「白内障になりやすい人」の特徴はご存知ですか?自覚症状も解説!【医師監修】
白白内障は水晶体が白く濁り、視力が低下する眼の疾患です。水晶体は眼の奥にある凸レンズのような形状の透明な組織です。
外部からの光を取り入れて、瞳の奥の網膜にピントを合わせる働きがあります。健常な状態であれば無色透明な組織ですが、白内障を発症すると白く濁ってしまいます。
この記事では、白内障になりやすい方や、治療方法と予防対策を解説します。
監修医師:
柳 靖雄(医師)
目次 -INDEX-
白内障になりやすい人
白内障とはどのような病気ですか?
白内障になりやすい人はどのような方ですか?
- アトピー性皮膚炎
- 糖尿病
- 薬剤(ステロイド)
- 紫外線の影響を強く受けている
- 強度近視
糖尿病になると身体の抵抗力が弱まってしまい、あらゆる疾患の元となるため注意が必要です。糖尿病性白内障もそのひとつで、糖尿病に関係する高血糖が続くことで、糖アルコールが蓄積して水晶体の混濁が起こるとされています。さらにアトピー性皮膚炎の治療では、長期間にわたってステロイド剤が使用されます。その影響で白内障を発症する方も少なくありません。また、紫外線の影響を日頃から大きく受けている方や、強度近視の方は白内障の発症率が高いとされています。
後発白内障について教えてください。
白内障の治療方法・検査法
白内障の治療方法を教えてください。
白内障の検査法を教えてください。
- 視力検査
- 屈折検査
- 細隙灯顕微鏡検査(さいげきとうけんびきょうけんさ)
- 眼底検査
- 眼圧検査
- 角膜形状解析検査
まずは視力検査で現状の視力を測ります。ただし白内障の進行と視力の低下は必ずしも比例していないため、視力が低下していなくても、白内障ではないとすぐに判断はできません。屈折検査は、近視や遠視・乱視などの屈折異常の有無や程度を確認します。視力検査と屈折検査の結果は、手術後にレンズのピントを合わせるときの指標となります。細隙灯顕微鏡検査は、特殊な顕微鏡を使用して水晶体の透明度や濁りぐあいを確認する検査です。この検査は白内障であるかどうかの重要な判断基準となるものです。眼底検査・眼圧検査では、白内障のほかに眼の異常がないかを検査します。角膜形状解析検査は、白内障の手術を見越して挿入する人工レンズの形を決定します。
白内障はどのように進行しますか?
白内障の対策法
白内障にかからない対策法はありますか?
- 点眼薬の使用
- 紫外線を避ける
- 食生活の改善
- 適度な運動と睡眠
- 禁煙
- 定期的な検眼
眼科医師が処方する点眼薬は、白内障の予防と進行を遅らせる効果が期待できます。紫外線は長い時間をかけて水晶体に吸収され、白内障の原因のひとつになるとされています。そのため、できるだけ避けることが大切です。100%カットすることは難しいですが、サングラスの着用など外出時の対策はしっかりと行いましょう。糖尿病患者さんの白内障発症率は高いとされているため、食生活の改善はもちろん適度な運動と睡眠をとるようにしてください。なお、喫煙は血流を悪くし、抗酸化作用のあるビタミンCを破壊して白内障の発症リスクを高めます。年に1度の健康診断の時期は、意識して眼科で検眼を行うようにしましょう。
白内障のセルフチェック法を教えてください。
- ものがかすんで見える
- 近視状態である
- 老眼鏡の度が合わなくなった
- 左右の視力が違う
- ものが二重三重に見える
- 光がまぶしく感じる
- 遠近がわかりにくくなった
- 糖尿病にかかっている
- ステロイド剤を服用している
以上の項目のなかには、診察前に提出する問診票と同じ項目もあります。事前に自身で自覚しておくことが大切です。
白内障は自覚症状がありますか?
- 眼が白っぽくかすむ
- 光がまぶしく感じるようになった
- 眼鏡やコンタクトが合わなくなった
- 老眼鏡が合わない
- ものがぼやけて見える
- 眼が疲れやすくなった
白内障の症状は多様です。あてはまる項目が1つだけの場合でも、白内障にかかっているケースは少なくありません。白内障は自然治癒することはないため、上記の状態が続くようであれば、早めに眼科で診察を受けるようにしましょう。
白内障の治療費について教えてください。
- 3割負担 45000円
- 2割負担 30000円
- 1割負担 15000円
となります。
なお、両目手術は高額療養費制度が適用された金額のため、収入によって変動する可能性があります。ほかに事前の検査にかかる費用が、1,200〜4,200円程度、術後の経過観察が1回につき450〜2,400円程度となります。
編集部まとめ
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気です。点眼治療で進行を遅くさせられますが、自然治癒することはないため、手術を念頭においておく必要があります。
眼の手術なので恐怖感が先立ってしまうかもしれませんが、手術は年々進歩しており、患者さんの不安に配慮している医療機関も多数あります。不安な症状がある方は、まずは医師に相談してみましょう。