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「肺膿瘍」になりやすい人や症状・原因はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2023/07/21
「肺膿瘍」になりやすい人や症状・原因はご存知ですか?医師が監修!

肺膿瘍は、肺に一般の肺炎より強い炎症が起き、肺組織が破壊されて空洞となりそこに膿がたまる病気です。肺膿瘍は、肺組織内の細菌感染によって引き起こされる疾患です。

一般的な症状として、発熱・咳・痰が挙げられます。患者は高熱・息切れ・胸痛などを発症することもあります。主な原因は口腔内や上気道からの細菌の吸入です。

治療には抗菌薬が一般的に使用されますが、重症の場合にはドレナージや手術が必要になります。再発を予防するためには、細菌感染を予防することが重要です。

手洗いや予防接種などの衛生対策が推奨されます。早期発見と適切な治療により、多くの場合、肺膿瘍は治癒できます。

今回は気になる肺膿瘍について詳しく紹介しますので、参考にしてみてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

肺膿瘍の症状と原因

カウンセリング

肺膿瘍はどのような病気ですか?

肺膿瘍は肺組織内の細菌感染によって引き起こされる疾患です。細菌が肺に侵入し、炎症と膿の形成が起こります。病気が進行すると重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。
主な症状は発熱・咳・呼吸困難・胸痛です。痰が出るときは、変な臭いや色がするケースも少なくありません。普段から虫歯を放置していたり、口腔ケアを怠っていたりすると気が付かない人もいます。なかなか咳が止まらない、旨がいたいという症状のある人はまずは相談するとよいでしょう。

膿胸とはどのように違うのでしょうか?

膿胸は胸腔内に膿がたまる状態です。肺膿瘍とは異なり、胸腔内の状態を特徴としています。膿胸は通常・外傷・手術・他の感染症などによって引き起こされます。
肺膿瘍は肺組織の感染に起因する一方、膿胸は胸腔内の感染によるものです。両疾患は異なる病態を持つため、診断と治療のアプローチも異なる場合があります。そのため、自己判断せずかかりつけ医を受診することをおすすめします。

肺膿瘍の症状を教えてください。

肺膿瘍の症状は発熱・咳・胸痛・呼吸困難などが主な特徴です。発熱は高熱となり、咳は激しく膿や血痰が混じることもあります。胸痛は通常、炎症や感染が集中している肺部位に局所化します。
また、呼吸困難や息切れも肺膿瘍の典型的な症状です。加えて人によっては、体重が大幅に減ることで症状に気が付くときもあります。しかし、個人によって症状の程度や現れ方は異なる場合があります。本人が気が付かないときには、家族や友人が肺膿瘍を疑い、受診をすすめることが大切です。

発症の原因を教えてください。

肺膿瘍の主な原因は細菌感染です。通常、口腔内や上気道からの細菌が吸入され、肺組織に感染を引き起こします。一般的な細菌の中には肺膿瘍を引き起こす可能性のある菌も存在します。
喫煙・アルコール乱用・免疫機能の低下・嚥下障害などは肺膿瘍の発症リスクを増加させる要因です。また、肺炎や肺結核の合併症としても肺膿瘍が発生することがあります。そのためこれらの症状がある人は、注意が必要です。

どのような人が肺膿瘍になりやすいですか?

肺膿瘍になりやすい人々にはいくつかの特定の要因があります。高齢者や免疫機能の低下した人々は感染に対する抵抗力が低下し、肺膿瘍のリスクが高いです。また、喫煙者やアルコール乱用者は呼吸器系の健康リスクが増加するため、肺膿瘍にかかりやすい傾向があります。
さらに、嚥下障害を抱える人々は誤嚥によって細菌が肺に到達しやすくなり、肺膿瘍のリスクが高まります。自分でも注意するとともに、ご高齢の場合は、周囲の人が気を配る必要があるでしょう。

肺膿瘍の診断と治療

薬

どのような検査で肺膿瘍と診断されますか?

肺膿瘍の診断にはいくつかの検査が必要です。まずは身体の症状と病歴の詳細な聴取が行われ、医師は肺膿瘍の可能性を判断します。その後、胸部X線やCTスキャンなどの画像検査が行われ、肺組織の状態や膿の存在を確認します。
また、痰や血液の検査も行われ、細菌の特定や炎症の程度を評価するときが多いです。

治療方法を教えてください。

肺膿瘍の治療には、一般的に抗菌薬の投与が必要です。適切な抗生物質によって細菌感染を鎮めることで炎症を制御し、膿を排除します。重度の症例では、ドレナージや手術が必要です。
ドレナージとは、細かい針を使い膿を取り出す処置のことです。また、症状の軽減や呼吸困難の緩和のために、痛みや発熱の管理も行われます。痛みが辛いときは、相談してみるとよいでしょう。実際の治療法は治療がその人にあった治療法を選択するため、治療時に不安があれば担当医に確認しながら治療をすすめてください。

治療期間はどのくらいでしょうか?

肺膿瘍の治療期間は個人や病状の重症度によって異なりますが、通常は数週間から数か月にわたります。治療の早期開始と適切な抗生物質の使用は、治療期間や結果に影響を与えます。
重度な場合や合併症がある場合は、入院治療が必要となることもありえるでしょう。入院治療になると、治療期間も長くなる可能性があるため、注意してください。なるべく早い段階から医師に相談することで、治療期間をなるべく短くすることも可能でしょう。

肺膿瘍は完治しますか?

適切な診断と治療によってほとんどの場合において完治できます。早期の診断と適切な抗菌薬の使用により、膿瘍の病原体を排除し炎症を鎮めることが可能です。治療期間は通常、数週間から数か月にわたる場合がありますが、個人の状態や病原体の種類によって異なる場合もあります。
治療の途中で症状が改善し、炎症が完全に治まり病原体が除去されれば、肺膿瘍は完治します。医師の指示に従い、完全な治癒まで治療を継続することが重要です。完治を目指して、医師とふたりで協力し治療をすすめていきましょう。

肺膿瘍の再発と予防

ドクター

再発するのでしょうか?

肺膿瘍の再発は個人の状態や治療の適切さによって異なります。再発のリスクは治療が不十分だった場合や免疫機能の低下がある場合に高まるでしょう。
また、基礎疾患・喫煙・アルコール乱用などの要因も再発のリスクを増加させる可能性があります。適切な治療と予防策の遵守が再発を防ぐ重要な要素となります。そのため、以下に紹介する注意点を参考にしながら生活する必要があるでしょう。

肺膿瘍を予防するための日常生活での注意点を教えてください。

肺膿瘍を予防するためには、いくつかの日常生活での注意点があります。主な注意点を5つまとめてみました。

  • 禁煙する
  • バランスのよい食事を心がける
  • 睡眠時間を確保する
  • 定期的な健康診断を受ける
  • 予防接種を受ける

まず、喫煙は肺の健康に悪影響を与えるため、禁煙することが重要です。この機会に禁煙に挑戦するとよいでしょう。家族や医師の手助けを受けながら、すすめることをおすすめします。
また、免疫機能を高めるためにバランスの取れた食事や十分な睡眠を心がけましょう。手洗いや咳エチケットなどの感染予防対策も重要です。さらに、定期的な健康チェックや予防接種を受けることも肺膿瘍の予防に役立ちます。予防接種ができないか、かかりつけ医に相談してみてください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

肺膿瘍は重篤な疾患ですが、早期の診断と適切な治療によって治癒できます。定期的な健康チェックや医師の指導に従うことも重要です。自身の健康管理に注意し、予防策を実践することで肺膿瘍のリスクを減らせます。
健康な肺を保つためには、喫煙を避けるなどの生活習慣の見直しも必要です。自身と周囲の人々の健康を大切にし、予防に努めましょう。少しでも病気かもしれないと症状を疑ったら、専門医に相談してみてください。

編集部まとめ

ポイント
肺膿瘍は肺組織内の細菌感染によって引き起こされる疾患であり、発熱・咳・呼吸困難・胸痛などの症状が現れます。

治療には抗生物質の使用が一般的であり、重症の場合にはドレナージや手術も必要です。治療期間は個人や病状によって異なり、定期的なフォローアップが重要になります。

再発を予防するためには、適切な治療と予防策の遵守が必要です。健康な生活習慣の実践と医師の指導に従うことで、肺膿瘍の予防や再発の防止につながります。健康を大切にし、心身のバランスを保ちましょう。

少しでも病気を疑うときは、早めの行動が治療期間の短縮につながります。本人だけでなく、周囲も注意して見守るようにしてみてください。特にご高齢の場合は、注意が必要です。

今回の記事が参考になれば幸いです。

この記事の監修医師