「冷え性」が女性に多い原因・予防法・食事の注意点はご存知ですか?医師が監修!
冷え性は女性に多いことで知られていますが、具体的な症状・種類についてご存じでしょうか?実は冷え性にはいくつか種類があり、それぞれに応じた症状が現れるのが特徴です。
また、冷え性に悩む女性は多いですが、具体的な対処法や受診すべき医療機関などを知らない方が大多数だといえます。
この記事では冷え性の原因・治療法・食事で気を付けるべきことなどについて解説します。特に冷え性の症状がひどい方はこの記事を読んでいただくことで冷え性を改善できるはずです。
冷え性に関する理解を深め、対策に生かしていただければ幸いです。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
冷え性の症状や原因
冷え性の症状を教えてください。
そもそも人間の体は気温・湿度に合わせて毛細血管・筋肉などが調整される仕組みになっています。冷え性の方はこれらの仕組みが上手く働いていない状態といえます。
冷え性にはどのような種類がありますか?
- 末端の冷え性:手足が冷たく感じる冷え性です。一般的に多くみられる典型的な冷え性が末端の冷え性だといえます。
- お腹の冷え性:胃腸などの冷え性です。胃腸が冷えることで下痢を起こしやすくなります。
- 冷えのぼせ:足腰が冷たく、上半身は火照って汗ばむ症状です。更年期障害の女性に多くみられる症状といえます。
冷え性の原因を教えてください。
- 末端の冷え性:基本的には末端の血流が悪くなることで起こります。そのため運動などで血流を改善すれば基本的に改善できる症状です。
- お腹の冷え性:冷たい食べ物・飲み物を摂り過ぎると起こります。お腹の冷え性で悩む方は、冷房などに当たりすぎると下痢などの症状を起こしやすい傾向にあります。
- 冷えのぼせ:メンタル面のストレスなどが原因と考えられています。また、更年期障害などによる自律神経の乱れも冷えのぼせにつながる主要な原因です。
上記のほか、神経の働きの低下・筋肉量の不足・病気などが冷え性の原因として挙げられます。特に筋肉は熱を作り出す重要な部分であるほか、自分の努力次第で増やすこともできるので、冷え性の改善に着手する切り口として即効性があるといえます。
冷え性が女性に多い理由を教えてください。
また、女性は血流を左右する心臓のポンプ作用が弱く、末端に行き届かないことも冷え性と関連があります。そのほか、ホルモンバランスの乱れ・自律神経の乱れを起こしやすいのも冷え性につながる女性の特徴です。
更年期障害による自律神経の乱れは既に述べましたが、実は思春期においても自立神経が乱れる傾向にあるのです。これらさまざまな理由で女性には冷え性が多く、冷え性に悩む方の割合は実に女性の54%だといわれています。
冷え性の診断や治療方法
冷え性は何科を受診すればよいですか?
ただし冷え性の原因はさまざまで、上記で述べた更年期障害・自律神経の乱れなど、女性特有の原因によるものもあります。
また、冷え性がひどい場合は精神面での不調も原因として考えられます。その場合はメンタルヘルス専門医の受診も視野に入れて検討するとよいでしょう。
冷え性はどのように診断されますか?
気とは生命エネルギーのことで、気・血・水の3つのバランスが崩れると病気になるとされています。具体的に冷え性の診断においては、舌の状態・腹部の緊張・脈などを観察しながら行われます。
医療機関ではどのような治療を行いますか?
これらは食材として料理に使うよりも、蒸す・乾燥するなどして調合された漢方薬として飲む方が温める効果が高いとされています。
一方で漢方では治らない冷え性もあります。それは動脈硬化などにより血流に支障が出ているような冷え性です。歩けなくなるほど足が冷えている場合はその可能性が高いといえます。その場合は漢方では対処できず、西洋医学的な外科手術などが必要となります。
冷え性の予防や食事
冷え性を予防する方法はありますか?
そのほか、生活習慣の改善としては運動も挙げられます。ウォーキング・ストレッチ・筋トレなどが代表的ですが、運動そのものには自律神経を整える働きがあります。また、熱を発する筋肉の量も増えていくので、一石二鳥です。
食事で気を付けるべきことを教えてください。
特に夏野菜は体を冷やす効果があるとされており、その特徴ゆえに夏バテ防止に有効な食材なのです。体を冷やす食べ物は避け、先述したビタミン類など、体を温めるサポートとなる栄養素を積極的に取り入れていきましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
その東洋医学で生み出された漢方薬は、冷え性に最も有効な治療法です。冷え性に悩んでいる方は漢方内科の受診を検討するのがよいでしょう。ただし歩けないほどの冷え性だと、動脈硬化などによる血流への支障が出ている可能性があります。
その場合は漢方薬ではなく、血管を拡張するなどの外科手術が必要になってくる場合もあります。いずれにしても一人で悩まず、医療機関を受診して判断を仰ぎましょう。
編集部まとめ
この記事では、冷え性の原因・治療方法・食事で気を付けるべきことなどについて解説しました。冷え性は体温が低いということではなく、本人の感じ方で決まるのが特徴です。
冷え性の原因は部位・症状によって様々ですが、特に多くの方が悩む末端の冷え性が起こる原因は血流の悪化です。そのほか、体を冷やす食材を食べたり、自律神経が乱れたりすると起こる冷え性もあります。
冷え性の治療方法として有効だとされているのは漢方薬です。主な材料にはにんじん・しょうが・にんにくなどがあり、これらは調理して食べるよりも、漢方薬として調合して飲む方が体を温める効果があるとされています。
また、食事で気を付けるべきこととして、体を冷やす食材を避けることを紹介しました。代表的なものはきゅうり・なす・キャベツ・ほうれん草などです。
冷え性は辛い症状ですが、必ず原因と改善方法があります。この記事が冷え性を改善する一助となれば幸いです。