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「頭部粃糠疹(ふけ症)」の症状・原因・対策はご存知ですか?医師が監修!

 更新日:2023/04/26
「頭部粃糠疹(ふけ症)」の症状・原因・対策はご存知ですか?医師が監修!

ふけが大量に排出された場合、体質だと見過ごしていませんか?実は、頭部粃糠疹(とうぶひこうしん)という病気の可能性があるのです。

聞きなれない言葉ですが、原因は様々で実は我々の生活習慣と大きく関わっており、うかつに見過ごせない病気の可能性もあります。

今回は、頭部粃糠疹によるふけについて詳しく解説します。ぜひ、最後までご覧ください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

頭部粃糠疹の症状と原因

後頭部

頭部粃糠疹はどのような病気でしょうか?

頭部粃糠疹は、頭皮における皮膚病の一種です。一言でいうと「ふけ」のことで、頭皮の乾燥・炎症・過剰な皮脂分泌・カビや細菌の感染が原因で引き起こされます。
主な症状は、頭がかゆくなる・白色のふけ・頭皮の赤み・炎症などです。
症状が軽度である一方、一部の人では重度である場合もあります。頭部粃糠疹の治療には、シャンプー・抗真菌薬・ステロイド軟膏・抗生物質などがあります。
しかし、症状が治まらない場合は、専門家のアドバイスを求めることが重要です。

症状を教えてください。

頭部粃糠疹の症状には以下のようなものがあります。

  • 頭皮のかゆみ
  • 白色のふけの発生
  • 頭皮の赤みや炎症
  • 皮膚の乾燥や粉状の皮膚片が頭から落ちる
  • 頭皮の脂漏性皮膚炎(ふけ)の悪化
  • 頭皮の傷口やかさぶたができることがある
  • 髪の毛や頭皮の油脂が増加することによる、頭髪の油っぽさやベタつき感

これらの症状が、頭部粃糠疹の特徴です。症状の程度に個人差はありますが、症状が重度である場合は、かゆみや炎症による不快感が生じることがあります。
症状を軽減させるためにも、定期的な頭皮ケアを行いましょう。ケアを続けても症状が改善されない場合は、医師や皮膚科専門医に相談してください。

ふけにも種類があると聞きましたが…。

ふけにはいくつかの種類があり、代表的なものには以下のようなものがあります。

  • 乾性ふけ
  • 脂性ふけ
  • 色素沈着性ふけ
  • 湿疹性ふけ

これらの種類の中でも、乾性ふけと脂性ふけは比較的一般的なふけのタイプです。
頭皮の乾燥・頭皮の過剰な皮脂分泌・頭皮の炎症などが原因と考えられます。まれに、色素沈着が生じて白いふけの代わりに、黄色または茶色のふけが発生しますが、こちらも問題の根本は同じです。
また、アレルギーやストレスなどが原因で頭皮に湿疹ができることもあり、ふけとなって症状が現れます。
ふけが出ている場合には、症状に合わせた対処法を選択することが重要です。皮膚科専門医に相談して、正しい治療法を受けることをおすすめします。

頭部粃糠疹の原因は何でしょうか?

頭部粃糠疹の原因は、複数の要因によって引き起こされることが知られています。以下で紹介するのは、頭部粃糠疹における一般的な原因です。

  • 皮脂の過剰分泌
  • マラセチア菌感染
  • 頭皮の乾燥
  • ストレス
  • 洗髪不足

頭皮の過剰な皮脂分泌・頭皮のマラセチア菌の異常繁殖・乾燥・ストレスは頭皮に炎症をもたらします。また、頭皮や髪の毛の洗浄不足は皮脂や汚れを頭皮にためてしまうことも、炎症の原因です。これらの炎症によって、頭部粃糠疹が引き起こされることがあります。
炎症が長期間続く場合は、医師や皮膚科専門医に相談することが必要です。

頭部粃糠疹の治療

内服薬

頭部粃糠疹は何科を受診すれば良いでしょうか?

頭部粃糠疹の治療は、皮膚科を受診することを推奨します。皮膚科専門医は、頭部粃糠疹の症状に精通しているため、適切な診断を行い治療法の提供が可能です。
診療の過程で、症状が重いと診断した場合は、内科医やアレルギー科の専門医を紹介することもあります。また、無理に自己判断で治療せず、皮膚科専門医に相談しましょう。

どのような検査を行いますか?

頭部粃糠疹の診断には、主に以下のような検査が行われることが一般的です。

  • 視診
  • カメラ検査
  • マラセチア菌検査
  • 病理検査

最初に頭皮の視察を行いますが、症状に応じてカメラ検査・マラセチア菌検査を行います。
頭部粃糠疹が治療しても改善されない場合、病理検査を行って、病気の原因を特定します。
これらの検査を適切に選択できるのは、皮膚科専門医です。検査結果を受けて、適切な治療法を導きます。

治療方法を教えてください。

頭部粃糠疹の治療方法には、以下のようなものがあります。

  • 外用薬の使用
  • 内服薬の使用
  • ライト療法
  • 衛生対策

外用薬として、抗真菌薬やステロイド剤を含む薬剤を使用します。クリーム・ローション・シャンプー剤などを使用し、頭皮に直接塗布することで白癬菌の繁殖を抑制し、最終的には消滅を狙うものです。
内服薬として、抗真菌薬が使用されます。重症の場合や外用薬のみでは治療が困難な場合には、内服薬が処方されることもあるのです。
頭皮を紫外線に照射することで、白癬菌の増殖を抑えます。一般的には、外用薬と併用することで、治療効果を高められます。頭部白癬の感染を防ぐためには、衛生対策が最も有効です。
清潔なタオル・ヘアブラシの使用・帽子の洗濯・消毒・共用品の共有を避けましょう。治療期間は、症状の程度によって異なりますが、数週間から数か月かかることがあります。
治療中に症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は、すぐに皮膚科医に相談することが重要です。

頭部粃糠疹の対策

シャンプー

頭部粃糠疹は完治しますか?

頭部粃糠疹は適切な治療が行われると完治することがありますが、病気の状態や個人差によっては再発の可能性もあります。特にマラセチア菌が原因の場合は、再発の可能性が高く、定期的にフォローアップを行いましょう。
万が一、頭部粃糠疹が治療に反応しない場合や症状が悪化する場合は、病理検査も必要です。病気の原因を詳しく特定するためにも欠かせません。
頭部粃糠疹の治療においては、継続的なケアが重要です。
治療期間中は、定期的に医師または皮膚科専門医の指示に従い、薬の使用や治療方針を調整する必要があります。
治療後も、再発を防ぐために適切なケアを継続することが重要です。

自分でできる対策があれば教えてください。

頭部粃糠疹の症状を緩和するために、以下のような自分でできる対策があります。

  • 適切なシャンプー
  • 頭皮の清潔を保つ
  • ストレスを減らす
  • 健康的な食生活
  • 適切なヘアケア

マラセチア菌による頭皮粃糠疹は、マラセチア菌を減少させるため、専用の薬用シャンプーが効果的です。かといって頭皮の皮脂を落とし過ぎることも避けなければなりません。頭皮に優しい低刺激のシャンプーを選びましょう。
頭皮を清潔に保つことも有効な対策で、感染症や炎症のリスクを減らせます。毎日シャワーを浴びる・タオルで頭皮を拭くことで、頭皮を清潔な状態に保ってください。ストレスもまた、頭部粃糠疹の症状を悪化させることがあります。ストレスを軽減するために、趣味を持つ・運動する・十分な睡眠をとるなど、生活にゆとりを持つことを心掛けてください。
同時にバランスの取れた食事を心がけることで、より頭部粃糠疹の症状を緩和できます。
特に、ビタミンB群や亜鉛を含む食品を摂取することは、おすすめです。ブラッシング・コーミングは、頭皮を傷つけることがありますので優しく行い、頭皮に刺激を与えないように注意しましょう。
自己判断で対策を行う前に必ず皮膚科専門医の診断を受け、指示に従って対策してください。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

頭部粃糠疹を単純に「ふけが多いだけ」と自己診療で捉えないでください。原因・理由によっては、他の病気を患っている可能性があります。
「頭皮のふけが多いのは体質だから」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
特に中高年になると先入観から、症状を見過ごす傾向にあり、注意が必要です。
病院との正しい付き合い方は、「念のため病院を受診したが、異常なし」といえるでしょう。ふけだからと、甘く考えずに積極的に医師または皮膚科専門医を受診してください。

編集部まとめ

医師
今回は、頭部粃糠疹について紹介しました。頭部粃糠疹とは、頭皮に関する皮膚病で、ふけ・かゆみ・赤み・炎症などです。

ふけにも様々な種類があり、原因に応じたふけがでやすくなります。皮膚科専門医であればふけの状態から診断が可能です。

頭部粃糠疹の主な原因は乾燥・過剰な油脂分泌・カビなどの真菌が原因となるため、単に頭皮を清潔に保つだけでは対策としては不十分です。

ストレスが原因で免疫力が低下することも原因であるため、注意が必要です。

治療に即しては、一般的には皮膚科を受診してください。様々な検査をおこない、結果を受けて治療方針を確定します。

主に内服薬・外用薬の投薬治療を中心に行いますが、症状の改善が見受けられない場合は、他の病気の場合もあるため病理検査にて原因の特定を行います。

自分でできるケアとして、適切にシャンプーにて、頭皮の状態を清潔に保つことが有効です。

他にも、ストレスを軽減する・食生活と生活習慣を見直すことも、おすすめします。

どのようなケースにおいても、自己診察を行わず、早期に医師または皮膚科専門医を受診してください。

この記事の監修医師