、地域での流行状況を確認し、必要に応じて子どもが感染しにくい環境を整える努力も必要でしょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
また、家族内での感染が広がりやすいため、手洗いやアルコール消毒などの基本的な衛生対策を徹底しましょう。
編集部まとめ
ここまで手足口病が大人にうつる確率についてお伝えしてきました。手足口病が大人にうつる確率の要点をまとめると以下のとおりです。
・手足口病とは、口腔内や手足などに水疱を伴い、複数の発疹が出るウイルス性の感染症。主に乳幼児に見られるが、大人も感染する可能性がある
・大人が手足口病になった場合、大人の方が重症化しやすい。発疹や全身の不調が顕著に現れ、日常生活に大きな支障をきたす可能性があるとされている。発疹は足の裏や手のひらなどに集中しやすく、激しい痛みを伴うことがある
・手足口病は一度感染すると、その型に対する免疫はできる。しかし、別の型のウイルスには免疫がないため、再び感染してしまう可能性がある
特に大人の場合は体調管理が重要です。疲れやストレスが免疫力の低下につながり、感染しやすくなる可能性があります。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。