「肌荒れ」の原因・対処法・受診の目安はご存知ですか?【医師監修】
肌はいつまでも健康でありたいものですが、様々な原因で肌荒れを起こします。肌荒れがひどくなると、肌の老化が進行し、色素沈着やシミの原因になる可能性があるのです。
そうなる前に手当をすることが重要です。この記事は肌荒れの原因・対処法・予防法について説明しています。
この記事を読むことで、いつまでも素敵な肌を保てるでしょう。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
肌荒れの原因や症状
肌荒れの症状を教えてください。
また、肌のバリア機能が低下すると、外部刺激に対する耐性が低下するため、ニキビや吹き出物・肌荒れの原因となる細菌やウイルスなどの感染リスクも高まるのです。さらに、肌荒れが長期間続くと肌の老化が進行し色素沈着やシミの原因にもなる可能性があります。肌荒れが無視されたままであると、後の肌トラブルを引き起こす原因となるため、早急な対処が重要です。
肌荒れが起こりやすい部位はどこですか?
- 頭部:シャンプー・リンス・ヘアトニック・育毛剤・染毛料・ピン(髪留め)など
- 顔:メイク・外用薬・花粉・日焼け止め・金属を含む眼鏡・口紅・食物など
- 耳・首:ピアス・イヤリング・補聴器・ネックレスなど
- 体幹部:下着・ベルト・洗剤・柔軟剤など
- 外陰部・臀部:避妊用の薬品・避妊具・オムツ・外用薬など
- 腕・手:時計・指輪・ブレスレット・手袋など
- 脚・足:外用薬・靴下・靴など
季節の変わり目に肌荒れが起こりやすいのはなぜですか?
さらに、湿度の低下も乾燥の要因となるのです。肌に最適な湿度である60〜65%を下回ると、肌からの水分蒸発量が増加し乾燥が進みます。乾燥は肌のバリア機能の低下にも繋がり、肌荒れがより起こりやすくなるのです。また、前の季節に受けた紫外線や花粉などのダメージが、季節の変わり目になると肌荒れとして現れることもあります。
肌荒れの受診や対処法
肌荒れで皮膚科を受診する目安を教えてください。
皮膚科の受診を検討すべき症状やタイミングとしては、以下が挙げられます。
- 乾燥がひどい場合
- にきびが出ている場合
- 赤みや腫れが見られる場合
- かゆみがある場合
- かきむしってしまい、出血や体液が出ている場合
- 水ぶくれがある場合
- 炎症やただれが見られる場合
- 発熱がある場合
- ヘルペスを発症した経験がある場合
- スキンケアなどの自己ケアを行っても肌荒れが改善されない場合
にきびや赤み・乾燥・かゆみなどの肌荒れは、一般的な症状であり年齢や生活習慣などによって引き起こされることがあるのです。そのため、軽度の肌荒れの場合皮膚科の受診が必要かどうか迷う方もいます。しかし、肌の問題である以上皮膚科を受診することには何ら問題はありません。例えば、にきびは尋常性ざ瘡・肌の乾燥は乾皮症というように、それぞれ特定の疾患に分類され適切な治療法が存在します。
また、肌のかゆみや炎症などは、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎・ウイルスや細菌による感染症の可能性もあるため、専門医の診断に基づいた適切な治療が必要です。皮膚科を受診する際には、症状がいつから現れているか症状が悪化する条件などを事前に整理しておくと問診時に役立ちます。また、正確な診断を受けるためにメイクや髪の毛で患部が隠れないようにしましょう。
皮膚科での治療法を教えてください。
皮膚科ではどのような薬が処方されるのですか?
以下では、皮膚科で処方される服薬の中でも、トラネキサム酸・シナール・ハイチオール・ユベラという4つの種類について紹介します。肌の悩みや目標に合わせて、次の内服薬の治療を検討してみてください。
自分でできる肌荒れの対処法を教えてください。
- トラネキサム酸:トランサミンとも呼ばれ、人工的に合成されたアミノ酸です。美白・美容内服薬の中でも代表的な一つで、
基礎化粧品にも配合されることがあるのです。シミ・肝斑・ニキビ跡の改善などの美容効果が期待されます。副作用には皮膚のかゆみや胸やけなどがあり、血液を固まりやすくする作用もあるため、特定の状況下では服用しないほうが賢明です。内服薬ではジェネリック品もあり、肌の状態に合わせて選択しましょう。 - シナール:アスコルビン酸(ビタミンC)とパントテン酸カルシウムを配合しています。シミ・そばかすの予防と改善・コラーゲン生成の促進・美肌効果が期待されるのです。副作用にはむかつき・吐き気・下痢などがあります。トラネキサム酸との併用もおすすめです。
- ハイチオール:L-システインという成分が肌の代謝に働きかける内服薬です。色素沈着やシミ・そばかす・湿疹の改善、ターンオーバーを正常に促す効果があります。副作用には便秘や胃腸の不快感などがあります。市販の内服薬もありますが、配合量が異なるため、皮膚科で処方してもらうことをおすすめします。
- ユベラ:ビタミンEを主成分とし、色素沈着の改善やターンオーバー促進による美白・美肌効果が期待される内服薬です。
副作用にはむかつきや下痢、口の渇きなどがあります。ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、蓄積の恐れがあるため、必ず皮膚科で処方してもらうようにしましょう。
これらの内服薬は美容効果が期待できる一方、副作用や特定の状況下での服用制限があります。適切な用法用量を守り、医師の指示に従って服用することが重要です。
また、ドラッグストアで市販されている内服薬と処方される内服薬では配合量が異なるため、より高い効果を求める場合は皮膚科で処方してもらうことが推奨されます
肌荒れの予防法やメイク
肌荒れの予防法を教えてください。
- 乾燥肌の場合、肌の保湿が非常に重要です。洗顔や入浴後には化粧水・乳液・クリームなどでしっかりと保湿しましょう。さらに、冬や乾燥した季節には加湿器を使用して室内の湿度を上げることも有効です。
- 油性肌の場合、皮脂の分泌を抑えることが重要です。刺激の少ない洗顔料を選び朝晩2回程度しっかりと洗顔しましょう。また、保湿ケアにも化粧水や乳液などが必要ですが、オイルフリーの製品を選ぶことが重要です。
- 混合肌の場合、Tゾーンの皮脂を抑えつつ頬や目元の乾燥を防ぐことが重要です。Tゾーンにはしっかりと泡立てた洗顔料を使用し、頬や目元は優しく洗いましょう。化粧水や乳液は、Tゾーンにはさっぱりしたタイプ、頬や目元には保湿力のあるタイプを選ぶと良いでしょう。
- 敏感肌の場合、刺激の少ない化粧品を選び、肌への負担を減らすことが重要です。洗顔料や化粧水は肌に優しいものを選び、刺激を与えないように注意しましょう。またスキンケアの前にはパッチテストを行い、肌に合わない場合は使用を控えることも大切です。
肌荒れを起こしているときはメイクをしても大丈夫ですか?
また、メイクをする際の摩擦も刺激になることがあります。肌への刺激を最小限に抑えるために、できるだけメイクを控えスキンケアを重視することをおすすめします。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
肌荒れは年齢や肌質・季節に関係なく様々な症状で現れます。まずは自分の肌の状態や原因を確認し、適切なケアをすることが非常に重要です。
編集部まとめ
肌荒れの原因・対処法・予防法を紹介しました。
肌荒れは、外部要因と内部要因があります。肌荒れの症状は、炎症・かゆみ・赤み・乾燥、そしてかさつきなどです。肌荒れは頭部・顔など各部で起こります。季節の変わり目は特に注意が必要です。
皮膚科での治療法は外用薬や内服薬以外にも、レーザーやケミカルピーリングなどの方法が使用されることがあります。肌荒れの予防法は肌タイプによってケアの方法が異なります。
肌荒れを起こしているとき、メイクはできるだけ控えたほうが良いでしょう。
肌荒れは日頃のケアが大事です。肌荒れがひどいと感じたら早めに診断を受け、健康的な肌を保ちましょう。