「IgA腎症」を発症すると現れる症状・原因はご存知ですか?医師が監修!
公開日:2023/07/01
IgA腎症は、小学生高学年あたりの年齢以降に多く発症するといわれている難病です。学校で実施される検尿で発見されることが多いのですが真っ赤な尿で気づくこともあります。
IgA腎症は、具体的な原因などまだ解明されていないことも多い病気ですが、腎臓における免疫タンパク質が異常に蓄積したことが原因の発端と認識されています。
ここでは、lgA腎症の症状・原因・治療方法について詳しくご紹介しましょう。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
目次 -INDEX-
lgA腎症の症状や原因
IgA腎症とはどのような病気ですか?
IgA腎症は、検尿で血尿や蛋白尿が見られる時に、腎臓の糸球体に免疫グロブリンA(IgA)という免疫タンパク質が沈澱する病気です。
この蓄積によって、腎臓組織に炎症を引き起こします。この病気は慢性の経過をたどり、そのままにしておくと末期腎不全へ進行します。
末期腎不全へと進行した場合に行うのは、透析や腎臓移植といった継続治療です。IgA腎症は一般的には若年者によく見られ、上気道感染症や消化器疾患の発症後に起こることが多いとされています。
診断は腎臓の組織を採取し、生体検査を実施します。
この蓄積によって、腎臓組織に炎症を引き起こします。この病気は慢性の経過をたどり、そのままにしておくと末期腎不全へ進行します。
末期腎不全へと進行した場合に行うのは、透析や腎臓移植といった継続治療です。IgA腎症は一般的には若年者によく見られ、上気道感染症や消化器疾患の発症後に起こることが多いとされています。
診断は腎臓の組織を採取し、生体検査を実施します。
原因を教えてください。
IgA腎症の具体的な原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的な要素や免疫系の異常が関与していると考えられています。
家庭内に同じIgA腎症の人がいると発症がみられるケースがあることから遺伝的な要素があると推測されています。これは特定の遺伝子の変異が、IgA腎症の発症リスクを高めているという症例があるからです。
また、免疫系の異常がIgA腎症の発症に関与している可能性もあります。IgAの生産と排泄に関わる過程に異常が生じ、腎臓組織にIgAが蓄積し引き起こされた炎症です。
家庭内に同じIgA腎症の人がいると発症がみられるケースがあることから遺伝的な要素があると推測されています。これは特定の遺伝子の変異が、IgA腎症の発症リスクを高めているという症例があるからです。
また、免疫系の異常がIgA腎症の発症に関与している可能性もあります。IgAの生産と排泄に関わる過程に異常が生じ、腎臓組織にIgAが蓄積し引き起こされた炎症です。
どのような症状がありますか?
IgA腎症の症状は、個人によってさまざまであることも特徴となっています。まず代表的なものは血尿です。
血尿は、尿中に血液が混じることですが、明らかに自ら見てわかる赤色の尿が見える血尿もあれば、傍目では分からものの顕微鏡でみると明らかに血液が含まれていることがわかるものもあります。
尿にタンパク質が漏れる蛋白尿も症状のひとつです。尿が泡立っていたり明らかに量の増加が見られることで判断できます。
IgA腎症の患者には、この病気を発症したことで、腎臓へのダメージや炎症が進行し、高血圧になる可能性もあります。
血尿は、尿中に血液が混じることですが、明らかに自ら見てわかる赤色の尿が見える血尿もあれば、傍目では分からものの顕微鏡でみると明らかに血液が含まれていることがわかるものもあります。
尿にタンパク質が漏れる蛋白尿も症状のひとつです。尿が泡立っていたり明らかに量の増加が見られることで判断できます。
IgA腎症の患者には、この病気を発症したことで、腎臓へのダメージや炎症が進行し、高血圧になる可能性もあります。
どのようなきっかけで病気が発見されることが多いですか?
IgA腎症が発症していることが分かったきっかけが、健康診断や他の病気の定期検査であることは少なくありません。
定期検査に組み込まれている尿検査でたまたま血尿や蛋白尿が見つかるという場合です。尿検査や血液検査で異常が見つかったときには、IgA腎症の可能性を考え、追加の検査を行うことがあります。
検査ではなく患者が自分自身で尿の異常に気づく場合もあります。単発で症状が現れた場合は経過観察をしますが、継続する場合は、検査を行いますが、これは正しい診断を行うためです。
さらに、発見のきっかけとなるのは、上気道感染症や消化器疾患の発症後にIgA腎症が発症するケースです。この場合は、すでに行っている治療中に血尿や蛋白尿が出てきたことで発症がわかります。
定期検査に組み込まれている尿検査でたまたま血尿や蛋白尿が見つかるという場合です。尿検査や血液検査で異常が見つかったときには、IgA腎症の可能性を考え、追加の検査を行うことがあります。
検査ではなく患者が自分自身で尿の異常に気づく場合もあります。単発で症状が現れた場合は経過観察をしますが、継続する場合は、検査を行いますが、これは正しい診断を行うためです。
さらに、発見のきっかけとなるのは、上気道感染症や消化器疾患の発症後にIgA腎症が発症するケースです。この場合は、すでに行っている治療中に血尿や蛋白尿が出てきたことで発症がわかります。
lgA腎症の検査や治療
どのような検査が行われますか?
lgA腎症の診断において、まず行われるのは尿検査です。尿中の血液やタンパク質の異常を評価するために行われます。
尿検査では、尿中の赤血球や白血球の数・血液やタンパク質の有無・尿のpHなどを測定します。肉眼で見る血尿の有無だけでなく、顕微鏡を使った血尿の有無チェックが重要です。
尿検査と同様に血液検査も行います。血液中のクレアチニンや尿酸などの濃度を測定することで、腎臓の機能が評価できます。
また、IgAのレベルを測定するのも血液検査です。腎生検は、IgA腎症の診断において重要な手段のひとつです。手術によって腎臓組織の一部を採取し、顕微鏡で確認します。
腎生検を行うことで、他の腎臓疾患との鑑別が可能です。腎臓の形態を見るために、超音波検査やCTスキャンなどの画像検査の採用することがあります。
尿検査では、尿中の赤血球や白血球の数・血液やタンパク質の有無・尿のpHなどを測定します。肉眼で見る血尿の有無だけでなく、顕微鏡を使った血尿の有無チェックが重要です。
尿検査と同様に血液検査も行います。血液中のクレアチニンや尿酸などの濃度を測定することで、腎臓の機能が評価できます。
また、IgAのレベルを測定するのも血液検査です。腎生検は、IgA腎症の診断において重要な手段のひとつです。手術によって腎臓組織の一部を採取し、顕微鏡で確認します。
腎生検を行うことで、他の腎臓疾患との鑑別が可能です。腎臓の形態を見るために、超音波検査やCTスキャンなどの画像検査の採用することがあります。
IgA腎症の治療方法を教えてください。
IgA腎症の治療方法は、患者それぞれの状態や症状によって変わります。しかし、一般的には、いくつかの療法が有効です。
lgA腎症で注目される血尿や蛋白尿は、貧血を起こすなどの症状をひき起こします。
そのためlgA腎症の治療として、まず血尿や蛋白尿の改善、高くなってしまった血圧を降圧薬で落ち着かせるといった方法が有効です。
免疫系の異常に対する治療としては、免疫抑制療法を採用することがあります。ステロイド薬や免疫抑制剤を服用することで炎症を抑え腎臓へのダメージを軽減します。
重症なlgA腎症患者に対しては、血しょう交換療法です。これは、血液中の炎症性物質や免疫複合体を除去するために血しょうを交換する治療法です。
lgA腎症で注目される血尿や蛋白尿は、貧血を起こすなどの症状をひき起こします。
そのためlgA腎症の治療として、まず血尿や蛋白尿の改善、高くなってしまった血圧を降圧薬で落ち着かせるといった方法が有効です。
免疫系の異常に対する治療としては、免疫抑制療法を採用することがあります。ステロイド薬や免疫抑制剤を服用することで炎症を抑え腎臓へのダメージを軽減します。
重症なlgA腎症患者に対しては、血しょう交換療法です。これは、血液中の炎症性物質や免疫複合体を除去するために血しょうを交換する治療法です。
治療ではどのような薬が使用されますか?
実際にどのような目的でどのような治療を行うかで使う薬も違ってきます。免疫反応を抑制するため使われるのは、プレドニゾロンなどのステロイド薬です。
ステロイドは炎症を抑え、免疫の応答を調節する作用があります。免疫の活性を抑制するためには、免疫抑制剤が使用されます。
代表的なものとしては、シクロスポリン・アザチオプリン・ミコフェノール酸です。また、IgA腎症には高血圧が伴うことが多いため、降圧薬が処方される場合があります。
こういった薬はそれぞれの症状に合わせて処方されます。
ステロイドは炎症を抑え、免疫の応答を調節する作用があります。免疫の活性を抑制するためには、免疫抑制剤が使用されます。
代表的なものとしては、シクロスポリン・アザチオプリン・ミコフェノール酸です。また、IgA腎症には高血圧が伴うことが多いため、降圧薬が処方される場合があります。
こういった薬はそれぞれの症状に合わせて処方されます。
lgA腎症の予後や注意点
IgA腎症の予後について教えてください。
lgA腎症の予後は、患者の状態によって異なりますが、一般的には、lgA腎症が進行性の病気であることから予後は予測しにくい病気です。
現在が無症状の場合は、他の疾患同様に経過観察になります。IgA腎症が無症状のまま経過することもあり、その場合は、腎臓の機能が長期間安定しています。
現在もなお継続的に血尿や蛋白尿がある場合に考えられるのは、IgA腎症の進行です。その時に行うのは、腎臓の機能低下を極力抑え、病気の進行を抑える治療です。
予後は個人の状態によって一概には言えませんが、進行性の腎機能障害や腎不全のリスクが高まります。lgA腎症が引き起こす可能性があるのは、慢性腎臓病です。
腎機能の低下や進行的な腎不全のリスクがあり、最終的には透析や腎移植が必要になることが考えられます。
現在が無症状の場合は、他の疾患同様に経過観察になります。IgA腎症が無症状のまま経過することもあり、その場合は、腎臓の機能が長期間安定しています。
現在もなお継続的に血尿や蛋白尿がある場合に考えられるのは、IgA腎症の進行です。その時に行うのは、腎臓の機能低下を極力抑え、病気の進行を抑える治療です。
予後は個人の状態によって一概には言えませんが、進行性の腎機能障害や腎不全のリスクが高まります。lgA腎症が引き起こす可能性があるのは、慢性腎臓病です。
腎機能の低下や進行的な腎不全のリスクがあり、最終的には透析や腎移植が必要になることが考えられます。
生活習慣で注意すべきことはありますか?
普段の生活においては、食事の管理が最も重要なポイントのひとつになります。塩分やたんぱく質の摂取量を上手に制限することが大切です。
一般的には、低塩分食や制限されたたんぱく質摂取が期待されますが、自分では管理しにくいという場合はプロの方と一緒にプランを立てることをおすすめします。
lgA腎症で影響を受けやすい血圧管理も普段の生活の中で管理する癖をつけましょう。血圧を適切に管理することは、腎臓の保護に大変重要です。
血圧降下薬の処方だけでなく、適度な運動やストレス管理など、血圧をコントロールするための対策を生活の中に取り入れるようにします。
一般的には、低塩分食や制限されたたんぱく質摂取が期待されますが、自分では管理しにくいという場合はプロの方と一緒にプランを立てることをおすすめします。
lgA腎症で影響を受けやすい血圧管理も普段の生活の中で管理する癖をつけましょう。血圧を適切に管理することは、腎臓の保護に大変重要です。
血圧降下薬の処方だけでなく、適度な運動やストレス管理など、血圧をコントロールするための対策を生活の中に取り入れるようにします。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
IgA腎症は発症するとさまざまな要因が重なって症状が悪化してしまう難しい病気のひとつです。最も重要なのは、医師や医療チームとの定期的なコミュニケーションとフォローアップです。
治療計画とともに生活習慣のアドバイスを提供してくれるかかりつけ医のサポートを受けましょう。
治療計画とともに生活習慣のアドバイスを提供してくれるかかりつけ医のサポートを受けましょう。
編集部まとめ
若年層で発症しやすい病気は、その後の生活習慣でいかに健康的に過ごせるかによって病気の進捗も変わってきます。
また、若年層においては発見が遅れてしまったり、気にしないままに時間を過ごしてしまっていたりした結果、病気が進んでしまうことになりかねません。
周りも含めて気になる症状があれば、すぐにかかりつけ医に相談しましょう。