「敏感肌」の原因・予防法はご存知ですか?正しいスキンケア法についても解説!
近年、敏感肌と自覚する方が増えています。20~50代の8割の女性が敏感肌の自覚があると答えているのです。
敏感肌とはそもそもどのような肌状態なのでしょうか。現在においてその定義は確立されていませんが、肌荒れなどの症状に悩む方は少なくありません。
どのような方でも敏感肌になる可能性があり、普段のスキンケアや食べ物でも予防ができます。原因や正しいスキンケア方法を解説していきますので、是非参考にして頂けましたら幸いです。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
敏感肌の原因や症状
敏感肌の原因は?
また、バリア機能の低下により肌内部の水分も必要以上に外へ出ていきやすくなります。そのため乾燥してカサカサしてしまうのです。特に女性の場合、化粧品・季節の変わり目・生理周期といった体調の変化などあらゆる要因が複雑に関係していると考えられています。
どのような症状がありますか?
- 化粧品がしみてヒリヒリ・チクチクする過敏肌
- 吹き出物などニキビ肌
- 白い粉が拭くなどカサつく乾燥肌
- 炎症によるかぶれ・湿疹の炎症肌
- アトピー肌
上記以外にも、かゆみが出てきた・皮むけし始めた・赤みが出やすい・つっぱり始めたなど敏感肌といわれる肌状態には様々あります。いずれも、肌のバリア機能の低下が関係しています。
敏感肌に注意すべき季節(時期)はありますか?
また、汗をかく季節にも気を付けましょう。汗には塩分・乳酸・尿素といった成分が含まれており、これらが皮膚表面の刺激となりかゆみや炎症を起こすと考えられています。
中には自分の汗に対してアレルギー反応を起こすアトピー性皮膚炎の方もいらっしゃいます。夏は金属アレルギーをお持ちの方にとっても肌が敏感になる季節です。金属と汗が接触することで金属がイオン化し、肌がかぶれやすくなります。
花粉アレルギーの方は、対象のアレルギー物質が飛び交う時期に注意を払う必要があります。
敏感肌の受診や治療方法
皮膚科を受診したほうがよいですか?
アトピー性皮膚炎の場合、皮膚のバリア機能が低下したまま乾燥状態にしておくと症状の悪化や、他のアレルギー疾患へと発展していく恐れもあるからです。対処が遅くなると、治りにくくなります。
どのような治療が行われますか?
アトピー性皮膚炎は皮膚の症状に合わせて外用薬を塗布し、皮膚の炎症が軽度の部位は保湿剤を、炎症が強い場合はステロイド外用薬を使用することが多いです。保湿のみで改善することもありますが、スキンケアの改善や原因を除いても変わらない場合は、ステロイド外用薬と必要に応じて抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬の投薬が薬物療法の基本となっています。
ステロイド外用薬を使用して症状が緩和され始めたら、ステロイド含有量を減らした外用薬または、ステロイドを含まない外用薬に切り替えます。また、ステロイド外用薬の副作用や効果が不十分な場合に、タクロリムス軟膏外用薬もアトピー性皮膚炎の治療に使用されるようになりました。
敏感肌の対策と予防
敏感肌を予防する方法はありますか?
紫外線が肌に悪影響であることはご存知の方も多いと思いますが、実は日焼けをすることでも肌のバリア機能が低下し、外部からの様々な刺激に弱くなってしまいます。紫外線は1年中降り注がれていますので、特に外出時は日焼け止めを必ず塗るなど紫外線対策を心掛けましょう。敏感肌の方はノンケミカルタイプで紫外線吸収剤を含まないものを選ぶとよいです。
また、急な気温差も肌が敏感になる原因になりますので、例えば暑い屋外からエアコンのきいた室内への移動時など、体温調節の対策をするとよいでしょう。
正しいスキンケア方法を教えてください。
洗浄後は肌の水分が蒸発しやすいため、時間を置かずに保湿ケアをしましょう。化粧品はご自身の肌に合う低刺激のものを使用し、外出の際は日焼け止めや日傘など紫外線対策を行います。
直接肌に触れる衣類も気を遣う必要があります。例えばナイロンやウール素材などの化学繊維は肌にとって刺激になりやすいです。コットンやシルクは肌にストレスを与えず優しい素材なのでおすすめです。
敏感肌におすすめの食べ物はありますか?
ビタミンAは皮膚免疫機能を向上させます。レバーをはじめ緑黄色野菜や卵にも含まれており、不足すると皮脂腺の機能が低下し乾燥したり、角質層が厚くなり毛穴が詰まるなど肌荒れしやすくなったりします。
また、ニキビや吹き出物に悩む方は、ビタミンB群とビタミンE・食物繊維を摂りましょう。ビタミンBは納豆やお肉・お魚・乳製品に多く含まれています。ビタミンEを含むナッツ類や、食物繊維を多く含む大豆・海藻・キノコ類・野菜をしっかり摂取すると便秘の改善により肌荒れに効果的です。
逆に、アルコールや辛い食べ物・カフェインは皮脂の分泌を招きかゆみを誘因することがありますので注意が必要です。
日常生活での注意点を教えてください。
また、肌は摩擦に弱いためナイロンタオルなどでゴシゴシ洗ったり、体をバスタオルでこするように拭いたりといった行為は、肌表面が傷つき余計に刺激となります。さらに入浴後は急速に肌の水分が蒸発してしまうため、なるべく早く保湿することが望ましいです。
また汗の中にはかゆみ成分が含まれているため、汗をかいたらすぐにシャワーで流しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
ひざ下や腰回りなど体のあらゆる部位に乾燥を感じやすくなっていきますので、季節だけでなく年齢に合わせて保湿をする範囲も臨機応変に変えていきましょう。炎症が起きたりいつもと違う違和感を覚えたりしたら放置せず、症状は人それぞれ異なりますので自己判断することなく一度皮膚科へ相談することをおすすめします。
編集部まとめ
敏感肌に共通していることはバリア機能の低下です。普段の洗顔や入浴時の行動も少し見直すことで肌への負担を減らし、軽快へ向かう可能性もあるのですね。
最近は体が濡れたままでも使用できるボディクリームが市販されており、皮膚が乾く前の対策として大変便利です。乾燥させないことが何より大切です。
女性だけでなく男性もスキンケアに気を遣う時代ですので、性別や年齢に関わらずご自身のお肌を優しく気遣い、正しいスキンケアを是非今日から実践していきましょう。