「赤痢」という下痢や嘔吐・腹痛の症状が現れる感染症はご存知ですか?医師が監修!
公開日:2023/08/02
赤痢は日常生活で直面する可能性がある感染症の一つです。感染してしまうと、下痢・嘔吐腹痛などの症状が現れます。自分のみならず、周囲の人々にもうつる可能性がある恐ろしい病気です。
赤痢から身を守るためには、知識と適切な対応が必要となります。感染力が強いため、一人ひとりが正しい知識を持ち、適切に対処することが大切です。
本記事では、赤痢についての症状・感染経路・流行地域・治療方法・予防方法などを詳しく解説します。この記事を通じて、赤痢についての知識を深め、日常生活に是非役立ててください。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。
目次 -INDEX-
赤痢の症状と感染経路
赤痢はどのような感染症ですか?
赤痢には赤痢菌によって引き起こされる細菌性赤痢と、赤痢アメーバという原虫がおこすアメーバ赤痢の2種類があります。細菌性赤痢は経口感染する急性腸炎です。人間や一部の霊長類が主に感染します。日本国内の発生は1970年代後半から大幅に減少しています。
しかし、世界中にまん延しているので、発展途上国などの衛生環境が悪い地域からの帰国者には注意が必要です。感染力が強いため、保育園・学校・福祉施設・宿泊施設などで集団発生するおそれがあります。
アメーバ赤痢は、赤痢アメーバという原虫によって引き起こされる感染症です。アメーバ赤痢も細菌性赤痢と同様に、世界中に存在します。発展途上国で多く発生していますが、先進国でも一部の人々の間で感染が広がっています。
しかし、世界中にまん延しているので、発展途上国などの衛生環境が悪い地域からの帰国者には注意が必要です。感染力が強いため、保育園・学校・福祉施設・宿泊施設などで集団発生するおそれがあります。
アメーバ赤痢は、赤痢アメーバという原虫によって引き起こされる感染症です。アメーバ赤痢も細菌性赤痢と同様に、世界中に存在します。発展途上国で多く発生していますが、先進国でも一部の人々の間で感染が広がっています。
どのようにしてうつるのでしょうか?
細菌性赤痢は、口から体内に入って感染するため、経口感染でうつります。具体的には、感染者の便などにより汚染された飲食物や水が感染源です。
また、汚染された手指や汚染された物を口に入れることでも感染します。衛生状態が悪い環境では、リスクが高まるので、注意が必要です。
アメーバ赤痢は、赤痢アメーバシストに汚染された飲食物を摂取することにより感染します。男性間の性感染症の一つでもあります。
また、汚染された手指や汚染された物を口に入れることでも感染します。衛生状態が悪い環境では、リスクが高まるので、注意が必要です。
アメーバ赤痢は、赤痢アメーバシストに汚染された飲食物を摂取することにより感染します。男性間の性感染症の一つでもあります。
症状を教えてください。
細菌性赤痢の症状は、軽症から重症までさまざまです。主な症状としては全身のだるさ・発熱・下痢・嘔吐・腹痛などがあります。発熱は1日から2日続くことが一般的で、血便の症状が特徴的です。
近年の重症例は少なくなっています。アメーバ赤痢の症状は、腸管病変と腸管外病変に分けられます。腸管病変の場合の症状は、無症状から重症の大腸炎までさまざまです。
主な症状としては、粘血便・しぶり腹・排便時の下腹部痛などが挙げられます。発熱することはまれです。腸管外病変の場合は、発熱を伴うことが多く、上腹部痛や肝腫大が見られます。腸管外病変では、消化器症状が出ないケースもあります。
近年の重症例は少なくなっています。アメーバ赤痢の症状は、腸管病変と腸管外病変に分けられます。腸管病変の場合の症状は、無症状から重症の大腸炎までさまざまです。
主な症状としては、粘血便・しぶり腹・排便時の下腹部痛などが挙げられます。発熱することはまれです。腸管外病変の場合は、発熱を伴うことが多く、上腹部痛や肝腫大が見られます。腸管外病変では、消化器症状が出ないケースもあります。
流行地域を教えてください。
細菌性赤痢の主な流行地域は、インド・インドネシア・タイなどのアジア地域です。世界中で発生しており、特に衛生環境が悪い地域での発生が多いとされています。日本でも発生していますが、上記地域からの輸入症例が多く報告されています。
アメーバ赤痢の流行地域は発展途上国です。先進国では一般の人々には流行していません。しかし先進国でも、男性同性愛者や発展途上国から帰国した人々の間では感染率が高くなっています。
アメーバ赤痢の流行地域は発展途上国です。先進国では一般の人々には流行していません。しかし先進国でも、男性同性愛者や発展途上国から帰国した人々の間では感染率が高くなっています。
赤痢の治療法
赤痢の潜伏期間を教えてください。
赤痢の潜伏期間は、細菌性赤痢とアメーバ赤痢で異なります。細菌性赤痢の潜伏期間は、一般的には1日から5日です。12時間で発症することもあるので、あくまで目安と考えてください。
アメーバ赤痢の潜伏期間は、細菌性赤痢よりも長く、2週間から3週間が一般的です。場合によっては数ヶ月から数年に及ぶこともあります。
アメーバ赤痢の潜伏期間は、細菌性赤痢よりも長く、2週間から3週間が一般的です。場合によっては数ヶ月から数年に及ぶこともあります。
どのように診断されますか?
細菌性赤痢の診断は、主に症状と便の検査により行われます。特に便の検査が重要です。検査により赤痢菌が検出されれば、細菌性赤痢と診断されます。一方、アメーバ赤痢の診断方法は、大きく分けて2種類あります。
1つ目の方法は、細菌性赤痢同様、便の検査です。原虫が確認されれば、アメーバ赤痢と診断されます。一度の検査では判断が難しいため、3回以上の検査が推奨されています。
2つ目の方法は、内視鏡検査です。内視鏡検査により病変部位に赤痢アメーバの栄養体が確認されれば、診断されます。アメーバ赤痢の診断には、血清抗体検査も用いられていました。しかし現在は試薬製造中止のため、検査が行えなくなっています。
1つ目の方法は、細菌性赤痢同様、便の検査です。原虫が確認されれば、アメーバ赤痢と診断されます。一度の検査では判断が難しいため、3回以上の検査が推奨されています。
2つ目の方法は、内視鏡検査です。内視鏡検査により病変部位に赤痢アメーバの栄養体が確認されれば、診断されます。アメーバ赤痢の診断には、血清抗体検査も用いられていました。しかし現在は試薬製造中止のため、検査が行えなくなっています。
赤痢の治療方法を教えてください。
赤痢の治療方法は病原体の種類によって異なります。細菌性赤痢の場合、抗生剤治療が主な治療方法です。生菌整腸薬を使用して腸内環境を整えることもあります。脱水症状に注意が必要なため、経口補水液やスポーツ飲料で水分補給を行うことが推奨されます。
アメーバ赤痢の場合には、メトロニダゾールなどの薬剤を用いた治療方法が有効です。腸管外病変で多い肝腫瘍の場合には、外科的治療を行うこともあります。
いずれのケースでも、一番大切なことは体力を回復させることです。適切な栄養補給と水分摂取を心がけ、安静に過ごしてください。
アメーバ赤痢の場合には、メトロニダゾールなどの薬剤を用いた治療方法が有効です。腸管外病変で多い肝腫瘍の場合には、外科的治療を行うこともあります。
いずれのケースでも、一番大切なことは体力を回復させることです。適切な栄養補給と水分摂取を心がけ、安静に過ごしてください。
赤痢の予防
赤痢の予防方法を教えてください。
赤痢の予防方法は感染経路を遮断することが最も重要です。細菌性赤痢については、しっかりと手洗いを行うことが重要となります。特に汚染地域ではこまめな手洗いを心がけましょう。
飲食物に関しても十分な注意が必要です。感染のリスクがある際は、可能な限り生もの・生水・氷などは避けるようにしましょう。アメーバ赤痢については、加熱調理が不十分な食べ物は避けることが大切です。汚染の可能性がある食器や調理器具も使用しないようにしてください。
また、感染が疑われる人との過度なスキンシップも控えるようにしましょう。いずれのタイプの赤痢に対しても、トイレ使用後の手洗いが必須です。紹介した予防方法を実践して、赤痢の感染リスクを最小限に抑えましょう。
飲食物に関しても十分な注意が必要です。感染のリスクがある際は、可能な限り生もの・生水・氷などは避けるようにしましょう。アメーバ赤痢については、加熱調理が不十分な食べ物は避けることが大切です。汚染の可能性がある食器や調理器具も使用しないようにしてください。
また、感染が疑われる人との過度なスキンシップも控えるようにしましょう。いずれのタイプの赤痢に対しても、トイレ使用後の手洗いが必須です。紹介した予防方法を実践して、赤痢の感染リスクを最小限に抑えましょう。
二次感染を防ぐためにすべきことを教えてください。
二次感染を防ぐためには、赤痢についての正しい知識が必要です。赤痢の感染経路を理解し、適切な対策を行いましょう。具体的には、排便後に十分な手洗いを行うことが基本的な予防策となります。
さらに、飲食物の衛生管理も非常に重要です。食材を適切に加工・保存・調理し、調理器具を清潔に保つことで、飲食物を介した感染を防げます。
飲食物を扱う業務では、特に注意が必要です。集団感染の可能性があるため、厳格な対応が求められます。就業制限を行う必要もありますので、事前に対応を確認しておきましょう。これらの対策を適切に実践することで、赤痢の二次感染を防ぐことが可能になります。
さらに、飲食物の衛生管理も非常に重要です。食材を適切に加工・保存・調理し、調理器具を清潔に保つことで、飲食物を介した感染を防げます。
飲食物を扱う業務では、特に注意が必要です。集団感染の可能性があるため、厳格な対応が求められます。就業制限を行う必要もありますので、事前に対応を確認しておきましょう。これらの対策を適切に実践することで、赤痢の二次感染を防ぐことが可能になります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
本記事を通じて、赤痢についての理解は深まったでしょうか。赤痢は確かに恐ろしい病気です。しかし、恐れるだけでなく適切に対処をすれば、感染リスクは大幅に下げられます。そのためには、正しい知識を持ち、適切な対策を講じる必要があります。
予防は最も重要な対策の一つです。予防には、飲食物の衛生管理や、手洗いの徹底が求められます。また、症状が現れた場合には、適切な治療を受けることが大切です。これらの行動のひとつひとつが、赤痢という病気と戦うために重要な要素となります。
知識は力です。自分自身と大切な人々の健康を守るための武器となります。さまざまな知識を学び、行動にうつして、健康に過ごしていきましょう。
予防は最も重要な対策の一つです。予防には、飲食物の衛生管理や、手洗いの徹底が求められます。また、症状が現れた場合には、適切な治療を受けることが大切です。これらの行動のひとつひとつが、赤痢という病気と戦うために重要な要素となります。
知識は力です。自分自身と大切な人々の健康を守るための武器となります。さまざまな知識を学び、行動にうつして、健康に過ごしていきましょう。
編集部まとめ
本記事では、赤痢という感染症について、症状・感染経路・流行地域・治療方法・予防方法などを詳しく解説しました。赤痢は、適切な予防と対策を行うことにより、大幅に感染リスクを下げられます。
感染リスクを下げるためには、赤痢について正しく理解し、予防方法などの知識を学ぶことが非常に大切です。この記事が赤痢に関する理解の一助となり、健康を守る手助けになることを願っています。
感染症との闘いは、情報・対策・行動力がカギとなります。病気を可能な限り避け、日々を健康に過ごすために、今日からできることを始めていきましょう。