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「異臭症」の原因や症状について解説!突然焦げた匂いを感じることはありませんか?

 更新日:2024/01/09
「異臭症」の原因や症状について解説!突然焦げた匂いを感じることはありませんか?

異臭症とはどんな病気なのかご存じでしょうか?
本記事では異臭症とは?原因や治療法、日常生活における改善点について以下の点を中心にご紹介します。

・異臭症とは
・異臭症の治療法
・異臭症の対策

異臭症について知るためにぜひ最後までお読みください。

異臭症について

異臭症について

異臭症とはどのような病気ですか?

異臭症は、鼻のにおいを感じる細胞が病気や加齢、ストレスなどにより、体から特異な臭いを感じる病気といわれています。具体的には、嗅上皮の炎症や嗅細胞、嗅神経(脳神経の一部)が原因とされています。

症状としては、「焦げた臭い」や「ガソリンのような臭い」などが突然発生し、重度の場合には日常生活に大きな影響を及ぼすこともあります。特に乾燥した環境では症状が悪化しやすく、寝起きの時には軽快する傾向があります。

治療法としては、嗅粘膜切除術などが行われることもありますが、現状では確定的な治療法は存在していません。

異臭症の症状はどのようなものですか?

異臭症は、嗅覚の異常により、通常は無害な臭いが不快に感じられる状態を指します。主な症状は、嗅覚が衰える嗅覚減退と、嗅覚が完全に失われる嗅覚消失です。これらは副鼻腔の感染症や嗅神経の部分的な損傷により引き起こされることが多いです。

また、口腔内の感染症や不適切な口腔衛生状態も異臭症の原因となり得ます。うつ病の症状として現れることもあり、脳の側頭葉で発作が起こると、一時的に強烈な不快臭を感じることがあります。

異臭症の症状は、個々の体調や状況により異なるため、異臭症の診断や治療は専門的な医療の支援が必要となります。

異臭症の原因は何ですか?

異臭症の原因は多岐にわたり、生活習慣、食事、病気などが関与します。

まず、生活習慣が大きな影響を及ぼします。例えば、不規則な生活やストレス、適度な運動不足、睡眠不足などが体臭を引き起こす可能性があります。また、食事も体臭に影響を与えているので、特に肉類や脂質の多い食事、アルコールやタバコなどは体臭を悪化させるとされています。
また、異臭症は風邪などの上気道炎がきっかけとなる場合もあります。上気道炎によって、鼻の中にある嗅上皮の細胞が傷つくことで、匂いの信号が誤って中枢に送られてしまい、異臭症が発生する可能性が考えられます。このような状況では、鼻の機能が正常に回復すれば、異臭症の症状も改善されることが期待されます。

さらに、病気も異臭症の原因となります。例えば、口臭の場合、歯周病や口腔内の感染症、消化器系の疾患などが関与することがあります。また、体臭の場合、皮膚の病気や内分泌系の異常、代謝異常などが考えられます。

以上のように、異臭症の原因は様々で、それぞれの患者さんの体調や生活環境、遺伝的要素などによって異なる可能性があります。そのため、異臭症の症状がある場合は、専門的な医療機関で診察を受け、適切な診断と治療を受けることが重要です。

異臭症はどのように診断されますか?

異臭症の診断はいくつかの方法があり、患者の症状や体臭の特性を詳しく調べることから始まります。その後、専門的な検査が行われます。これには、「嗅覚障害診断ガイドライン」に基づいた基準嗅覚検査、鼻内視鏡検査、CT、必要に応じてアレルギー検査(血液検査)、鼻腔通気度検査などが含まれます。

基準嗅覚検査では、特定の化学物質を浸したにおい紙を嗅いでもらい、患者がどの程度の匂いを感じ取れるかを評価します。この検査は、匂いがわかるが何の匂いかわからない検知閾値と、何の匂いかわかる認知閾値の2つの閾値を測定します。

また、静脈性嗅覚検査も信頼できる方法の一つです。これは、ビタミンB1製剤のアリナミンを静注し、その刺激臭を感じるかどうかを調べるものです。この検査では、鼻閉の影響を受けず、嗅粘膜が正常に近く反応するかどうかを確認します。

鼻内視鏡検査では、鼻腔の奥、嗅裂、上鼻道周囲を詳細に観察し、鼻中隔の歪みや嗅裂の狭窄、ポリープや膿性鼻漏などがないかを確認します。アレルギー検査も重要で、鼻閉があると嗅裂まで空気が到達しないためです。副鼻腔炎の有無は、レントゲンではなくCTで診断します。

CT検査では、嗅裂や後部篩骨洞の病変を詳しく調べます。これらの病変はレントゲンでは写らず、正確に診断できないことが多いため、CT検査が必要となります。

以上のような検査を通じて、異臭症の原因を特定し、適切な治療法を受けましょう。異臭症の診断は専門的な知識と経験を必要とするため、専門の医療機関で診察を受けることが重要です。

異臭症と間違われやすい病気にはどのようなものがありますか?

異臭症と間違われやすい病状には、嗅覚過敏、自己臭症、幻臭、そして鉤回発作があります。

嗅覚過敏は、妊娠などにより嗅覚が敏感になり、通常は気にならない香りが強く感じられる状態を指します。

自己臭症や幻臭は、実際には存在しない臭いを感じる状態です。
自己臭症とは、原因となる疾患が見当たらないものの、自分が強い口臭や体臭を発していると強く信じ込む症状のことです。一方、幻臭は幻覚の一部であり、実在しない匂いを繰り返し感じ取ることを言います。幻臭も自分が特定の臭いを放っていると感じることがあるため、自己臭症と混同されることがありますが、その根底にある認識のズレを理解することが大切です。

鉤回発作は、特定の臭いを感じる発作のことです。これらの病状は、異臭症と誤認されることがあるため、どの症状があっても正確な診断と適切な治療が必要となります。

異臭症と嗅覚障害は同じものですか?

異臭症と嗅覚障害は、異なる概念です。

異臭症は、本人が周囲にはないはずの異臭を感じる症状であり、例えば、不快なにおいを強く感じることがあります。この場合、鼻の機能や嗅覚には問題がないにもかかわらず、主観的な異臭を感じてしまう症状です。

一方、嗅覚障害は、嗅覚そのものに障害が生じている状態を指します。嗅覚障害には、量的障害と質的障害の2つのタイプがあります。量的障害では、においの感覚が減弱したり、全くにおいを感じない状態が見られます。質的障害では、においを感じる様態に変化が生じることがあります。

異臭症は、本人の主観的な感じ方によるもので、嗅覚そのものに問題がない場合が一般的です。一方、嗅覚障害は嗅覚に障害が生じているため、においを感じること自体が変化している場合があります。

異臭症の治療

異臭症の治療

異臭症の検査はどのようなものですか?

異臭症は、体から異常な臭いが発生する病気で、その原因は多岐にわたります。そのため、異臭症の検査は、その原因を特定し、適切な治療法を見つけるために重要です。

異臭症の検査は、まず医師による問診から始まります。これには、症状の詳細、生活習慣、食事内容、過去の病歴などが含まれます。これにより、医師は患者の体臭の可能性のある原因を特定します。

次に、物理的な検査が行われます。これは、皮膚の状態をチェックし、異常な臭いの源を見つけるためのものです。また、必要に応じて血液検査や尿検査も行われ、体内の化学物質のバランスを調べます。

最後に、特定の病気や状態を確認するためのさらなる検査が必要な場合もあります。これには、内分泌系の検査や遺伝的な検査などが含まれる場合があります。

異臭症の検査は症状の原因を特定し、個人に合った治療法を見つけるために不可欠です。医師の指示に従い、必要な検査を受けることが重要です。

異臭症はどのように治療されますか?

異臭症の治療は、その原因により大きく異なります。呼吸性の嗅覚障害、つまり鼻閉が強く、呼吸による空気が嗅粘膜に到達できない場合は、手術(鼻中隔矯正術、下鼻甲介手術)などによって鼻腔通気を改善すれば、嗅覚の回復が期待できます。

一方、嗅粘膜性の嗅覚障害、つまり慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎などで嗅粘膜が障害を受けている場合は、内服治療とステロイド点鼻を継続することで回復の可能性があります。また、ビタミン剤や漢方薬も役立つされています。

神経性の嗅覚障害や感冒によるウィルス感染やある種の薬剤(抗がん剤)により嗅細胞や嗅神経が障害されている場合は、ステロイド点鼻治療が中心となります。この治療は点鼻治療を継続しながら、ビタミン剤や漢方薬などを内服します。

中枢性の嗅覚障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、脳腫瘍、脳梗塞などで嗅神経を含む脳神経が障害を受けている場合は、その疾患の治療を行います。頭部外傷後は、嗅神経性と同様にステロイド点鼻治療と内服治療を継続します。

呼吸性や慢性副鼻腔炎などが原因であるときは、嗅覚の回復は良好です。しかし、感冒後ウィルス感染や頭部外傷後などでは、治療成果は高くなく、50%程度にとどまるとされています。

嗅覚刺激療法について教えてください

嗅覚刺激療法は、異臭症の改善に効果が期待される治療法の一つとして知られています。この方法では、バラ、レモン、ユーカリ、クローブの香りを1日2回、各10秒間嗅ぐことが推奨されています。嗅覚刺激によって、嗅覚神経細胞が刺激され、再生を促す効果が期待されています。特に、異臭症の発症から1年以内に開始することで、その効果が高まるとされています。

この治療法において、使用する嗅素(匂いの素)はバラ、レモン、ユーカリ、クローブの4種類に限定される必要はありません。市販のアロマオイルを代用することも可能です。重要なのは、「意識して匂いを嗅ぐ」ことを生活の中で実践することです。嗅覚刺激を意識的に取り入れることで、嗅覚改善のきっかけを作ることが大切です。

異臭症の対策

異臭症の対策

異臭症改善のために日常生活でできることはありますか?

異臭症を改善するためには嗅覚トレーニングを取り入れることがおすすめです。具体的には、レモン、ユーカリ、バラ、クローブなどの特定のエキスを毎日、朝晩に数十秒ずつ意識的に嗅いでみましょう。これにより嗅細胞の再生を促進すると言われています。
日常生活の中で様々な香りに意識的に触れることも、このトレーニングの一環と言えます。例えば、料理の際に食材の香りをしっかりと感じたり、入浴時に入浴剤の香りを楽しむことなど、日常のシチュエーションを利用して嗅覚を鍛えられるでしょう。
また、鼻の病気があれば早急に治療を受けたり、タバコを控えたり、定期的な運動をしたりするなど生活習慣を改善することも大切です。特に、タバコは嗅覚に悪影響を及ぼす可能性があるため、その摂取を避けることは非常に重要です。
嗅覚の健康は日常のちょっとした工夫と習慣で大きく左右されます。香りを意識的に楽しむことで、異臭症の改善だけでなく、豊かな生活を手に入れる手助けとなります。

異臭症改善のために、鼻うがいは効果的ですか?

鼻うがいは異臭症の根本的な原因を解消するわけではなく、一時的に異臭を和らげるだけですので注意が必要です。
異臭症改善は、薬物治療が中心となっています。
主に、点鼻や経口摂取を通じての薬物治療が行われることが多いです。これらの薬物は、嗅覚障害の修復や改善を目指して開発されたもので、異臭症患者の嗅覚機能の正常化に効果的であるとされています。
しかし、異臭症の原因や症状は人それぞれ異なるため、一般的な治療法としての効果は保証されません。そのため、症状が気になる場合は、専門医の診断とアドバイスを受けることが重要です。

異臭症に効果的なツボはありますか?

異臭症の改善に役立つツボには、「鼻通」「迎香」「印堂」です。

鼻通は、鼻詰まりや鼻水の改善が期待できるツボであり、異臭症の改善に役立つでしょう。

迎香は、嗅覚障害の改善に役立ちます。鼻水や鼻詰まりを緩和するだけでなく、嗅覚障害や異臭症の改善にも役立ちます。

印堂は、ストレスや緊張を和らげ、異臭症によるストレスを緩和すると同時に鼻に刺激を与えます。

これらのツボを刺激することで、異臭症の症状が改善する可能性があります。鼻通は小鼻の横、迎香は小鼻の上に位置し、印堂は眉間の中央にあります。ツボを押す際は、適度な力を加えることやリラックスした状態で行うことが重要です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

異臭症は、鼻のにおいを感じる細胞が病気や加齢、ストレスにより特異な臭いを感じる病気ですが、治療方法は原因によって異なります。そのため、医師の指導のもと、適切な治療法を選びましょう。

編集部まとめ

異臭症
異臭症について紹介してきました。異臭症の要点をまとめると以下の通りです。

・異臭症とは、異臭症は、鼻のにおいを感じる細胞が病気や加齢、ストレスなどの問題により特異な臭いを感じる病気で、嗅上皮の炎症や嗅細胞、嗅神経(脳神経の一部)が原因とされている
・異臭症の治療は、その原因により大きく異なり、手術で治療する場合や、内服治療、ステロイド点鼻治療などがある
・異臭症改善には、日常生活の中で様々な香りに意識的に触れることが大切

これらの情報が異臭症について知りたい方の参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修医師